奥多摩・川乗山・山行記     佐藤  勝也


期  日
メンバー
タ イ ム  
1999年1月31日(日)  天候 快晴
加藤まゆみ、佐藤勝也
川乗橋バス停(10:00) -- 川乗山山頂(12:40/13:38) -- JR鳩の巣駅(16:00)


 早朝にかかってくる電話は不吉な予感がする。ハイキング当日にそれは来た。受話器を取ると、吉田さんが泣いている! と思ったら、風邪のせいで弱々しい声になっていたのだった。
 「熱が38.5℃あって今日は行けないので、お姉さんに伝えて・・・。」
 そう言う彼女は辛そうだった。予定では4名参加ということであった。それが3人になるのだなと思いながら受話器を静かに置いた。
 
 予定では、立川駅の青梅線の最後尾の車両でまちあわせということであった。しかし、誰も姿を見せず、なんと電車は発車してしまった。私は呆然としたが、車両の中を歩きながら、加藤さん、三橋君を探すことにした。そして加藤さんに会った。最後尾と思って乗っていたら、先頭の車両だったということであった。だが、三橋君には会わなかった。仕事が入り欠席したからである。
 
 約半年ぶりに鳩ノ巣駅を通過し、奥多摩駅へ降り立った。意外と登山客が少ない。立川を発つ時はリュックを背負った人がたくさんいたけれど。川乗橋までバスで移動し、そこから登ると加藤さんが教えてくれた。私達は準備体操をするのを忘れて登り始めた。最初砂利道だったのがすぐに舗道に変わった。私は面食らった。ずうっとこのままだったらどうしようと心配にもなった。
 
 だが、そんなことはなかった。本当の登山口が現れ、そのそばには車が何台か停めてあった。山あいを小川が流れ、その脇をてくてく歩む。水が透明で、見ているだけで心が落ち着いた。加藤さんといろんな話をした。冬合宿のこと、仕事のこと、文化放送で好きな番組は何か、などなど。
 
 高い所まで登ると、小川のせせらぎも耳に届かなくなり、しずかなしずかな世界になった。辺りには杉の木がにょきにょき電信柱のように立っている。鳥の声もしない。久々の山登りのせいか、足がくたびれて、休憩時にふくらはぎを揉むと恍惚となった。頂上に着くと2時間半が経っていた。はらぺこぺこだった。
 
 頂上からまるで松竹映画のような富士山を眺めることができた。そして、なんと犬がいた。かわいいパピヨン犬だった。ここまで飼い主と一緒に登ってきたみたいだった。
 
 朝早起きしておむすびをにぎってきたので、それを食べた。加藤さんは湯を沸かし、ミルク茶を作ってくれた。私はコップを忘れたので加藤さんから借りて飲んだ。申し分けなかった。地面に敷くマットも忘れた。基本的な忘れ物ばかりで、情けない。
 
 下りは鳩ノ巣駅へと進むコースを辿った。見渡す限りの杉の林の中を進んだ。杉杉杉。3月頃来たら、花粉症の私は涙と鼻水を垂らしながら歩くのだろうか。実験すべきか。
 
 下りのタイムもほぼ上りと同じ。鳩ノ巣駅でアルプスの少女ハイジによく似た少女を見た。
 
 天気がたいへん良くて、気分も爽快でした。加藤さん、どうもありがとうございました。