尾瀬 実川赤倉沢

実川赤倉沢

〇日程:2015年9月5~6日
〇メンバ:ハギ(L・記)、つりし、コバ
〇行程:

9/5…矢櫃沢橋付近(8:05)~赤安沢付近(9:05)/入渓(9:40)~実川本流~ゴキタ沢出合(10:15)~硫黄沢出合上部(13:50)
9/6…幕場(6:45)~赤倉沢最大滝10M(7:35)~花沼湿原(10:00)~硫黄沢左俣右岸尾根(10:30)~硫黄沢(12:25)~幕場発(12:55)~硫黄沢鞍部取付点(13:10)~実川本流(13:45)~林道(14:10)~矢櫃沢橋付近(15:30)
〇記録

アプローチ楽ちん、最後は車道からバスで車に戻れるという「硫黄沢」に行くつもりで調べていたら、実川本流の奥に同じ名前の沢があることを知った。その「硫黄沢」のお隣の沢が赤倉沢。記録は少ないし遡行図もないが、面白そうだ。という偶然の出会いで赤倉沢に行ってみることにした。

(9/5)

道の駅湯の香しおばらで前泊、6時前に七入に向け出発。実川の脇に入る林道に車を乗り入れる。すぐに車止めがあるが、施錠されてないチェーン。
矢櫃沢橋を過ぎ、さらに奥へと試みるが、落石でこれ以上入れなさそうなことを確認してバックで戻り待避所的な所に駐車。車三台分程度。

対岸の谷の切れ込みに注意を払いながら黒溶沢、赤安沢を同定して歩く。推定赤安沢の少し先に、下に降りる明瞭な林道の分岐。よいだろうと入るが、ほどなく途切れてしまったのでそこで装備を改めて整え、笹藪に分け入る。真っすぐ降りていったら切れ落ちた所に突き当たり、上流方面に移動しながら傾斜が緩んだ所から笹を掴み沢床に降りたった。

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河原状から遡行開始。
顕著な支流のゴキタ沢を左に見送ると崩壊地を経て、深い淵をもった滝が現れる。つりしさんがかなり粘ったが、逆層&微妙に薄被りで諦める。

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左岸から巻いて越え、その先の廊下状の右をへつる。その上は尾瀬的なナメ床で癒され、

釣り竿を出しながら進む。ちなみにたまーに現れるグリップする尾瀬的岩盤以外は河原の水中の石もぬめっておりゴムよりフェルトが安心な感じ。
深い釜を右岸から巻いた後のナメ滝は左から右へ流心を跨いで直上。
またすぐに釜を持った二条の幅広滝。右岸から上がり四メートルほど懸垂、古い残置あり。

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ここから地形図での顕著なポイント、逆コの字地形手前のゴルジュへ。屈曲して行く手が見えないが、歩いて通れる。まずは奥の幅広滝、ここがネットの記録にある「ザル滝」だろう。コバさんが左端から直登を試みるが見たところ細かい逆層で、真ん中くらいまで登った後ランナーが欲しい感じだと言って戻る。左の窪から上がり、上部の藪沿いに小さく巻き、すんなり深い釜を持った滑滝の側壁へ降りつつ、継続して釜をへつってトラバースしてからの登りは傾斜は立っていないので難無く登る。その上のゴルジュどん詰まりの滝はヌメっているが、ホールドスタンス豊富。

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その上のちょっとした廊下を通過するとぐっと平坦になり、両岸は低くなり硫黄沢が近い。振り返れば綺麗で、遡行も困難ではないものの変化があり大満足な一日目だった。
硫黄沢出合から硫黄沢に少し入り、周り中が整地必要無しの適地だが、渇いた平らな段丘を吟味して決定。テンバとしては最高ランクで設営前からごきげん。

二人がタープを張っている間にツェルトを張ると、そのへろへろは一体なんだと大受け。コバ先生からレクチャーを受けている間につりしさんがそこら中に豊富にある薪をノコギリで切り揃えてさっさと大量に確保してしまった。ここまでの道すがらの釣りでは成果に恵まれなかったつりしさんは本気釣りへ、コバさんはキノコと山菜探しへ、私は道すがら相変わらずダメダメだったルアーのキャスティングを練習しにと、のんびり自由時間。水際の水溜まりに4センチほどのチビ岩魚をみつけた。しばらくしゃがみ込んで観察、興奮を分かち合いたいが皆散っているので一人で地味に悶絶。可愛い。

5時過ぎになんとなく焚火を開始、なかなか安定しなかったが、つりしさんの粘り勝ちで大きな焚火になった。
つりしさんの釣果は二尾、下流より魚影がめっきり少ないとのこと。コバさんはコブを付けたミズをたくさんと蕗。遊んでいただけの私、途中でキクラゲをみつけたからよしとして貰おう。
海藻サラダ/途中で採ったヌメリスギタケ・ナラタケ・キクラゲとベーコンのミルク炒め/キツネノチャブクロの醤油炒め/岩魚のフキの葉包みホイル焼き/岩魚卵の醤油漬け/ミズコブとミョウガのお浸し/鶏肉・玉葱・しめじの塩胡椒炒め/ベーコンあぶり焼き/炊き込みご飯。みんなで料理しながら食べ、飲み、夜が更けていく。豪華な夕餉になった。胃袋の限界を超えると、焚火の周りに全員でごろ寝してウトウト…幸せ至極なり。
(9/6)
朝、5時起床。
コバさんのドリップ珈琲とかけ蕎麦を頂き、タープはそのままに泊まり道具はデポして出発。赤倉沢、すぐに二俣で右に入る。
小滝が連続するが倒木が多く、昨日がとても綺麗だっただけに残念に思う。昨日には及ばないが、倒木さえなければ綺麗だろうな…。

赤倉沢最大の滝10Mくらいか、高さはあるがスタンス大きく立ってないので右から難無く上がる。一旦平地になるが、深い釜+被っているので登れない5M滝、左から巻く。

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穏やかな流れになりこのまま消えていくかと思ったら、右側が大きく開けた緩傾斜地に飛び出し、先には最後の小滝。

本流を忠実に辿ってきたが、1900過ぎで傾斜が変わったので西に斜面に沿って斜め上に歩いていく。しかーし今回の最終目的地の花沼湿原がみつからない。途中の浅い沢型で赤テープ、ここが硫黄沢源頭かしら?

しばらく右往左往していると西へ向かう踏跡ぽいものをみつけた。先ほどは気づかなかったが、先ほどの推定硫黄沢源頭赤テープの先にテープが一つ。もっと先で落ちている赤テープ、枝に結び直す。人臭いのは嫌だといいながらもこういう時は嬉しい、以降なんとなく下地が薄い所を拾いながら進んでいくと森が薄くなり、湿原に飛び出した。深い森の中にぽっかりと、静寂に包まれた広い空間がある不思議さ。時間切れになるかと思ったが、この景色の中の一部にひととき、なれてよかった!

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いつまでもいたいが時間を1時間近くロスしたので、すぐに下降にうつる。湿原の西端の池糖の淵を周り、北に向け森に分け入る。最期は笹を掴んで硫黄沢に合流、そのまま対岸の右岸側の尾根へ。狙い通り1880ポコ手前に上がったことを確認。ここから先、結果としては予定の尾根から一つ隣の平行する尾根を下ったことが後で分かったが、下部で左寄りに修正して緩やかな沢型に入り、水が出てきたらほどなく硫黄沢へ合流することができた。

硫黄沢を下り、テンバへ到着。少し前から雨が降り出していた。急いで荷物をまとめ、硫黄沢を登り返す。ネットの記録を参考に、コの字地形のゴルジュをまるっと巻く心づもりだ。沢がカーブしている所、上はコルぽい地形、ここら辺かなーと見ていると、ここって踏跡ぽくないか、といち早く見つけたコバさんが教えてくれた。笹藪を掴んでコルに上がり、沢型と思しき方向へ下る。ここからはかなりの密藪、私は全く進まずギブアップで後ろに付く。だが沢型に入り水が出てくると下を潜れるので楽になる。実川本流に合わさる所は立っているナメ滝なので、左岸の立木にお助けロープを引っ掛けて握りながら斜めに降りた。上流を見やれば幅広二条滝があった。

近くの対岸に林道に上がる踏跡があるらしいのだが、判然とせずもう少し下降してみることにする。滝の巻き下りに入ろうとして左岸を上がっていたら、コバさんが対岸から合わさる滝、の上方に設けられた直径2メートルはありそうな排水穴を発見!!!言われて見ると樹木の間に白いのが辛うじて見えた、よくぞよくぞ。ということは林道が真上に来てるに違いないよね、ということで、降りて右岸に移動、藪に入る。少し登り、その排水穴の上、滝の傾斜が緩んだ所に出ると奥に下のものより少し小さめな排水穴があり、その脇には石積みの階段状人工物。数段上がればあっけない感じに林道に飛び出た。あのままゴルジュ地形をゴキタ沢付近まで下っていたらば掛かったであろう時間を思うと。ありがたくて言葉もない!!直後の写真はあーよかったと、皆もの凄い笑顔であった。

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興奮冷めやらぬまま、止んでいた雨が再度降り出し雨足が強まる中を、足早に車へ向けて下った。

只見川水系恋ノ俣川

只見川水系恋ノ俣川

日程: 8月12日(水)−15日(土)
メンバー:つりしL、ハギ、サブ、ツカミ、キム、トヨ

1日目 曇り
集合場所の越後湯沢駅に集まったメンバーが一人足りない。キム兄から2時間遅刻との連絡があり、浦佐駅での待ち合わせとなる。
スタートが遅くなるため、時間短縮を図るため、浦佐駅で沢装備を整え、恋ノ俣に向かう。銀山平から恋ノ岐までの道路はカーブが多い山道で、ハーネス装着での道中は、車酔いしやすいメンバーにとってはちょっと厳しかったか。
11時20分 恋ノ岐の駐車場到着。他に数台車があった。入渓点は駐車場の向かいで、徒歩0分。下山時の下降はオボコ沢の予定だが、万が一登山道を下ることになっても沢靴で問題ないだろうとの判断で、アプローチシューズをデポする。
11時40分入渓。沢慣れしていないため、私は早々に苔のついた石で足を滑らせ、ズボンを濡らす。先が思いやられる出だしであるが、これで濡れる覚悟ができた。
恋ノ岐の出だしは所々に数メートルの滝が現れ、入渓直後のウォーミングアップといった感じである。


とは言え、日帰り沢と違い泊まりで荷物が重く、私はと言えば、いつもなら乗り越せる高さのところで体を上げられず、ツカミさんに押し上げてもらい、岩から岩への飛び移りも躊躇し、スピードが出ず遅れがちとなる。
13時30分、清水沢付近で最初の休憩。ここから先は更になだらかな渓相となり、時々大釜を持った滝が現れ、飽きさせない。

16時20分頃、木々の間に薄く煙がかかっているように見える箇所がある。先行パーティが幕営し焚き火を始めたようだ。その対岸にも幕営可能な場所があり仮確保する。キム兄がこの先を偵察しに行くが、適当な場所がなかったため、標高1200m付近で泊まることとする。
河原での盛大な焚き火を囲み、食事をし、一息ついていると曇り空に星が見え始め、しばらくすると満天の星空となる。明日の好天を祈り眠りにつく。

2日目
残念ながら、予報通り夜中2時半くらいから雨が降り出す。
4時起床。一旦雨が上がり、6時40分出発。びっしょりと濡れたフライが重い。暫く進むと、静かな淵に魚影を見かけるようになるが、まだまだ先が長いので竿は出さず、先に進む。
8時20分オボコ沢出会。明日の下降時にピックアップする予定で、ここに少し荷物をデポする。とは言っても、状況によっては別ルートで下山の可能性もあるため、お酒等なくなってもよい物品のみだ。遅れがちな私を見かね、リーダーがフライを持ってくれると言う。一瞬悩んだが先のことを考え、甘えさせていただく。結果的にこの後はあまり遅れることなく、進むことができ助かった。(リーダー、ありがとうございます!)
オボコ沢から先は、水量が減り沢幅も狭くなるが、程よい間隔で、数mの滝が現れる。ゴルジュ状の滝が多く、次から次へとヘツリの課題を出されているようだ。

記録には沢が途絶えるちょっと前に40mの大ナメ滝があると記載されていたが、徐々に沢幅も狭まり、そんなスケールの滝が現れるような雰囲気ではない。半信半疑で進んで行くと、やや高度感のある滝が現れる。右側から登ることができそうだが、ぬめっていそうなのと、高さがあるためロープを出す。全員問題なく登る。そこから暫く進むと40mの大ナメ滝が現れた。微妙な傾斜のスラブである。乾いていればなんということもないのだが、ぬめっている箇所もあるので気を抜けない。大ナメ滝を過ぎると、その先はどんどん水が少なくなり、笹ヤブへ突入する。地図と磁石で登山道の方角に目星をつけてヤブ漕ぎが始まるが、フェルトでの笹の藪漕ぎ経験があまりない私は、結構苦戦した。ハギさんの「ヤブが水平になったよ〜」の声の後、登山道に飛び出た。15時過ぎだった。
休憩をとりながら、幕営地は検討するため、天気予報を確認しようとするが、ラジオも携帯もうまくつながらない。ひとまず電波の入りやすい頂上に向かう。目の前の登りを超えるとすぐに姫の平に出るかと思いきや、次から次へと新たなピークが現れる。
16時、姫の平到着。荷物をデポし、平が岳に向かう。
16時30分、道標に導かれ、木道脇の小道を少し進むとのっぺりとした草地が現れる。そこが平が岳山頂であった。

携帯で天気情報を確認し、姫の平で幕営とする。暫くすると小高状態だった雨が本降りとなる。二つあるテントのうち、レジャー用テントが雨漏りし始めたので、ビニール・タープで覆う。これが結構優れもので、雨を防ぐとともに、保温効果もあり、夜中の気温低下にも役にたった。湿原なので焚き火はないが、サブさんの用意してくれた豪華な夕食で和んだ。

3日目
5時過ぎに目が覚め、身支度をしていると遠くで雷の音が聞こえた。ウン?と思っているとどんどん近づいてくる。リーダーから樹林帯へ避難するとの指示が出る。5時30分、荷物をそのままにテントを飛び出し、急ぎ標高の低い場所へ移動する。雨が徐々に本降りとなる。タープを被り、姿勢を低くし、雷雲が通り過ぎるのを待つ。山の稜線での雷は怖い。近くで落雷があったようで、テントが心配になる。

小1時間程過ぎると雨が小降りになり、雷鳴も遠のいたので、6時30分にテントへ戻る。テントに雷は落ちなかったようだが、レジャーテントはビショ濡れだった。
沢靴を履き、荷物の撤収をしていると、再度雷の音が聞こえだした。急いで荷物をまとめ、標高の低い場所へ移動する。登山道脇の樹林帯で再びタープを被る。予報では今日の午後から天気が回復するとのことだったが、これまでの降雨量を考えると、沢の下降を断念し、登山道を降りることにする。ただ、登山道だと車までかなり車道を歩かなければならないため、キム兄に先行をお願いし、車を取ってきてもらうこととした。
雷が遠ざかり、キム兄出発。荷物を再分配し、残りのメンバーも8時30分に出発。稜線を下り始めると一時雨が止んで霧が晴れ、周りの景色を楽しむことができた。

その後は雨が降ったり止んだりで、一向に好天の気配がない。10時10分、台倉清水到着。ここがオボコ沢への下降点となるようだ。10時30分、台倉山通過。
エアリアマップに下台倉山から先はヤセ尾根と記載おり、沢靴なので心配したが、それほど危険なルートではなかった。下りきった後は、平坦な樹林帯の中をしばらく進み、車道に出る。14時下山。
周りを見回して車を探すがない。仕方なく歩き始めようとしたところ、こちらに向かって走ってくる車がパッシングをした。メンバーから歓声があがる。
その日は、銀山平のロッジに食事付きで宿泊し、アドベンチャーな山行を振り返りつつ飲み明かし、翌日帰京した。

(参考: 奥只見山荘 食事付きバンガロー 一人10200円)

船形連峰 大倉川鬼口沢下降ー笹木沢遡行

メンバー:こば、ハギ、つりし、ツノダ、アズ

<1日目>8/1(土)

6:00観音寺林道終点登山口―7:50定義分岐点跡―8:25鬼口沢入渓―13:30笹木沢出合―15:00テンバ(700m付近)

<2日目>8/2(日)

6:50テンバ発―9:00鎧滝―12:30登山道

8月1日(土)

東京を21時頃出発し、東北道~山形道を経由し柳沢小屋に1:30頃到着。柳沢小屋は築年数はそれなりだがよく管理されていて快適。囲炉裏があって田舎のおばあちゃん家に来たような雰囲気。ビールで乾杯して2:30頃仮眠。5時起床。夜には気づかなかったがとても気持ちのいい水場があり、冷たくておいしい。夜のうちに車で到着し、車内で寝ていたというツノダさんと小屋の前で合流。

車で林道終点まで移動。林道終点には車が5~6台以上は止められるスペースがある。準備を整えて出発。

登山口から粟畑までは軽い登りで30分くらい。ブナの気持ちのいい森の中を歩くが、幹はどれも細く若い。植林だろうか。阿波畑からの登山道は仙台カゴまでピークを巻いてアップダウンも少なく快適。仙台かごを越えて下りきったところが定義分岐点跡で、97年のトマの記録ではここから大倉川鬼口沢(本流)に向けてトラバース気味に進むとある。

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地形図で1000mの等高線伝いに尾根を回り込んでいくと鬼口沢右岸の崖マークが切れる場所があるが、ここが入渓の目標地点。分岐から少し行くとすぐに踏み跡は見えなくなる。たまに踏み跡らしきものやピンクのテープがあったりするが、実質地形図とコンパスが便り。手前の尾根を回り込むと下の方がやや平坦に見える。地形図で鬼口沢の崖マークの上にあるなだらかな地形のようだ。であればこれをたどればいいはず。と言ってみるとこれがビンゴ!8:30入渓
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下降を開始するが最初からまずまずの渓相。小滝をクライミングダウンしていくと1時間ぐらいで15m位の滝が現れる。これは懸垂。下部が少し空中懸垂となるが問題なく下降していく。

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最初の大滝を超えると沢は開けてくる。両岸が切り立ったスラブ状のV字谷となり日差しが直接差し込むので暑い。一か所未だに雪の残るところを発見。ウドか何か山菜がないかと探し廻るも収穫なし。左岸から何度か沢が滝となって合わさる。滝に打たれたり淵で泳いだりしながら体を冷やす。P1020344

V字谷が終わり、緑が濃くなると5m位のすだれ状の滝となる。傾斜はないがつるんとしているため念のためロープを出す。渓相は河原歩きが中心となるが、その分快適なテン場適地が目立つようになる。魚影も濃い。途中右岸から金吹沢が滝で出合い、しばらく行くと小ゴルジュとなり今日のハイライト笹木沢手前の大滝となる。前出のトマの記録では30mとあるが、近年のひろたさんの記録では15m程度。但し上からは下の様子が把握できない。左岸を5m位上がると樹木があるので、懸垂用にロープをセットしつりしさんが様子を見ながら下降することとする。万が一の時の登り返し用にツノダさんのアッセンダーを借りて行く。左岸を下降するが、若干水流から離れるようにルートを振りながらの下降となるが、ロープの長さも充分であった。

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この滝のすぐ下で笹木沢と出会う。時間は14時。この先テンバ予定地の770m付近までは特に大きい滝もなく安全と判断。つりしさんとツノダさんは大倉川本流を少し釣り下ってから笹木沢を遡ることに。残る3名は先行してテンバを探す。出来るだけ水流を避けて遡行していくが時折大きな魚影が走る。

笹木沢に入ると渓相はナメと滝の連続となる。小滝を超えると長いナメが続くといった感じで東北らしいやさしい感じが続く。長いナメの間のちょっとした淵にも大きなイワナが。今晩のご馳走が頭をよぎる。

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15時頃右岸の1m位上がったところに焚火跡を発見する。周囲を整地すると5人くらいが焚火を囲めるスペースが出来る。少し上がったところにはテントも張れる。薪を集め焚火の準備をしていると釣り師二人が戻ってくるが、なんと手ぶら。どうやら水温が高く魚が餌を食わないという。まあ僕ら先行者がいたのだから警戒して喰わないのも当たり前。そこで二人はテンバの上流に。今度はイワナ3匹をゲット。ツノダさんが持ってきた牛タンとで豪華な宴となった。

 

8月2日(日)

朝5時に起床。7時前に出発。最初しばらくは高くても5m位の登れる滝と長いナメが連続する。7:30ごろ7m滝。スタンス、ホールド共に細かそうで、中盤はツルッとしていていやらしい感じ。ロープを出してリードする。案の定中盤でホールドスタンスが見つからず動きが止まる。小さなクラックがありボールナッツが決まりそうで決まらない。1か所ランニングが取れれば随分気持ちが違うのだが。仕方がないのでランニングをあきらめホールドを探す。手を伸ばしきったところに何とかカチで決まるホールドを発見。左足をクラック状の岩の隙間にかましてそーっと上がる。何とかクリア。ロープをフィックスして後続にはタイブロックで上がってきてもらう。

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その後も7m位の滝を2つほどクリアすると目の前に鎧滝がそそり立って見える。しかしこの鎧滝、左壁の乾いたところを登ると何とも快適。階段状である。高度感がかえって気持ちいいくらいだ。落ち口付近が少しぬめっていて気を付けなければならないが、簡単に登ることができる。

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鎧滝を超えると滝やナメはいくつか出て来るものの若干単調な様子となり源頭の雰囲気が出てくる。しかしイワナはまだいる。そしてここからが長く暑い。つりしさんは何度となく泥水に浸かって体を冷し、全員ひーひー言いながら詰めあがった。但し大した藪漕ぎは無く登山道に出ることができた。

短い下山で駐車場に、柳沢小屋の冷たい水で顔を洗い舟形連峰を後にした。

短いけどいい夏休みといった感じでした。

会越国境 霧来沢大鍋又沢右俣左沢~中俣下降

平成27年7月4日・5日

メンバー つりしL(記録)、はぎ、えび

7月4日 王子6:00発→林道通行止箇所11:30(道中観光など寄り道1時間ちょい)→入渓13:00→三俣BC地点15:00 行きはバッタ(釣餌)・山菜をとったりしたので車からBCまでのコースタイムは5日を参考にしてください。

7月5日 BC7:15発→二段30mスラブ滝下8:11着/滝上9:05発→御神楽の稜線着10:00→(携帯紛失30分ロス)→中俣沢着11:50→BC12:05着/12:40発→林道12:50着→駐車場所15:20着

 

アプローチは東北自動車道から磐越自動車道の会津坂下ICを出て国道252号を走り本名ダムの脇に伸びている林道を入っていく。

林道はよく整備されていて、普通乗用車でも問題なく走れるよい道だが今年途中の橋が流されたようで手前で通行止めのバリケード(下記写真)。(詳細は金山町HP参照)

あと余談であるが、行きはインター出てすぐのところにセブンイレブンがあり買い出しできる。(そのあとすぐのファミマであとは道沿いにはコンビニ無いので注意)

そのセブンの対面に野菜売り場があり、お買い得。

特大大蒜200円をひとつ買ってたき火で焼いたらジャガイモみたく甘くて大好評

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林道は入渓点に近づくところからやぶが濃くなり、ぬかるむので沢靴での歩行が良い。本流と左岸からの枝沢の合流したところの降り口にピンクのテープがある。

沢のぬめりはあまりなくフェルト靴・ゴム底どちらもフリクションに問題なし。

下記写真は入渓点から少し入ったところ。幕営地までに高巻1か所、宴会材料で重い荷物には少ししんどいトラバース1か所あったが、あとは特に問題なし。

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入渓して1時間30で今日の幕営地である変則3つ俣に到着、一段上がった平地の葦を倒してテンバにする。
あと中俣にすこし入ったところにも樹木の中に良いテンバがあった。
時間があるので左俣を釣り上がるもチビイワナばっかりが飛びついてくる、ようやく20cm一匹確保したがスノーブリッジが出てきたので終了した。
三俣付近まで来ると水量が減るので下流が釣りにはおすすめ。
山菜はウルイが多かった、あとはワラビ少々、ウドはなかった。
河原にでて開放的な場所でのたき火が楽しい。

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深夜に雨が強くなり河原に出しっぱなしの荷物を一段高いテント場所にあげる。

水かさが少し(5cm)くらい上がっていたが、水量が少ないので特に問題はなかった。しかしスラブ状の岩肌が多いのであまり保水能力があるとは思えないので用心にこしたことはない。

翌朝、雨が止んでいたので出発、大鍋又沢右俣を少し行くとすぐにスノーブリッジ2ヶ所 ひとりずつ下を通り抜ける、標高600m位なのだが、さすが豪雪地帯である。

スノーブリッジはそこだけであとは無かった。

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二俣までは単調な渓相だが右俣左沢に入ると沢も開けてきて2m~5m位のボルダチックな小滝が連続して楽しい。
少し行くと前にスラブ滝、下記左の写真が下部20mくらい 右が上部10mくらい
その間に10mの踊り場あり、40mザイルでは一気には届きそうもないので 踊り場にハーケンを打ち一度切る。
下部は高さはあるものの手足はちゃんとしたのが続いているので慎重に行けば大丈夫、上部は写真の取付ルートは少しやらしかったようで一度戻って右に回りこんで登った。

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スラブ滝を超えて少し行くと水が無くなり、稜線に突き上げる乾いたスラブ帯が出てくるが傾斜ゆるくザイルは必要ない、ただ浮き石が多いところがあるので注意が必要。
稜線に出ると標高1000mと思えない深い山々が素晴らしい。携帯(ドコモ)は稜線に出ても繋がらない。

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下山ルートは最初の稜線を右に折れやぶを掴みながら下りていく。
やぶの密集度は低くシャクナゲ、つる類もないので至極快適である。
途中、保険でGPS代わりのスマホをヤブコギ中に落としてしまい、戻って探したので30分ロスした。(運よく発見できてホッとした。)
最後沢に降りるところは直進すると急であったので最後の小ピークから左(中俣下流側)に降りたら途中沢形にぶつかり中俣沢にザイルを一度も使わずに降りられた。

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あとはゆったりとした流れの中ノ俣沢を少し歩くとBC着、すぐに撤収して沢を下降していたら、単独で来ていた釣り人(フライ)に会う、我々が上流から来たのでこの渓相だとこの上は釣りにならないだろう、我々が悪いわけでもないのだが、ここまで来たのに残念な釣り人の気持ちもよくわかる「すみませんね」と声を掛けると「戻って別の沢に入るので気にしないで」と気持ちよく言ってくれる。

帰りの温泉は国道から少し入ったところにある「つるの湯」入って初めて知ったのだが湯治場もある由緒ある温泉、濁り湯の泉質も気持ちよかったし、横を流れる只見川から吹いてくる風も気持ち良かった、最後まで癒された沢行でした。

霧来沢ほかにも魅力的な支流があり、楽しめそうです。