北アルプスから中央アルプスへ

北アルプスから中央アルプスへ(平成26年8月30日~31日)

【メンバー】けんた(記)

8月30日(土) 中の湯バス停~乗鞍岳~南乗鞍オートキャンプ場
8月31日(日) 南乗鞍オートキャンプ場~木曽福島駅

8月29日の夜、竹橋からバスで出発し、8月30日4時20分頃、釜トンネルの手前あたりの中の湯バス停に到着。ほかに男性2人、女性2人のパーティーがおり、焼岳へ行くとのこと。自分は乗鞍岳へ行くと言ったら「?」な反応をされる。

焼岳登山口到着を過ぎるまではひたすら登りが続く。ペースを上げつつ歩く。

6時30分に平湯に到着し、登山道を登るための準備をする。平湯スキー場が登山口となっているのだが、登山口に入るがルートがよくわからない。スキー場下をうろうろしていると、牧場の山羊たちに変な目で見られる。気を取り直して進んでいると、途中カモシカの親子と遭遇。子を先に行かせて、親はこちらの様子をうかがっていた。

01_平湯尾根へ
平湯尾根への入口

しばらく進むと、スキー場の上部へ。そこから本格的な登山口に入り、しばらくははっきりした登山道がつづく。乗鞍権現社を経由し、高度を稼いでいると、ハイマツが生い茂ったり、水たまりがあったりと歩きにくくなる。さらに、こぶし大ぐらいのぼてっとした動物の糞も登山道に見られるようになる。正直、クマではないかとかなり恐れおののいた。ちなみに乗鞍岳はツキノワグマが多いらしく、岐阜県ではクママップを公開している。

10時40分に平湯・十石登山口に到着。ここから乗鞍スカイラインを歩く。乗鞍岳バスターミナルに到着して早々。うどんセットをいただく。わかめうどんに稲荷ずしがセットになったもの。周りには家族連れが多い。その後、一般登山客に混じって剣ヶ峰を目指す。肩の小屋に到着後、きつねうどんをいただく。ちなみに、バスターミナルでうどんセットを頂いてから1時間も経っていない。肩の小屋から30分ほどで、剣ヶ峰に到着。曇りではあったが、吹く風が気持ちよかった。

13時に下山を開始するも、中洞権現の尾根までは、ハイマツやシャクナゲの中を歩く。岩が配置され、マーキングもしてあったので歩きやすかったのだが、ガスっており、マーキングを見つけられずに、道を外してしまう場面があった。その場合は、ハイマツの上を歩く羽目になる。

中洞権現ノ尾根への分岐点は、わかりづらかった。地図とコンパス、高度計を見比べ、ここだろうという分岐を下る。しばらくハイマツ帯が続いたが、樹林帯に入ってからが大変であった。笹、苔のついた岩、水たまり(どうやら沢が横切っている場所がいくつもあったらしい)の繰り返し。藪漕ぎには慣れていないため、滑る、よろめく、コサックダンスをする、尻餅をつく、片足が滑落する、の繰り返し。マーキングのテープは慎重に探せば見つけられたが、焦っていると必ず道に迷うような状態であった。また、クマの恐怖もあったため、絶えずクマ鈴を鳴らしまくり。途中からは、雨・雷もひどくなり、かなり必死に下山した。林道に出られた時は、この山行で最高にうれしかった。

02_中洞権現
中洞権現ノ尾根登口

ちなみに平湯尾根、中洞権現ノ尾根では、誰とも会うことはなかった。

16時55分にオートキャンプ場に到着。受付手続を済ませた後、早々にツェルトを張り眠りについた。が、しばらくすると息苦しさに目を覚ます。通気性がほとんどないツェルトで、雨のため入口を閉めていたので、酸素不足になった模様。入口を開けて空気を取り入れる。そんなことを一晩に3回ほど繰り返した。

03 初投入のツェルト
初投入のツェルト

日(8月30日)5時に、水浸しのツェルトの中で起床。羊羹を2個ほど食べて出発。木曽街道を目指して進んでいると、サルの群れに遭遇。彼らもこちらに気付き、警告の甲高い鳴き声を発する。少し後退して様子を眺めていると、小さな子ザルも駆け抜けていく。朝の散歩の邪魔をしてしまったようだ。

国道361号と合流し、しばらく進むと、左ももに違和感を感じるようになる。理由をいろいろと考えながら走る。1週前に南アルプスから太平洋へ移動した際には、全然問題なかったのだが。いろいろ考えた末、前日のコサックダンスが足に響いていたことに思いいたる。藪の中を必死に移動したので、その時は何ともなかったのだが、思えば体の随所に痛みが感じられた。

県道20号へ入る頃には、左ももの痛みとの格闘となり、ゴールできるか焦り始める。昼頃に道の駅に到着したのだが、その頃には、走ることができなくなる。ソフトクリームを食べ、鋭気だけでも養うことにした。

13時頃に国道19号への入り口、元橋に到着。ここまで来るとあと少し。足を引きずりつつ進む。木曽福島駅へは以前来たことがあり、見なれた景色が見え始める。遠くに見える入道雲が印象的であった。そして、13時半 木曽福島駅に到着。無事到着できたことにホッした。

この雲はたぶん一生忘れない
この雲はたぶん一生忘れない

温泉で汗を流した後、木曽川を眺めながら食べる田口氷菓店のジェラートは最高であった。

I  scream!!
I scream!!

南アルプスから太平洋へ

南アルプスから太平洋へ

【メンバー】けんた(L・記)・キム兄

8月20日(水) 22:00竹橋集合
8月21日(木) 畑薙~荒川小屋
8月22日(金) 荒川小屋~椹島ロッジ
8月23日(土) 椹島ロッジ~千頭
8月24日(日) 千頭~大井川河口

01_海へ
海へ

正直、海が見えても淡々と走るんだろうなと思っていた。荒川を下り東京湾へよく走りに行くし、この企画の前月に100kmのトレランレースを完走していたので、次は100マイルレースの完走を目指していたからだ。単純に南アルプス南部の赤石岳と荒川三山を縦走し、その後、海を目指して走るだけだったら、淡々と走っていただろう。
海からの暖かい風が吹き始め、この1ヶ月の間に多くの部隊がアルプスを歩き、線を繋いできたという事実を思い出した時、鳥肌が立ち、胸にこみ上げるものがあった。思わず舗装道から一段上の防波堤の上に飛び上がっていた。

8月20日
集会に出席後、皆に拍手で見送られる。拍手をすることは頻繁にあるが、自分が拍手を受けることなんて何年ぶりだろうか。北とぴあを後にし、竹橋でキム兄と合流し、バスに乗り込んだ。

8月21日
5時に畑薙ダム臨時バス停に停車。乗客が一斉にバスからいなくなる中、我々はゆっくりと支度をし、入念にストレッチを行う。5時50分、出発。基本、上りは歩いて、下りや平地は走る。太陽はまだ低く、走るのにちょうど良い。
椹島に到着し、トイレ休憩もかねて、椹島ロッジへ立ち寄る。9時に椹島を出発。快調に登山道を登っていき、11時30分に赤石小屋に到着。昼食をいただく。
13時40分に赤石岳到着。ちょっとガスっており、眺めはよくはなかった。その後、荒川小屋に向けて出発する途中、知り合いと遭遇。平日の木曜日、人は少なく、偶然の出会いにお互いがびっくりする。
15時10分に荒川小屋到着。夕食では、荒川小屋名物のカレーをいただく。独特のスパイスが食欲をそそった。夕食時、窓からは富士山が見え、皆それぞれ夕景を楽しんでいた。

8月22日
4時30分に起床し、朝食をいただく。5時35分、荒川小屋を出発し、1時間ほどで、前岳に到着。天気が良く、昨日歩いてきた赤石岳からの縦走路がきれいに見えた。緑に覆われた3,000m級の山々、南アルプスの魅力だ。

南アルプス南部の縦走路
南アルプス南部の縦走路

途中、中岳に立ち寄り、7時40分に荒川岳に到着。天気は最高。南は伊豆、北は妙高、西は穂高・槍まではっきりと見ることができた。しばし、景色を楽しみ下山を開始する。途中、千枚小屋で休憩。ソウルミュージックやボサノバがかかる洒落た山小屋で、小屋内もきれい。電気がまだ動いていないということでケーキセットは食べられなかったが、ドリップコーヒーをいただく。ここで、1時間ほど休憩。キム兄は昼寝、私は「山と渓谷」剱岳特集を読む
その後は一気に、椹島ロッジまで降りる。受付を済ませたのち、テントサイトにて、下山祝いの酒を酌み交わす。開けた平地で、山々も見える。上高地のような高原の避暑地な雰囲気がかもし出されている。山に登らないでここでボーっとするだけでも良いという話になる。

8月23日
椹島ロッジで朝食を頂いた後、6時30分のバスで畑薙ダム臨時バス停へ。
7時55分 走り開始。基本、先頭がキム兄、トンネルは自分が先行して進んでいく。途中、素朴な道の駅で休憩し、ざるうどんをいただく。
【03_消化を考慮しざるうどん.jpg】

消化を考慮しざるうどん
消化を考慮しざるうどん

午後になり、雨が降り出す。すぐ止むと踏んで高をくくり、雨宿りしたが、これが大変なことに。雨はいっこうにやむ気配がなく、ひどくなるばかり。このままだと宿に到着できなくなりそうなため、雨具を着込んで強行する。坂では雨水が流れ、くるぶしまで水につかりながら進むことになった。後で知ったことだが、我々が走っていたエリアは静岡県でもかなりの降水量があった地域だそうだ。
16時頃 何とか宿に到着。宿でタオルを借りて、すぐに温泉に入りリラックス。夕方、少し町を散策する。夕食は、居酒屋(中華料理屋?)でいただく。給仕されていた方がとても素敵な方でした。

8月24日
4時に起床し、5時に出発。最初少しだけ小雨が降るが、だんだんと晴れ間も見えてくる。新道(国道)と旧道(県道)が並行して走っており、アップダウンが少ない方を選びつつ走る。山と山の合間を縫って、時々トンネルを抜ける。
【04_お茶畑を進む.jpg】

お茶畑を進む
お茶畑を進む

島田市からは街に入った雰囲気となり、人家が多くなり、自販機も増える。山道を抜けて街に入ると無性にうれしくなる。国道1号手前でセブンイレブンを発見、ここで大休止を取る。休憩の後、河川敷に上がる。本日は、大井川花火大会らしい。
河川敷沿いは、強い日差しにさらされアスファルトの照り返しを浴びて、体が熱くなる。ペースが落ちる。河川敷は程よく水道が整備されていたので、首筋などを冷やしながら、歩いたり走ったり歩いたりを繰り返す。最後2km、ゴール直前で再び走り出す。海が近くなり、テンションが少し上がる。生暖かいが、優しい風に吹かれる。河口基点0kmを過ぎると、海は目の前まで迫っていた。

2014年8月24日午後3時
2014年8月24日午後3時

奥穂~西穂

60周年記念山行 奥穂~西穂

期日:2014年9月5日~7日(前夜泊1泊)
参加者:ハギCL、こば、いしつかみ、つりし(記録)、SA山(間ノ岳で合流)
5日:王子駅集合20:30→24:30あかんだな駐車場(入場は4:00から)
6日:上高地6:30→横尾8:50→涸沢11:20→奥穂高山荘14:00
7日:奥穂高山荘6:15→奥穂高山頂7:00→ジャンダルム山頂7:55→天狗岳山頂10:00→間ノ岳11:00→西穂高山頂12:00→西穂高独標13:20→西穂高山荘14:00/14:30→西穂高口ロープウェイ乗場15:30/15:45(ロープウェイ)新穂高温泉16:10 タクシーであかんだな駐車場16:40位
途中風呂入って 王子着22:30位

はじめに
60周年記念山行、他の隊はお盆の悪天にも関わらず予定とおり完遂し、アルプス同士を繋ぐラン隊もあれよあれよと破竹の勢いで安全制覇、我々がお盆にやり残したルートが最後に残ってしまう。
お盆山行から帰京し、毎週リベンジを狙うが天候不順で2週続けての延期、秋雨前線がしつこく居座り続ける、そのうち雪が降り我々の担当箇所が60周年記念山行で唯一未踏になってしまうのではないかと、萩リーダーは毎日変わる天気予報で一喜一憂をしている。
そんなこんなで9月突入、その一週目にようやくなんとか天気がもちそうな予報が出た。
すっきりではないが、こうなりゃ眺望が無くったって行くべしと出発。

5日
20:30王子発 車で出発 中央高速はガラガラ
24:30平湯あかんだな駐車場到着 4:00までゲートが開かないので平湯バスターミナルまで戻り幕営するが3:00頃になるとバスの到着音、人の話し声などで寝られず、4:00ようやく開いたあかんだな駐車場に移動し車内で爆睡、携帯の目覚ましセットしたがその携帯の電源を消したので、気づいて飛び起きたのがバス発車時刻の10分前、慌てて詰め込み上高地行の始発バス発車ギリギリ間に合う。
(帰りのタクシーの運転手に聞いたが、タクシーを利用してくれるならばタクシー会社の駐車場を無料で使わせてくれて、そこで幕営も可能とのこと)

9/6 涸沢小屋から
9/6 涸沢小屋から

6日
6:30上高地発、8:50横尾山荘着
11:20涸沢ロッジ着 快晴で山々がすごく綺麗このまま涸沢にいたいが、1泊で抜けるため今日は奥穂高山荘まで行かなくてはならない、その先のザイテングラードは岩場ではあるが傾斜はさほどきつくなく浮石さえ気を付ければ特に問題になるようなところはない。
14:00 奥穂高山荘到着 ここは持ち込みゴミでも捨てられるのがありがたい。
テント場所は段々畑状で狭く我隊持込みの4-5テントだと数か所にしか張れるところがない、それもギリギリなので、ヘリポートに張らせてくれと交渉に行くが却下、遅くなったら後続が次々と張っていたので交渉する時間がまだ早かった。
夜 雨風が強くたびたび起きる、来た道を戻るのかもと敗退が頭をよぎる。

馬の背
馬の背

7日
3:00起床 土砂降りなのでシェラフに再び潜って様子見、テント内は水たまり
5:00 風が少し穏やかになり雨も霧雨になってきた スマホで雨雲の様子を確認すると、これ以上は悪くなりそうもない。
6:15奥穂高山荘出発
7:00奥穂高頂上 霧雨のなかで眺望なし先日天気のよい頂上で撮影したのでスルー
7:30馬ノ背
はじめ1mくらいはあった岩稜がだんだん狭くなっていき、とうとう三角形に先行パーティーは「岩が濡れて滑る!」と言いながらその△を跨ぎズリズリ移動している、中世の拷問風ムーブを目の前で披露され、新調したばかりの合羽を心配する。

ジャンダルムをトラバース
ジャンダルムをトラバース

いよいよ順番が回ってきた、確かに一歩がいまいち、乾いていたら置けそうな小さな窪みも濡れて滑りそう、私は先日買ったばかりの登山靴なのでどうにも自信がない、迷ったすえトップつりしは飛騨側にある段差に足をそろりと掛けこわごわ降りる、お次のみっちゃんは豪快、がばっと両手で石を抱え込み上高地側に両足は空に舞いながら、左足はその少し下のステップをちょいちょいとつま先で探しているではないか、下は何百mもキレ落ちてる、私には恐ろしくてとてもできません。
お次の萩リーダーはもっと手前の上高地側くぼみを使用しすんなりクリアー、こばさんはもっと後ろから上高地側の段差でトラバースし危なげなく超えてきた。
たぶんここが核心部であると思われるが、なぜか4者4様のルートとりであった。
後ろからきたカップルPは女性が「無理無理~!!」と悲鳴を上げていて引き返したよう。
7:55 ジャンダルム登頂 霧で眺望なし 直登もできるということだが、今回は岩も濡れているので、西穂側から回り込む一般道で登った。
8:10 幕営適地 ジャンダルムから下山後、いたさんに教えていただいた万一のときの幕営可能な場所を発見、もちろん水場はないが2~3張はできそうである。

天狗岳逆層スラブ下降
天狗岳逆層スラブ下降

9:20  天狗のコル到着 老齢の単独男性が岳沢小屋からここを通り西穂高のルートを歩いていたゆっくりだが、とても元気そうだ。天気も次第に晴れてくる。

10:00天狗岳登頂 鎖場が多い岩を登る、下りには有名な逆層スラブ、長い鎖につかまりながら慎重に下りていく。すでに岩は乾いていたので問題なし
10:50 間ノ岳山頂直下 聞きなれた「ケッチボー」見上げるとSA山さんの満面の笑み、予想だにしてなくみんなびっくり大感激、この瞬間60周年記念山行がつながった、それも最後はコールサインで締めるなんて、ほんとSA山さん出来すぎ、最高の「ケッチボー」感動でした。その後、SA山さん合流で隊はさらににぎやかになる。

11:00間ノ岳 岩肌に白スプレー書きしているだけ、見落としそうになるがSA山さんから「ここがあいのだけ山頂だよ」と言われ「まのたけ」でないことを知る。
12:00西穂高山頂 前後のルート、とくに問題はなかったと思う。

西穂高岳手前から、間ノ岳の向こうに天狗岳
西穂高岳手前から、間ノ岳の向こうに天狗岳

13:20 西穂高岳独標 いきなり人が増えて山頂は大混雑、ヘルメットを持っている我々はハイカーにどこから来たんですか?とよく聞かれる、そのとき「よくぞ聞いてくれました」というのを悟られずに「ええ奥穂から来たんです」とさらりと返答する高等テクを身につける。
14:00 西穂高山荘到着
14:30 西穂高山荘出発 我隊投票の結果、醤油よりも味噌ラーメンがお奨め。
15:30西穂高口ロープウェイ乗場着

おわりに
とても気がかりであった、お盆に残してしまったルート 毎週天気予報を見ながら参加メンバーみんなでヤキモキ、とくにハギCLは重責を一手に担い気の毒であった。
しかし、コバ予報担当の加入に大いに助けられ、そして稜線上でSA山さんとケッチボーという最高の形で繋ぐことができました。
あっそうそう、みっちゃんほんとありがとう、持ってきてくれたお守り御利益ありましたね。
おかげで全部繋がりましたって、お礼言っておいてね。
交通費 車(高速、ガソリン、駐車場500円×2日1000円)=約20000円÷4人(一人5000円)
あかんだな駐車場~上高地(バス)1160円
ロープウェイ 1600円+荷物代500円=2100円
新穂高温泉~あかんだな駐車場(タクシー)6000円÷5人(一人1200円)
一人頭の交通費合計 9460円

60周年記念山行 槍~北穂~奥穂

期日:2014年8月9日 ~14日(5泊6日)
参加者: ハギCL、みどり、いしつかみ、こなが、つりし(記録)
コースタイム
9日:新宿高速バス7:20→上高地12:30/13:00→徳沢キャンプ場14:30
10日:徳沢キャンプ場9:00→槍沢ロッジ11:20停滞
11日:槍沢ロッジ5:50→槍ヶ岳山荘9:50 悪天小屋停滞後 山荘13:00→ 槍ヶ岳山頂13:30→山荘 14:00
12日:槍ヶ岳山荘5:00→中岳山頂6:00→南岳山頂7:00→南岳小屋7:30停滞
13日:南岳小屋4:30→長谷川ピーク6:00→北穂高8:25→涸沢岳山頂10:40→奥穂高山荘11:00/11:40→奥穂高山頂12:40→紀美子平14:30→岳沢小屋16:30
14日:岳沢小屋5:00→上高地7:20着 3人バスで帰京
焼岳ピストン組:田代橋焼岳登山口8:50→焼岳山頂12:30→焼岳登山口15:20→上高地15:50

はじめに
出発3日前に台風11号の直撃が確実なことが判明、当初の計画では中の湯から入り焼岳から槍ヶ岳に向けて縦走をする予定だったが、これでは西穂の稜線上で台風を迎えてしまうので、前半稜線に上がらないで済む槍沢沿いに槍に上がり焼岳方面に向かうコースに変更、それに伴いバスも8日深夜便から9日昼便にチェンジ、出発直前の計画大幅変更でリーダー大忙し台風一過を期待し出発を決断。

8/9 徳沢園
8/9 徳沢園

9日
バスは台風接近でガラガラ一人2席独占、後ろも空席なのでリクライニングし放題、こういったバスならとても良い。 13:00上高地発 今日のキャンプ地徳沢14:30着、芝生で寝心地が良い、徳澤園でビールにおでん、歩いて5分の徳沢ロッジで風呂、こういうの好き。

8/10 横尾から槍沢へ
8/10 横尾から槍沢へ

10日
9:00徳沢キャンプ場出発
朝から雨模様、これから台風接近、今日も停滞かと思っていたら、明日の工程を楽にするために少しでも歩を進めたいとみどりちゃん、ばば平まで風で行けないかもしれないが、そうなれば槍沢ロッジ山荘泊にしようと進軍開始、10:00横尾山荘を通過しようとしたら長野県警の人が駆け寄ってきて、これから夜にかけて台風が最接近するのでばば平に幕営するのは難しいと思いますとのこと。
11:20槍沢ロッジ到着、入口に山岳救助隊のお兄さん、曰くこの先は地形的にも風が強くなるので行かないほうが良いとのこと、素直に小屋泊決定、悪天だが登山者はここで止められているので混雑ぎみ、布団1枚二人の初体験、しかし横の知らない男は寝相悪し、寝られないので談話室に移動しシェラフを広げて寝た。

8/11 ババ平から大曲
8/11 ババ平から大曲

11日
5:50槍沢ロッジ発 台風は過ぎた筈だが朝から大雨、しかしこれ以上天候は悪化しないだろうと予定通り槍ヶ岳山頂を目指す。途中、かなり雪渓が残っている、あとで小屋の人に聞くと今年は例年と比較し残雪が多いようだ。
9:50槍ヶ岳山荘到着 風雨ともに強く合羽を着ても内外ずぶ濡れで寒い、本日も小屋泊とし山荘内で天気が良くなるのを待つ、回復したら即座に槍の穂先を目指すのでビール禁止の厳命が下る。

8/11槍ヶ岳頂上の梯子
8/11槍ヶ岳頂上の梯子

13:00少し風が弱くなり、雨も霧状になる。ここでリーダーの進軍発令、濡れた直下の長梯子が怖かった。
13:30槍ヶ岳山頂 、山頂には誰もいなく我が隊が独占。
14:00 槍ヶ岳山荘到着 多くの待機者を尻目に登頂成功の乾杯、少し誇らしい
ここでこながさん、どうやら私の持ってきたコンビーフ主体の刺激物まぜこぜした爆弾みたいなつまみに当たったみたく、一時は蕁麻疹がひどくなり明日からの行程も危ぶまれたが、さすが北アルプス 大学の診療所まであり処方された薬で落ち着いた、ちゃんとアレルギーなどを聞いておかないとと大反省。

12日
5:00槍ヶ岳山荘出発 風雨強し
6:00中岳 7:00南岳 いずれも横殴りの雨が痛いなかの登頂
7:30南岳小屋到着、この先は岩稜帯の大キレット、予報を見ても好天になる可能性低いので停滞決定、これで小屋泊怒涛の3連チャン、濡れて重い幕営道具使ってはないが、担いでいるから良しとしよう。

8/12南岳から北穂、奥穂岳遠望
8/12南岳から北穂、奥穂岳遠望

その後15:00に天気が回復し、今回初眺望に一同感激、先ほど通ってきた南岳に再び登り返し眺望を楽しむ、そして小屋番があわただしく動く 聞くと悪天続きで物資枯渇気味だったので、この晴れ間にヘリで食材などを運搬してもらうという、青空に各小屋に急行しているヘリ複数、子供のようにはしゃぐ我隊男子、濡れたテント、ザック、自分も外干し。

8/14 長谷川ピーク
8/14 長谷川ピーク

13日
3:00起床4:30出発 快晴、いよいよ大キレットである。
先行者は同じ小屋で会った単独の若者一人、ルートはあちこちに白い目印があるので、落ち着いて見て行けばルートを外す危険は少ない、また要所には梯子、鉄のステップ、鉄ピン、鎖などがあるので慎重にいけば平気のはずなのだが、キレ落ちているので、高度感満天。
特に飛騨側の下から冷風が吹きあがっていてぞくぞく来る。
5:00朝日がこれから我々が行く北穂までの稜線を赤く染め美しく感動。
6:00鞍部の岩稜帯にHピークのペンキ、ここが長谷川ピーク、両側すぱっとしている岩尾根をごつい鎖を掴みながらトラバース気味に伝い下りながら最後、長野側から飛騨側の鉄の足場に体を移すのがちょいとやらしい、そのあとの飛騨泣きは登りなので見た目よりさほど怖さを感じないが浮石が多いので慎重に登る。

鞍部から涸沢槍に向かう
鞍部から涸沢槍に向かう

8:00北穂山荘に到着、大休憩しそこから、石段を少し上がると8:25北穂高山頂登頂、2日前に登った槍ヶ岳が綺麗に見える。皆で大キレットを無事超えてきたことを称え合う。このさき北穂から涸沢岳までも岩稜帯は続くが、先ほど通ってきたルートよりキレ落ちてるところが少なめなので恐怖感があまりない
10:40 涸沢岳山頂 山頂から奥穂小屋までは、なだらかな良い道
11:00 奥穂岳小屋 南岳小屋で会った単独お兄さんとしばし歓談、大キレットでは我々の高笑いが後ろから終始聞こえてたよう、すみませんねーにぎやかな隊なんです。
小屋情報だと本日夕方より雷雨、明日の予報も一日雨とのこと、リーダー中心に作戦会議、ここで泊って明日西穂まで行くには予報が悪すぎるので、天気の良い本日中に吊尾根、重太郎新道を通り岳沢小屋もしくは上高地まで下山するというもの、みんな体力、気力十分である。
11:40奥穂高山荘出発

奥穂から前穂へ(左のトンガリは前穂4峰)
奥穂から前穂へ(左のトンガリは前穂4峰)

12:30奥穂高山頂到着 焼岳を見下ろす、ずいぶんと低い山に見える。携帯が繋がったので、掲示板にルート変更を書き込む吊尾根は怖さはあまり感じない岩稜ルートであるが、一か所登山者2名が登ってきた岩壁を疑いもせずに同じルートを下ったら、なんかいきなり悪い感じになり、後続のみんなも苦労している。降りてみたら通行禁止の×マーク、手抜きせずにちゃんと自分の目でルーファイしないと。
14:30紀美子平到着、ここからの重太郎新道上部は鎖、梯子が連続する急な岩稜帯を降りていく岩質も雨だと滑りそうな感じを受けたが、乾いていて問題なし。
16:30岳沢キャンプ場到着、12時間行動でさすがに疲れたのでここで泊ることにするが、/良いテン場はすでに埋まっていたので、17時以降6時前に撤収する条件付きで平地のヘリートに張らせてもらえた、我々だけだったので周りを気にせず宴会。

14日
5:00岳沢小屋出発 本日は上高地まで下って帰京組と焼岳ピストン組に分かれる。
7:20上高地着、ここで仕事などの用事で帰京しなくてはならないみどりさん、みっちゃん、こながさんとお別れ、食堂で腹ごなし。
8:50 焼岳登山口 本日も雨、口には出さないが、みんなと帰れば今頃風呂でさっぱりしてビールで・・などと考えながら歩く。

8/14 河童橋
8/14 河童橋

実は前日宴会時、つりしは酒の勢いもあり明日は一人で焼岳ピストンするという宣言し、いやいや一人で行かせたのではリーダーの沽券にかかわるとこれまた多分勢いで参加表明したような感じであった萩リーダーともに後悔一杯で口数少なし。その焼岳、奥穂から見下ろしたときは、楽勝と思ったが下から見上げるとなかなかどうして、焼岳下部は前日までの岩稜帯とうってかわり、緑豊かな登山道である。途中、北アルプスらしからぬ質素な山小屋がある、これから先はがれた登山道になっていくのだが、なだらかであるので多少の雨でも問題ない。
12:30焼岳山頂、頂上付近ではゴーという音とともに硫黄の匂い、むしょうに温泉卵が食べたくなる。 無論眺望は0、証拠写真を撮影したらすぐに下山開始、
登山口着15:30
上高地着16:00
すでに上高地周辺の風呂は終了してしまったため、タクシーに乗って風呂の沢渡までと告げると、沢渡で風呂入って待機し松本まで10000円(通常17000円)でいいというので、その案にのっかり、松本駅で軽く飲み現地解散した。

終わりに
例年、お盆の時期は沢に行くことが多いため、大変お恥ずかしいことですが夏に本格的な縦走をしたのは初めてでした。
出発前、不安を隠せない私に会の優しい皆さま方は、やっぱり核心部は人、人、人かなーお盆の槍なんか行列で進まないからトイレちゃんと行っといたほうが良いよとか、どこにも水なんか流れてないからね乾燥した岩稜帯が延々と続き昼は暑いよーとか 沢と違って山の朝は早いんだからいつもみたく宴会は延々とできないから等など、大変暖かい励ましのお言葉を多数頂戴いたしましたが、私はついておりました。
その槍では誰一人いなかったし、叩きつけるような雨であちこち水が流れておりました当然暑いはずもありません、3日も停滞したおかげで毎日早い時間から宴会もできたので、メンバーや小屋のお客さんといろんな話ができました。
こんな悪天候の中でも楽しい日々を過ごせたのはリーダーはじめ参加メンバーのおかげであります。
ありがとうございました。
また1日だけの晴れを衝いての大キレット~吊尾根、重太郎新道 すごく達成感がありました。
これを機会にまた、どこかに行きたいと思います。

交通費 高速バス往復:7400×2=14800円

富士山

富士山

2014年8月31日

いしつかみちこ

東京駅6:56(こだま633)発→新富士宮8:07着 (バス)8:30発→富士宮五合目10:20着

登山口10:30スタート~六合目10:45~新七合目11:15~元祖七合目11:30~八合目11:55~

九合目12:15~富士宮本宮浅間大社奥宮13:05~剣が峰13:20~富士宮本宮浅間大社奥宮

(下り)13:45スタート~八合目14:10~六合目15:10~登山口15:10 バス乗り場15:30出発

目覚めると、急に思い立った。

「あれっ、登山ルート変更したらどうかな・・・」

当初は、御殿場コースを予定していた。しかし、前夜の天気予報、そして当日の予報ともあまりよくない。つい先日、槍穂山行で悪天候に泣かされたばかりだったので、この日の予報に気分が落ち込む。この度の富士登山は私にとって、フィナーレ的な華々しい山行を描いていた。5年前から抱いていた、3000m級達成の最後の山であった。何度も描いていたはずの夢の大舞台である。それが・・この天気。日をずらす。しかし明日からは9月。夏富士は終わり。来年。いやいや、今年で一区切りつけたかった。だから、行くしかない。御殿場ルートは登り11キロ。標高差2275m。ちょっとした登り涯がある。いろんな事を思いながら、テクテク歩こうと楽しみにしていた。下りも大砂走りルートで思いっきり駆け巡ろう、そうワクワクしていた。日本一高い頂上。恥ずかしくてもいい、最高のポーズを撮ろう!そう、描いていた。

の、はずだったが・・・曇り時々霧。翌日、曇り時々雨。なんなのー(涙)

急遽、最短の富士宮ルートに変更した。慌てながらバス時間等印刷し、家を出発。

新幹線に飛び乗り、バスに揺られ・・富士宮五合目登山口に到着。

たくさんの人で、賑わっていた。家族連れや、外人さんなども思ったより多かった。

さあ、出発だ。ぶちぶち言わず、歩こう。さあ、行くぞ!

この最短コースは登り5キロ。標高差1315m。御殿場ルートの半分である。4つのルートがあるのだが、二番目に人気のあるコース。そう、ここは初心者コースである。

頂上までの区間、途切れることのないロープ。ここでは霧でも道迷いなしであろう。小刻みにある山小屋。トイレや水の心配もない。そんな優しい登山道を登って行った。混雑していたけれど、もじもじ後ろに付いて行ったら日が暮れそうだったので、ワサワサ登った。一人だったのでしゃべらなかった。しゃべる相手もいない。道行く人たちは、ダウンを着用していたり、あったかい格好をしていた。時折「あー寒い」まで聞こえた。なのに、私は汗だく。髪が汗に覆われ、半そで姿。もっとゆっくり歩けばいいのに(雨がふらないうちに、雨だけは勘弁して~)いつの間にか、歩きに拍車がかかっていた。

①IMG_3649

②IMG_3640

気づけば頂上。最高峰の剣が峰には沢山の人。記念写真待ち。割り込んだ覚えはないが、すぐに写真を撮ることが出来た。恥ずかしくたっていい、と思っていたがギャラリーがやたら多く、大人しいポーズしか撮れなかった。

富士宮本宮浅間大社奥宮で、しばしの休憩。昼の1時半。おにぎりを食べた。辺りを見渡すと奥宮では冬支度の作業をしていた。目の前の富士館は既に休業。来年の夏まで、ここは凍りつくのであろう。夏のほんのひと時の賑わい。今日で終わりだ。

霧で展望は全く見えなかった。本来なら、仲間たちが歩きぬいたアルプス山脈が見渡せるはず。しかし、全く姿を見ることは出来なかった。その霧の中から、ヘリコプターの音だけは、元気よく聞こえてくる。ちょうど(24時間テレビ愛は地球を救う)と言う番組で、富士登山をやっているみたいだ。隣で話しているのが聞こえた。TV中継みてみたかったけど、叶わず終わった。

計画では、朝早起きし、ご来光を堪能。そして、お鉢めぐりをして楽しむはずだった。

しかしこの天気。何も見えない。お鉢めぐりも意味がない。頂上にも行った。明日の朝方は雨。だったら、このまま下山しよう。申し訳なかったが、山小屋にキャンセルの電話をし、来た道を降りた。北稜下りというのか、すいすい下りて行った。しゃべらないと、こんなにも歩きに夢中になるのか、トレラン(誇張)選手のようだ。だけどもつまらない。やはり私は、しゃべる方が性にあっている。何だかつまらない。

富士山。これを期に何度も登ろうと思う。本来ならば素晴らしい感動的な風景が楽しめるはず。だからこんなにも多くの人が押し寄せる。次回に期待している。しかし、もう一人では来ない。富士山は、みんなで楽しむ憩いの場に感じた。

そんなこんなで、登山口に到着。バスに乗り込み、新富士宮駅に向かうのであった。

この夏、私の中の縦走に一区切りがついた。終わってみるとあっけないのだ。

ポカンと、心に穴が空くかと思いきや、心は新たな思いに、まっしぐらである。

さあ、今度は何年かかるやら・・・。

鹿島槍

【日程】2014年9月6~7日

【メンバー】カオリ(L) ・ツノダ・ミドリ・ケンタ・トヨタ(記)

9月5日(金) 22:30西川口集合
9月6日(土)

5:05登山口—8:05種池山荘—9:20爺ガ岳南峰—9:50爺ガ岳中峰—10:40冷池山荘—12:00布引岳—13:10鹿島槍ヶ岳南峰—14:00鹿島槍ヶ岳北峰—15:15キレット小屋

9月7日(日)
5:20キレット小屋—6:35口の沢—8:50五竜—9:50五竜山荘—12:45中遠見—14:50テレキャビン

 

9月6日(土)
前夜22時半、西川口でツノダ車に乗り込み、2時過ぎに扇沢の駐車場着。テント設営後、入山祝いに乾杯し、3時就寝。
4時起床。ツノダさん用意の豪華なモーニングを食べ、5時過ぎに出発。辺りはまだ薄暗く、ヘッドランプを点ける。出だしは樹林帯の中で単調な登りだが、それでも森の中は気持ちがいい。徐々に高度を上げていくと木立の合間に稜線と青空が見える。

鹿島槍1

コースタイムよりやや早くケルンを過ぎ、順調に種池山荘に到着。ここからは東に剣岳を見ながら、まずは爺ヶ岳に向かう。お天気もよく、鹿島槍の双耳峰がはっきりと見え、テンションが上がる。
ところが、爺ヶ岳を過ぎたあたりから徐々にメンバーの口数が少なくなってきた。お昼時で気温が上がってきている上に、尾根の東側は風がない。寝不足が追い討ちをかけ、鹿島槍ヶ岳への登りは蒸し暑くて身体が重い。ジグザグの登りを黙々と歩いて13時過ぎに南峰に到着。ホッとする。
北峰へ向かう途中で眼下にキレット小屋が見える。かなり下るようだが、距離的には近く感じるが、CTでは2時間かかる。気を引き締めて下降に入る。

鹿島槍²

 

岩の形状を見て、ホールドやスタンスを選びながら進むが、人によってラインが異なるのが面白い。急峻な岩場やはしごが多く手強いルートだったが、15時過ぎにキレット小屋に到着する。
さて、いよいよ本日最大のイベント、ミドリさん発案のカオリさんお誕生会の準備だ。カオリさんを談話室に足止めし、ツノダさんとケンタさんが担ぎ上げた材料&フライパンでホットケーキを焼く。チョコペンで飾り付けをし、シャンパンを添えて、ほのぼのとした夕刻を過ごす。

9月7日(日)
4時に起床。霧雨が降っており、薄暗く岩も濡れている。5時出発の予定だったが、明るくなるまで待ち、5時20分スタート。ガスがかかっており、視界は開けないが、雨ではないのでちょっと安心する。口の沢を過ぎ、しばらく進むと雨になる。急な登下降を繰り返し、G5やG4と思われる箇所を通過するが、ガスで地形がよく見えず確証が持てないうちに、あっけなく五竜山頂と山荘への分岐に出る。9時ちょっと前に五竜岳到着。

雨も上がり雲が動いており、ガスが晴れることを期待し、しばらく山頂にとどまるもタイムアップ。下山を開始する。途中春合宿ルートの話をしながら下ってくると、五竜山荘の手前でガスが切れ、日本海側の町や唐松岳への道が見えた。今回の山行では至る所で秋の気配を感じたが、五竜山荘の回りだけは緑が濃く、稜線直下の斜面には花畑が広がり、まだ夏の雰囲気を残していた。
五竜山荘からはテレキャビンまで遠見尾根を下る。
2日間ともCT10時間強、危険個所ありということでドキドキだったが、メンバーに恵まれ楽しい山行だった。みなさま、ありがとうございます。

(おまけ)
帰路の中央高速休憩所にてハギ隊と偶然ケッチボー

 

保護中: 式次第

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60周年記念山行 朝日岳~親不知

60周年記念山行 朝日岳~親不知

  • 場所:朝日岳~栂海新道~親不知
  • 日程:平成26年8月14日~8月16日
  • メンバー:サイトー・かおり(記)
  • 記録

―全体の記録は、タカタカ氏の記録を参照―

8月13日 猛暑日 ☀ (東京~富山県・泊駅)
一日入山を遅らせての、北アルプス入りとなった。
14:00 さいたま新都心駅を出発。帰省ラッシュの時間帯を避け、関越道を走る。
サイトー氏の読みが当たり、ニュースで放送されていた大渋滞を上手く避けて、軽自動車は走る。走る。
上信越道・東部湯の丸で高速を下り、松本市内へ向け、サイトー氏の愛車が唸る。ウナル。
サイトー氏が『はとバスのお姉さん』のごとく松本城を周って案内してくれる。
城壁の黒色に圧倒されながらも、サイトー氏のキャラの濃さの方が気になる。
国道148号を走り、先発隊が登っている山々を見る。

20:30 下山予定の栂海新道の出口を確認して、さらに泊駅に向け移動。
21:40 泊駅近くのタクシー会社にて駐車・小宴会の後就寝。

8月14日 晴れ ☀ (泊駅~朝日小屋:アベ隊と合流)

4:15 黒東タクシーにて北又小屋へ。
一般車は通行規制がある。地元のタクシーを利用すると助成金がでて¥1,000/人も値引きしてくれる。林道北又線管理者朝日町はすごい。
5:52 一時間もかからずに北又小屋へ到着し、準備を整えいざ入山。
沢登りのパーティは2組ほどいたが、登山者は我々のみ。
小屋から北俣ダムの手前に架かる吊り橋まで下り、歩行面がグレーチングの橋を渡る。ここからひたすら登りのみ。急登と樹林帯を覚悟した。
写真①16日はこの橋は増水で渡れなかったらしい
しかし、蛇行する山道は所々で視界がひらけ、疲れを吹き飛ばしてくれる。粋な演出のコースだ。
緑濃く、ブナの巨木が多い。

9:40 イブリ山到着
ここからは、展望よくお花畑と池塘の点在する素晴らしい登山道。2人して花の名前はまったく判らないが、美しさだけは理解したつもりだ。

写真②イブリ山山頂が10合目
写真②-2誰もいないから変なポーズもし放題

11:12 夕日ヶ原
夕日ヶ原は素晴らしい所で、登ってきたイブリ山や、所々に残る残雪・お花畑や池塘を一望できる。
はとバスのお姉さんから山男へと戻ったサイトー氏が、毛勝・猫又の山塊を指さす。絶景。

11:30 ノグチ隊と無線交信
元気な声が聞こえてきてテンションが上がる。

12:00 朝日小屋着
急登続きで大変と聞いていたが、景色や花々・無駄話が楽しく、意外にあっという間に到着してしまった。
写真③朝日小屋が見えた!
12:00 朝日小屋着
受付を済ませ、テントを張りコーヒーでまったりとすごす。
終日オープンにしていた無線でアベ隊と更新成功。水平歩道を歩いてきているようで、もう目の前に小屋が見えるらしい。サイトー氏とカメラを片手に迎えに行く。

14:00 草むらに身を隠し、疲労困憊のメンバーを激写しようと構えるが、屈強な面々はカト氏を先頭にみんな笑顔!後で知ったが、行水したらしい皆のさっぱりした笑顔にテンションも上がり、3時前からの宴会となる。
広く整地されたテント場とトイレも非常に綺麗で、さらに水場が近い。景色良し。朝日小屋テント場は最高である。
台風直撃の中を歩いてきたアベ氏・カト氏・タカちゃんの話しを始めに大盛り上がり。サイトー氏が担ぎ上げた数々の食材を美味しくいただき終演。
夕日が日本海に落ちるさまを眺めに西端に行く。雲海が広がる幻想的な日没を眺め、就寝へ。

写真④あれ?!みんなイイ笑顔

④-2雲海に沈む太陽が光のショー

日没後、アベ隊のテントのポールが折れる事件が発生するが、チームの力で補強作業を進める。また近くにいた親切な人が小屋へ工具を借りに走ってくれる。ありがたい。

写真⑤
写真⑤補修を終え再びテント内へ

15日16日は栂海新道をへて日本海へ。短い休みで何とか合流を果たせ、60周年記念山行へ参加出来たことは、大変うれしかったです。めったに登ることはない、北又を入山口に選択できたのもサイトー氏のおかげだと感謝しています。
最終日は雨の中富山湾が見えたとき、タカちゃんが感激の涙を流し、カト氏が冷静に「泣いたら足元が見えずに危ない。」と突っ込んでいた・・・こんな2人を8日間も面倒をみていたアベ氏に感心しながら、親不知へ到着。目の前の親不知観光ホテルで湯につかり、出てきたところをSa山氏のお出迎え。富山名物笹寿司がおいしかった~。皆様へ心より感謝を。

60周年記念 アルプス縦走-裏銀座縦走

60周年記念 アルプス縦走-裏銀座縦走

日程:
平成26年7月19日(土)~21日(日)

行程:
<7月18日(金)~19日(土)>(標準コースタイム:6時間45分)
東京 →(毎日あるぺん号)→ 七倉ダム(七倉山荘前) →(タクシー)→ 高瀬ダム
→ 烏帽子小屋 → 烏帽子岳 → 烏帽子小屋 → 烏帽子小屋(幕営)
<7月20日(日)>(標準コースタイム:10時間00分)
烏帽子小屋 → 野口五郎岳 → 水晶小屋 → 水晶岳
→ 水晶小屋 → 鷲羽岳 → 三俣山荘 → 三俣蓮華岳キャンプ場(幕営)
<7月21日(月)>(標準コースタイム:8時間20分)
三俣蓮華岳キャンプ場 → 三俣蓮華岳 → 双六岳 → 双六小屋
→ 弓折分岐 → 鏡平山荘 → わさび平小屋 → 新穂高温泉
→(濃飛バス)→ 平湯 →(アルピコバス)→ 松本 →(JR)→ 新宿

メンバー:
みやのり(L)、とん(以上、敬称略)、小永(記録)

記録:
<7月18日(金)~19日(土)>
22:10 竹橋・毎日新聞社西口玄関ロビー 集合
22:25 同 出発(毎日あるぺん号 7200円)
4:00 七倉ダム(七倉山荘前) 到着
5:30 同 出発(タクシー 2000円)
5:40 高瀬ダム 到着
10:40 烏帽子小屋 到着
10:50 同 出発
11:35 烏帽子岳 登頂
11:40 同 下山開始
12:15 烏帽子小屋 到着・幕営
16:30 夕食
18:00 就寝

22時10分
毎日あるぺん号は竹橋を定時に出発する。天気予報が悪かったせいか、定員の半分くらいしか乗車していない。ずうずうしくも1人で2席を占拠した。4時00分、多少の渋滞に遭いつつも定時よりも早く七倉ダムに到着する。

4時00分
、辺りはまだ暗く、星も見えない。高瀬ダムまで続く道のゲートが開くまでの間、ヘッドランプを頼りに出発までの準備を行う。ここで、横浜から来た爽やか青年と出会う。この青年の提案によって高瀬ダムまでタクシーに同乗することにする。ゲート開通の時間が近づくと、七倉山荘近くには登山客の人数に応じた数のタクシーが集結してくる。ここでは、タクシーの待ち惚けはなさそうである。

7/19高瀬ダム
7/19高瀬ダム

5時30分
七倉ダムを出発する。タクシーの運転手さんは親切な方で、高瀬ダム到着前にも関わらず、2000円丁度で料金メーターを止めたくれた。きっと4人で割り切れる値段にしてくれたのだろう。そういう意味では、青年に出会わなかったら2100円になっていたかも知れない。
5時40分、少し準備をした後、高瀬ダムを出発する。出発間もなくとんさんが憧れの槍ヶ岳を眺めるために不動沢トンネル入り口にある展望台に上がる。しかし、天気は生憎の曇り。とんさんは槍ヶ岳を諦めて展望台を降りるのだった。なお、槍ヶ岳は3日目でようやくその姿を現すことにある。長い不動沢トンネルを抜けると、長い不動沢吊橋が現れる。そして不動沢吊橋を渡ると、本格的な山行の始まりである。

その後、暫く進むとブナ立尾根が現れる。ブナ立尾根は北アルプス三大急登の一つに数えられており、さすがに急登であった。しかし、ルートは良く整備されており、更に当日は曇りで気温も高くなかったことから快適であった。先頭を順番に変えながら1ピッチ1時間程度のペースでブナ立尾根を順調に登っていく。途中、元気な「お姉さん」3人組と追いつ追われつのデッドヒートを繰り広げながら、高瀬ダムを出発して5時間後、烏帽子小屋に到着する。ブナ立尾根を登りきった直後ということもあり、烏帽子小屋で長い休みをとりたいところであったが、天気を気にするみやのりリーダーの判断で、早々に烏帽子岳に向けて出発する。

7/19烏帽子岳
7/19烏帽子岳

10時15分
烏帽子小屋に荷物をデポして、烏帽子岳に向けて出発する。標準コースタイムが片道30分ということもあり散歩気分であった。しかし、烏帽子岳までの道は、多くのニセ烏帽子岳が並ぶアップダウンの多い道であるのに加え、ちょっとした岩場もあって、想像以上に歩き応えがあった。11時35分、本山行の最初のピークとなる烏帽子岳山頂に到着する。山頂は狭く山頂標識が立っている部分に至っては1人で立つのがやっとである。そのため1人ずつ順番に証明写真を撮ることにする。今思い返せば、メンバー全員で撮った写真は1枚もなかった。本山行のメンバーは、皆、群れるのが苦手なようである。

11時40分
山頂での短い休憩の後、天気のことも考えて慌しく下山する。前述の通り、烏帽子小屋までの道はアップダウンの繰り返しである。そのため、復路であるものの、ブナ立尾根を登った後の身体には多少なりとも堪えた。もうすぐで烏帽子小屋に戻れるというところで、雨足が強くなってきたため、急いで山小屋に入る。烏帽子小屋からの出発が遅ければ雨の被害を受けていたところであった。みやのりリーダーの好判断が光る一幕であった。
暫く後、雨が弱まるのを待って幕営を開始し、13時前には幕営が完了した。夕食までにはまだ時間がある。そこで、夕食までの間、みやのりリーダーととんさんが引き揚げた大量の食料をつまみながら、北稜山岳会にある都市伝説を語り合う。16時30分、胃は鮭とばで満たされているものの、計画通りに夕食を摂ることにする。夕食は、みやのりリーダー作のマーボー春雨である。時々垣間見えるおつまみソーセージが絶品であった。御馳走様でした。18時00分、明日の長い山行に備えて就寝する。

<7月20日(日)>
3:00 起床
3:10 朝食
4:10 烏帽子小屋 出発
5:30 三ツ岳付近 通過
7:10 野口五郎小屋 到着
7:20 同 出発
7:35 野口五郎岳 登頂
7:40 同 出発
8:05 真砂分岐 通過
9:25 東沢乗越 通過
10:25 水晶小屋 到着
10:35 同 出発
11:05 水晶岳 登頂
11:25 同 下山開始
11:45 水晶小屋 到着
12:05 同 出発
12:55 ワリモ岳 通過
13:35 鷲羽岳 登頂
13:45 同 出発
14:35 三俣山荘・三俣蓮華岳キャンプ場 到着・幕営
16:30 夕食
18:00 就寝

3時00分
起床する。まだ辺りは暗く星も見えない上、小雨も降っている。朝食はとんさん作のラーメンである。トッピングのチャーシューとおつまみメンマが良い味のアクセントになっていた。御馳走様でした。

4時00分
予定通りに烏帽子小屋を後にする。出発後間もなく雨も上がり辺りは明るくなってくる。順調に歩を進めと、5時30分頃、三ツ岳が近づいてくる。ただ、三ツ岳はチェックポイントに含まれていないため、反対意見が出されることもなく巻き道を進むことを選択する。5時50分、後ろにそびえる三ツ岳の山頂と太陽が重なる。これこそが裏銀座縦走コースの名物になるかも知れない「ダイヤモンド三ツ岳」である。私はダイヤモンド三ツ岳に向けてシャッターを切る。それから暫く、メンバーの気持ちは野口五郎岳に向かう。それぞれが「ゴロー」「ゴロー」と呟いて野口五郎岳への愛情を表現しながら、裏銀座縦走コースを順調に進む。そして、7時10分、野口五郎小屋に到着する。しかし、「ゴロー」への逸る気持ちを抑えきれず、野口五郎小屋を早々に出発する。そして小屋を出発して間もなく、「ゴロー」はその姿を表す。しかし、のっぺりとした変化に乏しいその山容は、晴れない天気と相まって、私の気持ちを酷く落ち込ませるのであった。これは「ゴロー」が悪いわけではない。「ゴロー」の魅力が分からない私が悪いのである。7時35分、野口五郎岳に登頂する。辺りがガスっていることもあり、証明写真だけ撮って早々に下山を開始する。「ゴロー」への未練はなかった。

野口五郎小屋で
7/20野口五郎小屋で

野口五郎岳からは、暫くなだらかな尾根が続く。天気が良ければ最高の景色が楽しめるところであるが、生憎の曇り空が広がる。ただ、雨は降っておらず快適に進むことができが。真砂分岐を抜けて暫く進むとお花畑が見えてくる。花の名前は知らないが、黄色や紫色の小さな花が目を楽しませてくれる。東沢乗越が近づくと、暫く岩稜が続く。そこには、快調に飛ばすとんさんを先頭に、何とか着いていく二番手の私、そして、マイペースに歩を進める三番手のみやのりリーダーの姿があった。烏帽子小屋を出発して7時間半、ようやく水晶小屋に到着する。

7/20東沢乗こしから水晶岳
7/20東沢乗こしから水晶岳

ちょっと長めの休憩の後、10時35分、荷物をデポして水晶小屋を出発する。ここから水晶岳までの往復は標準コースタイムで1時間10分しかない。その上、出発から間もなく水晶岳らしき姿が見えてくるため、難なく登頂できるように思われた。しかし、水晶小屋から水晶岳までは岩稜帯が続く上にルートが紆余曲折しているため、なかかな近づくことができず、想像以上に歩き応えがあった。11時05分、水晶岳に登頂する。曇り空のせいで、ここでも展望に恵まれなかった。山頂で小休止を取った後、11時25分、下山を開始する。水晶岳から水晶小屋までの復路は、アップダウンが少ないためか、往路のような疲労感は少なかった。そして、11時45分、水晶小屋に到着する。水晶小屋では、烏帽子小屋に引き続きコーラを回しのみしながら休憩を取る。

12時05分
鷲羽岳に向けて水晶小屋を出発する。ここから鷲羽岳まではなだからな登りが続く。途中、図らずもワリモ岳山頂を通ったため、チェックポイントでないにも関わらず、証明写真を撮る。その後、13時35分、本日の最後のチェックポイントとなる鷲羽岳に登頂する。ここでも曇り空のおかげで展望に恵まれない。山頂では、機械的に証明写真を撮り、早々に下山を開始する。鷲羽岳から三俣山荘に向かう道は、地獄のつづら折が延々と続く。そのスケールは蕎麦粒山のそれを僅かに凌駕するものであった。つづら折マスターのみやのりリーダーを先頭にひたすら下る。そんなとき、向こうからつづら折を登ってくるクールビューティーとすれ違う。クールビューティは時折、一眼レフをクールに構えてシャッターチャンスを狙う。このクールビューティ、本山行に最後まで関わってくることになる。鷲羽岳の山頂を出発して50分、三俣山荘・三俣蓮華岳キャンプ場に到着する。
三俣蓮華岳キャンプ場は、50%程度の込み具合である。適当な場所を見つけて幕営する。しかし、その場所は図らずもクールビューティのテントと目と鼻の先の関係にあった。幕営後、夕食までには相当の時間があるため、残っていた鮭とば等をつまみながら、昨日と同じく、山岳会の都市伝説を語り合いながら過ごす。4時30分になり、夕食を摂る。夕食は、小永作のカレーライスである。但し、ご飯もカレーもお湯を入れるだけのインスタントなので、特に面白い話は生まれなかった。次回の山行からは、おつまみ何チャラでも入れて味に一工夫加えようかと思う。18時00分、明日に備えて就寝する。

<7月21日(月)>
3:00 起床
3:10 朝食
4:00 三俣山荘・三俣蓮華岳キャンプ場 出発
5:00 三俣蓮華岳 登頂
5:15 同 出発
6:25 双六岳 登頂
6:40 同 出発
7:25 双六小屋 到着
7:40 同 出発
8:40 弓折分岐 通過
9:20 鏡平山荘 到着
9:40 同 出発
10:10 シシウドヶ原 通過
12:05 わさび平小屋 到着
12:15 同 出発
13:15 新穂高温泉 到着
14:55 新穂高ロープウェイ 出発(濃飛バス:2800円)
15:28 平湯温泉 到着
16:05 同 出発(アルピコバス)
17:30 松本バスターミナル 到着
18:35 松本駅 出発(スーパーあずさ32号)
21:06 新宿駅 到着

3時00分
起床する。朝食はとんさん作のうどんである。トッピングとして揚げと天かすが乗っている。ただ、十分な量のお湯で茹でなかったせいか、うどんが独特の茹で具合に仕上がっている。このうどん、とんさん本人は、失敗作と考えてたようだが、私は問題なく食べることができた。御馳走様でした。一方、みやのりリーダーは、何らかの原因によって、その後、暫くの間、お腹の調子と戦うことになる。

7/21三俣から笠ヶ岳
7/21三俣から笠ヶ岳

4時00分
三俣蓮華岳キャンプ場を出発する。出発の時、クールなテントの存在を確認しつつ、クールビューティよりも先に出発する。辺りは暗く、雪も残っている。多少の不安を覚えつつ明るくなるまで慎重に歩を進める。暫く後、辺りは次第に明るくなってくる。今日は山行始まって以来の晴天である。日の出と共に現れた景色は美しく感動的である。ここに来て、心なしかみやのりリーダーのシャッターの機会も増えている。三俣蓮華岳キャンプ場を出発して1時間、三俣蓮華岳に登頂する。山行始まって以来の初めての青空の下での山頂である。頂上から見る朝日、目の前に広がる雲海を見ながら青空の有難さを噛みしめる。ここでは、朝日をバックに証明写真を撮り、休憩も長めに取る。

5時15分
後ろ髪を引かれつつ三俣蓮華岳を出発する。ここらか双六岳までは整備された起伏の少ないなだらかな稜線が続く。本山行での数々の辛い経験を思い出しながら、最後のチェックポイントを目指す。この辺りで、ようやくとんさん憧れの槍ヶ岳が姿を現す。6時25分、双六岳に登頂する。双六岳では、本山行で最後となる証明写真を撮る。

三俣から双六へ
三俣から双六へ

6時40分
双六岳を後にする。ここから暫くは槍ヶ岳を正面に稜線ルートを進む。この稜線ルート、とんさん豆知識によれば「槍ヶ岳に向かう滑走路」との異名を持つらしい。そう言われれば、確かに、槍ヶ岳に向かって広がる滑走路のように見える。滅多に味わえないこの景色、もっと楽しみたいところであったが、残念なことに道半ばで通行止めとなる。残雪が原因である。とんさんの話では、今年は例年に比べて雪が多い、と山小屋の人が言っていたとのこと。確かに例年に比べて雪が多く残っているように感じる。みやのりリーダーととんさんは稜線ルートの最後の思い出に、槍ヶ岳をバックに面白写真を撮る。それとは対照的に、私は機械的にシャッターを切る。記録係は、時に冷静でなければいけない。その後、中道ルートにエスケープし、7時25分、双六小屋に到着する。ここでは、山行開始以来3回目となるコーラを飲みつつ、少し長めの休憩を取る。

7時25分
双六小屋を出発する。ここからは、弓折分岐まで緩やかに登り、その後は延々と下る。花見平に広がるお花畑を見るなどして気分転換を図るものの、延々と続く単調な道に食傷気味になる。そして、9時20分、ようやく鏡平山荘に到着する。ここでは、最後のミッションとも言える噂のカキ氷を食べる。貧しさのせいではないが「一杯のカキ氷」を3人で分けて食べる。これは作り話ではない。

7/21鏡池から槍ヶ岳、穂高岳
7/21鏡池から槍ヶ岳、穂高岳

9時40分
鏡平小屋を出発する。鏡平小屋の近くには鏡池があり、天気が良ければ池に逆さ槍ヶ岳が映るとのこと。ただ、晴れてはいたが、頂上に雲が掛かっており、逆さ槍ヶ岳を見ることはできなかった。ここからは小池新道を通って登山口まで下りる。小池新道は、岩がゴロゴロした単調な道である。すぐに飽きてしまい、心は下山後の温泉と美味しい食事に囚われる。小池新道を抜け、左俣林道に入ると、疲労もあるのかペースが落ちる。新穂高温泉までの道を惰性でダラダラと歩く。しかし、そんな時、わさび平小屋手前付近でみやのり隊を颯爽と追い抜く人物が現れる。それはクールビューティーその人であった。三俣蓮華岳キャンプ場を出発した時には、まだテントが撤収されてなかったことを考えると、ハイペースで下山してきたことが分かる。いつもなら悔しい思いをするところだが、相手がクールビューティーなら仕方ない。最後までクールに決めてくれたのであった。

13時15分
新穂高温泉に到着する。ここでちょっとした問題が生じる。13時46分発のバスに乗ると16時10分には松本駅に到着できるのだが、これを逃してしまうと、14時55分出発に乗ることになる。この場合、松本駅には17時30分にならないと到着できない。13時46分発のバスに乗った場合と比べると1時間20分のロスとなる。ただ、時間だけを考えると温泉に入ってる場合ではないが、帰りの道中を考えると、汗を流さない訳にはいかない。そこで、13時46分のバスに乗るべく、急いで近くの温泉施設に突入する。時刻は13時25分。順調に行っても10分程度しか温泉に入ることはできない。しかしこんな時に限って、受付のおじさんが異様にのんびりしている。流石のみやのりリーダーにも焦りの色がにじむ。結局、こちらの事情は伝わる訳はなく、一向に急ぐ気配のない受付のおじさんのおかげで、13時46分発のバスに乗り込む計画は敢え無く失敗に終わる。温泉を出てからバスが出発する14時55分まで、時間をたっぷり使って真っ黒な高山ラーメンをすするのでした。

<まとめ>
今回の縦走は、1日目、2日目は曇りでしたが、3日目には晴れ、3日間通して強い雨に打たれることもなく天気に恵まれた山行となりました。また、メンバーにスピードスターが居なかったことも幸いして無理なくのんびりと楽しむことができました。とんさんのうどんの出来映えも含めて、とても快適な山行となりました。みやのりリーダー、とんさん有難うございました。