きのこ採り沢 福島県滑谷沢

●期日:2013年10月12日 ~14日
●参加者:ハギCL、えび、こば、つりし(記)
●行程:
11日:王子出(22:30)→東北道福島飯坂ICを経て峠駅着(26:00)幕営
12日:峠駅(7:00)→東栗子トンネル登山口(8:00)→烏川入渓(10:00)→滑谷沢出合(12:50)→二俣幕営地BC(15:30)(内きのこ採り時間2hほど)
13日:BC(8:00)→滑谷沢右俣(8:05)→奥の二俣(10:00)→BC(12:00)
(当初予定は栗小山に詰め上げ三本松沢下降であったが雨天の為BC往復に変更)
14日:BC(7:10)→滑谷沢左俣(7:15)→裏見の滝(8:20)→大平橋(9:20)→登山口(12:30)

●記録:
東北自動車道の福島飯坂ICを出るとまさかの本降り、はじめ登山口のある東栗子トンネルの出口脇で幕営をする予定であったが、(車のトンネル通過音が大きく幕営は不向き)雨がしのげるところということで、そこから40分ほど走った米沢の旧峠駅跡地で幕営する。
軽く飲んで3:00就寝し朝はゆっくり寝坊する予定であったが、5:40テント横の車の防犯ベルが突然鳴り出し飛び起きる。
外に出ると誤作動でしたと車の主が平身低頭、また峠駅自体も深夜の保線工事の音で度々目が覚め、みんな寝不足気味である。

ともあれ車でまた40分ほど走り栗子トンネル脇のスペースに駐車、登山道の看板がある工事現場内を通って林道を進む、最後のほうにある二つ小屋トンネルは崩壊が激しく要ヘッデン、林道も四駆で通れるかどうかかなり微妙である。

トンネル出現
トンネル出現

2時間ほど歩いてコンクリートの烏川橋を少し超えたところから入渓し烏川を下る。
沢は高低差がなくサラサラとおだやかに流れている、特にザイルを出すようなところもないが苔が滑るため、一人アクアステルス底であったコバさんは少々歩きにくそう。

途中、倒木に楢茸の群生が何箇所も出てきて収穫しながら沢を歩く、キノコはその後の最終日までスギタケ、くりたけ、うすひらたけ、ぶなはりたけ、サンゴハリ茸、センボンイチメガサ、エゾハリ茸を食べられる量だけ採取した。
このようなきのこ採りができるのも、今年入会したコバさんのおかげである、その収穫の仕方はとても慎重で、すでにわかっているキノコでも複数のキノコ図鑑で念入りに再確認し、そして少しでも自信がないものは食べないことを徹底しているので、とても安心して食べられる。
それにしても、とれたてのキノコは美味しい。(*エゾハリ茸だけは固くて今一)

キノコ鑑定中
キノコ鑑定中
楢茸群生にご満悦のリーダー
楢茸群生にご満悦のリーダー

10:00滑谷沢の出合いに到達、水量が一気に多くなり、ところどころ出てくる深い釜のへつりはこの時期、落ちると震えるほど寒いのでとってもスリリング、また雨足が段々強くなって本降り状態に沢水は茶色になり少し増水してるが、このくらいの雨だと周囲は保水力がある森であるので一気に増水することは少ないのかもしれない。
途中、幕営できそうな平地が何箇所かあるが、今一決め手に欠けるので、大雨の中我慢し遡行を続けると、15:00二俣手前に素晴らしい幕営地出現、ありがたいことにブルーシートがデポしてあったのでそれをタープ代わりに設営しその下で焚火をすることにした。
冷え切った体でようやく集めた薪は水浸しで着火困難と思われたが、エビ火付責任者が一発で着火させる、去年からメキメキ腕をあげ今やすっかり焚火有段者である。
さて焚火が安定すると、ここからはコバ料理長の独断場である。
まずは前菜・食前酒としてクラッカーにたっぷり塗った山葡萄ジャムと山葡萄漬けのバーボンが厳かに出てくる、山葡萄は前にナラマタ沢行でとったものを料理長がジャムとバーボン酒漬けにしたもの、その気品あふれる素晴らしい味に皆が唸る、いまここに幻のレストラン「ブルー・ラ・シート」が出現した。
大蒜ホイル焼き、なすときのこの大根おろし煮、ミョウガ生姜味噌、仙台油ふとキノコの甘辛煮、一人150gもある鶏肉とキノコとトマトの悪魔風炒めなど、素晴らしい料理の数々に赤ワインとビールがガンガン進む。
前日ほとんど寝てないので珍しく私は21:00にテントに避難、流石にこの時期はシェラフカバーだけだと寒いので、夏用シェラフ+カバーで寝たらとても快適であったが、ダウン上+象足+カッパ+シェラフカバーでも寒くなかったようである、こちらのほうが缶ビール1本位追加できたかも。

至福の時間
至福の時間

あくる朝、寝ぼけ眼でエビマスターが入れてくれた本格ドリップコーヒーを飲んでいると、雨が本降りになってきた、ハギCL悩みに悩んだすえ、本日停滞して、もし天気が回復したら右俣を奥の二俣まで往復に切り替えるという決断をする。
本日雨でもブルーシートが張ってあれば焚火宴会ができるのでひと安心??
雨が少し上がり始めたので8:00に出発 変更通り右俣を上がる、滝がぽつぽつ出てくるが難しいところはしっかりとした巻き道あるので容易、また落ちなければ濡れても膝上あたりくらいで済むので、秋の沢としてもとても良い場所である、いろいろ調査して選んでくれたハギCLに感謝である、また魚は多く走ったが、サイズがあまり大きくないのと、巻き道がしっかり付いていること、幕営地のデポ品などを考えると、9月禁漁時期までは釣り人が多く入る沢であるのではないかと思われる、ちなみに今回沢中で会った釣り人は居なく沢登の2人組だけであった。

どぼんしないよう慎重に登る
どぼんしないよう慎重に登る

予定とおり往復してBC13:00頃帰還、余った期限切れのコンビニ御握りときのこをぶっこんで作ったきのこ雑炊が旨い。

さて今夜は今季沢中での最後の焚火宴会でもある、そんなみんなの気持ちを代弁するかのように、燃やすのに時間がかかりそうな太い薪がたくさん集まる。
暗くなるのが待ちきれずに熱燗「ぷわー」 あてはきのことわかめの酢味噌和え、ワカメの山葵醤油漬け、体がすっかり暖まりビールに変更するとつまみもウインナーときのこの炒め物、大蒜ホイル焼き、きのことねぎのホイル焼きと合わせてくる敏腕料理長、今夜のメインディッシュであるハギCL特製大盛きのこクリームシチューを食べその優しい味に浸っていると、今度は料理長が丸々太った尺ベーコンをとり出し、ベーコンの端を切ってキノコと炒める、旨すぎる。
お腹がきつくなってくるが、米は別腹という乱暴な意見に押されビリー缶に米4合+山盛キノコに醤油を適当にかけて焚火に放り込むと、30分で素晴らしいキノコ飯の出来上がり、「これは凄いよ」とおこげも綺麗にこそぎ落として食べるお腹一杯なはずの欠食大人達。
いよいよ宴も終盤となり最後はウイスキーでちびりとなると、いよいよ先ほどのベーコン塊のご登場、真っ赤な火で炙ると、溶け出した脂がとびちり、あつあつをまな板の上でじゅっと厚切りにして、口に放り込むと「はふほふ、脂じゅわー」あーなんて幸せなのかしら・・
そんなこんなんで、深夜就寝、その夜体脂肪率が10%増えた健康診断書を医者から渡された警告的な夢を本当に見てしまった。

翌朝は大快晴、大盛きのこラーメンを食べ7:00出発、途中 スダレ状滝や裏見の滝、ナメ滝が出てきて綺麗、しかし困難なところはなく、間違いなく初級癒し沢である。

スダレ状滝
スダレ状滝
うらみの滝通過中
うらみの滝通過中

両岸にある低いぶなの森に日が差し込み、木漏れ日が沢に反射してなんとも素晴らしい。
9:20 大平橋到着、大変名残惜しいのだが陸に上がる、帰り道は山ぶどうを採り食べながら歩き、お土産と山栗、きのこなどを採取する、秋の歩行時間はいつもより余計かかることを勉強し12:30登山口に無事に到着、おかげで良い沢納めになりましたとお互いに感謝の握手を交わす。

帰りの風呂は偶然見つけた飯坂温泉共同浴場(あとで調べると同じような所が温泉内に9箇所あるとのこと)、こじんまりだが100%かけ流し、風呂代200円+石鹸別売り50円也、熱い風呂と温い風呂と別れているが両方とも46度、地元の人は熱いのがお好みとかで、風呂場には風呂めぐりの地元以外の方が来たら温い風呂釜は43度に下げてあげましょうと書いてある。
ちなみに私も熱くて入れずに親切な地元の方に加水してもらい入りました。
東北福島は人も自然もとても優しく、また良い仲間に恵まれ最後までとても癒された沢旅ができましたハギリーダー、えびちゃん、こばさんありがとうございました。
また来年もこんな感じなのを是非やりましょうね。

癒されました
癒されました