湯河原幕岩 「次はイレブンだぁ〜!」の巻


1997816() 天候 曇のち雨
メンバー 水野二朗、中村

 休みが合わずに合宿に参加できなかった二朗氏と、休みの都合はどうにでもなるのに犬に噛み付かれたお陰で合宿に参加できなかった私とで久々に幕岩へ行った。(あの辺り一帯は「幕山公園」となってすっかり様変わりしているのには驚いた。「民話の館」とか言う建物が出来ていて、午後7時からお話を聞く会なんかやっているらしい。)

 ヤブ漕ぎは大っ嫌いだ、ということで軟弱な2人は正面壁には行かず茅ヶ崎ロックへと向かい、体慣らしにシンデレラ(5.7)をリード。久しぶりの幕岩なので足許が何とも心もとない。

 次いでピーターパンロックへ。ピノキオ(5.10a)をそれぞれリードし、ピーターパン(5.10d)にトップロープを張るが「全盛期に1度だけ行けた…。」と二朗氏。確かにかぶっていて威圧的だ。
1回目二朗氏、ハングの乗っ越しまで至らずペケ。
2回目は私、ハングの右に出張っている岩を掴めば、と思うもこいつがあまり効かずダメ。
3回目二朗氏、さっきと同じところでギブアップ。
4回目の私、先ほどの出っ張っている岩の少し上の岩を掴んでみたらまあまあ効いているので、トップロープの気安さもあって左足をハング下の窪みに押し付け、右足を何もないところに擦り付けてみたところ、アンダーで身体を支えていた左手の負担がなくなった。チャンスと思い左手を上に伸ばすと指先がかかったので、素早く左足・右足の順でハング下の窪みに足を運ぶと、左手が離せるようになった。そこで、すぐ上のガバに持ち替えると身体が安定し、右足がハング上のスタンスに届いた。と、それまでかかっていた両手への荷重が一挙になくなり、全身がハングの上に出ていた。やった、やった…。(ホントは何回かテンションかけたけど…。)

「くやしーよー!やっぱり午後もこれをやろう!」と二朗氏。最初はここを(どうせ登れないから)23回やって下へ行こう、ということだったが昼食後もこのピーターパンに出撃!となった。

 先ほどと違って今回は気合が入っている二朗氏。ハングの右に2つ出っ張っている上のほうの岩を右手で掴み、何もないところで足をクロスし微妙なバランスで立ち込んでいる。その態勢からリーチを生かして左手を伸ばすとハング上のホールドに指がかかり乗っ越しの体勢に入る、が引きつけられなくて惜しくもフォール。
充分腕を休ませてから再びトライ。さっきと同じ態勢から今回は左手を、その少し上のガバまで上げる事ができ見事にクリア。(その後、私も2回トライし1回クリア。)雨が本降りになってきたのでこれでおしまいとする。
トップロープとはいえ5.10d(UIAAだとZ+)をクリアした2人は上機嫌で、「次ぎはイレブンだぁー」とか「来週も幕岩に出撃だ!」「秋まで通い詰めよう!」と雨の中を傘もささず、??もちろん雨具の用意などという殊勝な心がけをこの2人に期待してはいけない!?? 意気揚々と下山していったのであった。

今回の教訓 山登りでは強いモティヴェーションを持つことが雨具よりも大切だ!