南会津・三岩岳縦走

●期日:2013年11月9~10日
●メンバー:つりし、いた、すが、ハギ(記)
●行程:
11/9…赤羽発6:00~小豆温泉駐車場発10:15〜三岩岳避難小屋着15:05
11/10…三岩岳避難小屋発6:05~三岩岳山頂6:55~三岩岳避難小屋発7:53~窓明山着8:55~家向山着10:35~巽沢山着11:43~車道着12:40

●記録:
7月に行った黒檜沢の下山道。その途中に水場付きのログハウス風素敵な避難小屋があった。
そこに泊まり、きのこ、特に!時期が良さそうなナメコを道すがら捜索し、ついでに?!周回コースで縦走しようという、なんとも欲張りな計画を、つりしさんが立ててくれた。

紅葉が道の両側に迫る素敵なドライブコースを経て、小豆温泉の駐車場から戻る形で10分弱、沢沿いコースではなく「国体コース(旧道)」からスタート。

右の緩やかな踏み跡を辿ったらすぐに不明瞭になり、左の尾根へトラバースした。ここは登山口からすぐ左に見える、朽ちかけた急な丸田階段を素直に登って尾根にさっさと取り付いた方がいい。

なかなかの急登だ。今日の行程は短いので迷ったが、分不相応に欲張らず、ビール一本だけ&度数重視のウィスキーでよかった…。7月下った時は、ずっとなだらか~なイメージだったのだが…そのなだらかな印象は、かなり上の方の記憶だったようだ。

早速、老菌だがムキタケ少々を発見、期待が高まる。

が、それからしばらくは、たまに見つけても食べごろ終了なきのこだけ状態が続き…相変わらず見上げれば気分が萎える急な道を淡々と登り、期待が萎みつつあったとき。つりしさんがやおら「ムムッ」と唸って登山道を逸れ、踏み込んだ先の倒木のたもとで叫ぶ。「ナメコだあー!!」

登山道から5メートル、こちらからは小さい粒が一つ、見えるだけだったのに見逃さなかったつりしさん、情熱のなせる業か。みんなその場でザックをかなぐり捨てる。
間違えようはなかったが、一応図鑑で確認。ナイフで丁寧に切り取ると、ぬめりがこれまた半端なく、ねっとりと糸を引き、手が粘液まみれになる(この手、どうしよう…)。さらに倒木に沿って奥に踏み込んだつりしさんがまたも絶叫する。「すごいよこっち!」
茶色い宝石のよう粒がつやつやと…みっしりと!
みんな笑いが止まらない。小さめのレジ袋二つにずっしり〜。

ナメコ♪ナメコ♪♪ナメコ♪♪♪
ナメコ♪ナメコ♪♪ナメコ♪♪♪

ニタニタしながら足取りも軽く急登を再開。途中ムキタケに加えてクリタケも少し採取。
晩餐が楽しみだ!!次第に雪が出てきて、いたさんが「初雪だわ~」と嬉しそう。

ブナ林の中を登ったあとは
ブナ林の中を登ったあとは
初雪踏み踏み
初雪踏み踏み

避難小屋で今日の行動は終了。小屋前の水場も、水筒に溜めるのにストレスがない程度にきちんと出ていてホッとする。雪に覆われる前でも、もう少し寒くなったら凍ってしまうだろう。

女三人が荷物を出したり、夜汲むのは嫌なので、水をありったけの水筒に詰めたりしている間に、つりしさんが丹念にきのこを洗い、塩水につけて虫抜きの下処理。たっぷりあるので、明日の朝食のすいとんにも入れることにする。

こんなに採れました!(もちろん食べきり)
こんなに採れました!(もちろん食べきり)

これまたつりしさんが担ぎ上げた日本酒の熱燗をやり、暖まってからビールで乾杯、きのこ汁を味わう。その味は…も、たまりません。
同宿の、単独男性二人にもおすそ分け。楽しい夜だった。

翌朝は四時半起床、トイレに外に出ると、星が出ていた。

朝から具沢山のナメコすいとん汁を頂いて元気一杯、荷物は置いて、小屋から軽アイゼンを履いて三岩岳を往復する。途中で雲の合間にご来光。積雪は多い所で15センチほど。
黒檜沢の薮漕ぎの終了点、思い出のポイントに出会いなんだかとても嬉しい。
曇っていたがガスガスではなく視界はクリア、山頂では会津駒の向こうに燧(多分)まで見えた。

見覚えのあるポイントに興奮するリーダー
見覚えのあるポイントに興奮するリーダー
山頂、奥の奥に燧?
山頂、奥の奥に燧?

小屋まで戻り、問題はこれから荒れるという今日の行動をどうするか、であるが、縦走路は森林限界以下=吹きさらしの稜線ではないので、縦走行ってみましょうとつりしリーダーの号令。予定通り、小屋からすぐの縦走路に踏み込んだ。
しばらく歩いたら雨がポツポツ降りだした。が、以降小雨程度で降ったり止んだりだったので、本当によかったと思う。

窓明山への稜線、右奥の池糖が見えるでしょうか
窓明山への稜線、右奥の池糖が見えるでしょうか

背の高い笹藪が防風林の役目を果たしている窓明山までの稜線、途中で行く手にぽっかりと池糖が見え、素敵な景色。窓明山からは下り、樹林帯に入りもう安心。途中でまた、つりしさんが登山道のすぐ脇にいるナメコ群を見つける。今度のは昨日のより大きめサイズで、一同ひとしきり興奮。他、下山中の収穫はムキタケ、ヒラタケを少々。あと同定できなかったキノコ(ブナシメジ、エノキタケの疑い。もちろん「確信なきは食わない」の、コバ師匠の教えを守る)。

こんなに大きくてもナメコです
こんなに大きくてもナメコです
紅葉に向かって降りていきます
紅葉に向かって降りていきます

途中までなだらかないい道だったが、ラスト高度差200Mまたウンザリな急降下になり、落ち葉で滑ってまったく気が抜けない。今回ストックは非常に有効だった。上の方は葉も落ちきっていたので、眼下に広がる唐松の黄色い絨毯がより一層鮮やかに見え、目を楽しませてくれた。
最後は大きく崩壊した脇を下り、車道に飛び出した。特に登山口の標識がないので、こちらから登る時は道路から見える崩壊と、20M先にある建築物が目印か。
車まで戻ってザックを置き、すぐそこの温泉に向かうタイミングを待っていたかのように、雨が強めに降り出した。

予定通りの行程を無理なくこなせ、山の恵みを頂いて、ひたすら静かな晩秋の山を存分に楽しめた。
とってもとっても、いい休日でした!ありがとうございました。