富士山

富士山

2014年8月31日

いしつかみちこ

東京駅6:56(こだま633)発→新富士宮8:07着 (バス)8:30発→富士宮五合目10:20着

登山口10:30スタート~六合目10:45~新七合目11:15~元祖七合目11:30~八合目11:55~

九合目12:15~富士宮本宮浅間大社奥宮13:05~剣が峰13:20~富士宮本宮浅間大社奥宮

(下り)13:45スタート~八合目14:10~六合目15:10~登山口15:10 バス乗り場15:30出発

目覚めると、急に思い立った。

「あれっ、登山ルート変更したらどうかな・・・」

当初は、御殿場コースを予定していた。しかし、前夜の天気予報、そして当日の予報ともあまりよくない。つい先日、槍穂山行で悪天候に泣かされたばかりだったので、この日の予報に気分が落ち込む。この度の富士登山は私にとって、フィナーレ的な華々しい山行を描いていた。5年前から抱いていた、3000m級達成の最後の山であった。何度も描いていたはずの夢の大舞台である。それが・・この天気。日をずらす。しかし明日からは9月。夏富士は終わり。来年。いやいや、今年で一区切りつけたかった。だから、行くしかない。御殿場ルートは登り11キロ。標高差2275m。ちょっとした登り涯がある。いろんな事を思いながら、テクテク歩こうと楽しみにしていた。下りも大砂走りルートで思いっきり駆け巡ろう、そうワクワクしていた。日本一高い頂上。恥ずかしくてもいい、最高のポーズを撮ろう!そう、描いていた。

の、はずだったが・・・曇り時々霧。翌日、曇り時々雨。なんなのー(涙)

急遽、最短の富士宮ルートに変更した。慌てながらバス時間等印刷し、家を出発。

新幹線に飛び乗り、バスに揺られ・・富士宮五合目登山口に到着。

たくさんの人で、賑わっていた。家族連れや、外人さんなども思ったより多かった。

さあ、出発だ。ぶちぶち言わず、歩こう。さあ、行くぞ!

この最短コースは登り5キロ。標高差1315m。御殿場ルートの半分である。4つのルートがあるのだが、二番目に人気のあるコース。そう、ここは初心者コースである。

頂上までの区間、途切れることのないロープ。ここでは霧でも道迷いなしであろう。小刻みにある山小屋。トイレや水の心配もない。そんな優しい登山道を登って行った。混雑していたけれど、もじもじ後ろに付いて行ったら日が暮れそうだったので、ワサワサ登った。一人だったのでしゃべらなかった。しゃべる相手もいない。道行く人たちは、ダウンを着用していたり、あったかい格好をしていた。時折「あー寒い」まで聞こえた。なのに、私は汗だく。髪が汗に覆われ、半そで姿。もっとゆっくり歩けばいいのに(雨がふらないうちに、雨だけは勘弁して~)いつの間にか、歩きに拍車がかかっていた。

①IMG_3649

②IMG_3640

気づけば頂上。最高峰の剣が峰には沢山の人。記念写真待ち。割り込んだ覚えはないが、すぐに写真を撮ることが出来た。恥ずかしくたっていい、と思っていたがギャラリーがやたら多く、大人しいポーズしか撮れなかった。

富士宮本宮浅間大社奥宮で、しばしの休憩。昼の1時半。おにぎりを食べた。辺りを見渡すと奥宮では冬支度の作業をしていた。目の前の富士館は既に休業。来年の夏まで、ここは凍りつくのであろう。夏のほんのひと時の賑わい。今日で終わりだ。

霧で展望は全く見えなかった。本来なら、仲間たちが歩きぬいたアルプス山脈が見渡せるはず。しかし、全く姿を見ることは出来なかった。その霧の中から、ヘリコプターの音だけは、元気よく聞こえてくる。ちょうど(24時間テレビ愛は地球を救う)と言う番組で、富士登山をやっているみたいだ。隣で話しているのが聞こえた。TV中継みてみたかったけど、叶わず終わった。

計画では、朝早起きし、ご来光を堪能。そして、お鉢めぐりをして楽しむはずだった。

しかしこの天気。何も見えない。お鉢めぐりも意味がない。頂上にも行った。明日の朝方は雨。だったら、このまま下山しよう。申し訳なかったが、山小屋にキャンセルの電話をし、来た道を降りた。北稜下りというのか、すいすい下りて行った。しゃべらないと、こんなにも歩きに夢中になるのか、トレラン(誇張)選手のようだ。だけどもつまらない。やはり私は、しゃべる方が性にあっている。何だかつまらない。

富士山。これを期に何度も登ろうと思う。本来ならば素晴らしい感動的な風景が楽しめるはず。だからこんなにも多くの人が押し寄せる。次回に期待している。しかし、もう一人では来ない。富士山は、みんなで楽しむ憩いの場に感じた。

そんなこんなで、登山口に到着。バスに乗り込み、新富士宮駅に向かうのであった。

この夏、私の中の縦走に一区切りがついた。終わってみるとあっけないのだ。

ポカンと、心に穴が空くかと思いきや、心は新たな思いに、まっしぐらである。

さあ、今度は何年かかるやら・・・。