五竜岳春合宿(登攀隊)

五竜岳春合宿(GⅡ隊)

●場所:五竜GⅡ
●日程:平成26年5月4日
●メンバー:笹田・かおり(記)

●記録
5月4日 晴天 ? (テン場~白岳沢の出会~A沢~GⅠ~GⅡ頭~五竜山頂~五竜山荘~テン場)
―全体の記録は、小永氏の記録を参照―

4:30 にテン場を出発。
テン場でヒマコンをセッティングし、猿まわしのサルになった気分で歩きはじめる。
西遠見の幕営地を背にして、五竜の雄々しい山塊を見上げる。
背後からは、朝日が昇ってきて書き表せないくらい美しい。
振り返りながら、まだあまり眩しくない太陽を見て
『こんなに美しいなんて、もしや見納め?!イヤイヤ、もう一度太陽を拝むために文字通り必死で笹田さんに付いていかねば!』と心の中ではマイナス思考を払拭する為に無駄な労力を費やしていた。

西遠見の平たい尾根を少し歩き、白岳沢に降りる急斜面へと左へ折れる。
前日のテント内で、「最初の取り付きに降りる急斜面が、核心だよ」と注意喚起されていた。
かなり緊張感して下りに備えたが、前を歩く笹田氏はスキップでお花畑を歩いているように見える。
夜の気温で凍っているかと思った雪は以外にアイゼンが効く。
前を歩く、雪上生物と化した大先輩の歩行を真似て、出会へなんとか辿り着く。ふ~っ。

後方に阿部氏・サブ氏パーディが見える。
笹田氏が声をかけ、ルートを確認すると予定通りGⅡ中央稜を行くようだ。
2人の無事を祈りつつ、別のコースを行く『心の友』サブ氏との別れが寂しい。

6:30 白岳沢の出会にて、休憩後ヒマコンのまま登攀開始。
後ろを歩く笹田氏より右・左・と指示が飛び、言われた通りに動き少しずつ登る。
A沢の中央くらいには、なだれた道が出来ていて、絶えず小石や小さい雪の玉が滑り落ちてくる。

最初の休憩地点はにょきっと立つ木立。自分・ザックともにセルフをとり一安心。
ヨレヨレになったヒマコンのザイルを巻き直し、水を飲んだらまた急傾斜を登る。
またしても、体に巻きつけていたザイルがだらしなく足に絡んでくる。

8:50 シュルンドにて休憩。落石の心配が無く、下に落ち無いといても良い休憩場所。シュルンドに入ると言う概念が無かった私はまた大先輩より学ぶ。
A沢コル手前から左に入り、武田菱の左端を目指す。
一部凍っている斜面にアイゼンの刃が刺さらず、ここで湊隊長より借りたバイルを取り出す。
頼りなげなハイマツの根本にシュリンゲで支点を取り、ダブルアックスで登る。
必死に打ち込むから、飛び散った氷の欠片が顔にあたり冷たいし痛い。
ほんのちょっとしかバイルを使っていないのに、もう何十時間も氷壁に取り付いたかのような緊張感でビレイを取り、笹田氏に声を掛ける。ちょっとした岩のベンチに腰掛けザイルを引く。目の前には富士山から八ヶ岳・妙高・新潟の山々まで見渡せる。
笹田氏が飄々と登ってきた・・・・あれ??
10:00~10:10 支点を取った岩のベンチで暫し休憩後、定時連絡の為に無線を出す。
アトム氏の軽快な実況中継で、かなり元気づけられる。

10:30 GⅡに抜ける少し手前のリッジで大休止。
ヘロヘロの私を横目で眺めながら、笹田氏はGⅡ中央稜の2人組の姿を捉えに岩尾根の先端へ向かう。真っ黒な中央稜を眺めながら、「こんな雪の無い所、岩タケ採りに来たのか~?」と毒づいた。

11:00 GⅡを抜け一般道と合流する。
笹田氏は阿部・サブ組を気にしつつ、頂上へ向かう。
GⅡを抜けることに全力を尽くした私には、五竜の頂上までの道が長い・・・

11:40 五竜岳山頂に到着。
天気も良く360度の絶景。笹田氏に抱き着き、生きて登れたことに感謝。
ヒマコンを解除し下山。ザイルを外されると不安になるのは、リードを外された犬が飼い主を振り返りながら中々走り出せない状況に似ている。
途中GⅡの頭で登ってきた男性パーティに阿部・サブ組の動向を確認する。
GⅡ中央稜は雪が無く、藪漕ぎで大変のようだ。

13:02 五竜山荘到着。
アイゼンを脱ぐのが面倒だし、寄らずにそのまま下山を続ける。

思えば遠くへ来たもんだ~♪
思えば遠くへ来たもんだ~♪

14:30西遠見のテン場に無事帰着。先に戻っていた皆が優しく迎えてくれる。ありがたい。
中央稜の2人の動向を確認すると、無線で確認できていて一安心する。
笹田氏が冗談口調で「湊くん、何かあれば捜索隊出すから酒なんて飲んで待っていられないよな~」と。テン場に到達するのがやっとだった私は、またしても大先輩の偉大さを学ぶ。そうだ、仲間に何かあればあの道をまた登り返さなければならないのだ!体力・気力ともに足りなさ過ぎる自分を反省。
30分くらいで、阿部氏・サブ氏の姿が見え、本当に安堵し、歓喜した。
『母を訪ねて三千里』のマルコの気持ちがよくわかった。たた嬉しいのだ、顔を見られるだけで。
全員がそろった所で、登頂を祝い乾杯。宴会後就寝。

毎回毎回、お世話になりっぱなしの大先輩、笹田氏に感謝しつつ、この恩はいつになったら返すことができるのやら・・・?まだまだピヨピヨしていますが、今後も宜しくお願い致します。
大部隊を無事に帰京させた湊隊長をはじめ大勢の仲間に本当に感謝感謝。

月山から石跳沢を下る

— 月山スキーでシーズンを終わる—

○月山スキー行:5月9日夜発~5月11日 志津野営場一泊
○参加者:野口OB夫妻 田中OB L稲垣み 角田 ハギ 部長
○行程:5月9日夜9時半久喜駅 角田車で東北道 午前1時安達太良PAで仮眠
5月10日 安達太良6時発 月山スキー場10時田中、野口夫妻OBが合流 天候待ち午後リフト終点から姥ヶ岳コルまで往復3時間ほど
5月11日 4時半起床 朝食・準備 田中OB帰宅の途に 8時すぎリフト終点からシール登高 牛首にスキーデポしツボ足 10時半月山山頂着 牛首に戻りスキーでダウンヒル 姥沢コルから石跳沢を下る 12時半駐車場着 荷物整理し帰途に 野口ペンション訪問 蔵王エコーラインを経て白石ICから東北道 9時久喜駅解散

○記録
隊長いたさんが月山スキーをプロデュース。角田人見ハギが参加。いたさんの目的は3名の古希祝いである。ジャンボテントを張ってお茶を飲みつつ天気が好転するのを待つ。その間に角田はツエルトを張り竹の子を天ぷらに揚げ、このまま入山祝いになだれ込む危険もあるので、隊長が行動開始を命じる。

リフトで終点まで登るが天気は好転しそうにない。野口OBが立ち止まってガスの晴れ間に方向を確認、トラバース気味に進む。姥ヶ岳と金姥のコルまでたどり着いて、その日の行動を打ち切った。

テントに戻り、晴れ晴れと堂々と入山祝いを始める。それぞれがつまみを供出、盛りだくさんのご馳走が並ぶ。ビールで乾杯、ワインや新潟土産の越乃寒梅もでる。そのうち3名の名前が入ったケーキが持ち込まれる。キャンドルを点しケーキカット。古希を祝う会となった。

各自人生の蘊蓄を語り、角田は持って来た本に署名をねだり、野口氏はまんざらでもなさそうにサインし、いたさんは相変わらずおしゃべりが止まらず、田中氏は二王岳にぜひいらっしゃいと繰り返し宣伝し、ハギちゃんはビールを飲み続け、空には星がまたたく。9時に就寝。

11日は早めに目覚める。快晴。角田がうどんを用意、テントを畳む。所用で帰る、田中さんと再会を約してお別れ。
余裕を持ってリフト乗り場へ。運行開始と同時に乗る。日曜晴天とあって他の客も多い。遮るものがない大展望のなか、角田がリードし昨日と同じルートをとり、牛首を目指す。

青い空、白い大雪原、くっきりと稜線が延びる中を、蟻のように私たちは進む。ヒールを高くセットして高度を上げる。
やがて月山の肩ともいえる牛首に着く。
ここでスキー板を外してデポしツボ足で登って行く。岩やブッシュが混じった斜面にストックを補助にして登る。程なく神社を祀った月山山頂に着く。
南に朝日連峰と飯豊連峰、眼下は庄内平野その先に日本海、北には鳥海山がカッコよく立つ。これ以上望めない最高の展望である。

記念写真を撮ってデポ地に下る。さあ、ここからお楽しみだ。春の日差しに輝く大雪原を一気にダウンヒル。うーん、爽快感が体中を突き抜ける。たまりません。下手なターンでも胸のすくシュプールを描く。角田と野口夫人は安定したきれいな滑りだ。昨日のコルまではトラバースしていく。

昨日は何も見えなかった稜線やコル、今日はとても楽な斜面だと分かる。そのコルから石跳沢のコースに入る。二日分のルートをこの日だけでまとめて滑ることになる。
この斜面も広く迷うことなしにダウンヒルできる。雪はうねっているが技術的には問題ない。沢コースは初めてのハギちゃんも大満足のスキーとなる。
やがてブナ林にでて、野口OBのリードでスムーズに車道に出、テン場に直接着いた。いやはや楽しい山スキーでした。シーズンのフィナーレに花を添えて飾れました。

角田の発案で野口ペンションを訪問。コーヒーを頂き、山菜のお土産まで頂きました。感謝します。再会を約して坊平高原を後にしました。
この後蔵王エコーラインを下って角田さんの古里、白石から東北道に入る。

長時間にもかかわらず、運転お疲れさま。車内で精算、ひとり6000円ほど、同行の皆さま、ありがとうございました。

五竜岳一般隊

五竜岳春合宿(一般隊)

  • 日程: 平成26年5月3日(土)~5日(月)
  • 行程: 
  • <5月3日(土)> 東京 ⇒ エスカルプラザ ⇒ アルプス平駅 → BC(西遠見山周辺)
  • <5月4日(日)> BC → 五竜岳山頂 → BC
  • <5月5日(月)> BC → アルプス平駅 ⇒ エスカルプラザ ⇒ 東京
    メンバー:
  • <一般隊>
    ミナト(L)、みやのり、アトム、たかたか、けんた、いしつかみ、とん(以上、敬称略)、小永(記録)
  • <登攀隊>
    笹田、アベ(L)、さぶ(記録)、かおり(記録)(以上、敬省略)

記録

<5月3日(土)>

  • 8:00  エスカルプラザ 集合 ~ 8:50  アルプス平駅 到着~
  • 9:10  アルプス平駅 出発~ 9:30~ 地蔵の頭 休憩(10分)~
  • 10:20~ 一ノ背 髪 休憩(10分)~10:50~二ノ背 髪 通過~
  • 11:25~ 中遠見山 休憩(15分)~
  • 12:30  西遠見山 到着・幕営準備開始~14:00  幕営準備完了~
  • 17:30~ 夕食(中華丼)~0:00~ 就寝

前日22時に西大宮駅・王子駅の各集合場所を出発した。
事故渋滞によって予定時間よりも2時間程度遅れて「道の駅ぽかぽかランド美麻」に到着した。全車集合の上、6時頃まで車内で仮眠を取った。
天気は晴れ。少し雲があった。

9時10分頃、アルプス平駅(1530m)から西遠見山(2268m)周辺の幕営地に向け出発した。先頭はけんたさん、最後尾はミナトリーダーであった。
雪の状態は良く危険箇所もないため、幕営地まで快適な山行であった。私(小永)は元々体力がない上に初めての雪山山行及びテント泊ということもあり、隊について行くのがやっとで景色を楽しむ余裕はなかった。特に妙に高さのあるザックのせいで身体が振られて体力を無駄に消耗した。
12時30分頃、幕営地に到着する。幕営地は、アベさんの判断により大遠見山(2106m)から2172mピークの中間地点辺りに決定された。幕営地到着直後の12時30分頃、幕営準備が開始された。幕営準備は、幕営地の整地と防風壁の設置から始まり、テント(3号~5号)の設置へと続いた。また、これら準備と並行してけんたさんがトイレを造成した。トイレの深さは目測で1m以上あり、3日間で使い切れないオーバースペックの見事な物件であった。
五竜ベース2
BCは幕営地到着後1時間30分程度で設置された。私は幕営地までの移動で完全に体力を消耗している上に経験不足ということもあって全く役に立てなかった。その日は夕方頃から強い風が吹き始めたが、その前に幕営準備作業が完了したことは幸いであった。

17時30分頃、夕食が開始された。B班(みやのり、アトム、たかたか、けんた、いしつかみ、小永)のメニューは、みやのりさん作の中華丼であった。野菜とうずら卵が入った豪華さでした。なお、A班(笹田、アベ、ミナト、さぶ、かおり、とん)のメニューは確認しなかった。

夕食後、アトムさん、たかたかさんを中心にお酒が進んだ。20時頃、就寝した。各テント4人ずつで、比較的ゆったりしていた。テント内は、夕方頃から吹き続ける風の音が五月蠅い。私はダウンジャケット、ダウンパンツ、及び雨具上下を着込んで寝たため、寒さを感じることなく6時間程度快眠することができた。

<5月4日(日)>

  • 4:00  朝食(卵雑炊/もちっこワンタン)~5:10  BC 出発
  • 6:30  五竜山荘 休憩(10分)~7:40~ 五竜岳山頂直下 休憩(10分)
  • 8:10  五竜岳山頂 到達(以降、20分休憩)~8:30五竜岳山頂 出発
  • 9:50  五竜山荘 休憩(40分)~11:10  BC 到着
  • 14:30 登攀隊(笹田、かおり組) BC到着
  • 15:10 登攀隊(アベ、さぶ組) BC到着 15:20~ 宴会
  • 16:40~ 夕食(ポトフ)  20:00~ 宴会/就寝

天気は快晴。雲一つない(ような)空であった。
4時頃、朝食が開始された。B班のメニューは、いしつかみさん作のもちっこワンタンであった。ワンタンスープにモチが入っておりボリューム十分であった。A班のメニューは、さぶさん作の卵雑炊のようであった。
五竜岳ベース
朝食後、パッキングし、5時10分頃、BCを出発した。先頭はミナトリーダー、最後尾はけんたさんであった。雪の状態は良好でアイゼンが良く効いた。また、昨晩とは違って風もないため快適な山行であった。
私は、ザックが空身になったにも関わらず、筋肉痛のせいで隊について行くのがやっとであった。
7時40分頃、五竜岳山頂直下に到着した。ここからは、当初、2~3人ずつコンテで登る計画であったが、ミナトリーダーの判断によって実施されなかった。
五竜岳へ2
BC出発から細かな休憩を挟みながら3時間、五竜岳山頂(2814m)に到達した。山頂では、20分程度の長めの休憩を取った。その間、とんさんによるシェービングのパフォーマンスがあった。
8時30分頃、BCを目指して山頂を後にした。復路も往路と同様に快調に進んだ。五竜岳3
9時50分頃、五竜山荘(2490m)に到着した。このままBCに戻っても、夕飯まで時間があるということで、長めの休憩を取った。

メンバーは、それぞれ食事を取ったり、夜の宴会のための物資の調達をした。なお、五竜山荘のカレーは、山荘宿泊者のみに提供されるということで、食べることはできなかった。40分間の休憩の後、10時30分頃、五竜山荘を後にした。
11時10分頃、BCに到着した。BC出発から休憩を含めて6時間の行動時間であった。
多少のトラブルはあったものの無難なアタックであった。私は、頭部に落石或いは落雪を受けたが愛用のヘルメットのおかげで難を逃れることができた。
BC到着後、夕飯までに時間があるため、ミナトリーダーを中心としたちょっとしたロープワークの講習が開催された。また、これと並行して、夕食の準備が開始された。
夕食の担当はたかたかさんと私で、メニューはポトフであった。私はジャガイモ2個を皮むきしただけで、メニューの決定、食材の調達、調理とほとんどの作業をたかたかさんがした(たかたかさんには感謝致します)。ソーセージが控え目で不安であったが、野菜の旨味が良く出ており上々の仕上がりであった。

14時30分頃、登攀隊(笹田、かおり組)、続いて、15時10分頃、登攀隊(アベ、さぶ組)が無事にBCに帰還した。その後、快晴の空の下、宴会と夕食が開始される。
酒のつまみが進む中、夕食のポトフが残るのではないかと心配したが、あっさりと無くなった。私は、宴会の間、覚え立ての水作りにはまり、水作りに没頭した。
外での宴会及び夕食は、17時頃終了した。

20時頃、4号テントにおいて、夜の宴会が開始された。夜の宴会に参加しなかったけんたさんと私は、昨日に引き続き3号テントで就寝した。4号テントの宴会は異様な盛り上がりを見せ、少なくとも20時頃まで続いた。
なお、この日の夜から明朝にかけて、たかたかさんといしつかみさんは3号テント及び5号テント間に特設されたツェルトでビバーク訓練を実施した。

<5月5日(月)>

  • 5:30~ 朝食(うどん/スープパスタ)  6:10~ BC 撤収開始
  • 7:10~ BC出発7:50~ 中遠見山 休憩(10分)
  • 8:20二ノ背 髪 通過  8:10一ノ背 髪 通過
  • 9:00アルプス平駅 到着

天気は晴れ後曇り。5時30分頃、朝食が開始された。
B班のメニューは、けんたさん作のスープパスタであった。このスープパスタは、魚肉ソーセージ入りで、ガス欠の不安がありつつも無事に完成した。A班のメニューは、とんさん作のうどんのようであった。朝食後の6時10分頃、BCの撤収が開始された。個人装備の整頓と共に、テント等の共同装備が撤収される。
私は初日の反省もあって個人装備をできるだけ圧縮してパッキングした。しかし、個人装備の整理が終わった頃には、共同装備の撤収作業はほとんど完了しており、参加できなかった。今後、個人装備を素早く整理する工夫が必要である。BCの撤収作業が終わった後、7時10分頃、BCを後にした。先頭はけんたさん、最後尾はミナトリーダーであった。
五竜岳4 BCからアルプス平駅までは、多少の小休止があるもののほぼノンストップで到着した。アルプス平駅付近で天気が悪化してきたものの、2時間かからない下山で、ほとんど雨の被害に遭わずに済んだ。
東京までの帰りの途中、行きの集合場所でもあった「道の駅ぽかぽかランド美麻」にて温泉に入り食事を取った。

<まとめ>
全体的には、天候に恵まれて絶景が楽しめる快適な山行となりましたが、個人的には、初めての雪山山行及びテント泊ということもあり十分楽しむことができない山行となりました。
とは言うものの、日本各地で遭難事故が多発したゴールデンウィーク中の3日間、安全に過ごせたことは幸いでした。これもミナトリーダー並びにメンバーの皆さんのおかげです。ありがとうございました。

五竜春合宿(G2中央稜登攀隊)

やっと、本来のダブルアックス

五竜岳春合宿(G2 中央稜 登攀隊)

メンバー:アベ(L)、さぶ(記録)

5/4日
コースタイム:4:30 西遠見BC~白岳沢出会~A沢出会~G2右稜出会~中央稜~13:30G2の頭~15:00 西遠見BC
(全体の記録はこちら)

西遠見BCから見る、登る予定の、G2中央稜はほぼ雪がついていない。
雪がないと、ざれ場+ヤブ漕ぎで難儀するだろう?という予想を事前にアベリーダーも口にしていたが
現地行って、行そうなところを登ろうと前夜に確認し、アタックの日を迎える。

ササダ、かおり組が少し先行して歩く。彼らは雪がついているA沢から武田菱を登るそうだ。
かおりちゃんの背中が緊張でこわばっている様に見えるは気のせいじゃないだろう。
私も同じ気持ちだ。

アベさんより、とりあえず中央稜に行く方向で白岳沢を下降することを伝えられる。
晴天。システムはヒマコン2。朝日を背にして白岳沢の下降点まで歩く。

しかし、えらい傾斜だ。。。このトラバースしながらの下降がキツイ。
アベさんは、さっさと、降りてしまうので、ついていくのが精いっぱいで、ここで汗だく。

A沢の出会いについた時には、すでにササダ、カオリペアはA沢を登っていた。

A沢を行くササダ&カオリペア
A沢を行くササダ&カオリペア

私たちはA沢を過ぎ、G2右陵にとりつき、これをのっこす形で中央稜へ。

先行パーティーが上から懸垂下降で降りてくる。
どうも、雪がなくガレていて登れないと判断し、敗退するらしい。
どうしようかと、アベさんと相談し、とりあえず、自分の目で見て判断しようということで、アベさんリードで
登る事に。ほどなく、やはりガレていて危険とのことで、戻ってきた。
いやはや、確認ありがとうございます。

アベL偵察中
アベL偵察中

 

さて、他に行けるルートがないかと、きょろきょろしていると、後発パーティーが稜線の右側のルンゼをつめていく。
あっちなら、登れそうだ。

テラスまでトラバースしながら上がる。しかし、雪がかろうじてついているが
相当腐っていて、草付がところどころ出ているようなルンゼだ。

先ほどのパーティーが登り終わるまで、テラスでしばし休憩。

こちらもくさった雪に相当、てこづっているようだ。

私たちの番で、ここもアベさんリード。すみません。お願いします。。。

アベさんはするすると登ってしまい、ロープを伸ばしてくれる。
続いてフォローで行くが、相当難儀する。なんせ、アックスが効かない上に、足場が崩れる。。。
リードでするするといったアベさんが同じ生き物には思えない。。。

登る事にしたルンゼ1P目
登る事にしたルンゼ1P目

サクサクと登るアベリーダーは、先行パーティーに追いついてしまったが、ロープが交錯しないように、ルートをとって
順調にロープを伸ばしてくれる。

私は、途中でくさった雪に上に上がれずに、半泣きになりながらなんとか上がる。
ところどころ、雪がない泥壁、草つきにダブルアックスで登るはめになる。
なんで、5月の五竜でこんな目に。。。

草付をダブルアックスで
草付をダブルアックスで

ほどなく、前のパーティーを追い抜く形で、ヤブ交じりの雪稜を今度は私がリードする。
ロープ半分くらいで、ピッチを切ろうと思ったら、もっと行けと、アベリーダーよりゲキが飛ぶ。
こっから、完璧にヤブだ。ヤブの急登。。。シャクナゲとハイマツ君が容赦なく立ちはだかる。。。
なんてこった。これはミナトさんの好きなヤブ漕ぎだ。
手と足が地につかないのだ。3級から4級はあっただろう。
ラッセルは好きだが、ヤブ漕ぎは好きじゃない。

枝にひっかかり重いロープを頑張って引っ張りながら、砂場みたいな広い場所に出る。ここでピッチを切る。
ほどなく、ヤブからアベリーダーが上がってくる。なんだ、この構図。。。

ヤブから出てくるアベL
ヤブから出てくるアベL

頂上の方を見ると、ザレ場が、ヤブしかない。雪はどこいった!!

ここでロープとアイゼンを外す事になる。
5月の五竜でアイゼンを外すはめになるとは。

地に足がつかないけど、うっかり地につけてしまうと、地面が凍結していてい、滑ってこれも怖い。
背中でただの荷物と化してる、アイゼンとアックスがただ悲しい。

ヤブとザレザレのザレ場に泣かされながら、なんとか高度を上げる。
最後にやっと雪が出てきた。

本来のダブルアックスの使い方が出来て心底うれしい。
先行するアベさんに、1枚くらい北アルプスっぽい写真が欲しくて
おねだりして写真をとってもらう私。先輩にすみません。

やっと、本来のダブルアックス
やっと、本来のダブルアックス

アベさんのルートファインディングは素晴らしく、予想どおりにG2の頭に突き上げる。
さすがです。私、本当に今回、なんの役にも立たないっていうか、なんとか後ろをついていくのに精一杯。。。
このスタンスから早く卒業しないと。。

こっからは五竜山頂はあきらめ、五竜山荘経由で下山。
五竜山荘で交信をすると、本隊とつながる。
本隊は随分前に、BCに戻り
ササダ、かおり部隊も登攀を終え、頂上を踏んで下山している事を確認できて
皆の登頂成功を喜ぶ。

BCに着くと、みんな外でお出迎えしてくれた。
これは本当にうれしかった。皆さんありがとうございました。

アベさんには、本当にお世話になりました。
無事に、登攀できたのも、アベリーダーのおかげでした!
本当に、ありがとうございました。

しかし、もう、ヤブはコリゴリです(笑

冬山セルフレスキュー谷川岳

● 日時:平成26年4月5(土)~6日(日)

● メンバー,さぶ(L)、グッチー(SL)、いた、Sa山、かおり、いしづかみ、O~、アトム(記録)

● 行程 5日  高崎駅始発7時10分、終点水上駅8時14分着電車で水上駅集合・・ 8時25分発バスで谷川天神ロープウエイ駅着8時45分・・・ロープウエイ乗車9時30分・・・天神尾根まで急登の登山道ルートにて尾根に到着1030分・・・熊穴沢小屋到着1130分・・・12時雪洞掘り、滑落停止訓練・・・16時、8名全員雪洞にて宴会、夜食21時睡眠 
6日  5時起床 7時準備開始・・・7時30分訓練説明・・・8時訓練開始・・・12時訓練終了・・・1230分熊穴沢小屋発・・・14時下りロープウエイ乗り場到着 バス15時発乗車・・・水上駅1520分着・・・1553分発高崎行き電車乗車・・・大宮1831分着流れ解散

記録 

5日 冬山レスキューもされど今回2年ぶりの雪洞掘りと宴会も楽しみであった。しかし天気予報ではあまりいい予報ではないが気分は上昇 何とか持ちこたへロープウエイ天神平駅をスタート 隊列は先頭からSa山さん、いたさん、みっちゃん、グッチさん、アトム(筆者)、かおりちゃん、O~ちゃん、さぶちゃんでスタート 初っぱなの急登にかかる。会話が途切れ息があがる、今回初泊まりの新人さんO~ちゃんも付いてきている。天神尾根登山道に到着、冷えない程度に休みヤッケを脱ぎ熊穴沢小屋方面に向かう、新雪にしっかりトレースが付いている、雲の隙間から時々日は差すが雲が厚い箇所が多くやはり期待はできない、お昼前に熊穴沢小屋に到着、雪におおわれ小屋の屋根も見えない、ここでも今年の雪の多さが判る。確か一昨年は小屋の屋根だけは見えていた。雪洞掘りと訓練箇所を探すが小屋の西面の斜面で滑落訓練、そしてその近くに雪洞を掘ることに決めた。小休止し男子が雪洞掘りをして女子が滑落訓練と分かれた。

今回は8名全員で雪洞で過ごしたいため通気と強度を考え出入り口を2箇所掘ることから始めたがだいたいの構想でスタート 雪洞掘りリーダーは山でも仕事でも経験豊かなSa山さんが左の穴を掘る、右側の穴をグッチーさんが掘っていると、こりゃなんだと空洞あとを掘りながらかき分けていくと雪洞あとを発見した。

さらに大きく掘っていたところに、女子チームが訓練終了し手伝いに来てくれた。みな楽しそうに夢中で掘っていた。16時頃から雪洞内で8人腰を下ろし、各自持参のつまみを頂きながら乾杯、自分は水上到着時間を1本遅い電車と勘違いし、あわてて自宅を出発したため、つまみもカメラも忘れた。皆さんおつまみ有り難うございます。(お酒は忘れない)  Sa山さんがふぐひれを持ってきてくれて熱燗のひれ酒も頂けた。こんなところで飲めるなんてなんて贅沢な、夕食は昨年末塩見以来のみっちゃんの美味しい料理を頂く、段取りよく事前の仕込みができているので手間いらずである。和気あいあいの最中だが外はかなり強く風が時々吹く、雪洞内にはほとんど聞こえない 21時過ぎ睡眠  

雪洞内

6日  5時起床だが雪で防音がしっかりしているため静かすぎて男子チームは530分頃になってしまった。ほどよく支度し、かおりちゃんの朝食はアルファ米を使用したしっかり味の付いた雑炊を頂いた。これも美味しかった。

さて朝食で元気が付いたところでセルフレスキューの準備にかかる。最初にさぶちゃんの説明を聞く、都岳連で勉強してきたことをさらなる知識で水平展開してくれる。ありがたい、 まずはビーコンの操作から始める 埋めるビーコンを送信モードにしてさぶちゃんとグッチーさんが雪の中に人体と同じようなクッションにしたかおりちゃん持参のガラ袋に入れて埋めてくる。かくれんぼをしているわけではないが、もちろん二人を目で追わない。「もーいいよ、」ではないが準備完了の合図 雪に埋まったビーコンを捜すために、手持ちのビーコンを受信モードにした。音と方向と距離で探しにかかる。半径1mぐらいまでの所にはすぐに到着 そこからが慎重にビーコンを当てるが正確な液晶表示が出る前にビーコンを移動しているようだ、アナログではないので演算処理に1秒弱かかるかなと思ったが、すかさずさぶちゃんが「すぐビーコンを移動したら正確な数字が出ないよ」と教えてくれた。(余談だがビーコンから発射する電波はNHK第一放送の関東圏AMラジオ周波数の下なのでラジオでもビーだけは聞こえるはずだ、)

ビーコンで埋没者捜索
ビーコンで埋没者捜索

AM10時日帰り隊と無線交信の時間だ、コールサインを言い連絡を取るが時々聞こえる程度 何度かやるが時々聞こえて交信には至らなかった。残念である。しかし携帯電話のアンテナは3立ちであった。あれれ・・・。次は同じように捜索して救助人確保までの訓練を行う、ビーコンで近くまで探し当てそこから手分けして救助人のゲレンデ確保をスコップで、捜索はプローブを突く 被災者発見まで約15分かかった、次に女子隊 なれてきたのか、才能か いたさんリーダーの指示のもと5分で被災者発見  さぶちゃんが被災者役をかってでてくれた。すぐ近くの雪をかき分けたゲレンデにみっちゃん、O~ちゃん、かおりちゃん、いたさん4人で運び出した。気のせいか少し疲れたような・・・   

埋没者救出
埋没者救出

 何度か行いビーコン捜索はこれで打ち切り、今度は被災者を一時確保して救助が来るまでの仮雪洞作り(スノーマウント)のやり方をさぶリーダーの指導のもと作業開始、ザックを8人分並べその上にツエルトをかぶし、雪を覆う 20分ぐらいかけ雪を上に乗せ固め入り口の穴を掘りツエルトを出す予定だがツエルトが雪に食い込みなかなか抜けない、いたさんが自分ツエルトのため破けないか心配になったが、何とかツエルトをとり除きザックを一つ一つ取り出し成功。 短時間で一時確保の雪洞ができた。ここで8人全員記念写真 みんなの笑顔がいい。 
最後にロープで被災者を斜面からロープで引きずり上げるロープワークの訓練にかかる、Sa山さんがロ珍しい金具を持ってきた。かおりちゃんが木の根にロープを巻き付けるインクノットを眼と体に焼き付け復習している。O~ちゃんは初めてなのに呑み込みがいいと伝わる。自分はグッチーさんと組みグッチーさん持参の金具 ロープで引きずり上げるときにロープが戻らなく、引っかかる金具を(名前をしらない)環ビナに通し引き上げを教わる。 ありがたい教えだ、忘れないように何度も確認  金具の名称も調べよう。(タイブロック)

引き上げ(1/2ライジングシステム)
引き上げ(1/2ライジングシステム)

なんだかんだでお昼になってしまった。これから帰りの支度にかかる、このとき他のパーティーが雪洞の近くにテントを張るところだったので「我々は帰るので雪洞使ってもいいですよ」と言ったがテントを張る事にしていた。全員の支度ができ天神ロープウエイ乗り場に向かい出発 天気がだんだん急変してきた。風も強くなり雪も降ってきた。4月の吹雪が顔に当たる冷たさはさすがに微妙にゆるい。しかしやはり顔が痛いが我慢できる冷た痛さである。

吹き付ける、春の雪
吹き付ける、春の雪

日帰り隊が練習していると思われる天神スキー場近くに行ったが見あたらなかった、トランシーバーもあるのに連絡もとれず残念である。次回からトランシーバーの出力を上げよう。

高度が下がれば悪天候も少しはゆるい、無事天神ロープウエイ乗り場に到着 みなさんご苦労様でした。 

今回 楽しい雪洞での一晩もよかったが、さぶリーダー指導のもと人命に関わるレスキューも習得できた。都岳連に講習に行き、さぶリーダーが習得を得た知識を7人に水平展開でき、それを我々は習得できた事はありがたい。今度は我々が今回得た知識を他のメンバーに正しく伝えることが、さぶリーダーに対してのお礼かと思う。

さぶリーダー初め、SLのグッチさん、ベテランのいたさん、Sa山さん、皆さん有り難うございました。

赤岳県界尾根

●日程:平成26年3月29日~3月30日

●メンバー:笹田・サブ・かおり(記)

●記録

3月29日 晴天 ☀ (サンメドウ清里スキー場~大天狗)
朝一のあずさで新宿を出発。半袖でも大丈夫なくらい暖かい陽気だ。9時半ごろサンメドウ清里スキー場に到着。あまりの暖かさに冬用のインナーを駐車場で脱ぐ。
10時出発と順調なスタートをきった。
 人があまり入って居ないのと、ここ数日の暖かい気温で雪解けが進んだので足が取られる。
沢沿いの道を進む。1100少し前頃に休憩を取る。
県界尾根の標識付近で、腿まで沈む春の重たい雪にワカンを装着。
さほど歩かないうちに、急登になりワカンを脱ぐ。
木や草につかまり登る。
途中凍った足元に冷や汗をかきながら、地図通り直角にまがり尾根に上がる。暖かく、夏道の土が露出していて、鹿糞まみれの道をのんきにおしゃべりしながら歩いた。
しばらくするとまた足を取られる。雪がかなり腐っていてわかんをつけてワッシャワッシャと進む。
地図通りだとコーナー部分が小天狗だが、1時間半ほど歩いたところに小天狗の標識があり、衝撃を受ける。そろそろ大天狗だと思っていた浅はかな私は、精神的ダメージから立ち直るのにしばらく掛かる。ベテラン笹田氏・鉄人サブ氏も同様にブーイングが出ていたので、それぞれに少なからずダメージを受けたのだろう。私だけじゃ無かった・・・・・・ほっ。

小天狗の位置が…
小天狗の位置が…

天気がよく富士山・赤岳の眺めは最高である。
相変わらず雪が腐っていて、木の周りなどは背丈が埋まるほど落ちてしまう。恐る恐る1歩を進める状態で、途中からは10分交代でラッセル。
私は、大天狗までの最後の歩きは、ヘトヘトで一歩を踏み出すのが辛かった。先行する2人は疲れを見せず、ラッセルしてくれる。流石だ。
4時半近くにやっと大天狗に到着する。広く平らな大天狗で本日幕営。
体力・時間があるなら本日中にピストンする予定であったが、時間(私は気力と体力も)の為、予定通り幕営。

素晴らしい幕営場所
素晴らしい幕営場所

快適なテン場に気分を良くし、笹田氏奥方様お手製のケーキで乾杯。宴会後就寝。
夜半より雨・風が強くなり、私・サブちゃんは爆睡していたが笹田氏はテントの張綱をなおしてくれたようだ。いつもすいません、ソコツな女共で。

3月30日 みぞれ→雨→わりと土砂降り ☂  (大天狗~サンメドウ清里スキー場)
300起床
天候がかなり悪く、気圧が急激に下がっている。樹木に守られているせいかテントへの影響は無いが雨足も風も強い。
ゆっくりと朝食を取りながら、気圧の変化を見て行動を決めようと言う事になり、天候とは逆に優雅に朝食。5時頃でも天候の回復が見込めないのと、悪天予報だった事もあり、下山宣告。
毎度天気が悪くなかなか頂上を踏めない赤岳だが、悪天での登攀をせずに下山することに胸をなでおろし、英断をしてくれた隊長に感謝。
620 天場出発 吹雪いている山の、地面と空との境界があやふやな景色が美しい。
ワカンを装着して登ってきたときに出来たトレースを下る。
954 登山口到着。終始わかんを装着しての登山であった。雨で全身濡れている。笹田氏はパンツまで濡れていたようで、寄った温泉でパンツを購入していた。
サンメドウスキー場カラマツロッジで地元の皆様が子供スキー教室に使っている集会場にお邪魔させて頂き、濡れた装備を外す。
親切な奥様方に『この天気でも行くのだから山が好きなのね~』と呆れられながら、タクシーを待つ。今シーズン最後のスキー教室の子どもたちに紛れながら、暖房の効いた暖かい部屋に入れてくれた事に本当に感謝。

悪天候の為、頂上を踏むことは出来なかったが、色々な面で大変勉強になる山行であった。
体力・気力・判断力、そして首まで雪に埋まっても決して折れない精神力が必要!と学んだ。
最後に、いつもピヨピヨ組を優しく指導してくれる笹田師匠・楽しくて頼れる隊長サブちゃん本当にありがとうございました。春のラッセルは辛いけど、また行きたいね県界尾根!

~笹田さん記録~

早春の県界尾根    笹田記

 

春は梢に、咲くかと待ちし

花を尋ねて、山廻り

秋はさやけき、影を尋ねて

 月見る方にと、山廻り

冬は冴え行く、時雨の雲の

 雪を誘いて、山廻り

  ・・・・  「山姥」より

この一年苦楽をともにした友との年度末の山旅。
企画してくれた心強い高橋嬢と、笑み絶えぬ長谷川嬢に感謝。
騒がしい西面に比して我々だけの東面の八ヶ岳県界尾根は、鹿の鳴き声と雪から頭を出す数個の苔むした石塔だけ。
思わぬラッセルにワカンを履いて辿り着いた大天狗のテント場は、木々に囲まれた雪の原で憩いの休息地であった。
夜半からの風雨も明け方には雪に変わり、登頂までの吹き曝しとなる核心部を考慮してリーダーは下山を告げる。
下りは雨対策の完全装備で未知への登攀から開放され、つのる風雨も意に介せず笑いが絶えない。

思えば彼女達とは春の穂高岳、盛夏のこれまた穂高連峰の岩登り、秋には岩の殿堂剣岳、冬は八ヶ岳の天狗尾根と記憶に残るこの一年の山廻りであった。
そんなことを振り返りながら、腐った雪に足をとられよろぼいながら登山口のスキー場に下山した。
一風呂浴びて卓を囲み飲む一杯の生ビールは、苦味より甘みが勝る山の神の贈りもの。