編笠山~権現岳

編笠山~権現岳

期日:2014年1月11日(土)~13日(月)

メンバー:いた(L)・ハギ(SL)・かおり・いしつかみ(記)

行程:1/11・・新宿発7:00(スーパーあずさ1号)~小淵沢8:54~タクシー~観音平口9:30~富士見平11:30~雲海12:55~押手川14:20(幕営)・・就寝20:15

1/12・・起床4:30~押手川(スタート)6:45~編笠山8:10~青年小屋8:30~権現岳11:00~青年小屋12:30~編笠山13:15~押手川14:05・・就寝19:15

1/13・・起床5:00・・押手川(撤収)7:25~富士見平8:40~観音口10:00~タクシー~温泉10:30・・12:50~小淵沢13:10~甲府14:09~新宿

 

記録:
今回の権現隊は女子だけのメンバーでした。荷物や力仕事、男子がいると、ついつい頼りがち。だからこそ甘えのない山行を!の意気込みで参加させて頂きました。
新宿発のスーパーあずさで四人の女子隊は小淵沢へ向かいました。
三連休初日とあって混雑を予想していたはずの車内は余裕たっぷりでした。天気は良好。窓からは八ヶ岳連峰は顔を覗かせ、わくわく致しました。
小淵沢駅に到着すると事前に予約していたタクシーに乗り込み、観音平口へ。20分位で到着。装備を整えいよいよ出発。さあ、ここから楽しい山行の始まりです。

富士見平の登山口まで林道を歩きました。ゆるやかな勾配にもかかわらず、私は大汗をかき始めました。それに気づいた先頭を歩くかおさんが、汗は大敵だから脱ぐようにとアドバイス。新調したヤッケと腰に貼り付けたカイロを外しました。汗は落ち着きいい感じに。早い時に自分で意思表示をしなければならないと思いました。

登山口から少したった辺りに、シカがお出迎え。キョトンとしてかわいらしく、結構たくさんいました。この辺りのエリアを拠点としているらしく、帰りもまた見送ってくれました。行きも帰りも同じシカでしょうか、私たちはシカに見つめられながら、進んでいきました。

しばらくすると雲海に到着。まだ樹林帯なのですが、ちょっとした展望台になっていまして風があたります。ここでアイゼンを装着し、汗のかかない程度の速さで進んで行きました。

微妙な時間で押手川にさしかかりました。リーダーの判断で、青年小屋ではなく押手川でテントを張ることに。一旦ザックを置き、適切な場所はないかと探索にとりかかりました。急に身軽になり、はしゃぎながら登っていくと、この日初めての登山者と会いました。日帰り単独男子、編笠山ピストンコース。この先の様子など尋ね総合判断をし、編笠山手前、急勾配手前ギリギリのナイスエリアにテントを張りました。時間的に余裕の幕営でした。風もなく良好な環境でしたが、やはり八ヶ岳2000メータ上空。手足が凍えてきました。

(やば・・やばかったかも・・)などの思いが過ぎりました。(頑張って青年小屋まで行っていたら・・)そう思うと、余裕をもっての行動って大切なんだと、実感致しました。

テントの中では個々に持参したアルコールで乾杯。止まらぬおしゃべり。

夕食も一人150gとたっぷりお肉のすき焼き。いたさんが丁寧に三度にわけて味付けしてくれました。おいしかったです。あ~、なんて幸せなんだろう・・。

編笠へ
編笠へ

翌日、荷物をテントに置き最低限だけ持参して、いよいよ編笠山~権現岳へと出発。編笠山頂上までは急勾配でしたが、途中に素晴らしい景色が溢れていました。陽のでに照らされ反射する優しいオレンジ色の木々。空を舞う幻想的なダイアモンドダスト。吸い込まれそうな真っ青な空。雲の上に浮かんで見える富士山。くっきりと頂上の姿までみえる南アルプス。そして静かに連なる北アルプス。どれもこれも、凄い!美しい!見事であります!!

私たちは何度も足を止めてしまいました。魔法にでもかかったように何度も立ち止まりました。(日焼け止めクリームタイムも含む)

編笠山に到着。それまで無風に近かったのに、ものすごい風でした。私は顔の面積が広いのか、とにかく顔が痛く、守ろうとあたふたしてしまいました。その為頂上のことはよく覚えていませんでした。それが、不思議なことに帰りは全くの無風。腰を下ろし休憩をとるほどでした。近くにいた男性は「毎年来ているけどこんな天気はめずらしい」と絶賛していました。

編笠山
編笠山

編笠山から青年小屋までは下り。(あ~)と思い、そして権現岳へ(ふ~)と登り返し。注目していたトラバースには鎖が出ていました。大丈夫ということで慎重に進んで行きました。私は終始右手にピッケルを持っていましたが、山側にピッケルを差し込みながら、とアドバイス。「はい!そうか、3点確保・・」より安定して歩くことが出来ました。一つ、また一つと大切な事を教えてもらいながらの学びの山行でもありました。

 

 

 

仲間たち
仲間たち

トラバースも過ぎ権現岳小屋手前の細い稜線で、カトさん、ケンちゃんに会いました。嬉しいですね、楽しいですね、山で仲間に会うと高揚してきます。

写真を撮り、つかの間の時を終え、さよなら致しました。

 

 

 

 

権現岳
権現岳

さあ、最終段階です。またもや風が吹き荒れてきました。場所によって風が強かったり、なかったり。一歩一歩進み、よじ登り・・権現岳山頂に到着。風に煽られながらハイチーズ。観賞に浸る間もなく頂上を後にしました。・・。 

真っ直ぐにそびえ立つ赤岳。元旦に登る予定が悪天候のため断念。そんな暗い話しも吹き飛ばすような絶景。誰のものでもない山なのに、何故か自分に語りかけているような錯覚を起こしたり、贅沢な時間でした。

ワイワイしながら、テントに戻って来ました。テントを確認したとき「テント」が「家」という感覚でした。その我が家での過ごす時間も格別でした。俗に言うガールズトークと言うのでしょうか、女子だけならではの本音おしゃべり。内容は非公開とさせていただきますが、楽しかったです。(おホホ・・)

 

 

P1000914
雪稜から編笠へ

翌日、無事観音口ゲートまで辿りつき、タクシーを手配し温泉へ。20分位車を走らせた処にある「延命の湯」。受付の方が良心的で通常料金600円だけど、クーポン利用で500円にしてくれました。世の中の流れなのでしょうか、女子だけだと得をする世の中なのでしょうか。(ちなみに受付は中年男性)

ゆっくりと温泉につかり、その後お食事処で、ビールで乾杯!あ~美味い!

充実した三日間でした。天候に恵まれ素晴らしい展望でした。風もなく、時には暑いぐらいの陽気でした。女子だけの山行は初めてで、新たな発見を体験させていただきました。そして、リーダーいたさんの、的確な判断やアドバイスなど勉強になりました。おっとりとした口調や身のこなしなど安心していられました。またご一緒させて下さい。かおさんはとことん面倒をみてくれます。本当に感謝致します。ハギさんは自然体なので憧れからか、チョロチョロ見てしまいました、すみません・・。

初めての冬山登山達成を果たしました。厳しい条件付きの厳冬期。しかし今回は恵まれまして、いいことだらけでした。やはり女性は逞しい、そう確信致しました。これで迷いはなくなり、ますます冬山にはまってしまったようです。

次の山行まで、いてもたってもいられない、楽しみです!

 

皆様、ありがとうございました。

塩見岳

 

南アルプス塩見岳

● 日時:平成25年12月21日(土)~23日(月)
● メンバー:カト(L)、笹田、アトム(記録)、ケンタ、スガ、いしつかみ
● 行程
12月21日  新宿バスターミナル7時10分発(予定7時00)高速バス・松川インター11時10分着(予定10時37分) ジャンボタクシー インター前11時20分発 鳥倉林道標高1630mゲート口 12時50分着 林道歩行13時20分発 鳥倉登山口標高1790mアイゼン装着14時30分発・・・標高2580m三伏峠小屋19時40分着(幕営)

12月22日  4時起床 6時30分発・・・本谷山10時20分・・・ゴーロの先塩見小屋手前直登上部12時30分折り返し・・・本谷山15時・・・三伏峠小屋幕営地16時40分着

12月23日  4時起床 7時発・・・9時00 鳥倉登山口着 林道歩行 鳥倉林道標高1630mゲート口タクシー10時30分発  松川町内日本そば屋さん11時50分着、食事  13時10分発タクシー  松川インター高速バス13時36分発  新宿17時着

● 記録
21日 新宿バスターミナル7時15分前には全員集合 今回いたさんが進さんの具合で急きょ不参加 となった、具合が気になります。席は前列側で(アトム、ケンちゃん)  (カトさん、笹田さん、)(スガさん、みっちゃん)で同席 各座席で話しが弾んでいる。少しうとうとし始め、自分はニュースで騒がれている人 猪瀬直樹のいつもの固いノンフィクションの小説を読む。少し渋滞はあったがそれほどでもなく約30分遅れで松川インターに到着 カトさんの段取りもよくすでにタクシーは待機していた、ちょっと気になり確認、確かにスタッドレスタイヤであった。速攻で乗り継ぎ途中コンビニによりいざ行ける所まで運転手さんにお願いし出発、運転手さんよると2,3日前の寒さでいつもより雪が多いとのこと、運転手さんが(あっーもうだめだ)と独り言 我々はドキッ、ここから歩くのかと・・・意味はここからチェーンを取り付けなければ駄目だ、でした。雪道を後輪が滑る、そして左右に振りながらの運転に一同力が入ってしまったが何とか通行止めのゲート口まで運転してもらえた。

林道を歩きいよいよ鳥倉登山口に到着 天候は晴天 三伏峠小屋まで3時間との表示があったが4時間はかかるかとヘッテンの準備をする。アイゼンを装着しカトさん先頭で出発 汗かきの自分の服装レイヤリングは、下はウールのタイツのうえに普通の少し厚手のストレッチのポリエステル製登山ズボン 雨カッパは、  はかず、上はファイントレックの下着のうえにウールのアンダーシャツにアウターはソフトシェル 樹林帯の中のため風対策はせず雨カッパは着ずに1時間に1回の休憩を入れながら順調に登っていく、ヘッテンを装着してからスガさんの足がつりだした。たいしたことではないとのことだがペースを落とす。その後ケンちゃん、みっちゃん、アトム(自分)で幕営準備のため先に進む。日が暮れればさすが寒くなる。

三伏峠3Km標識
三伏峠3Km標識

しかしペースを上げれば汗がこれ以上出てしまう自分は、汗をかかずに汗を乾かすマイペースの発熱量で進む、以外と距離が離れず幕営地に到着した、19時40分着もう寝る登山者もいるため他のテントからは離れたところで準備をする。もちろん開放小屋はいっぱいである。少ししてからカトさん達も到着 膝上まである新雪を固める。

20時30分乾杯から今夜の食胆カトさんの高級牛肉でのすき焼き、6人分のタマゴまで担ぎ上げてくれた。肉がとろける、疲れた体に優しく栄養が吸収していく。ご馳走様でした。22時睡眠

 

22日 4時起床 雲一つ無い夜空の月夜と雪で明るい。トレース横で雪に黄色い跡がポツポツ見られる。・・・この日に気づいたがトイレが一つだけ使用できるように開放してくれている。 風もない 気持ちのよい山行になりそうだ、ケンちゃんのチキンラーメンの朝食を戴く。6時出発予定を30分過ぎて行動 6時頃出発したパーティーがいる。トレース泥棒する気はないがワカンの跡が付いている、トレース幅が狭いため我々はアイゼンで行く。人によって何度も雪に足が落ちる。自分は落ちる瞬間の無重力で腰の力が抜けたため後日腰通になっていた。本谷山頂上手前でマイペースでスガさんに行ってもらう、笹田さんが同行する。それから4名で先に塩見岳を目指す。本谷山到着9時15分無雪期の行動時間の約倍である。少しぺースを上げる。次の休憩をして直ぐ、少し過ぎたところでアイゼンの下にワカンを付けて行動、約20分のロス ズボズボ墜ちる自分は以外と楽に歩けるが今までの1/10ぐらいで相変わらず沈む(墜ちる) ゴーロを過ぎ塩見小屋手前の直登を登るが直登途中の少し平らな場所でワカンをはずしアイゼンで進む準備にかかる。ここで今日初めて行動中に登山者とすれ違う。 10人弱のパーティーが塩見小屋の先には(もうトレースは無いよ)と教えてくれた。カトさんが瞬時に引き返そうかと尋ねてきた。その時の時間12時30分、本谷山から無雪期の行動時間の休憩含みプラス1時間30分オーバー(約倍)、前

断念折り返し地点180度パノラマ
断念折り返し地点180度パノラマ

のパーティーが引き返すのだからそれが妥当と二つ返事でみな了解。結構景色がよいのでそこで少し休憩。断念であるなら今回の核心だ、ケンちゃんもみっちゃんも180度のパノラマを楽しむ、 聞いた話によると同じ幕営地を6時にでたパーティー達と6時5分前に出発した単独登山者と一緒にラッセルしてここまできたとのことだが単独登山者はそのまま一人で塩見岳に向かったらしい。それが幕営地に到着後、数メートル幅の樹林の切れ目から、バタバタバタと爆音を立て夕焼けで赤く染まった名残惜しい塩見岳に向かうヘリコプターが飛んでいく姿を見ようとは、・・・

直登を前向きで下り幕営地に向かう。ゴーロあたりで二人連れの一応のカップルらしい人とすれ違う。東京北稜山岳会の4人の方ですか、?と聞かれ まえの二人連れは先に戻ると伝えてくれとの事でした。伝言有り難うございます。無事引き返したことにホットした。 我々が塩見小屋手前で引き返したことにガッツが無いようなことを冗談で笑いながら言ってた。もちろんトレースも無いことを伝えた。 ここまできたのだから(もちろん行きますよ)と,当然のように二人は向かって行った。

行きと同じ本谷山で休憩 出発しようとしたところにガッツが無いようなことを我々に言った、 ガッツのないカップルが引き返してきた。(やはり無理だったか、しかしそれが正解だろう) ワカンのみの装着で女性は結構疲れている様子を少し振り返りながら笹田さん、スガさんの待っている幕営地に向かう。目的の塩見岳を振り返りながら思う、よくあんなに遠くに見えるあの山のほうまで行けたなと、みっちゃんと交わした、一歩一歩の確実な積み重ねが作った大きな成果だと、あの夕焼けに染まる塩見岳に向かうヘリコプターを見

暖かいコーヒーを幸せそうに味わっています
暖かいコーヒーを幸せそうに味わっています

たのは、二人が入れてくれた生き返るような暖かいコーヒーを頂いた後であった。 それにしても帰ってきた時に暖かいのはテントでも家庭でもHOT する。 塩見岳に向かった単独登山者が心配だ、みっちゃんが推測するが山の事故の推測はいけない、事実として伝わる場合があるからだと笹田さんに教わる。見て聞いたことだけを正確に伝えるだけだ。   テント内で笹田さんが持参してくれた日本酒で乾杯、今晩の食胆はみっちゃん、お腹が空いているときは早く食べたい、事前に裁いて持参してきてくれたみっちゃんに感謝 あまり料理が得意でないと言うがなんのその、冬至を意識してくれてかぼちゃ入りのおいしいシチューを食べさせてもらえた。20時睡眠

 

 

 

幕営地から夕陽に染まる塩見岳
幕営地から夕陽に染まる塩見岳

 

 

 

 

 

 

23日 4時起床 笹田さんの後かたづけが手際よく早い、相変わらず勉強になります。 朝食はスガさんの何でも乾燥してしまうアイデアと研究心からできたマカロニカが入った具たくさんのシチューをおいしく食べさせてもらい返りの荷作りにかかる、昨日出会ったパーティーが通る。パーティーは別々であったが単独登山者が今日になってもテントに戻ってないと心配している表情で伝えてきた。7時下山開始 途中でまた塩見岳に向かうヘリコプターを音で気づき目で追う。やはり心は晴れなくなる。

鳥倉登山口9時着 結構早い、カトさんが早めにタクシーを呼んでくれた、支度を整え鳥倉林道ゲート  10時30分発 日本そば屋さんに向かう、各自好きな飲み物で乾杯、笹田さん、カトさん、自分が日本酒を飲んだ。・・・カトリーダー、笹田さん、そして皆さん有り難うございました。晴天にも恵まれ、楽しい思い出の山行になりました。・・・ 昨年に続き自分は冬山、夏山と 塩見は2度の断念になった。 白く聳えるあの山は自分には顔を洗って出直して来いとでも要っているようにどっしりと構えてる。 いいきっかけができた。

三ッ頭~権現岳~編笠山

三ッ頭~権現岳~編笠山

・時期:2014.1.11(土)~2014.1.12(日)
・メンバー:けんた(L)、カト(記)
・行程:
(1日目:1/11晴)
新宿8:00(スーパーあずさ5号)小淵沢9:53/9:57-10:13甲斐大泉(タクシー)天女山入口10:40-天ノ河原12:00-2,000m標識14:00-前三ツ頭15:30<幕営>CT4:50

(2日目:1/12晴)
前三ツ頭6:10-三ツ頭8:00-権現岳9:30-権現小屋9:40/10:40-青年小屋12:00-編笠山12:30-雲海14:00-富士見平14:30-観音平ゲート15:20  CT9:10

・記録:
-まとめ・感想-
3年ぶりに雪の権現岳を堪能しました。また、編笠までの縦走は初めての経験でした。三ッ頭から権現岳まではトレースなし、深いラッセルでルートファインディング、体力など技量を試される山行でした。計画どおり無事下山できたことはけんたLの判断、リードのお陰だと感謝しています。

権現から三ッ頭に延びる稜線途中から西側稜線へのトラバース斜面は3年前に出ていた岩稜帯が雪で隠れ深い雪面となっていてルートの選択が難しかった。もっとも雪面はどこでもルートになるので自分たちの力で行けるルート選択が適切だったと考えるしかない。

権現岳直下西斜面岩稜帯の誰もいない荒涼とした世界を二人だけが独占したのは勿体ないほどでした。降雪量は3年前の同ルートと比べて倍はあった感じです。

11日富士見平から入山のいたさんを隊長とする女子隊4名と権現小屋手前のやせ尾根でケッチボーし笑顔で握手。お互いの健闘を称え合い、山の仲間っていいなあと感じた瞬間でした。

(1日目:1/11晴)
甲斐大泉で下車し観音平ゲートまでタクシー。1,000円弱。雪は多く私はアイゼンを履く。けんたLはつぼ足。3年前の車道歩きは雪がなかった。左の斜面の天女山登山口

天女山登山口へ
天女山登山口へ

標識を入る。踏み跡はあまりなくオートモービルらしい跡を辿るが潜るので二人でワカンを履く。しばらく歩くとまた天女山への標識がある。左にカーブすると天女山だが踏み跡らしきものは真っすぐあるので辿る。車道にぶつかり、突っ切って斜面をいくとラッセルになるので車道を歩く。つきあたりが天ノ河原。どうやら天女山を巻いてショートカットしたらしい。

天ノ河原から前三ッ頭までは一本道だが2,000m標識から尾根に上がるまでの急登は厳しい。予定どおり前三ッ頭の稜線にテントを張る。本当は樹林帯に張りたかったが適当な場所がない。翌朝の確認で分かったことだがもう15分歩けば三ッ頭樹林帯入口にテントを張った跡らしきスペースがあったが後の祭りだ。

今回はけんたLにおんぶに抱っこで共同装備のテント、フライを担いでもらい、私はポールだけで登攀道具もなく荷が軽い。いつものマッカランは100cc程しか在庫がなかったので家の冷蔵庫からくすねたビール2本を持参する。初めての持参ビールで乾杯。けんたLは水2Lを担いできた。晩飯はけんたLのビーフシチュー。牛肉は高級らしく柔らかくうまい。ウイスキーではもったいなく赤ワインが欲しかった。19:00頃寝る。風が強く眠れない。フライがポールから外れることが心配でけんたLがトイレで起きた際に見てもらう。私はトイレタイムの2度と未明で1度確認する。

(2日目:1/12晴)
4:00起床だが私はけんたLに20分過ぎて起こされる。朝飯は私のにゅう麺。家で炒めてきた鴨肉とマイタケ、麺つゆを入れて出来上がり。簡単で美味くできたと自画自賛。
6:10出発。まだ暗く星がきれいだ。風は強い。微かな踏み跡を辿る。昨日11日に下山する人と結構出会った割りにはトレースは明確でない。風に飛ばされたせいだろう。三ッ頭でテントをたたんでいる単独者がいる。昨日権現から赤岳に縦走予定がラッセルで疲れて幕営したとのこと。ここまで踏み跡をつけてくれた彼に感謝し先に行く。いよいよ本格的なルーファイとラッセルの開始だ。三ッ頭からは基本的には稜線通しだが一

三ッ頭から権現
三ッ頭から権現

部巻くなどけんたLのルーファイが光る。権現岳から三ッ頭に延びる稜線は写真ごとく雪庇は心配ないのだが実際は近視眼的で雪庇が気になりどうしても斜面側を歩くので股下くらいのラッセルを強いられる。極力ハイマツや木の上を狙うのだが簡単ではない。ラッセルを交代しながら登る。稜線の中ほどでルートを相談する。私は相談した場所からバンド状に見える斜面をトラバースして西側尾根に出ている3つ目の大岩下に出ることを提案するが、けんたLは稜線直上か西側尾根に出ている2つ目の大岩下を左上することを示したのでLに従うことにした。けんたLに先導してもらう。少し登ったところで私は稜線直上の岸壁乗越は無理であり、また、左上も尾根への取付きが急雪壁で無理と考え水平に行くことを再提案する。けんたLは納得してくれて3つ目の大岩上を狙いトラバースする。実は先に相談した際、私の提案を受けて欲しく暗にほのめかしたがけんたLは自説を譲らなかった。リーダーの資質として私は「頑固さ」と「君子豹変さ」が必須条件だと考えている。けんたLがこの二つを持ち合わせていることが分かって嬉しかった。私は優柔不断、判断力ゼロで尻馬に乗る方だが、けんたLは社会でもきっと良きリーダーになることだろう。

トラバースは止むを得ないこととして、一番恐れたのは雪崩だ。股下まで入るので滑落の心配はない。私は足元と上に注意しながら慎重に行く。2つ目の大岩下まで数本ある大きな木の上に乗るとホッとした。西側稜線に出ると一面荒涼とした岩稜帯。権現Pが視野に入る。少し上に上がると権現小屋が見える。私たちを追ってきた単独者はトラバース斜面約30m後を追ってきたが西斜面の岩稜帯では見えなくなってしまった。どこに行ったのだろうか。雪崩れた音はなかったと思う。西斜面を権現小屋にトラバースするのは馬鹿げている。摩訶不思議。稜線へはジグザクにルートをとる。けんたLが少し遅

権現P
権現P

れるので「大丈夫か」と聞くと大きな声で「大丈夫」と返ってきたので安心する。稜線に上がり突きあたりが権現頂上を構成する切り立った岩場。直下に小さな祠があり一礼して左の3m程の岩を乗超す。上がるとバンド状の回廊があり頂上に続いている。けんたLは冬の権現は初めてだと言うので先に劒のある頂上に行ってもらう。3年前は前三ッ頭から権現まで約2時間行程だったが今回は3時間20分もかかった。条件によって山が異なることを再認識させられた。

権現小屋で昨日青年小屋の冬季小屋泊の方に女子4人組の所在を確認するがないと言う。けんたLは予備日を使うので青年小屋まで荷上げせずに途中で幕営しているのではないかと推測する。その読みは当たっていた。10:10の交信で権現小屋が見えるところにいると言う。良く見るとギボシの向こうの稜線に4人組が見えるではないか。権現小屋前のやせ尾根で合流。ケッチボーをして笑顔

女子隊と合流
女子隊とケッチボ

で握手を交わす。ここだけ風がなく陽だまりの感じ。聞くと押手川に幕営して空身で今朝登ってきたと言う。女子隊の皆さんは皆元気一杯。本日はもう1泊して祝杯を上げるとのこと。酒とつまみが残っていたら押手川のテントに置いていって欲しいと頼まれたが飲兵衛の私には無理な相談だ。けんたLは酒がほんの少し残っているがザック奥深くだと言うので勘弁してもらって押手川のテントを素通りした。それよりけんたLは行動食が尽きてしまいシャリバテになっていたようだ。非常食用に持参したという乾燥米をぼりぼりと食んでいた。

編笠山からの下山ルートが分かり難かった。観音平方面の標識方向にいくと踏み跡が途切れラッセル状態になるのでおかしいと思い頂上近くに上がりトレースを確認。夏道から外れて左斜めに雪面を下って樹林帯の夏道に入っていた。登る人にとってはこのほうが傾斜が和らいでいいのだろう。雲海からは観音平方面はパスして富士見平ルートをとる。車道への近道だ。車道に出て30分で観音平ゲートに着くと思っていたが40分近く歩いた。いつもながら下山の最終章での車道歩きほど厭なものはない。

小淵沢駅近くに有名なうなぎ屋があるので時間があれば寄って腹を満たしたいと思いタクシー運転手さんに聞くと夕刻営業は17時からで15:30頃の今頃は休憩だろう、とのことで断念する。駅に着き16:35発あずさ乗車まで時間があるのでそばを食う。けんたLはそば+お稲荷1個、車中用の駅弁、ビールを買い込む。私は白ワインボトルと白州ミニボトルを車中用とした。電車に乗り込みまず白ワインで乾杯。新宿近くなってけんたLのビールで最後を締めた。

雪山らしバリエーションを経験し、ラッセルなど厳しい面はあったが天気に恵まれ楽しさのウエートが高く記憶に残る山行であった。

八ヶ岳冬合宿 笹田隊(天狗尾根、赤岳)

冬合宿 天狗尾根 記録
参加者:笹田(L)、カト、さぶ(記録)

期日:2013/12/28-30

コースタイム
1日目(晴れ)
7:00 新宿発(あずさ)-8:54 小淵沢~タクシー~9:30美しの森駐車場~14:20出会い小屋~16:00 2100m付近で幕営
2日目(晴れ)
4:30起床幕営地~第一岩峰~8:30カニのはさみ~10:30第2岩峰?~14:00大天狗~小天狗~15:50文三郎尾根~16:40行者小屋
3日目(晴れ)
5:00起床-7:20行者小屋-9:30赤岳-10:30行者小屋-(撤収)-11:30行者小屋出発-14:15美濃戸口バス停着

記録

さあ、厳しくも、楽しい冬合宿の始まりだ。
笹田リーダーより、2泊3日で、天狗尾根を越え、行者に抜け、最終日は大同心稜もしくは、赤岳の南峰リッジを登る予定を聞き、私は相当ビビッていた。
天狗尾根は、ガイド本には、初級ルートとなっているが
私みたいなピヨピヨには、冬期のバリエーションルートは厳しいという事を改めて思い知る山行になった。

一日目
新宿発、7時ちょうどのあずさ1号で旅立つ、3人。
カトさんは、前夜から嘔吐腹痛により体調不良とのこと。(ナマモノにあたったようだ・・)
様子をみての乗車、笹田Lより、状況により天狗尾根を辞めて、美濃戸から行者に入ろうかと提案、しかし、カトさんの体調も回復傾向とのことで、とりあえず予定どおり天狗尾根へ。
小淵沢駅にて、予約したタクシーに乗り込み、美しの森の駐車場にて降りる。
身支度をし、いざ出発。平坦な道なのでアイゼンを付けずゆくが、だらだらと続くなだからな林道にイマイチテンションが上がらない。
ただ冬合宿前にいつもやる歩荷トレをしてなかったので心配だったが、今年の過酷な合宿や剱の登攀を経て体力がついているようだ。軽量化したのもあるが、背中が軽く感じる。
天気は申し分なし、出会小屋まで、何回か、抜きつ抜かれつしたパーティーが1組のみ。静かだ。

そのパーティーは出会い小屋で幕営とのこと。
ここの小屋に荷物をデポして空身のラッシュで登るスタイルが記録を読んでいても多い。

出会小屋で、しばし他のパーティーと談笑し、別れを告げる。
小屋の先もトレースがある。先行パーティーがいるようだ。
少し足が潜るので、体力温存のため、私とカトさんは、わかんをつけてあがる。
赤岳沢を少しつめると、一個目のルンゼのところからトレースは天狗尾根に上がっている。もう少し先の方が道がよさそうだが、トレースがあった方が楽だろうという笹田Lの判断の下、トレースをたどりうえに上がる。
キレイにまっすぐ伸びる尾根に気分が高揚する。特に危険個所もなくゆっくり高度をかせぐと途中で、トレースをつけてくれたと思われる二人組?のパーティーが2000m付近の小さなスペースにテントを張っていた。(後で知ったが、聞いたら友人の友人だった)
心の中でお礼を言い
私たちは予定どおり2100mまで上がる。さらに2人用と思われるテントが既に張られていた。

2100m付近のテンバ。先行パーティーのテント。
2100m付近のテンバ。先行パーティーのテント。

しかし、中には、気配は全くなし。少し心配しながらも(どうやら、ぐっすり寝ていたようだ)私たちもスペースをみつけて整地、テントを張り、ここで幕営。
人気ルートの割に、本当に人が少なくラッキーだ。軽くお酒を飲み、カトさんの絶品、白菜とばら肉のミルフィーユ鍋を頂く。
鍋にぎっちり、白菜にくるくるまかれたばら肉が入っており、ポン酢のつけだれで頂く。
非常に美味。ごちそうさまです。
テント内でしばし歓談し、早々に眠る事にする。明日は長い一日になるだろう。
2日目
4:30起床。朝は、笹田Lのホタテのリゾット。なんと生のホタテの貝柱が!!(乾燥貝柱が売ってなかったららしい)このまま、しょうゆで食べたい!!とカトさん(生ものにあたったのに懲りてないところがさすがだ)アルファ米をバターでいため、粉末のオニオンスープをお湯でといておいたもので貝柱で煮込む。うまい!!笹田さんの食事はいつも手早く、軽くて、そして、美味しい。温かいものを腹につめ、元気がついたところで、撤収、出発。
昨日と同様、カトさん、さぶ、笹田Lのオーダー。
樹林帯を進むと、次第に視界が開けてくる。美しい尾根の背中に乗っている3人。
後ろを振り返ると富士山がどーん!左を見ると権現岳がどーん!
顔がにやけてしまう。素晴らしい風景だ。

富士山をバックに上がってくるカトさん、笹田リーダー
富士山をバックに上がってくるカトさん、笹田リーダー

カニのはさみが見えてしばらくテントが張れるくらいの平らな場所に出る。
でも、風が強いと危険そう。。。
カニのはさみの基部(これが第一岩峰と言っている記録もおある?)を左に巻くが、一瞬、体を切れ落ちた外に出さないといけない箇所があり、ここでカトさんが躊躇。確かに怖い。
笹田さんに先に行ってもらい、お助け紐を出してもらう。ありがたい。。。
ほどなく行くと、
直上する10メートルほどの岩場。ここで、先頭のカトさんが再び、躊躇。ここで初めてザイルを出して、笹田さんにリードしてもらう。私は立木にセルフを採り、笹田リーダーをビレイ。

一つ目の岩場。ミックスでいやらしい。。。
一つ目の岩場。ミックスでいやらしい。。。

ほどなくビレイ解除のコースが聞こえ、私は中間で結んで、登攀開始。
重荷を背負っての登攀は厳しい。途中、体を上げるのを躊躇するような場所あり、ロープ出してもらってよかったと思う。
引き続き、カトさんを私が引き揚げ(今回は半マストを多用しました)、その間に、笹田リーダーはするすると上に上がってしまう。終始こんな感じのシステムで上がっていく。

もう1ピッチ上がると、30メートルほどの第二岩峰にあたる
(これを第一岩峰と言っている記録もあるがどれが正しいか定かではない・・・。ちなみには私はこれが大天狗だと思っていた。だめすぎる。。。)
あとで、他の記録をみると、ここでフィックスザイルがあったらしいが、見当たらなかった、雪の下か、撤去されたか。
ここも、笹田さんがまずリード。

第2岩峰? トラバースあと、ルンゼを上がっていく 笹田さんリード
第2岩峰? トラバースあと、ルンゼを上がっていく 笹田さんリード

8メートルほど切り立った岩場をトラバースし、雪の岩のミックスの壁を上がる。
笹田さんは、するする上がっていたが、私にはちょっと手にあまる。ここは私はプルージックで登ったので、片手を離すのがちょっとつらい箇所があった。

右手はバイルを出して雪に打ち込む。左手は、恥を忍んで、ロープをつかんでぐっと上がる。その上は雪壁。
笹田さんは、立木でビレイをしていた。私が上がると、「俺のビレイはいいから、カトさんあげてあげて~」とするするまた登って行ってしまう。スゲー。。。

ルンゼを上がってくるカトさん
ルンゼを上がってくるカトさん

カトさんが上がってきて、また、私が押し出されるように、上に上がる。
ここの間があまり記憶にないが、次のピッチはあまり難しくなったようだ。
途中、コンテを交えて上がっていくと、岩峰をぐるっと右に巻いたところで、手ごわそうな壁が現れる、どうやら、これが大天狗だったらしい(私はこれが小天狗だと思っていた..orz)
笹田さんが、手前の立木のところで、体に巻いたザイルを下したので、ここでビレイするのだなと、立木にセルフをとり、半マストの用意。
笹田リーダーはとことこと、数メートルのミックスの壁をややトラバース気味にいく。
岩場には、残置のパサパサのシュリンゲが風に揺れている、笹田リーダーはその横にもうひとつあるハーケンでランニングをとり、右にトラバース気味難なく上がっていく。本当、何でできてるんだろう。。。うちのリーダーは。。。
上がせまいテラスになっているようで、そこでピッチを切ってくれた。
(テラスには、ぴかぴかの新しい鎖あり)
私は、セカンドなので安心なはずなのだが、それでも怖いものは。怖い。
一応「落ちてもいいですよね?」と念を押してからトライ。トラバースが怖いので
うすかぶりだが、ガバがある方を選ぶ。ランニングをとってあった壁から、力任せに、体を上げる。

大天狗登り ちょうど私の左側にパサパサのシュリンゲ。 テラスに上がるところがうすカブリ。
大天狗登り ちょうど私の左側にパサパサのシュリンゲ。
テラスに上がるところがうすカブリ。

さすがに息があがり、テラスに出たときは、精神的にやられていた。
「じゃ、カトさんビレイして~」と例のように言われたが、「ごめんなさい!少し休ませて~」
とお願いする。いやはや、情けない事、この上ない。。。
「日が暮れちゃうよ~」との言葉にまずいと思い直し、カトさんをビレイ。
カトさんも直上ルートを選ぶが、手に力が入らない模様。
それを、笹田さんがゴボウで引き上げる。
この時点で、14時近く。急がないと、降りる頃にはヘッドランプが必要になるだろうとのことで、ここからコンテを交えてトラバースをすると出たコルが小天狗のコル(だったらしい。小天狗はコンテで草付き交じりを左にまいて抜けたとリーダーから後で教わるも記憶が定かじゃない。記録係失格。。)
最後、雪壁を登り、登山道に出ると、鎖がまだ出ている。稜線は風が強く(笹田さんいわく、ヤツでは、このくらいは、そよ風だとのこと。)
コンテのザイルが足に絡まり、怖い。ここで、さぶ、風とロープに八つ当たり。
1人、プチキレながら歩く。
赤岳に直登するのかと思っていたら、左巻きに巻き道がついているようだ。
ほどなくして、文三郎尾根の標識をみつけた。
ここで、相当ほっとする。文三郎を降りてると16時10分の交信時間になる。
カトさんより、ハギ隊が心配しているだろうと言われ、トランシーバーで交信を試みると、スガさんが応答してくれた!もうテント場にいて、場所も確保してくれているとのこと、
あと20分ほどで到着する旨を伝え、交信を終える。
仲間の声に励まされ、順調に文三郎を降りていくと、部長がなんと迎えに来てくれていた。
「ケッチボー」と声をかけて、お互いの無事を喜ぶ。
テンバにつくとハギ隊のみんなが出てきてくれて、フラッシュの嵐。
成田空港についた、ハリウッドスターの気分だ(笑
しずかな部長おすすめの場所に整地までしてくれて、温かいスープまでふるまってくれる。
仲間は本当にありがたい。
はじめてここで3人で集合写真を撮り、幕営。

行者小屋でパチリ。リーダーありがとうございました!
行者小屋でパチリ。リーダーありがとうございました!

行者小屋でビールを買い込み、さぶの軽量化マーボカレー鍋を食べたところで
ハギ隊のテントお呼ばれし、合同宴会。お互いの山行話に花が咲く。

笹田リーダーより、今日は疲れがたまっているので、翌日の登攀はやめて、ハギ隊と行動を共にしようと告げられ、赤岳ノーマルルートに変更。
安心して、あるだけの酒を流し込む。ああ、酒がうまい。。。

3日目
ハギ隊長のもと、赤岳を地蔵尾根から上がる。
詳細はハギ隊ミヤノリさんの記録を参照。
晴天の下、ピーンと張りつめた厳冬期の空気。
地球って丸いんだなーって感じさせるようなパノラマの風景。
そして阿弥陀、権現などのヤツの名峰。
登るかもしれなかった大同心を遠くで眺めながら、山にいる幸せをかみしめる。

地蔵尾根から赤岳を臨む。ダイヤモンドダストが!
地蔵尾根から赤岳を臨む。ダイヤモンドダストが!

赤岳の頂上で、行者から上がってきた。コバケンコンビに遭遇し、
期せずして、赤岳集中山行。厳しくも、最高の合宿であった。

赤岳頂上でコバケン隊とバッタリ!奇跡!
赤岳頂上でコバケン隊とバッタリ!奇跡!

厳しいルートを常に冷静に判断して私たちをリードしてくれた笹田リーダー
体調が悪い中でも、常に前向きに行動するカトさん
そして、温かく行者で迎えてくれたハギさん率いる天狗~硫黄縦走隊
驚異のスピードで赤岳に登ってきたコバケンコンビ。
皆さんと一緒に山に行けたことに心から感謝します。

(笹田L感想)

「天狗尾根」                        笹田記

大天狗を越えて小天狗にさしかかる頃には疲労が著しくなり、コンテのザイルが常時緊張して立ち止まる状態となった。

稜線に出て10分間の短い休憩を取る。

これからの竜頭峰から赤岳直下までは吹き募る雪交じりの八ヶ岳特有の北西風を避けるすべは無い。

その間ビバーグの適地も無く、明るいうちに行者小屋に辿り着くべく強行する。

ザイルが風に翻弄され、仲間の顔面は烈風に晒されて赤鬼の様に見える。

アンネ・ソフィー・フォン・オッターが歌う「コッポンゲン」の癒しのメロディーが聞こえる。

・・・・・never die.

此処だけは覚えている。

通信販売で買ったCD “Healing Voice”の中の一曲だ。

帰宅後改めて聞いてみると

一小節は

There is silence around me in the peaceful winter night.

From the church down in the valley.

I can see the candlelight.

And I stopped for a moment in this winter paradise.

When I heard a choir singing through the darkness and the ice.

今だ厳しい冬山に身を置くことが出来る幸せは、何物にも代えられない。

 

(カトさん感想)
今回の合宿参加者は5隊、13名。私はミナト合宿担当から取りまとめを依頼され
た俄か担当。ミナトさんの水面下でのお膳立てとリーダーの主体的企画で今回も
多数の参加を得た。冬合宿初参加者は4名。今年入会2名とベテラン2名。八ヶ岳
というなじみの山域の所為かも知れない。また、9連休という好条件かもしれな
い。
前半は好天気に恵まれて順調に推移したが、中盤(1/1-1/2)は風雪激しく行動
不可となり撤退となったことは残念だった。しかしこれも良き経験でリーダーの
好判断を称えるべきだろう。また、急変への対応も各隊へのコミが良く取れスムー
ズな行動になったこともよかった点だろう。
さて、私はというと、出発前夜から体調不良。前夜2回嘔吐。朝家を出て北赤羽
駅に着くまでの5分間で2回嘔吐。体温は36.9。足はしっかりしているが気分が悪
い。コンビニで胃薬を買って飲む。前夜食事を食べすぎたものと判断したが、ど
うも2日前に食べた生かきが原因のようだ。電車に乗り体温を測ると36.3度。山
行を止めようとも考えたが体温が下がってきたので行ける所まで行こうと決断。
軽量化したつもりでも8日分の行動食、1/2以降の登攀具などザックは重い。20K
g弱程度か。冬の天狗尾根、大天狗、小天狗は厳しいと聞いていた。しかし、笹
田さん、さぶさんのお陰で何とか行者まで辿り着くことができた。雪山の厳しさ、
楽しさを味わうことができ、また、自分の拙さ、弱さなど含めていろいろな意味
で価値ある山行だったと勝手に思っている。パートナーの心配を顧みずに…。
いつものことながら別世界、異次元の体験をさせてもらっている笹田さんには感
謝している。
1/1以降計画変更があり別働隊と合流ができなくなったので急遽テントを撤収し
て下山することにしたが荷は重かった。
この冬合宿は重い荷に泣かされた山行だった。

 

谷川岳西黒尾根雪上訓練(泊り班・日帰り班)

●期日:12月14日 ~12月15日
●参加者:
泊班/CLサブ、SLグッチ、カト、笹田、ハギ、みどり、コバ、いしつかみ、ツノダ(記)
日帰り班/Lケン、アトム、みやのり

 <記録>

・12/14 9:30 谷川岳ロープウェイ→14:30ラクダのこぶ(テント泊)。
14:00谷川岳ロープウェイ駅(日帰り班)
・12/15 7:20幕営地→11:20谷川岳ロープウェイ駅

先発車班の笹田さん、コバさん、いしつかみさん、ツノダは13日22時王子駅を出発、水上道の駅仮眠。
雪交じりのお店の軒下に3人宴会し就寝。いしつかみさんは風邪気味で車中泊。
後発車班日帰り・泊り班は14日6時王子駅を出発。
58期新人訓練と正月八ヶ岳冬合宿前の雪上訓練を兼ね谷川岳ロープウェイに12名全員集合。

天候は晴天、冬装備を付け登山センターを抜け西黒尾根取付きからサブさんをトップにゆっくり薄雪の中歩行。鉄塔を過ぎた頃は春山の気分。ほぼTシャツのメンバーもいる。

西黒尾根雪訓
思いがけずの晴天

途中、ラクダのコルからのUターン3人に会う。トレースが出来てありがたいです。
樹林帯から天神平スキー場のスキーヤーが見える。なんて良い登山日和で明日の天神尾根の下りを期待。
サブさんより時間に余裕あれば今日は肩の小屋泊り予定とのこと。
稜線に入りラクダのコブ前のピークでアイゼンを装着。
ここで日帰り組3人と別れる。次回は八ヶ岳で会いましょう。

後ろからJ堂医学部山岳部が抜くがアイゼンなしで岩場に少し手間取っている。
我々は用心しロープをフィックス。

ラクダのコブ14時30分着、頂上はガスがかかり視界が悪くのでスペースがあるここでキャンプ。
全員でテント2張りとおトイレをあっという間に建設。日帰り組と定時連絡、お互いに無事を確認。
コンテ登高時のビレイシステムや無線機、ビーコン、ブローブの説明、方法をサブさん、カトさんよりを教授。

夜食はいしつかみさんのあったかいキムチ鍋にうどん。
寒い夜だが酒が入った身体をさらに熱くする美味しい夕食、ご馳走でした。
夜半から段々荒天になり笹田さんが時々外に出て除雪、私の背中を押す白い重い雪。それでも寝る。

16日朝4時起床。小羽シェフのおでんの素とこぶ茶の味付けの雑炊。軽量化をしながら絶品の味付け、恐れ入ります。

荒天の事でサブさんより7時下山が伝えられ、明るくなり夫々、装備装着、テント撤収。

グッチさんとロープを組み先行、腰までのラッセルで10m進むのに10分。まだ風がないのが良かったです。果たして今日中にロープウェイに着くのかを懸念しているのは新人の角田だけか?
スタカットしながらラッセルを交代し中々進めない為途中でワカン装着。

前日のフィックスした地点でツルベ登降。小ピークを過ぎてもラッセル。クサリ場の下りは緊張し樹林帯に手前で集合しロープを仕舞う。後ろよりJ堂医学部山岳部が合流、後は若い彼らにラッセルを交代。

段々風が強まるが滑落の心配がなく後は着実にルートを下るのみ。途中コバサンのGPSで確認。
最新機器を使用する事や荷物を軽くし速く登る事は安全登山の基本だと改めて思う次第です。

途中入山する5・6パーティーの会い、こんな荒天の中テント泊の入山するパーティーもあり大変びっくり。鉄塔の下で集合しサブさんの指導で滑落訓練や耐風姿勢も行いました。

11時20分全員無事ロープウェイ駅の下山。バス、電車班と車班に分かれ夫々帰京の途へ。

本格的な冬山の前の訓練と思いましたが西高東低の冬型になれば一晩に1mも積もる時もあり安易な考えでいけないことを改めて思う山行でした。

2013夏合宿(沢隊) 追良瀬川、ウスラ石沢、白神岳

2013 夏合宿 追良瀬川〜ウズラ石沢〜白神岳

日程:2013.8.10〜14(予備日1日含む)
参加者:アベ(CL),ハギ(SL),イタ,sa山,エビ,スガ(記録)
実際の行動:
8/10 上野・大宮より東北新幹線にて新青森,特急で弘前へ.弘前で全員集合,タクシーにて入渓地の追良瀬大橋まで林を経て追良瀬堰堤の付近(マッタの沢との出合)で幕営
8/11 幕営地〜五郎三郎の沢(滝)前で幕営
8/12 幕営地〜ウズラ石沢遡行し幕営
8/13 幕営地〜白神岳〜白神岳登山口駅〜陸奥岩崎(静観荘)
8/14 陸奥岩崎〜弘前,帰途につく

この計画の立案者であるつりしが,急遽不参加となり一旦呆然となる.が,CLをアベに変更して計画通りに遂行することとなった.

出発前日,秋田・青森が豪雨に見舞われた.最初はあまり気にも留めていなかったが,時間を追うにつれ入ってくる災害の情報に,入渓が危ぶまれるかも…という危機感が出てくる.

自車で一足先に東北へ向かっていたsa山は秋田で足止めを食らい,沢隊の面々に「電車が不通で弘前まで行かれない,どうしよう…」というメールが届く.秋田—盛岡間の在来線も新幹線も不通らしい.

時を同じくして,入渓に使う道路が寸断されたかもしれないという情報をハギが入手,慌てて調べたところ,幸いにも我々が通る道路ではないことがわかる.

夕方になって,sa山から弘前到着の一報.能代まで行ったものの,大館あたりが大打撃を受けており,奥羽本線は不通でどうしようもないことがわかり,仕方なく弘前まで自車で移動したらしい.

この日,アベは河口の水位変化をチェックしており,スガもまた雨雲レーダーを見ていて,雨雲は追良瀬川流域にはほとんどかかっていないことを確認していた.

アベが「実際には行ってみないとわからないから決行しましょう,もう行っちゃっている人もいるし…(苦笑?)」と宣言したため,スガは夜行バスで出発.

 

第1日目(8/10)

スガは早朝弘前へ到着し,先に来ていたsa山と合流する.

アベ,ハギ,イタ,エビも新幹線で予定通り新青森まで出た.ところが弘前へ出るために乗車予定だった特急が運休となったため,1時間遅れで弘前到着.

全席指定の新幹線は通路に人があふれるほど満員だったらしい.前日の豪雨の影響は盆の帰省の足にも大きな影響を与えている.

11:30 無事に6人全員集合.城東口にて予約していたジャンボタクシーに乗車.

弘前市内の川は濁流だったが山間部へ行くにつれ澄んでいき,皆「おおっ!(これはもしや…)」期待に胸が膨らむ.

途中,水を汲んでおいた方が良いだろうということで,暗門の滝そばのビジターセンター?に立ち寄る.一大観光スポットらしく観光客が多い.(エビはそこにあった滑り台へいく.思いの外,急で長かったらしい.)

再度タクシーに乗り込んだところで,運転手がこの近くにある白神のマザーツリーを見に行ってはどうか?と提案.時刻はすでに13:00過ぎ,どうせ今日はそんなに行動できないし…というわけで,ちょっと寄り道をして皆で樹齢400年(推定)のブナの巨木を見に行く.

そして,このあと運転手のちょっとした勘違いで,下りるべき場所を30分以上行きすぎてしまい, 気づいて戻ったものの,約1時間のロス.我々は大して気にもしていなかったが,運転手はかなりへこんでいた.

15:30 追良瀬大橋着.川は澄んでいて穏やかに流れているように見える.そしてなぜかそこに釣り人らしき姿を発見.(…いいのか?)

(因みにタクシー代金は,恐縮しきりの運転手が2万円でよいと言ったのだが,観光もさせてくれたし…とアベが言い,会計のエビは板挟みとなり,結局本来の料金である2.5万円を支払った.)

支度を整え,今日は堰堤付近でテントを張ろうと,出発する.この川沿いの小道はアブがかなりうるさい.途中でヤマカガシがひかれて死んでいた.

16時過ぎ,堰堤の手前でテントを張れそうなところがあったため,アベとハギがその先を偵察に行く.そして堰堤を越えたところのほうが良さそうということで移動.

堰堤を越えたすぐ右手からの小川がマッタの沢(ユキブカノ沢)で,そこにも釣り人が1名いたが,すぐに去って行った.

追良瀬川
追良瀬川

このマッタの沢との出合でテントを張る.魚が良く跳ねているのは夕方で虫が多いからだろうとアベ.

この分ならば先にも行かれそうだろう,とりあえず無事の入渓を祝い宴会,

20:30頃就寝.

 

第2日目(8/11)

4:00 起床.朝靄がかかってはいるが晴れている.

5:35 出発. (どうでも良いが,出発しようという時にスガが鼻血を出した…)

6:15(一本)休憩中,エビが座った石がちょうどお尻にはまっていた.

少し行くと両岸が高く,ゴルジュとなる.(アベは黒部のようだと言う.)

川幅は広く流れは穏やかで,時折男性は腰程度,女性は胸くらいまで浸かる事はあるものの,そんなには水量も多くはないため,両岸や川の中を進む.

7:35頃? 一の沢(ダケノ沢)通過.

7:42頃 一の沢の先で一本.そういえば,明るくなってくると虫が多くなってはくるが,出発前に聞いていたほどの襲撃にはまだ遭っていない.

8:00頃? 石の滝か?深い釜のあるゴルジュ.へつりか巻き道で越える.

8:30頃 予想外にすごく水流の細い(水量の少ない)四十八滝の出合で一本.

シノリカ?モ
シノリカモ

出発してしばらく行くと黒っぽい体色に白斑が顔や体に見られるシノリガモを発見!人が来たためか,慌てて上流へ移動していく.

さらにその先で川の中に別のシノリガモの群れを発見!!(9:20頃)

白神周辺で繁殖しているのだが,運が良ければ見られるというレベルの遭遇率らしい.ということは,紛れもなく運は良い!!

9:40頃 ジャグノ沢出合で一本.

 

五郎三郎
五郎三郎

10:40頃 五郎三郎の滝.

テン場到着としては,だいぶ時間が早かったが,この先に良いテン場があるかわからず,またもしあっても,他に入っている人たちとかち合って使えなかったら困るため,当初の予定通り,滝の向かいの広い川岸を本日のテン場に決める.

テントを張ったのち,滝の直下へ行ったり,服を乾かしたり,ぼーっとしたり,各々好きに過ごす.少し上流には深い淵があり,魚影が見られる.

昼頃に,ハギが持ってきた素麺を茹でる.同時にアベが某スポーツ店で勧められたという,水で戻す餅を振る舞ってくれた.

お盆時期と言うことでもっと入渓者がいるかと思ったのだが,一向に後続の人々は現れない.また上流から下ってくる人もいない.

15時過ぎに,イタが周辺に生えているフキで蕗味噌を,ハギは持ってきた餃子の皮でピザのようなおつまみをつくりはじめる.

16:30にスガが天気図を描き終える頃,宴会開始.

21時頃? 就寝.

 

第3日目(8/12)

5:00 起床.またもや良い天気.

6:25 出発.

6:34 三の沢(シワラノ沢)通過.

6:45頃 深い釜をもつゴルジュ.皆へつって越えていこうとする中,

CLのアベが泳ぎを許可したため,へつりの苦手なスガは泳いで渡る.

(朝一での泳ぎはやはりキツかった…あとメットを外せば良かった…)

このあと,穏やかな流れの中を皆で(割と好き勝手に)歩いて行く間に,エビはカラフルでものすごくでかいヤマカガシの抜け殻を川の中で発見し,生きているのか死んでいるのかわからなくて,棒で突っついていた(そうだ).

7:10頃 人面岩(モアイ?というかゴリラっぽい?)を発見.

ナメ
ナメ

その後すぐにタキノ沢(すごく狭い沢).このあたりはとても美しいナメ!

7:30頃 一本.本流を心ゆくまで楽しみたくてのんびりと行く.

 

 

 

 

ホノ沢
ホノ沢

8:00頃 ホノ沢(本流の3m位?上部を流れており,本流とは垂直に曲がって落ちる小滝で合流.ちなみにその滝の脇の壁をエビが登っていた.)

 

8:40頃 一本.

 

 

 

ウス?ラ石沢
ウスラ石沢

9:00頃 とうとうウズラ石沢出合に到着.本流との出合は深い淵になっている.

たおやかな本流から離れてウズラ石沢に入る.いわゆる沢登りらしくなってきても,やはりここは東北の山(沢).丹沢や奥多摩とはひと味もふた味も雰囲気は違う.

少しだけ深い所にイワナの影.ぐるぐると泳いでいるのを皆で見つめる.

9:40頃 一本.ふと空を見上げたら,猛禽類が飛んでいた.(クマタカではないとは思うが…)

ウズラ石沢に入ってしばらく行った先に出てくるはずの「右壁直上10m」というのが遡行図にはあるのだが,結局わからずじまい.

11:25頃 「ネコのひたい河原(仮)」の少し手前?とおぼしきあたりで一本.

少し上がってもその「ネコのひたい」が不明…そこで沢が左に曲がっている形状のあたりで,テン場適地を探しにアベ,ハギ,エビが空身で偵察に出かける.

3人が戻ってきて,少し上がったところが良さそうとのことで,そこにテントを張ることに.(12:30頃?)草木を踏みつけて整地,設営.

テント設営後にアベは沢沿いに生えるミズ(ウワバミソウ)を採って,お味噌汁とおひたしをつくってくれた.

この日の天気図も問題は見当たらず,沢中最後の宴会を楽しみ,21時頃就寝.

 

第4日目(8/13)

5:00 起床.昨日までと異なり樹林の中ではあるが,天気は良さそう.

6:40 出発.

7:35 一本.

二股になっているところを左側に行く.

8:45頃 一本.

この辺から白いナデシコとかなり大輪のダイモンジソウが見られるようになる.

沢は消えたり現れたりを繰り返し,いくつも二股を生じる.基本は左へ,とはいうものの,あまりにも左へ左へと行くと,予定の場所より外れてしまうため,地図と地形とコンパスと皆の頭をつきあわせて相談しながら進んでいく.

9:20頃 笹のトンネルが出現.何となくネズミになった気分?で前進.

恐らくそんなに長い時間ではないと思うから,15分程度経った頃だろうか?笹のトンネルが消えて,とうとう笹をヤブ漕ぎすることに.しかし,これもすぐに終わって登山道へ!!

9:40頃 避難小屋到着.前のベンチで沢装備解除.

小屋を覗くと誰もおらず,きれいな2階建て.そして離れた所に非常に立派な(小屋よりも大きい?)トイレが建っている.

ちなみにこの辺りでドコモのガラケー(スガ所有)は通信可能だったため,飛び込みで静観荘に宿泊予約.ついでに掲示板にも一言書き込む.

白神岳
白神岳

10:30頃 白神岳山頂登頂.

白神岳は深い山の中の頂,という感じ.北海道の山や南アルプスの深部の山の様相.また,登山者は思いの外少なく,1〜2名の数パーティーが現れてはいなくなり,という感じで静かな山を堪能.

10:45頃 名残惜しい気持ちで下山開始.

11:25頃 ブナ林の中で一本.少し霧が出てきてこれもまた幻想的.

12:15頃 一本.

12:40頃 三角点を通過(どうやらこれが蟶(マテ)山だったらしい)

12:50頃 「最後の水場」(登る人にとって)

13:22 二股通過

14:00頃? 登山口

五能線の時間までかなりあったのと,下に下りても水場はないハズということで,ここの水場で沢靴等を洗いまくる.テントもロープも干しまくる.他の登山者が少ないのを良いことに,我が物顔に占拠する….

15:20頃 ここにいても不毛だし,ということで,駅へ向かうことに.

意外とこの舗装路歩きが暑くて苦痛だった.

線路を越えると祭りの装いをしている人を見かける.

16:00 白神岳登山口駅到着.

1.5時間ほど待つので,荷物をまとめて置いておき,皆で海へ行ってみることに.

途中,道に出ていた女声に海の方向を聞いたら,その方は食料品店の人だった.(看板がないから店だと思わなかった.)そこで念願のBeerを仕入れて海でゆるりと1Hほど過ごす.お盆らしく家族連れや子供が磯遊びに興じている.

17:36発に乗り,3駅先の陸奥岩崎駅で下車.10分弱歩いて宿へ.

意外と大きな宿だったが,この日の宿泊客は我々を含め4組しかいなかった.

到着後,ひとまずフロに入った後に夕食.噂通りの料理の多さとおいしさに舌鼓を打ち,天候に恵まれた今回の山行の無事を皆で祝した.

 

第5日目(8/14)

6時頃,ハギとスガで海沿いを散歩.

スガはカモメの羽を拾い,ハギはルアーを拾い,これはアベにプレゼント.

朝食後,少しのんびりしてから駅へ向かい,五能線で弘前へ.

途中,追良瀬川の河口を渡る.とても広くて穏やかな,そして水の少ない流れだった.

3Hくらいかけて弘前に到着,解散と相成った.アベ,ハギ,イタ,エビは東京へ.sa山とスガは山のはしごをするために鳥海へと向かうことになった.

 

<感想>

白神山の感想

憧れのマタギ住む山、ブナの原生林から流れ出す清流に棲むイワナ。
山田さんから計画が出されたとき、行くしかないと思いました。
自分にとって東北の山は未知なる所です。
急遽行けなくなった山田さんには、本当に申し訳ない。
お世話になりっぱなしでした。同じように皆さんにも。
今回の山行は本当に天気に恵まれました。
入山直前に東北地方を襲った豪雨、そのお陰なのか我々以外のパーティーに出合うことも無く、アブに悩まされることも無く、1泊抜けられる沢旅を2泊掛けて楽しんだ。天気に感謝です。
沢の中で寝泊りして、秩父の山奥の沢とそれほど大差ないと思った。
ここは世界遺産、秩父の山は世界遺産ではないが、同じように守っていかなければならない遺産に違いない。
奥多摩だって、丹沢だって同じ遺産ではないのか、そんなことを感じました。
泊まった宿の海の幸には感動しました。
また、五能線の車窓に写る海の美しさも世界遺産級でした。
アベ——————————————————————————————————————————————————————————————————————

感想(ハギ)
登山行為というよりは、渓の生活を楽しむ。
対峙するというよりは、静かな営みを乱すことにゴメンナサイしながらその懐に入り込み、包み込まれたその空気・水・緑と溶け合えた…かも知れんと感じられることに感謝する。
以前行ったなおさんから聞き及び、憧れていた世界遺産・白神山地の沢登りは、そんな夏の「旅」でした。
「変化に富む遡行内容の面白さ」を求めてしまうと物足りない…のかも知れません。
が、我々の貸し切りで、東北の自然の奥深さを思い切り満喫できました。
詰め後も旅の延長、白神岳のてっぺんから、ブナの森を抜けくだり、海抜ゼロメートルのフィナーレ感動。
電車待ち、海でチビヤドカリ・チビハゼ・チビカニにちょっかい出しながらのビール幸福。
飛び込み泊S a山さん推薦民宿のこれでもか的海の幸ごはん堪能。
帰路弘前に向かう、海岸線を舐めるように行く五能線の旅、晴れ渡った日本海に悠々と流れこむ追良瀬川、感無量。
…前日は実施絶望的と思ってましたが、アベさん・スガさんの情報収集力に感謝。また出発日は秋田新幹線は豪雨影響で動いていなかったので、当初から東北新幹線経由の弘前からアプローチとしていた、つりしさんのプランに感謝。
春からプランを温め着々と計画を詰めてくださっていたつりしさんは直前で行けなくなり、本当に残念でしたが、アベCLはじめ一緒に旅した皆さま、…もう、なんか本当に何もかも楽しくて…。ありがとうございました。——————————————————————————————————————————————————————————————————————————

白神
沢登りを再開した時買った沢の本に追良瀬川が載っていて、いつかこんなふうにのんびりと行ってみたいなぁ・・・と長い間思っていました。
つりしさんが計画を立ててくださり、辿ることが出来て嬉しさいっぱいです。
大きな滝が眺められる五郎三郎のテン場でのんびり青空を眺めながら昼寝をしたこと、
並んで泳ぐ鴨の後をそ~と歩いたり、きれいな滑に喜んだり、三日目の狭いテン場から眺めた星空など、今までになくゆっくりとした沢旅を味わいました。
追良瀬川に別れ、太いぶなの森に包まれて清々しい空気を胸いっぱいに吸い込み下るのは気持ちの良いものの、終ってしまった寂しさが去来していました。
いつも微笑みで包んでくれたリーダーのアベさん、奇妙な行動で笑わせてくれたSa山さん、皆を引っ張ってくれたハギちゃん、ユニークな発想で笑いがたえないエビさん、泳ぎが得意いで沢慣れたスガさん、ご一緒下さりとてもとてもありがとうございました。
笑いがたえないなごやかな旅でした。
イタ——————————————————————————————————————————————————————————————————————————

  記
白神山地での日々は、私にとって「白神山地を沢登りした」「追良瀬川を遡行した」というよりも2013年の夏にゆったりとした優雅な時間のなか6人で贅沢な共同生活をおくったという大切な思い出になりました。
正直に申しますと少し単調な川原歩きの部分などでは、ちょっと物足りないと感じたところもあったのですが、五郎三郎のキャンプ地で明るい光に包まれて過ごす時間は、贅沢で幸せを感じずにはいられませんでした。
皆々様、本当にありがとうございました。
エビ——————————————————————————————————————————————————————————————————————————

 今頃,白神の山は深い雪に覆われていることだろう.
2013年は,雨に祟られた夏だった.しかし,どのような幸運が味方してくれたのか,追良瀬川の遡行は最も良い状況で行動できたと思う.前日までの嵐が嘘のような好天続き,平水に戻ったのであろう水量,予想外の虫の少なさ,これらが物語っている.
そして,この上もなく贅沢な時間を過ごしたことは間違いない.
沢に行きたいというだけでこの山岳会に入ったようなものなのだが,これまでの間につりしさんに色々連れて行って貰えたことが,この合宿につながったのだと思うと非常に感謝したいし,共に歩けなかったことが残念でたまらない.
最後に,CLとしてまとめて下さったアベさん,先頭に立って隊を導いてくれ,最後は良いところに詰め上げてくれたハギさん,細かいところで沢山サポートして下さるイタさん,飄々と自由に動いているが時としてかなり役立つアドバイスを下さるsa山さん,そしてこの夏合宿を計画し参加の機会を与えて下さったつりしさん,皆々様に深く深く感謝したい.(そして記録のUPが大変遅くなってしまい申し訳ありません.)                                  スガ

八ヶ岳冬合宿ハギ隊(天狗~硫黄~赤岳)

八ヶ岳縦走
・年月日:2013.12.28(土)~30(月)
・参加者:
ハギ(L)、部長、スガ、みやのり(記)
・行程:
1日目(12/28、晴れ)
新宿駅発8:00(スーパーあずさ5号)-茅野着10:06-バス(渋ノ湯行き)10:25-渋ノ湯着11:25/11:50出発-黒百合ヒュッテ着14:10 テント泊

2日目(12/29、晴れのち曇り)
起床4:30-黒百合ヒュッテ7:10-東天狗岳8:40-根石岳9:20-硫黄岳12:30-赤岳鉱泉14:00/25-行者小屋着15:30 テント泊

3日目(12/30、晴れ)
起床5:00-行者小屋7:20-赤岳9:30-行者小屋着10:30/11:30-美濃戸口バス停着14:15

・コース状況
全体的に登山者が多いせいでトレースは明瞭でわかりやすい。
天狗岳〜根石岳 クサリは出ているが使用せず歩行可能。
夏沢峠〜硫黄岳 中腹から迂回路があるが迷ったトレースあり。悪天の時は注意。

・記録、感想
バスを降りて、なにかとうるさい渋ノ湯の旅館の前で支度をして川沿いに行くと登山指導所があった。そこで山行計画書を提出し、いろいろ注意を受け、なぜか粗品のミニライトをいただいた。そこそこ急な樹林帯をぬけて行くと気持ちの良い空がぬける雪原があらわれ、また樹林の中進むと黒百合ヒュッテに出た。

黒百合平
黒百合平

テントは10張り以上はあったであろう。めぼしいとこを見つけ雪上整備を始める。20〜30分ぐらい作業したところで黄色い氷発見。「トイレ近いのにこんなとこですんなよ」と思いながら根こそぎ駆除した。テン場の平地ではしてはいけないなと自分に戒めた。
翌朝、トイレに起き小屋の温度計を見るとマイナス18℃であったが風があまりないのでそれほど寒くはなかった。

 

 

 

 

東天狗へ
東天狗へ

中山峠から天狗岳へ。空は青空。絶好の雪山日和で気分も盛り上がる。しかし、3000m級の山はあまくはなかった。樹林を抜けると風が強く、歩く足どりにも力が入る。1時間ほど強風の中で歩を進めると東天狗岳に着いた。山頂の裏側が風よけにちょうど良いところだったが人がぞくぞく来るのでそのまま根石岳へ。道の左側が切れ落ちていたがそんなに恐怖感もなくクサリ場通過。根石岳を過ぎ、吹きさらしで雪もほとんどついてないなだらかなコルに根石山荘があった。

 

 

 

 

 

根石岳へ
根石岳へ

 

テン場を出てから休憩らしい休憩をしていなかったので中で落ち着いて休めるかとおもいきや営業はしていなかった。しかし、自家発電が動いていたので中に声をかけに行くと親切にも中で休ませていただいた。少し休憩させて頂いてまた強風の中へ。しかし箕冠山の樹林帯は風もなく気持ちのよい雪山ハイクである。夏沢峠から硫黄岳へ向かうと中腹で迂回路への指示があり、トレースを進むと何本かのトレースに分かれていた。一番太いのを選び登坂して行くとハエマツの上を歩く道になったが無事に本道に出た。さほど急登ではないが強風の中を歩を進めると広い山頂をもつ硫黄岳に着いた。もうほとほと疲れていたので休憩したかったが風よけの小屋の中は雪で埋もれて入れずそのまま下山。赤岩の頭の下の斜面で風もおさまりそこで休憩した。そこからは安心な雪道で下山し赤岳鉱泉へ。その後登り返して行者小屋へ向かった。

 

 

 

硫黄岳をのぞむ
赤岳をのぞむ

 

行者小屋へ着き部長オススメノ樹林の中でテントを張った。先ほどの無線で連絡は取れていたので安心して天狗尾根隊を待つ。ほどなくして疲れきった様相の隊が下山してきた。よっぽどつらい山行を強いられたのあろうことが見て取れた。夜はその話を聞きながら酒宴で盛り上がった。

翌朝の起床時は星のきらめく快晴であった。前日下山時にもう満足し赤岳登らずに下山もと考えていたが快晴であれば気分もあがる。準備後、小屋の裏から地蔵尾根へ取り付く。ゆるやかな斜面もまもなく急斜面になり、鉄のハシゴがあらわれる。中途半端に出ているので注意が必要だ。その後も急登が続きハシゴやクサリがつづき、短いが両側の切れたリッジを過ぎ、岩稜帯をぬけると強風吹きすさぶ尾根へ出た。赤岳天望荘で風をよけて休憩し赤岳へ。頂上は見えているが強風で歩もままならず、急登でなかなか進まない。一歩一歩確実に歩を進め赤岳山頂へ着いた。山頂で展望を楽しんでいるとなんとコバケン隊とケッチボー。まさか山頂で会うとは。その後われわれは文三郎尾根で下山へ。階段はほとんど雪に隠れていて歩きやすく、赤岳主陵に取り付く人たちを見つつ下山した。その後、撤収して南沢から雪山ハイク気分で美濃戸口へ向かった。

冬の八ヶ岳には何回か訪れてはいたが今回気になっていたのは耐寒装備をどのようにするかだった。縦走であるのでなるべく軽くしたいし、かといって寒いのは嫌だし。結局、シェラフは3シーズン用で就寝時に上下のダウンを使用。アウターは裏地付きのドロワット上下で行動した。夜は寝ていて薄ら寒く、行動時には風も強く休憩時には末端が寒くはあったが支障なく過ごすことができた。それと今回は非常に天候に恵まれたことはラッキーであったと思う。計画時に核心は天狗岳の下りと硫黄岳の下り口探索であろうということであった。確かにもし悪天でガスっていたら硫黄岳の山頂は広くて大変であったろうし登りも方向を失う可能性があったろうと思う。冬山は体力も必要であるし天候を見極め判断する力が一番大切ということを肝に銘じなければいけないと改めて思った。