冨士山雪上訓練

冨士山雪上訓練
期日:2014年12月13日 ~14日

参加者: ハギCL、アベSL、サイトーSSL、カト、エビ、ミドリ、カオ、タカタカ、いしつかみ、こなが、あず、つりし(記録)

13日:つりし車 6:00王子発→10:00着(馬返しP)場所を間違え1時間のロス
10:20発→14:00幕営地~16:00ころまで訓練
14日:6:30訓練開始→11:00訓練終了→12:00テント撤収完了→13:40着

最近、雪上訓練といえば谷川が主体であったが、アベ代表から会員のさらなるレベルアップを図るべく、今年は本番さながらの緊張感がある富士山で訓練を行ったらどうかと提案がある。
担当であるハギCLは富士山での雪上訓練は初めてで、今回は取りまとめ役にまわります
ということで、現地では講師にアベ代表、そして経験豊富なサイトーさんに教えていた だいた。

13日
王子で集合したつりし車、助手席E君がカーナビのセットしてくれて、着いたところが 反対側の吉田口の同名馬返しに到着してしまい予定より1時間以上遅れてしまう。
皆様の貴重な時間をほんと申し訳ありませんでした。
私はナビに従って運転していただけなんです。
10:20発 整備されている登山道に雪はないが1時間位すすむと凍結箇所が出てきてア イゼン装着。
14:00 5合目 佐藤小屋到着
テント場は佐藤小屋直下の車道のすぐ下の樹林帯部を整地し3張り隣同士設営後、さっ そくカリカリに凍結している車道を歩いて5分ほどの斜面で訓練開始
万が一止まらなかったら場合でも下に生えている低木地帯で止まるので、その範囲で行いなさいと訓練前に代表からの指示が出る。

まず滑落停止、その後 アイゼンを付けない歩行訓練(キックステップ)、登り、下り、トラバース、待機の足場の作り方、トラバースしながら向きを変える時の足とピッケル の使い方などを習う。日も陰ってきた16時訓練終了。
幕営地周りは積雪量15cmくらい少し掘ると土がでてきてしまい綺麗な水を作るのが困難なので佐藤小屋で下からタンク車でもってきているという水をテント一張り分の料金を支払い(4人×500円)全員分を売ってもらう。
本来我々が幕営している場所は佐藤小屋指定テント地でないので、テント料金はいただけないが水だけは売っていないということで、そうした。
通年営業しているのはありがたい。
食事は各テントで、うちらのテントはタカちゃん特製五平餅入りキムチ鍋、やっぱり雪山ではこれがいいね~と飲んべえの二人は酒をカポカポ、被害者飲まないコナガさん。

14日
6:30 快晴だが風があり底冷えがする。
本日の練習場所は昨日の斜面からさらに5分ほどまわりこんだ車道の山側の斜面、前日よりも斜度が少々きつい、表面はクラスト気味、テカってアイゼンならよく効く雪質であったが、ノーアイゼンだとしっかりキックステップをしないと少々怖い。
昨日のような下に低木帯がないが下の車道にはガードポールにワイヤーが二段張られている。
講習前に皆で幅1.5mほどの平地を横方向に20mほど作成、その2.0m上に支点を構築しザイルを横方向に張った。

富士山1
富士山1
富士山2
富士山2

 

万一滑って止まられない場合は、まずは上のザイルにひっかかり、それでもダ
メなときは平地で速度をゆるめ、最後は道に張られているロープに引っかかるという、安全対策である。
そして、この対策を施している箇所にポールを立て、上にもそれ以上行かないように目印のスコップが立てられ、前日同様にアベ代表から訓練前にこの範囲内で行動するように注意がある。

富士山3
富士山3

 

富士山4
富士山4

昨日同様、ツボ足歩きの練習、続いて滑落停止、そしてビレイヤーの足場の上に支点を構築しそこからセルフを取った後、スタカットでトップが滑落したときの制動をパターンを変えてやってみた、はじめ腰からみで滑落者を止める、次は肩がらみで止めてみたはじめの腰からみでは体重差があっても大体安定して止められていたのが、肩がら みだと重心が上になり体重差があると厳しそうたびたびビレイヤー自身持ってかれセルフビレーのロープが伸びる。
それは突然だった。
「あっ」と言う声で下を見るとコナガさんが車道まで滑っていてガードロープに足を絡めて腹這いになって止まっている。
びっくりして本人によく聞くと、順番待ちで待機姿勢をしているときに足を滑らせたとのこと、そして滑落停止とピッケルを3度打ち込もうとしたが、雪面に跳ね返されて刺さらなくて止められなかったとのこと滑落距離15mほどであったが、もしガードロープで止まらなかったら、その下は岩交じりの斜面、最悪の結果になっていたとしても不思議でない。
(この件については、再発防止のため話し合われたので別途資料を参照されたい)
その後、ヒマラヤコンテのシステムを習い、その後2人1組で一人が滑落し停止させることを行う。
11:00ころに練習終了し、テント撤収。
13:30ころに駐車場に着いた。
そこで判明したのだが、カヲちゃんの足先が凍傷で紫色になっていた。
訓練中は-5度の風速10m位(体感である)で実際の雪山からすればなんということもないのだが、風を遮るところがないのと北斜面なので日が当たらないのと、そして体を動かさないので発熱しないので、とても寒さを感じた。

今回の雪上訓練 緊張感もあり実戦的でよい経験になりました。
そしてリスクを覚悟しながらも、我々の勉強のためと現地で講習をしていただいたアベさん、さいとうさん、そして私は富士山では講師をする自信はないと謙遜して裏方で大人数の段取りをしていただいたハギ隊長ありがとうございました。
以上