赤岳主稜

八ヶ岳赤岳西壁主稜

1 日  平成25年2月5日・6日
2 山域  南八ヶ岳
3 ルート  赤岳西壁主稜
4 目的  アルパインクライミング
5 メンバー  笹田(L)、カト(食担)、sa山、のり(記録)
         ひだまり山荘 荻原(OB)ほか2名
6 行動
2月5日  
 茅野駅 午前9:30集合~美濃戸口(2車両に分乗)午前 11:00~美濃戸午前 11:50出発(赤岳山荘駐車場、のり車のみ)~行者小屋(南沢登山道)午後 3:10着、(幕営)
2月6日
 行者小屋午前 6:30出発~文三郎登山道~赤岳沢上部トラバース~主稜取付き~チムニー(Ⅳ-)から凹角を登りリッジを右上~小フェースを越えてリッジを登る~やさしい雪稜~正面の凹角(Ⅲ+)を越えて右上ぎみに登って左のリッジへ~やさしいリッジ~雪の斜面~赤岳山頂(sa山・のり組 午後0:11、笹田・G女組 午後0:25、荻原・カト・N雄組 午後1:09)~行者小屋テン場 午後2:50、テント撤収 午後4:00~美濃戸 午後6:00~美濃戸口 午後7:05~茅野駅解散

7 記録
 山行日、5日は概ね快晴、6日に南岸低気圧が発達しながら通過するため天候は崩れる予想。6日から八ヶ岳周辺は風雪が強まるようだ。
 5日朝、茅野駅に参加者全員が集合、初顔合わせの方や、それぞれが今山行の成功を祈願しながら挨拶を交わす。
 2台の車に電車組の荷物を載せ、それぞれが分乗し一路美濃戸口へ向った。
 美濃戸口からは路面もアイスバーン状態、四駆でチエーン装着のジムニーに7人の荷物を載せ、もう一台はここへ置いてくことにし単独運転で先行、6人は空荷で歩く。 
 美濃戸までの道程はツルツルで、下り坂ではスタッドレスタイヤも効かずハンドルを切っても思うように進まない。
 沢に車ごと落ちないように、アクセル、ブレーキ、ハンドル操作を駆使し何とか赤岳山荘駐車場に到着した。

歩きの6名も到着し、装備の点検と出発の準備を
歩きの6名も到着し、装備の点検と出発の準備を

 装備を整え、八ヶ岳山荘へ用足しにの為に先行したsa山さんを除いて出発する。八ヶ岳山荘前でsa山さんと合流し、山荘前で南沢登山道に入り行者小屋を目指す。今年は積雪が多く南沢も歩き易い、カトさんを先頭に徐々に南沢を詰めて行く。
 南沢は北沢に比べ、地形の具合か、或いは中山乗越の高低差がプラスされている関係か登りが続く。予想通り5日の天気は上々で、雪目を警戒し皆さんサングラスを掛ける。
 南沢大滝、小滝の分岐を過ぎ、行者小屋までの距離は、残す処3分の1程度、更に進むと、開けた場所では、南八ヶ岳の重鎮達が視界に入ってくる。

南八の重鎮たち
南八の重鎮たち

なんとも爽快な景色を目の当たりにし、嬉しくなってくる。
そんなこんなで、ちょっと遅めも全員元気に行者小屋に到着した。
早々にテント2張りを設営、お約束通りに宴会へ突入したのであった。夕餉のキムチ鍋や荻原さんから差入れて頂いたスパイシーなインド風料理に舌鼓を打ちながら、盃が進む。酔いは舌のまわりも滑らかにし、山談議に花を添えながら今宵は更けてゆく。

 翌2/6日 午前5時起床、予想通り天候が悪化している。夜半から降り出した雪は止む気配がない。

天気悪い・・・
天気悪い・・・

 早々にカトシェフが用意した麺を昨夜のキムチ汁に投入し、速攻の煮込みラーメンを頂く。喉が渇きそうだ。身支度を整え、装備を纏めて午前6時30分出発した。
 新雪の積もった文三郎道を隊列を整えsa山さんをトップに主稜分岐を目指す。昨日とは打って変わり降雪のため展望は望めない。樹林帯を抜け、急登を越え文三郎道が右へぐっと曲がるところに到着。主稜取り付きへのトラバース箇所だ。ここからロープを出しスタカットでルンゼをトラバースに掛る。トップは私が務め50m目一杯まで伸ばしsa山さんをビレイする。

※主稜取り付き点から文三郎方面を、トラバース中の諸氏。
※主稜取り付き点から文三郎方面を、トラバース中の諸氏。

 7名が行動するため先頭を切る我々(sa山、のり組)はサッサと主稜取り付きから1ピッチ目を登り始める。
 1ピッチ目(のりリード)チョックストーンのⅣ級-をアイゼンとアックスを使って乗越して行く。

1ピッチ目チョックストーンのⅣ級
1ピッチ目チョックストーンのⅣ級

 チムニーは雪が詰まっているため雪面にアックスを効かせ左手でホールドを掴みながらコルまで到達、更に右手のバンドに入りちょっと嫌らしいミックス箇所を越えて支点に到達しピッチを切った。岩が乾いており、ベルグラは付いておらず一安心。
 2組目リードの笹田さんもsa山さんの直後に上がってきている。
 2ピッチ目は(sa山リード)支点左の立ったフェースのやや左側から登り、しばらく行ったところから開けたリッジに抜ける。
 3ピッチ目(のりリード)リッジ上を歩きに近い状態でどんどん登って50m一杯に伸ばすも、あと3m位で中間の岩場支点に届かず、仕方なくアックスを埋め支点にして、肩絡みビレーでsa山さんを迎える。ここでちょっと一服、温かいココアとクリームパンで喉と胃袋を満たす。笹田さんも到着。
4ピッチ目(sa山リード)すぐ左に見えている凹角へ突っ込んでいく。ちょっと手応えのある凹角からリッジに抜けてビレイ。このあたりから風雪が厳しくなってきた。
 5ピッチ目(のりリード)上部岩壁の右端目指して両手両足を使い、息せき切りながら上部核心部の支点へ到達した。ぺツルのハンガーボルトが打たれている。ここでピッチを切ってsa山さんを迎える。
 6ピッチ目、(sa山リード)上部岩壁Ⅲ級+、出だしの小垂壁にちょっと手こずりながら上がっていった。が、しばらくして「ビレイ解除」コール。登っていくと、何とミックス壁部分(嫌らしい箇所でトラバース気味に右上する所)とチムニーの手前でピッチを切っていた。結局、上部岩壁の核心部分はオイラが受け持つ羽目に。
 7ピッチ目(のりリード)トラバース気味の部分がちょっと嫌らしく、下まで切れ落ちている。以前ここから滑落したソロクライマーは一番下まで落ちたと聞いており、一つ一つを丁寧に慎重にこなす。しかし、ランニングをとる支点が見当たらない、チムニー部分も雪が付いてるせいか同じである。何とかアックスを上手く雪に効かせてバランスを取りながら抜け出て、そのままロープを伸ばしてピクナルでビレイ。笹田さんも別ルートから上がってきた。
 8ピッチ目(sa山リード)ここからはミックス帯になりルンゼを登り凹角手前で左のリッジに取りついた。(正規ルートはそのまま凹角を直上)

8ピッチ目(sa山リード)
8ピッチ目(sa山リード)

リッジを登り始めるも途中でモジモジしているのが下から見てとれる。きっと難しいのだろう。姿見えなくなって間もなく「ビレイ解除コール」。
 荻原さんがピクナルのところまで到達したので凹角部分の情報を伝えて登り始める。その間に笹田さんは凹角を右に回り込んでいった。
 リッジを登り始めると、それほど難しくはないが、正規ルートではないようでピンが1本も見当たらない、そのためにsa山さんは踏ん切りがつかなく「モジモジ」していたようだ。ここもアックスを決めて登っていく。
 ビレイ点に到達すると笹山さん笹田さん二人がビレイしていた。脇を通りそのままリードで登り始める。
 9ピッチ目(のりリード)ここからは徐々に傾斜も落ち、ロープを50m一杯に伸ばし、山頂へ残すところ20mほど手前でピッチを切った。
 あとはコンテで午後0時11分赤岳山頂に到達した。
 笹田、G女パーティーは午後0時25分、荻原、カト、N雄パーティーは午後1時9分に到着した。(荻原パーティーは登頂に1時間近く遅れたが、特に問題はなかった。)

 赤岳山頂で記念撮影をした後、コンテで踏み跡の消えた文三郎道を行者小屋へと下山を開始した。今日の無事を山ノ神に感謝m(__)m

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