穂高夏合宿(本隊)

●日程8月10日~8月14日
●メンバー:ミナト・笹田・サブ・かおり(記)

●記録
8月10日 はれ ☀ (上高地~涸沢)
縦走隊2班・登攀隊がタクシーにて上高地に11時ごろ到着。順調なスタートをきった・・・はず、であった。
私はこの時、涸沢で起こる、身も凍るような瞬間をまだ分っていなかった・・・

天気にも恵まれ絶景の中、涸沢に向かい楽しく足は進む。本谷橋を過ぎて登りが急なり、しばらくすると、前方から1日早く入山していたミナト大隊長が重荷をピックアップに来てくれる。感謝感激。
17:40分涸沢到着。こちらも先に入山していたカトー氏がお出迎え。テントの用意も万事整えられていて上げ膳据え膳状態。しかし膳は私といしづかみ氏が担当。さっそく調理の準備に取り掛かろうと荷を解くと、登攀具を入れたアタックザックが無い!
たまねぎを握り締めながら、オタオタとザックを再度見るが、やはり無い!
風邪を引いて具合の悪いミナト隊長へ「登攀具忘れた~」と泣きつく。
「大丈夫。いらないよ~」とミナト・笹田氏。穂高の山々の様に懐の広い男だ。感慨無量。

01-穂高本隊
上高地にて出発前の集合写真 やっぱり忘れているよ・・・登攀具・・・

8月11日 はれ ☀ (涸沢~穂高岳山荘~奥穂~前穂~穂高岳山荘)
3:30起床。北穂東稜の予定を変更し、ザイテングラード経由で穂高岳山荘を目指す。真夏の雪渓歩きは都心の35度を超える気温を考えると実に贅沢だ。
山荘到着。テントを設営し、体調の悪いミナト氏をデポし、残るメンバーで前穂をピストンする。これが非常に長く辛いピストンであった・・・
奥穂山頂を過ぎたあたりで、ジャンダルムの西穂縦走隊と「ケッチボー」を交わす。いしづかみ氏の声が良く通る。吊尾根の最低暗部から紀美子平の分岐までが長い・・・
復路、疲弊しながら歩いている私たちに前方のおっちゃんが手招きする。子連れ雷鳥発見!最低鞍部よりも低く落ちていた私たちのテンションも一気に上がり、なんとか山荘到着。先に宴会を始めていた縦走隊とともに、ケン氏渾身の晩餐会。

8月12日 はれ ☀ (穂高岳山荘~ジャンダルム飛騨尾根~穂高岳山荘~北穂テン場)
2:30起床。本日からは縦走隊2班と分かれての行動。登攀具一式を忘れた私が言うのも何だが、不安一杯。
3:50山荘出発。アタックザックのみで、前日遠望したジャンダルムへと向かう。サブちゃんを先頭に奥穂への暗い道を登る。前のパーディの男性が穂高に似つかわしく無い仮装をしており、馬ノ背越えの記憶がレオタードの尻で終わる・・・

02-穂高本隊
足場が悪く、壁にへばり付いて下降
03-穂高本隊
トラバース。一番怖かったかも

5:42下降点到着。一般道よりはずれて、ザレ場を下る。途中一個の落石から小規模の岩雪崩がおき、谷底まで音が響いて、かなりビビる。笹田氏に続きサブちゃんが先にトラバースを抜け写真をポチっと撮ってくれているが、このとき私の後方に居るミナト隊長は、弱音ブツブツ。来年の合宿は燕岳3泊4日になるんじゃないかと真剣に心配する。

04-穂高本隊
トラバースし、支稜を越えるとT2に到着

T3からT2はコンテで行くような状態だと言うことで、T2より登り始める。
飛騨尾根は、サイの角に見える。
6:40準備を整えミナト隊長が先陣をきる。つづいてフォローのサブちゃんの登り。
笹田氏がリードで登り、一人ぽつ~んとT2に残されたときは、寒くて寂しくてちょっと悲しかった。
登りは、足がしっかりかかり、私でもなんとか登れたが、岩が冷たい。
8:00 T1に到着。広めのテラスになっており、空中庭園のようだ。お日様があったかくて、ありがたい。小休止。

05-穂高本隊
T1のテラスにて。槍や笠ケ岳が絶景
06-穂高本隊
登ってきた岩を見下ろすと谷底まで切れ落ちていて高度感が!

T1からジャンダルム頂上までは、サブちゃんがリードでグイグイ登る。つづいてミナト隊長。笹田氏より、「行け」と言われ私もリード気分。
9:00ジャンダルム登頂。

07-穂高本隊
ジャンダルム

頂上より懸垂下降でジャンダルムを下る。晴天のなか往路を戻り穂高岳山荘へ。11:50山荘着。
テントを撤収し、北穂テン場へと向かう。12:50山荘出発。
しつこい様だが、登攀具を忘れた私が言うのも何だが、「何故この荷物(重)で穂高を毎日移動?!」
涸沢岳から北穂までの岩稜帯の厳しいこと・・・筆舌に尽くしガタシ。私だけかもしれないがヘロヘロになりながら、16:15北穂テン場着。ふ~。
サブちゃんが、ビールと水を往復30分かけて北穂小屋まで調達してきてくれる。天使だ。
天空遺跡のような北穂テン場で本日の祝勝会。疲労もあり早々に就寝。流星群の夜なのに、眠気に勝てず見逃す。笹田氏とサブちゃんはマーキングしながら流れ星の数を数えた様子。

8月13日 はれ ☀ (北穂テン場~滝谷ドーム中央稜~北穂テン場~涸沢)
4:30起床。いよいよ滝谷である。準備を整え、6:00出発。
6:30下降点。北穂テン場から涸沢岳へ向かう途中西側の谷へザレた急な岩場を降りる。懸垂下降用のハーケンと残置シュリンゲを見つける。打険してみるが、補助ザイルで確保しながら笹田氏が最初に懸垂下降。ハーケンが動くので、最後に懸垂下降するミナト隊長は、新たに支点を作りビナとシュリンゲを残置。本チャンはやはり危険だ。

08-穂高本隊
1回目の懸垂下降。残置ハーケンが動いた!
09-穂高本隊
オートブロックで下っているところ
10-穂高本隊
この懸垂ポイントの前に下降しながらトラバースする場所がありかなり怖い。

最後に、右側に大きく回りこむと取付き地点があった。

11-穂高本隊
テラスにて準備万端。この時ミナト隊長はやたらとガチャ類を身に付けていて笹田氏とサブちゃんに「何だ~ビックウォールでも登るのか?!」と失笑される。登攀具を忘れた私は沈黙・・・

1ピッチ目:笹田氏がトップでリード。チムニーをズリズリ抜けているらしいが、私の場所からだと見えない。チョックストーンを乗り越し、ザイルを引いてもらう。私は初チムニーであったが、登り方が分からず、チムニー内深部にあったクラックに足を突っ込み登る。続いて登ってきたミナト隊長はザイルが重いらしくチョックストーン上で「重い~重い~」と言っていた。
サブちゃんはザックが邪魔でクリオネのように登ったらしい。
2ピッチ目:また笹田氏がトップでリード。登り出してすぐに前方にカンテが現れる。私には垂直に見える。がフォローなので、思い切って登る。やっとカンテを越えたところで追い討ちのようにスラブがあり上がると終了。高度感は最高である。
3ピッチ目:やっぱり笹田氏がトップでリード。4ピッチ目のビレーポイントまで流れるように進む。サブちゃんがリード。
4ピッチ目:ここでも笹田氏がトップでリード。ここは、登り始めより中盤から最後にかけてがキツかった。斜度がだんだんキツくなってきて、クラックに手足を入れなんとか登るとまたしてもスラブ。なんとかこれで終わりか!と思ったら最後チムニーを飛び越える目に合うとは・・・足の短い私は、ここが20mはある峡谷に見えた。が、笹田氏が冷静に「足が届くよ~」と。気合と共に飛び移る気だった肝の小さい私は心の中で『もっと早く言ってくれ!』と擦り減った勇気を惜しんだ。続くミナト隊長もやはり同じチムニー越えで躊躇。最後のサブちゃんはすんなりチムニー越え完了。
5ピッチ目:最後まで笹田氏がトップでリード。するすると岩を登る姿は別の生物のよう。終了点直下のクラックに向かい何とか登っていく。サブちゃんがリード!

12-穂高本隊
さぶちゃん余裕のリード
13-穂高本隊
最後のクラック越え
14-穂高本隊
登攀終了!ドーム中央稜の頂上!
15-穂高本隊
もう一枚!

登攀具をすっかり忘れておきながら登らせて頂いたことに感謝しつつ、北穂テン場まで戻る。
12:30 北穂テン場にて、テントを撤収し涸沢へ向かう。
16:00 涸沢到着。ヒュッテで乾杯!この合宿中で一番おいしいビール。ミナト隊長はこの酒にやられ二日酔いに陥る。笹田氏の最後の晩餐。実においしい。

8月14日 最後まで晴天 ☀ (涸沢~上高地)
4:00起床。6:00涸沢出発。ミナト隊長の「早く歩け」の指示のもと暴走車なみに前の人を煽り上高地まで行く。途中全ての施設で登攀具の忘れ物を尋ね歩く。が、結局上高地の登山案内所のおじちゃんが保管しておいてくれていた。タクシーにて松本まで。沢渡でミナト隊長を下ろす。松本で蕎麦を食し猛暑の都内へ帰宅。

すべて順調だ!と豪語していた体調不良のミナト隊長。おっしゃる通り。すべてが最高の夏合宿だった。
最後に、登攀具を忘れても「帰れ!」と怒らないばかりか、助けていただいた夏合宿の皆様に感謝をこめて。

<サブちゃん感想>
本当に、充実した4日間でした。
西穂~ジャンダルム~奥穂での縦走では、けんリーダーの元
スリリングな岩場の縦走を楽しみ
ジャンダルム頂上では、ちょうど奥穂頂上にいた本隊とケッチボーを叫びあい
飛騨尾根の登攀では
西穂へと続く稜線上からグッチーさん率いる縦走隊のケッチボーの声に励まされれ
浮世から遠くはなれた、北穂のテン場では、流星群を見上げて
「えらいところにきちゃったなーっ」て何度もつぶやきながらの
滝谷のアプローチ。
その憧れの滝谷をミナトリーダーとザイルを組ませて頂き
最終ピッチのリードまでさせてもらって(びびったー・・)
無事登攀終了後、トランシーバーで
奥穂で別れたケンコバコンビの順調な縦走の様子と
本隊の登攀の成功を分かち合い
涸沢で生ビールで合宿成功をお祝い
本当に、充実した、そして、苦しくて、楽しい合宿でした。
一日たりとも、テント場を定着しないでの登攀という過酷な計画をこなせたのは
今まで北稜で培ってきたもの
そして、リーダーと仲間に恵まれたからだと思います。
皆で穂高連峰をうろうろ(笑
各隊別れた中でも、トランシーバーや、ケッチボーの声で、お互いの隊を応援しあう。。。
本当に胸が熱くなりました。

全体をとりまとめてくれた湊大隊長
奥穂までお世話になった、けん縦走隊リーダー、
合宿中に3度も奥穂に登ったカト代表
縦走隊を取りまとめてくれたグッチーCL
一緒にびびりながらも、笑顔で登攀したかおちゃん
西穂~上高間を超高速で2往復してくれた斎藤さん
おいしい料理を提供してくれたコバさん
笑いで同行者を呼吸困難にする、いしづかみさん
そして、いつも私たちをやさしく指導してくれる笹田さん
皆様、本当にありがとうございました!

穂高合宿・奥穂~西穂縦走(ジャンダルム隊)

●期間:8月10日(土)~8月13日(火)
●メンバー:グッチー(CL)・カト・ミチ(記)
(登攀隊:ミナト・笹田・さぶ・かおり)
(西穂槍燕縦走隊:けんた・コバ・サイトウ)

●行程:8/10~11本隊と共に行動
10日:新宿7:00→松本→上高地→18:40涸沢
11日:起床4:00→涸沢5:30→8:30穂高山荘9:10→10:00奥穂10:20→12:20前穂12:30→15:00穂高岳山荘
12日:起床2:30→穂高岳山荘4:30→5:00奥穂→6:30ジャンダルム→8:30天狗ノ頭→11:00西穂11:30→ピラミットピーク12:10→独標12:40→13:30西穂山荘
13日:起床5:00→西穂山荘6:30→8:30田代橋→上高地10:10(バス)新島々11:20(松本電鉄)12:00松本13:02(Sあずさ)15:33新宿

●記録
8月12日(晴天)
2:30分起床。とても早い起床ということで朝食はとらず、コーヒーだけ飲んで調整しました。本隊は先に出発し、私たちは少し遅れて4:30分に出発。まだ夜が明けていないので、ヘッドライトを着けて歩き出しました。奥穂高山頂へは、標高差200メートル急な岩場登り。まだ体が温まっていないし歩き始めもあって、よたよた不安定な格好でグッチーさんの足跡を追いました。30分程で到着。すでに先を行くパーティーの列。私たちも、いざ、ジャンダルム方面へ。足の裏から「うわー」っと、血が逆流する感じがしました。
いよいよ、です・・。
最初の難関(馬の背)足元がすっぱり切れ落ちており、天気もよかったので高度感はマックス。岩から手を離し両手を広げて立つと何も考えられず、日本海から吹き抜ける風が心地よく「ふわ~」っと、感覚しか感じられなかったです。

馬の背
馬の背

一気に下り、続いて(ロバの耳)トラバースと直登の連続で、無心でした。
カトさんが「ゆっくりでいいから、落ち着いて確実に」と、要所で声をかけてくれます。そしてもうすこしで、ジャンダルムかな、思われる岩山前で休憩をとりました。その岩山は脇を通るルートに○マーク。そして直登に×マーク。丁度、登山者が来て○に行こうか×を登るか迷っていました。迷った揚句×を登って行きました。大丈夫なのかな・・。

ジャンダルム
ジャンダルム

実はここの岩がジャンダルムだったのです。
カトさんは「これジャンダルムじゃない?」っと、思いながらもグッチーさんは「いやー、こんな小さいはずはないです。これ超えた所です」そのお言葉通りに○マークのルートを行くとピークはなく・・(って、ことは・・)
「えっ!これがジャン」とあっけにとらわれるグッチーさん。笑うカトさん。前回登頂されたときはもっとダイナミックな姿に見えたそうです。今回2013年のジャンダルムはコモノに見えたみたいです。みんなで引き返し・・

さあ、ジャンダルム直登開始。ザイルをつけてまずはトップのグッチーさん。ひょいひょい、と登って行きました。次いで私の番。カトさんが「俺、ソロで先に行くわー」っと、言いました。「えっ!」っと、固まったら「よし、わかった一緒に行こう」・・。中央一枚岩右横の登りがてこずりました。
上からはグッチーさんが引っ張ってくれ、すぐ下からカトさんがアドバイス。・・・!!
やったー、登った、やったー!です。ジャンダルムン直登成功!
ものすごくうれしかったです。万歳―〃
男前の握手をしました。一瞬目がウルってきました。なんとも言えない充実感。グッチーさん、カトさん、ありがとうございました。
感動に満ち溢れながらジャンダルムを後にし、目指すは西穂高岳です。
この地点では、まだ3分1なのに、力を果たしきった感じでした。
その後は容赦なく、登ったり下ったりの連続。
(コブ尾根→畳岩尾根→天狗の頭→間ノ岳)と、進みました。間ノ岳、赤茶けた岩が積み重なったようなピーク。もろい浮石などには泣かされました。
そして目差す西穂高岳山頂(11:00分)到着。ここで今朝食べなかった「もちっこワンタン」を作って食べることに。とても簡単で沸騰したお湯にワンタン・粉スープ・お餅を入れるだけ。5分ほどで出来上がります。名だたる北アルプス西穂高山頂にて熱々のスープ。あ~、なんと贅沢な。幸せです・・。

西穂山頂にて
西穂山頂にて

お腹も落ち着き(11:30分)出発。(ピラミットピーク→独標)を経て、
西穂高山荘(13:30分)到着。西穂高からは登山者が多く、夏休みもあってかちびっ子たちも元気に登山を楽しんでいました。
ホッとしたのか、一気に足がガタガタになってきました。テントを設営し山荘の涼しいカフェで乾杯しました。まだ陽が落ちない前にテラスにて夕食。
グッチーさんのニューバージョン麻婆茄子丼&キムチスープ。カトさんはおでんをご馳走してくれました。おいしかったです。ご馳走さまでした。
6時には就寝。やはりカトさんが一番のりで眠りに。
私もテント泊で始めて、ストンっと眠りに就きました。それも熟睡。きっと緊張がほぐれて寝れたのかと・・。やはり「憧れの岩稜帯」ですからね。
夜も更け・・午前三時。グッチーさんとペルセウス座の流星群を見ました。ものすごい星。そのなかを「スー」と、流れる流れ星。願い事をしようかと思いながらも、「どこだ、どこだ」っと、探すのに力を注いでしまいました。それにしても綺麗でした。

8月13日(晴天)
4:30分起床。カトさんのソーメンを頂き6:30分穂高山荘を後にしました。最終日、先頭を歩かせていただきました。大先輩と一緒なので、モタモタしていたら駄目だと自分に言い聞かせ、早歩きしました。普段通りの速さを装いながら、必死スピードで駆け下りました。カトさんは厳冬期に歩いたルートを確認しながら・・グッチーさんはカッコいいサングラスをみつけるし・・私の気合とは裏腹、お二人は余裕の下山でした。
8:30分到着。その後、アルペンホテルにて温泉で汗を流しました。
やはり格別ですね。何日もお風呂に入ってないと、お風呂のありがたみが身に染みます。「最高―!」誰にも迷惑のかからない匂いになって、(河童橋→上高地→新島々→松本)丁度お昼時もあって駅にある手打ち蕎麦へ。蕎麦屋ですがご当地の日本酒がたくさんあり、先輩たちは追加しながら飲でいました。
13:02分発のあずさに乗り帰京。おつかれさまでした。

爆睡中
爆睡中

天気にも恵まれ、よかったです。
本隊、縦走隊の皆様もありがとうございました。


●メンバーの感想

〈グッチー〉
再度訪れた奥穂西穂ル-トはやはりすばらしく、前回より落ち着いて堪能できとても楽しかったです。同行の皆様に感謝です。

〈カト〉
穂高連峰合宿感想-ケッチボーが穂高の峰々に木霊する-
8月11日(日)10:00過ぎ、奥穂から定時の無線交信。西穂-奥穂縦走隊から「今ジャンダルムです」の音声。見ると数人の色とりどりのウエアーがジャンダルムのピークで確認できる。「ケッチボー」で呼びかけると「ケッチボー」が帰ってくる。お互いに手を振り確認する。
同日、奥穂からの下りの鉄梯子から奥穂山荘のテラスを見ると人がごった返している。きっとあの中に早く着いた西穂-奥穂縦走隊がいる。新人のミチさんが「ケッチボー」声出しの練習。物凄く大きな声で「ケッチボー」を叫ぶ。穂高連峰が震撼する。テラスの人々が一斉にこちらを見る。お互いに手を振り確認する。ビールを買って宴会の準備をして我々を待っていることを期待して合流する。これで合宿メンバー全員がそろい乾杯。
8月12日(月)7:00頃、ジャンダルムを下ったところから振り返ると、飛騨尾根を登攀してジャンダルム基部のコルにいる登攀隊がいる。「ケッチボー」で呼びかけると「ケッチボー」が帰ってくる。

今年のアルパイン夏合宿も多くの会員が参加した。異なるルートを踏破する各隊が広い奥穂連峰の峰々で遠くの仲間を「ケッチボー」で確認する素晴らしさを味わった。合宿の醍醐味だ。事故がなく全員がそれぞれの目標を達成して満足して下山できたことは参加者の不断の努力、事前トレに加え諸先輩の指導の賜だと思う。
この合宿の経験を活かし今後とも精進し安全で楽しい山行を重ねたい。
最後に、アルパイン班企画担当の総隊長ミナトさん、各隊リーダーの皆さん、顧問格の笹田さん、チームメンバー隊長グッチーさんとミチさん、そして参加者全員に感謝したい。
(追記)
実質6日間の山行で同じピークを4度も踏む希有な経験をした。最近の合宿では何故か同じピークを2度踏む(一昨年甲斐駒冬合宿、昨年劒夏合宿)ことが続いていたが、何と今回は奥穂を一挙に4度も踏んだ。倅夫婦と涸沢-奥穂をピストンした8日が1度目、登攀隊と合流して涸沢-北穂-奥穂山荘を計画変更し涸沢から奥穂山荘-奥穂-前穂をピストンした11日に2度目、3度目、奥穂-西穂を縦走した12日で4度。
奥穂はお腹一杯でもう許してほしいと言う感じになったが、よく考えてみれば山は同じルートでも日々異なる条件となりひとつとして同じと言うことはない。奥穂を中心にして縦横に歩く機会を与えてくれたこと、異なる条件環境を経験させてくれたことにむしろ感謝しなければいけないだろうと改めて感じる。

八ヶ岳/硫黄〜赤岳縦走

●期日:2013年7月27~28日
●メンバー:ミナト(CL)、スガ(SL)、みやのり、サイトウ、いしつかみ(記)

●記録
〈7月27日 晴れ→曇り→雨〉
7時、新宿発のあずさ1号(自由席)に、ミナトさん、いしつかみ、が乗車。
いしつかみ、が先に乗り込むも流れに逆らって隣の車両に行きました。進行方向一番後方の席を確保。(でかした)と、リュックを席に置き横を向くと、みやのりさんがいるではありませんか。(よくやった、と、なおも誇らしげになったのもわずかで・・みやのりさんから痛恨のお言葉。「あれっ・・?ここ指定席ですけど・・。」その瞬間全てを理解し流れに戻りました。(先に乗車したのに何ミスっているんだろう・トホホ・・)ミナトさんがしっかり席を確保していました。助かりました。もうすこしで茅野までの長旅、直立で向かうところでした。初めての、テント泊山行もあって気が舞い上がってしまっています。落ち着かないといけませんね・・。
9時30分、あずさ組よりすこし早くにスガさんは茅野に到着していました。
バス停で合流し9時35分、美濃戸行きバス発車。(7日間有効で1500円)
10時15分、美濃戸口到着。小屋のご主人みたいなサイトウさんが現れ合流。
今回のメンバー全員そろいました。よろしくお願いいたします!!
10時23分、出発、オーダーはスガさん、いしつかみ、サイトウさん、みやのりさん、ミナトさんです。この時点では天気は晴れ。暑かったけど楽しい山歩きの始まり、始まりです。・・・・・。
11時24分、美濃戸山荘で休憩。温かいお茶や冷たい水など頂きました。
12時04分、林道終点、ここから北沢登山道にはいります。
13時00分、赤岳鉱泉に到着。スガさんは分かりやすく丁寧にテントの設営を教えてくれました。「一つ一つのことには理屈があって・・」などなど、発する言葉はまさに先生です。当初はテントの上に張る雨除けシートのフライも、「フライパン」と勘違いしていました。なにもかも新鮮な世界です。
テントを張り終えると、小屋のテラス状の場所で宴会を始めました。マムートのジョッキに入って(一杯800円)の生ビールで乾杯!「~~うん、旨い!」いっぱい汗かいた後のビールは格別です。つまみも豊富で・・(パクパク)・・ピスタッチオが止まりませんでした。何を話したか記憶が定かではありませんが、とにかく楽しく、楽しくって、笑いが止まらなかったことはしっかり覚えています。

130727赤岳鉱泉
赤岳鉱泉

時間を忘れる程の時を過ごしていると、雨雲が近づいてきました。宴会を一旦しめて、夕飯作り。メニューはカレーライス。事前に炒めてある野菜とひき肉を煮詰めるだけ。とっても簡単です。ライスはスガさんが炊いてくれました。炊き終えると同時に猛烈な雨が降ってきました。雨は1時間ほど激しくふり、夕食後も雨がやむまでしばらく団らん。ここでも、笑いはとまりませんでした。日中の疲れはどこへやら・・。
20時過ぎに男子テントを離れ女子テントにて就寝。やはり興奮しているのか、なかなか寝付けずにいると・・「スースー」っと、スガさんの寝息。外は雨でテントを叩く音がさらに大きく。(あ・・明日大丈夫かしら)心配しながらも先輩からお借りしたシュラフに包まれ、徐々に眠りにつきました。

〈7月28日 曇り→晴れ〉
3時起床。昨夜の雨はやんでいました。朝食はみやのりさんがラーメンを作ってくれました。シャキシャキもやし入りです。早朝もあって、食べれるか不安でしたがサイトウさんがもりもり食べていたので、(先輩に続かないと)できるだけ頑張りました。炭水化物は大事なエネルギー源なので必要不可欠ですから・・。
4時29分テントが雨で濡れているし、いらないものは置いていけるので、そのままにして出発。まず行者小屋にむかうも樹林帯の中はうっすら暗かったです。5時行者小屋に到着、少し休憩をしました。6時16分、文三郎道の中岳との分岐、ここでも少し休憩をとりました。ここまでくると曇りがちだった景色も、山頂のあたりは展望がよくなってきているのを確認できました。
6時45分赤岳山頂到着。結構登山者が多く、記念撮影をして早々に退散しました。こ6時52分赤岳山頂小屋にて、休憩。そこからすこし下り7時26分、赤岳展望荘ここでも休憩をとりました。ここで悪場が出でくるためミナトさんがトップに。いしつかに、安全対策のためチェストハーネスをセット。すこし歩き始めると・・渋滞となりました。8時30分、横岳手前のピークで休憩をとり、30分ぐらい行くと狭路で登りと下りが行き違えない状態が生じ動かなくなる程の渋滞に・・。

130728横岳付近
横岳付近、大渋滞中。

そこを過ぎると一気に空いてきました。危険な場所もなくなるため、ミナトさんとスガさんが入れ替わり、ここからまた、スガさんの足場を追いながら進みました。途中大量のコマクサを眺めつつ歩きました。スガさんやみやのりさんは高山植物に詳しく、高度な話しをしていました。(シロバナコマクサ発見)

130728シロバナコマクサ
紅白コマクサ

9時46分、硫黄岳山頂到着。広い山頂でしたが、周りが断崖絶壁となってスパッと切れ落ちていました。また霧が濃い所なので転落しないよう、ケルンが方々にありました。(事故がありませんように)

130728硫黄岳
硫黄岳

11時、赤岳鉱泉到着、テント撤収。14時45分発(しかもそのときは14時35分発だと思い込んでいた)のバスに間に合うべく急いで準備しました。
11時45分、赤岳鉱泉出発。急ぎ目で下山開始。トップはスガさんで、急ぎ目とはいえとにかく早い。すいすい先を行く。(何が何でも遅れをとってはならぬ)と、必死でついていきました。12時40分美濃戸山荘到着。この調子だと間に合いそう・・っと、思いながらも焦る休憩でした。あともう少し、下山途中にあるショートカットを利用しつつ、時間短縮を図りました。通り雨もパラパラ降ってきましたが、なんのその・・、ハイピッチ継続で・・13時30分美濃戸口到着。バス発車まで1時間以上あります。(あ~よかった)ゆっくりと入浴(500円)したり、蕎麦を食べたり、ビールを飲んだり、下山報告をしたりしてバスを待ちました。そしてここで、自車で来ていたサイトウさんとお別れです。サイトウさんはワークマンスタイルでバランスのとりかたを教えてくれました。しっかりと活かしていきたいと思います・・。
14時45分、茅野行きバス発車。思っていたより乗客はすくなかったです。
15時20分、茅野駅到着。ここで各駅停車の旅をするスガさんと別れました。スガさんはたくさん面倒をみてくれました。豊富な経験と知識には脱帽いたします。そして、時より正しい指摘にて(突っ込み)笑わせていただきました。ミナトさん、みやのりさん、いしつかみは、あずさにて帰京。新宿から埼京線に乗車。それぞれの駅にて解散しました。みやのりさんはテントを貸してくれたり、なくしたはずのペンを拾ってくれました。ミナトさんは誰よりも重いリュックを背負い幅広くサポートしていただきました。八ヶ岳は四季折々の楽しみ方がありますので、これから何度も訪れると思いますが、楽しく笑いの絶えない今回の山行は、忘れることがないと思います。みなさに支えられての北稜会、デビュー登山を無事終えることが出来ました。
皆さま、ありがとうございました。

南会津・黒檜沢

●期日:2013年7月21日
●メンバー:つりし(CL)、エビ、コバ、ハギ(記)
●行程:小豆温泉駐車場06:10~登山道横断点07:45~1030M二俣09:20~高巻き開始1220M地点10:25〜1400M奥ノ二俣12:30~4段30M滝下13:50~登山道22:00~小豆温泉駐車場01:50

●記録
土曜16時赤羽集合。西那須野で高速を下りてから多分24時間営業でないコンビニ(山あいの那須温泉街に入ったら、数軒の個人商店的ヤマザキストアのみ。温泉街手前の十字路にセブンあり)で買い出し。入渓場所の小豆温泉を通り過ぎてアルザ尾瀬の郷の駐車場にテントを張る、水洗トイレ&水道あり。入山祝い後就寝。

翌朝4時起床、小豆温泉スノーシェッドの切れ目にある駐車場へ移動。道路から入渓しようと黒檜沢にかかる橋を偵察するが、止めて三ツ岩岳登山口から5分ほど上がり、容易に沢に降りた。
コバさんが、下山祝いにと人数分ノンアルコールビールを持ってきてくれていて、流されないよう慎重に水に沈める(痛恨の残置品となるとはこの時誰も知らない…)

しばらくは穏やか。晴れていればもっとだろうが、白い花崗岩の綺麗な沢だ。ほどなく下部のゴルジュに入る。水量が豊富なので概ね水線を避けて右から左から、次々に出てくる滝を越す。たまに滝下で股まで浸かるが、思ったほど水は冷たくない。

01黒檜沢_ゴルジュ内
ゴルジュ内、次々滝が現れます

7M滝は登れず右岸の枝沢を登るとすぐに登山道にぶつかる。右に辿ると沢の横断点。銀色が眩しい、新しそうな鉄パイプ製の橋は崩れていた。
いったん開けるが、すぐにまた沢幅は狭まり、滝場。
一旦ゴーロになった二俣を過ぎ、途中ウドが沢山生えており10分ほど足を止め採取。コバさんから、お浸しが絶品というイタドリの新芽を教えてもらう。
再び滝場。最後の12Mくの字滝?、コバさんが果敢にフリーでシャワークライム、たきつけたつりしさんも負けじと続く。エビ&ハギは二人がザブザブと豪快に被ってるのを見て戦意喪失、左の岩壁から抜けると、またゴーロが広がる。

02黒檜沢_シャワークライム
コバさん直登中

ほどなく沢幅いっぱいに雪渓が現れた。端を舐めて少し進んだが、それもままならなくなり、天井が薄いスノーブリッジの先は陥没し、その先も視界が許す限りずっと続いている。ザッツ雪渓、な景色を沢で見るのは初めて、緊張+興味津々で中を覗く。

03黒檜沢_雪渓
雪渓が現れました

状態が悪そうだし側壁トラバースも土壁草付きでずっと行くにはどうか、ということで、纏めて高巻こうとの判断になった。スノーブリッジをくぐり抜け、右岸から藪に入る。途中、発破のような轟音が辺りに響き渡る。どこかで崩落してるらしい。一度本流左に並走する枝沢に降りるが、覗いた本流はまだ真っ白、枝沢に戻り少し上がってから再び藪に入る。高巻き開始から2時間ほどして沢が分かれているようだ、真下は白が途切れている。コバさんの文明の利器GPSで、1400奥の二俣付近に居るらしいと判る。高度計も1400。同時期の記録では、雪渓があるのはこの辺りまでで、詰める予定の左俣は雪がないかもしれない。

時間も押していたので、つりしリーダーは上部も雪渓が続いている可能性を考慮し、登山道横断点を目指して撤退、の選択肢も提示した。しかし話し合った結果、来た道を考えると、滝の側壁は高く洗われていて立木まで遠く、支点が容易に取れず懸垂ロープが足りない可能性、手持ちのハーケンも二枚ということで、撤退も厳しいものになりそうだ。ともかく降りて先を見てみようということになった。

懸垂で本流に降りる。
改めて地図チェック、本当にどんぴしゃで奥の二俣出合の左俣側に出たようだ。同じ斜面なのに雪渓で先がずっと埋めつくされた右俣に反して、左俣は見る限り何もない、この違いは何なのだろう。ともあれ一同喜び、明るい内に稜線に出ようと先を急ぐ。少し前から快晴になり、明るい白い沢はとても気持ちよい。後ろを振り向けば、近郊沢とは別世界な爽快な景色が広がっていた。

04黒檜沢_奥の二俣
1400M奥の二俣、後ろの右俣は雪で埋まっています
05黒檜沢_左俣
左俣は雪なし、快適
06黒檜沢
景色が開けて気持ちいい!

4段30M大滝の巻きをこなせば、核心は終わりだ。つりしリーダーがリード、左岸の草つきを直上(1P)ハング気味な真上の岩を巻いて右にトラバース(1P)、渇いた岩に強いアクアステルス靴のエビさんに交代、立っているスラブ岩を直上(2P)、さらにつりしさん直上(1P)、再びエビさんが岩と草付きのミックスを少し左に寄ってから直上(1P)、後続は固定ロープで登る。初めて使ったがタイブロックが非常に有効だった。にしても30Mロープなのでもう!?というくらいにすぐロープ一杯で、もどかしいほどにジリジリと進んでいく。読んだ記録では落ち口と同じくらい登ればすんなりトラバースでき、沢に戻れたような記述だったのだが。。。

07黒檜沢_奥は4段滝
奥に控えるのは4段滝
08黒檜沢_大滝高巻き中
大滝高巻き中…

傾斜が緩くなる岩稜と藪の境目まで来たときには、かなり高く追い上げられてしまい、沢には戻れない場所にいた。
気持ちを切り替え、このままこの尾根を稜線へ詰めよう!とつりしリーダー先頭に藪に突入。

しかし、上部の藪は強烈だった。ツル、太い笹、シャクナゲの波状攻撃(途中からトゲトゲ草も加わった)。携帯がつながったので、エビさんが18:30ごろ、下山が遅くなる旨掲示板に連絡を入れる。岩に突き当たり、少し左にトラバースして、マシな所から笹を掴んで強引に体を引き上げる(私は一度トライするも腕が負けてずり落ちてしまい、エビさんに最初の一歩ショルダーして貰う)。ザックを外して下に潜りザックを押しながら匍匐前進で抜けたり、足は概ね地面についてなかったり、なにがなんだかだ。ハーネスとかぶら下げているものは全部外してザックにしまった。

いよいよ完全に暗くなる前に、稜線方向にコンパスが合っているか改めて各自確認するようリーダーから指示される。また、ニッチもな岩稜に暗くなってから突き当たったら、明るくなるまでビバークすると伝えられた。

たまに太い木に乗ると頭が上に出て、スッと涼しい風。薄雲が被さっているが満月に近い月の光は力強く周囲の稜線をクッキリ浮き上がらせていて、新月でなくてよかったと思う。こんな所にこんな時間にいる自分が、ケモノになったような気分だ。遅れる私、コバさんが笹を倒したまま再三待ってくれる。
「登山道着いたぞー!!」と先を行くリーダーの歓声・ホイッスルが何度も吹き鳴らされ。全員が固い地面に揃ったのはちょうど22時だった。楽しみにしていた檜枝岐のお風呂もお蕎麦も今や、遠い彼方である。

さぁ…まだ終わってない、下山だ。
ヘッ電をザックに入れ忘れたコバさんよりもソロソロ降りる私を見兼ね、リーダーがストックを片方貸してくれた。3本足になって百人力。
登山道途中の分岐は、沢沿いコースでなく尾根コース(旧道)を選択。この瞬間、冒頭のノンアルビール残置が決定した。

コースタイムの2倍かけて車に戻り、そのままアルザに行く。それぞれ外の水道を借りて頭を洗い、水に浸したタオルで体を拭いて着替え、一応サッパリする。私も異臭を放つ服をぽんぽん脱ぎ捨て素っ裸(一応公序良俗上、皆からは離れた)、もうなんでもありである。午前2時半過ぎ、東京に向けて出発した。

月曜、つりしさん・コバさんはお休みを取り。。。、帰路お二人に運転を任せひたすら眠らせて貰ったエビさんと私は自宅へとんぼ返りで出勤。色々と忘れられない山行になった。

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在京のみなさまには本当にご心配をおかけしましたこと、お詫び申し上げます。自分はパーティのために役に立てたのかと思うと、助けられるばかりで。「One for ALL、ALL for One」の精神で向かわなければならないと、身に染みました。
以下、記述は多少被りますが、MLに送付されたつりしリーダーによる顛末記を原文ママ記載します。
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前夜泊し、入渓は予定時刻6:00、花崗岩の綺麗な沢だが水量多く手ごわい、要所要所でロープを出す。
途中、登山道を横切るところまでネットの記録ではここまで大体1hほど、対し我々は2h特にそれほどのロスがあった覚えもないのだが・・
遡行を続け10時20分 スノーブリッジ出現、延長50m位が確認できる、真ん中薄く崩壊個所ありで、下も上も行ける状況にあらず、小さい枝沢を使って高巻き開始。
(記録でその部分は一部残雪が遅くまで残るとあったので、そこだけではないかとそのときに思った)
しかし高巻中の藪の隙間からときおり見える沢はまるでスキーコース、メンバーに撤退の可能性が高いと告げるが、よく考えると沢の状況は全体的に両壁切り立った泥壁か岩壁 もってるハーケンは2つ、支点となりそうな竹、木は沢床から約5m~10mほど上に生えているので、30mザイルでは床に届かない。(これが豪雪地帯の沢の特徴かと改めて思い知る)
とりあえず予定地点の奥の二俣まで行き方針決定しようと、今回遡行予定 の左俣に懸垂するとスノーブリッジが消えている、情報通りやはり一部なんだと大喜びし遡行続行 時間は12時30分これなら楽勝で登山道には明るいうちには出れる。
そして問題の最後の核心部の3連の滝の高巻き開始13:30 これを過ぎれば終わりが見える。
情報では左岸巻、少し登ってトラバース 下のワンピッチはザイルを出せばよいだろうとのこと。
1ピッチヌメ岩、2ピッチ泥壁トラバース、3、4ピッチ乾いたスラブ直登、5ピッチヌメ岩直登、6ピッチスラブ直登
どれも要ザイルのピッチ、支点は1cmの小枝をシュリンゲでまとめとる、30m以内で切らないとなので支点構築に時間にかかる。
目を凝らし探し登るもトラバースができるところが見つからない、どんどん上まで追い上げられる。
コースアウトしたのか?
しかし6ピッチからうえは藪、傾斜もなだらかになりザイルなしで稜線には行けそうである。
16時半 すでに幕営ができない沢に下降という選択肢はない、稜線から藪こぎで登山道に突破することを決定する。
親方達による北アルプス深夜の猛烈な藪漕ぎ話に、暗くても藪漕ぎならできるんだと勇気をもらい、しかしもしも岩場が出てしまったら、そこでビバークすると心に決める。
シャクナゲ、蔓、竹の猛烈な藪でなかなか進まなく心がたびたび折れそうになるが途中から開き直りこの状況を楽しむこととした。
22時登山道に到着、夜の登山道を通常コースタイムの倍をかけ2時に登山道無事到着しました。(嬉しかった~)

改めましてメンバーの皆様、お疲れさまでした。
藪漕ぎ計7時間、沢+高巻き計9時間、下山登山道4時間の累計20時間に及ぶ大変厳しい山行になりましたが、メンバー各々の日頃の鍛錬で培った体力、技術力に裏付けられた自信、そしてなによりお互いの信頼関係によりこの困難を乗り越え、全員無事に下山できたことを山行リーダーとしてメンバーに深く感謝し最後の結びとしたい思います。

奥多摩川乗谷・逆川

時期:2013.7.7
場所:奥多摩 川乗谷 逆川
メンバー:つりし(CL),ハギ,さぶ,sa山,エビ,スガ(一応記録)
記録:
7/6夜 奥多摩駅でさぶ,スガをピックアップ.道の駅にて幕営.
(道の駅はなかなか盛況だった.)屋根とベンチのある良い場所で宴会.

7/7 4:30起床.妙に盛り上がりすぎた宴会で皆寝不足.(+宿酔の者も…)
6:00近くに道の駅出発.
7:00頃 入渓地点の目標となる「カーブミラー」付近に駐車.
発見したハシゴを下りる→が,聖滝の下流とわかり戻る.
(このハシゴは私設?クライミングガーデンのものらしい.)
もう一つ先のカーブミラー脇から入渓出来ることがわかる.
7:50頃 正しいところへ入渓.
歩き出して15分くらい?で最初の滝(3m, 7m, CS 3m)が登場.

最初の滝
最初の滝

その後,ゴーロを30分以上歩く.
ちなみに,入渓者がいないため水は澄んでいた.(人が歩くと水
底の泥が舞って濁り,汚い沢になってしまうそうだ.)
9:20頃  5m, 2m, 4mの滝.
つりし,ハギはへつる.エビ,さぶは跳ぶ.sa山,スガは巻く.
9:50頃? 核心の4mは水にDive!暑いので泳ぐのは楽しい!!
ココを超えた辺りで単独行の男性1名が抜いていった?
※ この辺りから記録が曖昧….
11:20頃  トイ状 3段10m 一番上は突っ張りで超える.
11:40頃  4m(どんな滝だったか記憶が…)
11:50頃  ウスバ林道下の10m
つりしさんがハーケンをうちつつ颯爽と登っていった.
12:30頃抜けたが,スガがとりついてるときに4〜5名の中高

ウスハ林道下?10m
ウスハ林道下?10m

年パーティーが追いつく.(ここで出会っただけだった.)
13:30頃  25mの大滝は,またもやつりしさんが颯爽とリード.
このあと沢装備を解いて,傾斜をゆるゆると上がっていく….

25m大滝
25m大滝

15:40頃  川乗山頂到着.わりとすぐに下山開始.
17:17頃 百尋の滝,18:00登山口,18:13車に到着.