雁ケ腹摺山(山頂より40分程手前まで)山行ご報告 

     吉田 佳代


期  日
メンバー
タ イ ム

 

1999年 2月28日(日)
山崎正恵、中村優、木口あかね、阿久津由枝、吉田佳代
6:30頃 新宿→高尾・大月→9:45金山鉱泉 登山口→11:20金山峠→13:30〜14:00観測所すぎ→16:45金山鉱泉着
 

 新宿で集合、高尾で3人(今回リーダーの山崎さんは二日酔いでご登場)と合流した後、一路大月駅へ。
 
 金山鉱泉の登山口へ到着しても雪はありません。冬山を予想していたので驚きましたが、まぁこんなこともあるだろうと装備を整えて登山開始。最初、アスファルトの道を少し登った工事小屋の裏手から山道へ入ろうとしましたが、雪がなく道が荒れていることもあり夏道に戻って再スタート。沢を渡って山道に入りゆっくり歩き始めます。
 
 しばらくすると展望が広がり、雪が綺麗に積もった富士山に出会いました。よそ見をしている場合ではないのですが今まで見た富士山の三本指に入るであろう美しさに目は釘付け状態です。そうこうしながらぽかぽか陽気の中をゆっくりペースで進んでいくと金山峠を越えて下るあたりから氷が見え隠れし始めました。雪の上を歩くよう教えて頂きながら斜面を一旦下り、沢を渡って林道を少し歩いたあと山道に戻りましたが、泥で滑りやすい斜面が続きとても歩きにくい思いをしました。さらに「下りはこけるような気がする・・」と思っていたら予感は後に的中しました。
 
 観測所がある広場を抜けて、また少し歩くと木立の中のひらけた場所に着きました。この段階で山頂まで後40分位の場所ですが時間が押してきた為ここでお昼休みを取って下山することに決定。私自身は朝も食べず、空腹を覚えても食べられずで栄養不足?なのか非常にバテてしまっていました。情けない話ですが行動中の栄養補給や食べることの大切さを実感しました。
 
 しばらくして下山を開始。先ほどの林道まではとても滑りやすい泥道で頻繁に転んでしまいます。歩き方と足場の指摘を頂きましたので足に集中して歩きましたが、結局林道まで戻った頃には数名泥だらけに・・。林道から先はしばらく氷道が続くということでアイゼンを装着しました。午後で結構溶けてはいたものの危険箇所は残っていましたがアイゼンのお蔭で不安なく歩けます。その後、ゆったりした静かな午後の山歩きのなか陽がどんどん傾き、朝とは違って夕日に染まる富士山や周りの山々がとても綺麗で心もぽかぽかしてきました。そしてどんどん下っていくと金山鉱泉の赤い屋根が見えて安心し、最後は沢を渡って本日の山行は終了しました。 
 
 今日も素敵な山に登れて楽しかった、と大満足。駅前のラーメン屋さんでゆっくり乾杯した後、大月を後にしました。リベンジマッチも決定しましたので、今回の教訓を生かして次回は楽々と登頂できるよう努力いたします。今回も色々ご指導を頂きながら楽しい小春日和の山行であったことを報告させて頂きます。ご同行頂きました皆様方、ありがとうございました。
 
真実の雁ヶ腹摺山 または、雪の無い日のプラ・ブーツ
     山

 私の山を登るテーマの一つに『富士山を眺める』というのがあって、以前からこの山は気になってしょうがなかった。500円札で使用した富士山の景色がこの山の頂上からの景色だという。
 
 結構遠いという事で7時47分の高尾発の電車に集合。大月までの間、ちょっと計画の練り直しをする。大月駅からはタクシーで金山鉱泉まで行き、そこから登ろうという事になった。ここのところ、天候が悪いので雪も多いかもしれないし、距離も短いほうがいいだろうというまーさんの尊いお言葉に従った我々であった。昨日、若干飲み過ぎたかな、と思われる私は、持ち物を選別する余裕も無く、吉田さんの雪があるかもしれない情報がかすかに頭をよぎり、思わずプラ・ブーツの袋を手にとって家を出てしまった。これが大きな間違いと、今後の大きな教訓になる。
 
 金山鉱泉まではタクシーで20分位。タクシーの運転手さんも雪があるんじゃないか、とのたまうのでやっぱりプラ・ブーツを持って来て良かったかな、と安心してしまう私であった。下車して一番怪しかったのは、直前まで迷っていた吉田嬢が軽登山靴だったことだ。あれ、まずかったかな、と思う間もなく、登山道に入る。杉の木立を抜け、時々視界が開けると西に富士山が眺められる。雪をかぶった雄大な富士。すそ野まで見渡せる。天気に恵まれてこんな素敵な富士山を眺められただけでもめっけもんである。日ごろの行いが正しい事が証明されたようなものだ。そしてここまでは、5人の女性の歓声と嬌声がまーさんに勝っていたのだが…。
 
 でもやはり雪は全然無い。このままでいくと雪は無いかもという事にやっと気づく。
 
 3時間ほどで舗装された林道に出、雁ヶ腹摺山登山道の入り口から登り始める。ここまでの途中、雪が凍ってアイスバーンになった下り斜面があり、そこでかなり時間をとられてしまった。やはり、雪はけっこう降ったらしく、日の当たらない北側の斜面にはこうして残っている。雨量観測所の脇を通って白樺平に向かう。このあたりでもう一時も過ぎてしまい、残り40分位で頂上というところだったけれど、下山の事も考慮するとこのへんで昼食をとって休んだほうがいいというまたしてもまーさんの尊いお言葉に従い昼食。ラーメンを作ったけれど、味は二の次、みんなで分け合って食したラーメンは格別だった。雪は無いとはいえ、止まるとさすがに寒いんで暖かいものはとても助かる。
 
 2時頃、下山を始める。足元がけっこうぬかっていて、ずるずるとよく滑る。こける吉田さんを相手にまーさんの貴重なご講義がどこまでも澄んだ青い空に響き渡るのであった。このあたりで女5人、完全に太刀打ちできなくなってしまった。この方のテンションは常に高い所で一定している。再び凍結した道にさしかかろうとする直前、アイゼンを付けようというまーさんのやはり尊いお言葉に従い、アイゼンを着装。今度は難なく切り抜け、事無きを得る。備えあれば憂いなし。富士は相変わらず美しい姿を見せてくれているが、少しかすんできている。何だか、もう春のようだ。
 
 行きは3時間ほどかかった行程を帰りは2時間ほどで戻り、金山鉱泉に無事たどり着く。ブーツをスニーカーに履き替えた時は足の軽さに空を飛べるかと思った。金山鉱泉でタクシーを呼んでもらい大月駅まで戻る。第二部は当然、大月駅前のラーメン屋でアルコール燃料を注入、怒涛の1時間半を過ごすのであった。学生さん、ここは社会勉強の場です。社会人になってからきっと役に立つわよ。
 
 今回、残念ながら頂上にたてなかったが、機会があれば大菩薩峠から雁ヶ腹摺山、金山鉱泉へと抜ける縦走をしてみようと思う。
ニューヨーク・ボンバーズから、光ゲンジまでの幅広い人格者による、懐の深い、味わいの
ある山行であった。(もしかして木口さんと阿久津さんって光ゲンジも知らないかも)

教訓その一:

天気はあなたまかせではいけません。自分で確認をとりましょう。次の土曜日はプラ・ブーツの洗濯に時間を費やしてしまった。
教訓その二: 計画はしっかりと頭の中に入れておこう。思わぬことで時間を食ってしまう事多し。
教訓その三:
 
前日の酒はほどほどに。私は決して強くないという事を自覚しなくてはいけない。寝坊もしない事。
 


 最後に みなさん、ありがとうございました。
1999年3月12日:記