前穂北尾根

期日:2012年9月1日(土)〜3日(月祝)

たかたか (L)、ささだ、sa山、さぶ、カト(記)


行程:
8月31日(金)新宿23:00−9/1上高地5:30
9月1日(土) 上高地6:10−明神7:00−徳沢8:00−横尾9:00−本谷橋10:40−涸沢
       13:00(幕営)
9月2日(日)涸沢3:50−五・六コル5:50−五峰6:50−四峰8:00−三・四コル8:10
      −三峰取付8:40−三峰11:00−二峰11:30−一峰(頂上)11:40/12:
      00−奥穂14:10−奥穂岳山荘14:50−涸沢16:40(幕営)
9月3日(月)涸沢6:00−屏風ノコル7:10−徳沢10:10−明神11:10−上高地12:20−
      高速バス14:00−新宿18:00


 

カト



9月1日(土)曇一時雨
 上高地は雨があがっていた。順調に歩みを進めたが本谷橋を過ぎて急斜面を登る途中で
sa山さんの呼吸が荒くなりザイルなど4Kgほど荷を分ける。21Kgくらいになったはずだ。
ザックが軽くなったせいか軽やかな足取りで13:00涸沢につく。涸沢ヒュッテのテラスで
生ビール、おでんをほうばる。16:00頃テン場に戻り荷を整理していたら激しい雨。
テント内でさぶさん特製のカレーを食す。19:00就寝。

9月2日(日)曇、時々雨
 2:30起床。朝飯はさぶさんの春雨スープ。3:50出発。我々より先発するパーティー2
組が雪渓の左端を上がっている。六峰から出ている大きな尾根を左に折れ五・六のコルを
目指すのだが、近くに来るとしてガスっていてよく分からない。目指す尾根らしいところ
に来たがもう少し上に上がってみることにした。上がってみると当初予想していた尾根が
正しいことに気がつき、ガレ場、雪渓トラバースしてトレースを踏む。この頃からさぶさ
んが体調不良を訴える。腹の具合が悪いことと吐き気がすると言う。上下放出を何回かや
る。斜面中腹で先行したパーティー2人組が下りてきて撤退を告げる。初めての北尾根で
ガスっているためルートが分からず戻ったとのこと。さぶさんはこの2人組と一緒の下山
を真剣に考えたようだ。しかし、とにかく五・六コルまで行くことにする。5:30コルに出
て出すものを出したらすっきり顔になる。たかたかLはささださんのアドバイスもあり東
壁は断念して北尾根を行くことを決断する。皆異存はない。5:50登攀開始。五峰、四峰は
ノーザイル。北尾根は右から巻くのが基本的だが、四峰は左から巻きピークの反対側に出
てしまう。ルートファイティングのうまいトップのsa山さんの珍しい迷リード。ささださ
んが方角を教えても首をかしげたまま。登り返して三・四コルに出る8:10。
 三峰からはアンザイレン。たかたかさん、ささださん、さぶさんの3人Pとsa山さん、
カトの2人P。1Pはささださんが最初に登る。たかたかさん、さぶさんが続く。8:40sa
山さんがリードする。2Pが核心。たかたかさんリードするがルートに苦労する。9:00sa
山さんがあがってサポートする。カトが続く。バンドとは言えない狭い縁でビレーしてい
る。3人は立てないほどの狭さなのでカトはこんがらがったザイルをほどきながら微妙な
縁を伝わりながら上に出る。9:303Pカトがをリードする。ここも右がルートで道ができ
ているのだが、気がつかずチムニーに突っ込む。3年前の5月に来た時にチムニーに入っ
て気分良く抜けた記憶があり、このチムニーだと思ったが違った。雪山と夏山では全く様
子が異なる。雪山の時の大きなチムニーは4Pであった。10:204P加藤リード。チムニ
ーには入らずに右から巻く。5Psa山さんリード。傾斜は緩くなるがルートを外れてピッ
チを切る。たかたか組は5Pからコンテで右下を巻きはっきりした踏み跡を行く。すぐに
下に下りればよかったのだが、カトが上に登って回り込んでから下りようとしたのが間違
い。ぐらぐら動く危うい岩を避け、宙に飛び出しているピナクルにスリングを掛けて抜け
る。スリングははずれず残置。やっとルートに戻り三峰に着く11:00。懸垂でコルに下り
る。ザイルをたたみ急岩稜をフリーで登る。二峰11:30、一峰(頂上)11:40。
 12:00下山開始。雨は上がり快適な吊尾根を行く。右は涸沢、左は岳沢、前にジャンダ
ルムが聳える。奥穂14:10、奥穂岳山荘14:50、涸沢へはパノラマコースを行く。苦労し
た五・六コルのルートがはっきり見える。六峰から派生する尾根の手前から踏み跡がある。
涸沢ヒュッテの売店閉店が17:30と言うことで遅れると生ビールとおでんにありつけない。
急いで下山する。涸沢16:40。しかし残念16:00閉店で缶ビールで無事を祝う。夕食はテ
ントでたかたかさんのシチュー。美味しくいただく。
5峰を上る。すっきりしたさぶ。 3峰をリードするsa山さん
3峰、4P目の終了点。 2峰。前穂頂上まであと少し!!
 
 9月3日(月祝)晴後雨
 4時起床。朝飯はたかたかさんのパスタスープ。これにささださん持参のふかひれスー
プを入れる。美味の上ボリュームいっぱい。6:00出発。パノラマコースで下山する。屏風
ノコル手前からの槍の姿、コル下斜面の群生トリカブトの紫が美しく目を和ませてくれる。
新村橋を渡り徳沢園から雨が降ってくるが濡れるほどではない。小梨平あたりから雨が強
くなりザックがびっしょりと濡れる。長距離バスの予約が取れ、上高地14:00発で新宿に
向かう。バス内でも当然ながら静かに小宴会。
(成果と反省)
・バリエーションルートを初めてリーダーとして采配を振るったたかたかさんに感謝した
 い。若い有望な人材に困難な山行を託し、それに応えるよう努力することで一段と成長
 することと思う。
・ずっと心配していたsa山さんの体調が回復した。厳しい行程にもかかわらず絶えず先頭
 に立ちリードしすっかり元に戻ったようだ。
・ルートファイティングに難があった。天候などの悪条件でも冷静に判断する力をつけな
 ければならない。