丹沢 新茅ノ沢

 山行ご報告        吉田 佳代


 
期  日:1998年11月8日(日)
メンバー:中村 孝、武藤良紀、吉田佳代
天  候:晴天

 
タ イ ム:大倉(9:30)−新茅ノ沢入り口(11:00)−烏尾山(14:00〜14:30)−三ノ塔(15:00)−大倉(16:50)

 
 大倉バス停から林道を1時間ほど歩いたところで新茅ノ沢登り口に到達。装備を整えていよいよ沢登りを開始しました。どきどきしながら少し沢を登るといきなり新茅ノ沢F1という垂直(に見えました)の滝が目の前に立ちはだかり、思わずショックを受け「これを本当に登れるの?!」これが正直な気持ちでした。が、先生がザイルをおろして下さりなんとか滝を登り切ることができました。自分が登ってきた滝を振り返るとかなりの高さでよく登れたと驚くと共に、今後も続くであろう道に期待と不安を抱えながら少しづつの歩みではありましたが進みます。
 六甲颪に颯爽と…
 一度濡れたらこっちのものでもう多少濡れようが気になりません。さらに沢を進み、次々に目の前に現れる滝を先生にザイルで確保して頂きながら何とか登ることが出来ました。そして確かF5という滝は巻いて登り、烏尾山山頂を目指してどんどん進んで行くと一旦、水が切れてしまいましたが、岩の箇所やガレ場と呼ばれる場所を通過すると、また沢が現れて楽しく厳しく濡れながら進みました。しばし滝、岩場を登り本当に水の流れが切れてしまいましたが、ここからが本当にきつく徐々に足の力も手の力も弱まってきてしまいました。
 
 武藤さんは元気にどんどん進んでいきますがついて行けなくなってしまい、先生に足場などを確認して頂きながらゆっくりゆっくりと登り、頂上が間近に見えてきた時に真っ青な空を上に見ることが出来、辛いながらもその青さに感動しました。
 
 烏尾山荘まであと一歩がなかなか近づけなかったのですが、到着した途端、周りの山々が間近に美しく見えて登頂できたことにえも言えぬ嬉しさを覚え、さらにビールの旗がはためいていたことに一層の嬉しさを感じ、乾杯の後に大休止を取りました。ここで三ノ塔まで行くことが決定し、少し下った後、登りを目指すとやはり腿が痛く、武藤さんに先に行って頂き先生に先導して頂いて三ノ塔に辿り着きました。赤城山で人見先生にも注意を頂いていたのですが、休憩の後で元気が出てきた為つい足早に歩いてしまい今回も注意を頂いてしまいました。元気な時に早いペースで歩きすぐダウンしてしまう傾向を深く反省し、今後の山行では絶対に気を付けようと心に誓った次第です。
 
 その後、夕日に映えた烏尾山・三ノ塔・塔ノ岳、そして富士山を見ながら尾根づたいに三ノ塔から大倉へ下り、バスに乗って渋沢で大きな休憩を取り、帰途に着きました。足場の確保や歩くペース、連絡などなどたくさんの反省点を抱えてはおりますが、中村先生・武藤さんに助けて頂きながら本当に本当に楽しかった初の沢登りであったことを報告させて頂きます。ありがとうございました。今後ともご指導の程よろしくお願い致します。




【追記】
 ご両人とも初めてのおつかい、否、沢登りだったわけですが、バランス良く上手に登っていて感心しました。タイムを見てもらえれば分かると思いますが、実働2.5時間です。途中5回ほどザイルを出してのタイムですから決して遅くありません。その証拠に先行パーティーを追い抜きました。そのパーティーは私たちが烏屋山で大休止をとっている間にも到着しませんでした。

 武藤君は「沢登りって楽しいですね!」とガリバーのメットを被って楽しそうだったし、吉田さんは「水の中を歩くのも楽しいけど、滝にへばりつくのも面白い!」なんて感想を述べていました。

 あの吉田さんが一緒だったんで言うまでもないことですが、この記録中の「渋沢で大きな休憩」とあるのは、賢明な稜友の皆さんご推察の通り、です。
 

稜友MEMO平成10年11月号