奥穂−室堂縦走

期日:2012年9月11日(火)〜18日(火)

カト(記)


行程:
【()・<>内は所要時間】: 9月11日(火)新宿23:00(夜行バス)9月12日上高地5:30
1日目/9月12日(水)
   上高地5:50(6:50)涸沢12:40(3:00)奥穂岳山荘15:40<9:50> (幕営)
2日目/9月13日(木)
   奥穂岳山荘4:20(0:40)涸沢岳5:00(3:00)北穂8:00(4:40)南岳12:40
   (1:50)中岳14:30(0:40)大喰岳15:10(0:40)槍ヶ岳山荘15:50 <11:
   30> (幕営)
3日目/9月14日(金)
   槍ヶ岳山荘4:40(4:50)双六小屋9:30(2:40)三俣山荘12:10(3:50)雲ノ
   平16:00 <11:20> (幕営)
4日目/9月15日(土)
   雲ノ平5:40(3:00)薬師沢小屋8:40(3:30)太郎平小屋12:10(0:20)薬師
   峠キャンプ場12:30 <6:50> (幕営)
5日目/9月16日(日)
   薬師峠キャンプ場5:50(3:00)薬師岳8:50(1:10)北薬師岳10:00(2:00)
   間山12:00(1:00)スゴ乗越小屋13:00 <7:10> (幕営)
6日目/9月17日(月)
   スゴ乗越小屋5:40(3:10)越中沢岳8:50(1:40)鳶山10:30(0:30)五色ヶ
   原山荘11:00(0:30)ザラ峠11:30(1:30)獅子岳13:00(1:40)富山大施設
   14:40(0:50)室堂15:30 <9:50> =16:00富山行き直通バス=富山18:
   20 (東急エクセルH泊)
7日目/9月18日(火)
   富山6:44=越後湯沢8:49=東京9:55

 

カト



・日別の記録は上記行動に委ねることとし以下トピックス的に簡記する。
○動機
・以前から北アルプスをじっくりと歩いてみたいと言う希望を持っていた。当初予定して
 いた山行がメンバーの都合で不可となったのでこの機会に実行した。
・ルートを選んだ理由は、西穂−奥穂、室堂−欅平は縦走済みなので奥穂−室堂を繋げて
 やろうと言う単純なことだ。
・北アルプスの雄大な山容と奥深さを肌で感じて歩くだけの山行でありピークハントを目
 的にしなかった。この面では登山者の風上にも置けない輩だとの非難は甘んじて受ける。
○ルートで印象に残ったところ
・12日(1日目)奥穂岳山荘までが一番つらかった。涸沢幕営が常なので重いザックで更に
 登ることの精神的な負担で疲労困憊となった。翌日の体調によっては下山を考えた。
・13日(2日目)、涸沢岳から北穂、飛騨泣き、長谷川ピーク下りまで切れ落ちた岩稜の
 登り下りが長く続き息を抜く間がなく厳しく感じた。噂の大キレットは全く意識しなか
 った。いずれにしてもA沢コルに立ってほっとした。
・14日(2日目)雲ノ平、17日(6日目)五色ヶ原の広々とした空間はそれまでの起伏の激
 しさとは対照的で心を和ませてくれた。草原の中に池塘がいくつか点在する五色ヶ原は
 予定を変更して幕営するはずだったが翌日18日の天候が怪しいのでパスしたことが残念
 だった。
・雲ノ平キャンプ場にはやや戸惑った。祖父岳の広いすそ野を回り込んですぐ下に見える
 のだが植生保護のためう回路を延々と歩かされた上、幕営手続きでキャンプ場を過ぎて
 山荘まで往復30分も歩きへとへとになった。逆から来る場合はよいと思う。水は少ない
 と聞いていたので私は山荘で買ったがポリタン一杯にして歩いている人がいた。
・槍ヶ岳はどこから見ても大きくなったり小さくなったりその姿をはっきりと確認できや
 はり北アルプスの盟主だと思った。
・15日(4日目)、薬師沢への急降下は岩が濡れていて滑りかなりの時間を要した。同行した
 方(後述の72歳)は3回ほど転倒する。薬師沢出会いで身体をくまなく拭き生き返る。
・16日(5日目)は翌日が祝日でもあり室堂から薬師へのルートは登山者が多く40〜50人と
 すれ違った。逆ルートは私の他は一人だけであった。
○食糧
・晩飯はカレーとアジの干物を一日おきに食す。カレーは毎食作るのが面倒なので6食分
 を2回に分けて作り置きしアルファー米の袋に入れた。食べる際はお湯で温めた。
・バケット2本は全て食べた。カレーと一緒に食べるのが良い。行動食としてもよい。
・行動食としてシリアルは2種類持参した。麦、干しブドウなどが入った1種類は少し食
 べたがもう1種類はほとんど残した。私にはシリアルは合わないことが分かった。その
 他の行動食は魚肉ソーセージ3本、サラミ3本。
・朝食は納豆、梅干し、味噌汁、スープ(オニオン、ホウレンソウ)がメイン。味噌汁は
 晩飯にもつけた。間にカレー、春雨を入れた。
・残った食料はアルファー米1食分、春雨、スープを少々、サラミ1本で持参した食料は
 ほとんど平らげた。
○出会った人
・13日(2日目)、涸沢岳Pで出会った私と同年齢の方(登稜会S氏)は西穂から日本海に
 抜けると言う。西鎌尾根、後立山ルート14日間。小屋泊まりだが避難小屋泊があり泊
 まり装備は持参とのこと。物凄い人がいるものだ。槍まではとてもついて行けず30分
 ほど遅れる。14日(3日目)、槍からは双六小屋まで同行した。私は双六岳を巻いたが彼
 はピークを行く。無事に日本海に抜け海水で顔が洗えるとよいと思う。
・15日(4日目)、雲ノ平を出て途中から72歳の東京の方と同行。水晶、鷲羽、黒部五郎を
 登り太郎平から折立に下山すると言う。4日間の日程で小屋泊。67歳から登山を始めた
 と言うから驚きだ。この方の前ではもう歳だなど馬鹿なことは言えない。
・もう一人、16日(5日目)、北薬師岳で出会った群馬県の若い女性。室堂から後立山を経
 て扇沢に下山すると言う。12日間の日程でテント泊。8月に集中して仕事をこなし12
 日間は代休だそうだ。登山を始めて5、6年、毎年雲ノ平に来ているそうだ。世の中に
 は可愛い顔をした男まさりの女性がいることを認識した。
○その他
・最終日の17日(6日目)、天気の都合で室堂に下りたが別の理由もあった。白エビをたら
 ふく食うという目的があったからだ。駅前のホテルを宿としてホテルお薦めの飲み屋に
 入る。白エビを3人前、そのうち白エビ昆布締めが絶品。キジハタも最高。氷見うどん
 もよい。ホテルのバーで若い女性バーテンダーにシェイクを振ってもらいカクテルを飲
 みながら富山の夜景を楽しむ。ささやかな自分なりのご褒美だ。
涸沢岳から槍、朝焼けが美しいですね 北穂へ
長谷川ピークへ スリリングな岩場を行きます スゴ小屋下の上廊下
五色ヶ原と劒
室堂まであと一息。素晴らしい景色です。