船形連峰 大倉川鬼口沢下降ー笹木沢遡行

メンバー:こば、ハギ、つりし、ツノダ、アズ

<1日目>8/1(土)

6:00観音寺林道終点登山口―7:50定義分岐点跡―8:25鬼口沢入渓―13:30笹木沢出合―15:00テンバ(700m付近)

<2日目>8/2(日)

6:50テンバ発―9:00鎧滝―12:30登山道

8月1日(土)

東京を21時頃出発し、東北道~山形道を経由し柳沢小屋に1:30頃到着。柳沢小屋は築年数はそれなりだがよく管理されていて快適。囲炉裏があって田舎のおばあちゃん家に来たような雰囲気。ビールで乾杯して2:30頃仮眠。5時起床。夜には気づかなかったがとても気持ちのいい水場があり、冷たくておいしい。夜のうちに車で到着し、車内で寝ていたというツノダさんと小屋の前で合流。

車で林道終点まで移動。林道終点には車が5~6台以上は止められるスペースがある。準備を整えて出発。

登山口から粟畑までは軽い登りで30分くらい。ブナの気持ちのいい森の中を歩くが、幹はどれも細く若い。植林だろうか。阿波畑からの登山道は仙台カゴまでピークを巻いてアップダウンも少なく快適。仙台かごを越えて下りきったところが定義分岐点跡で、97年のトマの記録ではここから大倉川鬼口沢(本流)に向けてトラバース気味に進むとある。

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地形図で1000mの等高線伝いに尾根を回り込んでいくと鬼口沢右岸の崖マークが切れる場所があるが、ここが入渓の目標地点。分岐から少し行くとすぐに踏み跡は見えなくなる。たまに踏み跡らしきものやピンクのテープがあったりするが、実質地形図とコンパスが便り。手前の尾根を回り込むと下の方がやや平坦に見える。地形図で鬼口沢の崖マークの上にあるなだらかな地形のようだ。であればこれをたどればいいはず。と言ってみるとこれがビンゴ!8:30入渓
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下降を開始するが最初からまずまずの渓相。小滝をクライミングダウンしていくと1時間ぐらいで15m位の滝が現れる。これは懸垂。下部が少し空中懸垂となるが問題なく下降していく。

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最初の大滝を超えると沢は開けてくる。両岸が切り立ったスラブ状のV字谷となり日差しが直接差し込むので暑い。一か所未だに雪の残るところを発見。ウドか何か山菜がないかと探し廻るも収穫なし。左岸から何度か沢が滝となって合わさる。滝に打たれたり淵で泳いだりしながら体を冷やす。P1020344

V字谷が終わり、緑が濃くなると5m位のすだれ状の滝となる。傾斜はないがつるんとしているため念のためロープを出す。渓相は河原歩きが中心となるが、その分快適なテン場適地が目立つようになる。魚影も濃い。途中右岸から金吹沢が滝で出合い、しばらく行くと小ゴルジュとなり今日のハイライト笹木沢手前の大滝となる。前出のトマの記録では30mとあるが、近年のひろたさんの記録では15m程度。但し上からは下の様子が把握できない。左岸を5m位上がると樹木があるので、懸垂用にロープをセットしつりしさんが様子を見ながら下降することとする。万が一の時の登り返し用にツノダさんのアッセンダーを借りて行く。左岸を下降するが、若干水流から離れるようにルートを振りながらの下降となるが、ロープの長さも充分であった。

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この滝のすぐ下で笹木沢と出会う。時間は14時。この先テンバ予定地の770m付近までは特に大きい滝もなく安全と判断。つりしさんとツノダさんは大倉川本流を少し釣り下ってから笹木沢を遡ることに。残る3名は先行してテンバを探す。出来るだけ水流を避けて遡行していくが時折大きな魚影が走る。

笹木沢に入ると渓相はナメと滝の連続となる。小滝を超えると長いナメが続くといった感じで東北らしいやさしい感じが続く。長いナメの間のちょっとした淵にも大きなイワナが。今晩のご馳走が頭をよぎる。

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15時頃右岸の1m位上がったところに焚火跡を発見する。周囲を整地すると5人くらいが焚火を囲めるスペースが出来る。少し上がったところにはテントも張れる。薪を集め焚火の準備をしていると釣り師二人が戻ってくるが、なんと手ぶら。どうやら水温が高く魚が餌を食わないという。まあ僕ら先行者がいたのだから警戒して喰わないのも当たり前。そこで二人はテンバの上流に。今度はイワナ3匹をゲット。ツノダさんが持ってきた牛タンとで豪華な宴となった。

 

8月2日(日)

朝5時に起床。7時前に出発。最初しばらくは高くても5m位の登れる滝と長いナメが連続する。7:30ごろ7m滝。スタンス、ホールド共に細かそうで、中盤はツルッとしていていやらしい感じ。ロープを出してリードする。案の定中盤でホールドスタンスが見つからず動きが止まる。小さなクラックがありボールナッツが決まりそうで決まらない。1か所ランニングが取れれば随分気持ちが違うのだが。仕方がないのでランニングをあきらめホールドを探す。手を伸ばしきったところに何とかカチで決まるホールドを発見。左足をクラック状の岩の隙間にかましてそーっと上がる。何とかクリア。ロープをフィックスして後続にはタイブロックで上がってきてもらう。

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その後も7m位の滝を2つほどクリアすると目の前に鎧滝がそそり立って見える。しかしこの鎧滝、左壁の乾いたところを登ると何とも快適。階段状である。高度感がかえって気持ちいいくらいだ。落ち口付近が少しぬめっていて気を付けなければならないが、簡単に登ることができる。

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鎧滝を超えると滝やナメはいくつか出て来るものの若干単調な様子となり源頭の雰囲気が出てくる。しかしイワナはまだいる。そしてここからが長く暑い。つりしさんは何度となく泥水に浸かって体を冷し、全員ひーひー言いながら詰めあがった。但し大した藪漕ぎは無く登山道に出ることができた。

短い下山で駐車場に、柳沢小屋の冷たい水で顔を洗い舟形連峰を後にした。

短いけどいい夏休みといった感じでした。