シュラフカバー


 シュラフの上にかける(シュラフに入ってから更にまたはいる)シュラフの抜け殻のような袋である。防水性と保温性をシュラフに与えるもので、どんなに高級なシュラフを使用しようとも防水の点で冬は必携である。似たような形のシュラフシーツなるYHを利用する人には馴染みの深いものがあるが別物である。

シュラフカバー ICI石井オリジナル

 シュラフは独逸語の略であるしカヴァーは英語なのでスリーピングバックカヴァー、もしくはシュラフザックザックと言うのがスジかもしれないが、とりあえず呼び馴れているのでシュラフカバーと呼ばせていただく。

 これは、前述したとおりシュラフにはない防水性とさらなる保温性を(とても一介の公務員たる私には縁のない、もしくは欲しいとも思わないゴアテックスのシュラフなどというものもあったが)与えるもので、3季用シュラフでも冬季に使用できるようにする偉大な装備である。

 以前はナイロン地の2重(1重・シングルのものもあった)になったダブルヤッケのようなシュラフカバーが全盛であったが、こいつがまた防水性、保温性は申し分ないものであったが、その完璧な防水性故に非常に蒸れて結露し、朝方になるとシュラフとの間に雪のように氷が溜まるという代物で、天幕内が暖まらないうちにこいつをどうにかしないとシュラフが濡れるという厄介な物であった。シュラフが薄かったり、気温が高いとそんなことをする前に目覚めとともにシュラフはしっとりとしてくれる。

 今でもナイロン製の物は時々見かけると思うが、すぐ隣にはゴアテックス製の物も必ず置いてあるはずである。値段は一桁違うことと思うが、絶対にゴアテックス製を買わなければいけない。うっかりナイロン製に手を出しそうになったら上記の赤字の事項を必ず思い出して踏みとどまって欲しい。以前、エントラント製の物も使ったこともあるが、ナイロン製ほどではないにしろ蒸れた。

 ファスナーがついている物は暑いとき(贅沢だ!)には便利そうだが、保温性が落ちそうな気がするし、がちゃがちゃするし寝る前の非常に大変な運動の手順が一つ増えるだけだし、かさばる原因にもなるので個人的にはない方がいいと思うが、便利だと思う人にはあった方がいいかもしれない。その程度のものだと思う。

 また、無雪期にはシュラフとして使用する人も多い。


(H12.1 岡田)