相馬岳北稜

2021/11/14 (日) 晴
メンバー:きよ(L・記録)、わだ、せきも

星穴岳へ登った翌日、同じく妙義山の相馬岳北稜へ行ってきました。
相馬岳北稜は妙義山のバリエーションルートの中でも有名なルートで、12の小ピークを越えながら進むルートです。
各ピークはP1〜P12と表記され、特徴的なものからいつの間にか通過しているものまで様々な様相を見せてくれます。

ルート自体は非常に長く、今回は入山地点に戻ってくるまで11時間ほどかかりました。
ルートファインディングや懸垂下降、基本的なクライミング能力を必要とし、岩稜歩きや細尾根などバリエーションルート入門として総合的な能力が試されるルートとなっています。

4:30 入山
真っ暗な中わずかな踏み跡を見つけ入山します。

真っ暗だったため、下山後の写真

ヘッドライトの光を頼りに急登を登っていきます。

5:05 あたご社看板
突如現れるあたご社の看板は倒木に隠れ気味だった。

あたご社が何なのかは結局わからないままだった。

6:24 御来光
丁度開けた場所へ登り上がったらご来光がお出迎えしてくれました。

御来光が綺麗

6:44 P4-P5のコル
P4までは他の小ピークをいつの間にか通過し、P4-P5のコルも通過。

深い切れ込み

6:59 P5
尾根沿いに進んでいくとP5で行き詰まります。

P5の行き詰まり

行き詰まったところから数m戻ると、西側斜面に赤いテープが貼ってあるのでここから下降します。

数m戻ると赤テープがある
下降はそれほど悪くないのでフリーで

コルへ降りたったら、P6へはⅡ〜Ⅲ級程度のクライミングポイントがあるので、フリーで登っていきます。
ホールドは豊富なので特に苦労することはなく突破。

P6へはフリーで

P6へ登った後、さらに進むとまた行き詰まります。
付近を探すと懸垂下降の支点があるのでP6-P7のコル方面へ向けて下降します。

P6の下降点
P6-P7のコルへの下降中

P7へはⅢ級程度のクライミングでロープを出して登ります。
終盤が泥と腐った潅木だらけで非常に悪いく嫌らしいルートでした。

P7への登り出だし部分はホールド豊富
P7への登り上部は乾いた泥壁

8:30 P7
しばらくは快適な尾根歩きを経て、P11へ。

P7から先は快適な尾根歩き
ハサミ岩と奥に相馬岳

9:25 P11
P11のピークは急登の先にあり、ピーク付近に懸垂下降の支点があります。
古い残置しかなかったので捨て縄を新たに足してコル方面へ下降。

P11の下降点は古い残置しかなかった

P12へはⅤ級程度のクライミングだが、鎖が下がっています。
支点は古いハーケンが2本打ってあるだけなので、キャメロット#1を極めて登ります。

P12へのクラック。

鎖は細い木に巻いてあったのであまり体重をかけない方が良さそうでした。

10:39 P12
P12からは微妙な踏み跡を辿っていきます。

昨日登った星穴岳が見えます。

しばらく尾根沿いに進んでいくとまた行き詰まるので、左手側を見ると下降点があります。

下降点は分かりやすいが終了点が分かりにくい

懸垂下降の終了点は最初のテラス部分で、それより下部の開けたところまで降りると登り返す羽目になってしまうので注意。
テラス部から先に微妙な踏み跡があるのでそこをトラバースします。

ここをトラバースする

トラバースからは明瞭な踏み跡と岩稜を進んでいき仙人窟の手前のアーチの上に出てくるので頑張って降ります。

アーチ上部から降りる際、変な場所から降りてしまったため少し怖かった。

11:54 仙人窟

仙人窟から

仙人窟で休憩を取り、ハサミ岩方向へ。

ハサミ岩付近までは微妙な踏み跡をルーファイしていきます。
ハサミ岩は基部を向かって左側の岩を乗り越えて巻きます。(一度右側を巻こうとして失敗)

ハサミ岩を越えると明瞭な踏み跡が続き相馬岳までひたすら歩きます。

13:19 相馬岳
数多の苦難を乗り越えて、ついに相馬岳へ登頂!

相馬岳山頂へ!やったね!

帰りは旧国民宿舎裏妙義方面への波線ルートから下山します。

登ってきた相馬岳北稜が見える

下山途中でかっこいい天然額縁を発見!

かっこいいよね

15:07 旧国民宿舎裏妙義へ下山
少し休憩し、車をデポした取り付きまで1時間ほど歩いて戻りました。

 

バリエーションルートの入門ルートにしては非常にボリューミーで、色々な力を試すことができる満足のいく山行になりました。
2日間、妙義の奇岩群に触れ合え幸せな時間を過ごすことができました。

星穴岳

2021/11/13 (土) 晴
メンバー:きよ(L・記録)、わだ、せきも

妙義山のバリエーションルートの星穴岳へ行ってきました。
気持ちの良い秋晴れの中、空中懸垂を楽しむことができました。

8:45 中之嶽神社駐車場発

中之嶽神社の長い階段を登っていきます。

道なりに登っていき、最初の鎖場が出てきます。

腕試し

鎖場を登った先に相馬岳方面と金洞山への分岐があるので、ロープを越えて金洞山方面へ進みます。

しばらく道なりに歩くとⅡ〜Ⅲ級程度の簡単な岩場やトラバースする箇所が出てきます。
一応ロープを出し、確保しながら進みます。

最初の岩場
難しくはないが落ちたら死んじゃいそうなトラバース

さらに尾根沿いに進んでいくといつの間にか西岳を過ぎ、右手に下降の支点があるのでそこから懸垂下降をします。
渋滞で30分ほど待った後、50mダブルロープ2本を使い40m程の下降をしました。

その後道なりに進んでいくと懸垂支点がありますが、一旦スルーして星穴岳山頂へ向かいます。

ここでもロープを出して登ります。

星穴岳への岩登り

12:36 星穴岳山頂
Ⅲ級程度の岩場を登って10m程進んだ先で山頂に到着。

星穴岳の可愛い看板
星穴岳から相馬岳方面と裏妙義を望む。

星穴岳からは懸垂下降で降り、通過した射抜穴への懸垂下降地点へ向かします。

射抜穴への懸垂下降支点

バエる南側から空中懸垂で降ります。

空中懸垂がバエる

13:50 射抜穴
射抜穴で休憩してさらに懸垂下降で降ります。

射抜穴は結構広い

次は50m弱のロング懸垂下降です。

長い懸垂下降

下降後にロープを引き抜くのが重くて苦労しました。

15:30 下山
その後は特に危険箇所もなく秋の妙義山をテープを頼りに下山しました。

ふかふかの落ち葉の上をまったりハイク

 

星穴岳は渋滞が短いルートですが、色々な要素が凝縮された楽しいルートでした。
空中懸垂などのバエるコンテンツもあり、バリエーション初心者にはとても楽しめると思います。
渋滞が一番の敵でした。

尾白川 鞍掛沢~乗越沢

【日程】2021年8月28-29日
【メンバー】こば(L)、ささじ、もつお(記)
【行程】
・8/28:白州観光尾白渓谷駐車場
・8/29:矢立石駐車場…入渓(7:30)…鞍掛山コル(11:30)…日向山(13:00)…矢立石駐車場(14:30)

●8/28:白州観光尾白渓谷駐車場

前日夕方頃集合し、こばさんの車で道の駅はくしゅうへ向かう。ここで前泊とする予定だったが、スーパーマーケットが併設されており、人も多そうだったので「白州観光尾白渓谷」の駐車場で、この日は一泊とした。トイレもあって、広々とした駐車場であった。

●8/29:矢立石駐車場…入渓(7:30)…鞍掛山コル(11:30)…日向山(13:00)…矢立石駐車場(14:30)

翌日は4時に起床し、矢立石駐車場へ向かう。前日夜から入っている登山客もいるようで、狭い駐車スペース(10台程度は駐車可能)が、そこそこ込み合っていた。

5時頃から行動開始し、すでに廃道のようになっている道を1時間半程度歩く。途中トンネルが3本ほどあったので、事前にヘッドライトを携行していたが、この日はとても天気が良かったため、暗くて歩きにくいことはなかった。

トンネル

3つ目のトンネルを超えて、少し進んだところで、谷底へと垂れているフィックスロープがある。ここから降下となるが、若干急であり足場はよくない。

降下開始

7時15分入渓、ここで装備を整えて遡行を開始する。遡行を初めて比較的早い段階で、夫婦の滝が現れる。ここは滝の左側を登るが花崗岩のツルツルな岩肌で、フェルトソールの私は、かなり苦戦をしながらお助けロープを出してもらい、冷や冷やながらなんとか登ることができた。逆にラバーソールは激効きのようであった。

夫婦滝

その後もツルツルのナメを登りつつ、この沢の美しさに酔いしれる。空は青く、白い岩肌、グリーン色の沢。こばさんが言っていたが、とてもやさしい沢である。

やさしい沢

順調に行程を進められていたため、途中、釜で泳いだり(ささじさんは飛び込んでいた)したが、この日は気温も高く、ずぶ濡れの状態で風に吹かれても心地よいくらいであった。途中テント場となりそうな箇所がいくつかあり、のんびりと山中一泊を入れてもよさそうだ。ただ、この行程の中では魚影はみられなかった。

休憩を取りながらナメの滝をいくつも超えた後、9:30頃に鞍掛山方面へと登る分岐の滝(5~6m×2段)が右側に現れる。

分岐

ここを登ったあたりから、アザミが現れ始めるが、ガイド本に書かれている「アザミ地獄」というほどではなかった。ただ、チクチクして少し痛い。滝を2,3超えると、つめの様相を見せ始め、気づくとあたりは笹原となっていた。

11時半ころ、鞍掛山のコルに到着。ここで装備を外し、日向山へ向かう。ここから日向山へはほぼほぼ通常登山道と変わらず、道はわかりやすく迷うことはなかった。こばさんはキノコを採取しつつ、都度都度説明をしてくれたが、残念ながら私にはほとんど区別することはできなかった。

13時ころ突然道がひらけて、真っ白な日向山が目の前に広がる。正に「天空のビーチ」と言われるだけあって、本当に白く砂浜を歩いている感覚になる。

天空のビーチ

ここから歩いて10分ほどで日向山頂上に到着する。頂上には他の登山客もちらほら見受けられ、手軽なハイキングコースとなっているためか、丈の長いスカートで来ている人もいた。ここで3~40分程度休憩し下山を始める。結構沢で遊んでいたので、下山が思ったよりもきつく、車を止めていた駐車場についた時には、かなり足がガタついていた。

帰りは事故渋滞に巻き込まれ、予想以上に時間がかかった。

***

一言でフレンチのフルコースのような沢山行でした。廃道、白と緑の渓相、笹草のつめ、天空のビーチ。誰かにおすすめの沢を聞かれたら、ここを教えてあげたくなる、そんな沢でした。

こばさん、ささじさんありがとうございました!

谷川岳 東尾根

2021/6/20 (日) 雨のち曇り
メンバー:こば(L)、きよ(記録)

谷川岳の東尾根へ初心者向けのバリエーションルートに行ってきました。

天気予報ではみなかみ町は曇りのち晴れ予報でしたが、登山中は小雨や霧で晴れ間のない空模様でした。
谷川岳の気象は難しいですね。

岩は基本的に濡れていて滑りやすい状態でしたので一歩一歩確実に進みました。

4:50
谷川岳の駐車場で準備を終えて、マチガ沢出合へ向けてスタート。

5:13
マチガ沢出合の看板を横目に厳剛新道登山口へ到着。

▲厳剛新道登山口の看板
▲ガスの奥にそびえる谷川岳

厳剛新道を登っていきます。
前日に小雨が降っていて登山道が沢になっていないか心配していたましたが、小さな沢程度にしかなっておらず一安心。

6:00
第一見晴に到着。
ここで装備を整え小休止を取り、マチガ沢に下降します。
降りた先でアイゼンを装備できる場所があるかどうか不明なため、ここで軽アイゼンを装着します。

▲眼下に広がる雪渓がマチガ沢
▲結構な急斜面を下降するが、踏み跡も明瞭でロープは不要。

6:20
マチガ沢を登上開始。

▲雪渓に降り立った直後

雪渓を進み、大滝へ到達すると、大滝は少し露出していたのでアイゼンを外して登ります。

▲雪渓から大滝へ登った後にアイゼンを外す。

しばらく登るとまた雪渓が出てきたので再びアイゼンを履いて登ります。

▲すぐにまた雪渓が見えてきた。

6:42
シンセン沢出合に到着。
ここからは雪渓がなさそうだったのでアイゼンを脱いで進みます。

▲完全に雪渓はなくなっている。
▲結構な急傾斜で息が上がる。

右俣ルートを登っていきます。
かなりの傾斜の中、笹漕ぎと雨で滑りやすい岩を登っていきます。

▲草付きまでくるとあとは体力勝負。
▲もはや壁。

7:39
シンセン沢を登り詰め、シンセンのコルで小休止。
第二岩峰へ向けて進みます。

この辺から小雨と霧が交互に現れ、眺望は殆どなく、ただ目の前に現れる岩を登っていく作業になります。
傾斜は緩やかになるが、岩肌が濡れているので一歩一歩慎重に進むのに精神がすり減らされます。

8:00
第二岩峰
第二岩峰はコバさんがリードで登り、私がセカンドで登らせてもらいます。

岩峰の出だしにハーケンが1つ残置としてあるのみで、そこさえ越えてしまえば特に問題なし。

▲リードで登るコバさん

ビレイは安全を確保できる開けた場所で腰がらみのビレイをしていました。

その後もガスが晴れることもなくただひたすらに進みます。

▲ガスでどこがどこだか分からない。

この辺から風も強くなってきたので写真を撮る余裕もなくなってしまい記録があまり残ってません…。

途中の観倉台付近で雨のため岩場を避け右側に巻いた結果、ツルツル岩とドロドロ土の難所に突入してしまいました。
そこではロープを出すスペースもなかったのでお助け紐とカムで確保しながら登り、何とか突破。

ここから先頭を私に任せてもらい、ルートファインディングに苦戦しながらも何とか進みます。

10:04
ナイフリッジに到着
ツルツルのナイフリッジを慎重に進みます。

▲淵の部分を掴みながら進み、途中から右にも抜けられるようだった。

10:15
第一岩峰に到着。
ここでは私がリードし、コバさんをビレイします。
右奥の方に残置ハーケンがあったので、そこから若干ハング気味の岩を上がるルートを登っていきます。
ガバが多めですが、足元は滑りやすいです。
核心部を登ってすぐの場所で腰がらみでコバさんをビレイしたが、もう少し先にもっと開けて安全な場所があったので周りを見ないといけないなと反省。

▲第一岩峰の写真は取り忘れたので上から。

第一岩峰を越えれば最後にちょっとした崖を乗り越え、お食事中の登山客のすぐ脇を通り抜けオキの耳へ!

10:25
谷川岳 オキの耳到着

▲登頂!やったね!

オキの耳で小休止を挟んだ後、下山開始。
途中で雪渓があったので軽アイゼンを履きつつもあっという間に下山。

12:00
谷川岳ロープウェイ天神平駅 下山

今回の谷川岳東尾根では雪渓の歩き方や、ルートファインディング、岩のリード・ビレイなど学ぶことが多く大変勉強になる山行になりました。
特にルートファインディングはコバさんに頼りっきりになってしまっていたので、もっと精進しないといけないですね。

蓮華温泉 山スキー

【日程】2021年4月9-10日
【メンバー】つりし(L)、ハギ(記)
【行程】
4/9:栂池高原スキー場ゴンドラリフト終点(10:00)…天狗原(13:10)…振子沢…蓮華温泉(15:20)
4/10:蓮華温泉(07:15)…角小屋峠(10:20/10:50)…木地屋(13:00)…栂池高原スキー場第2駐車場

 

白馬栂池高原から蓮華温泉を経て糸魚川の木地屋に抜ける。
山スキーのクラシックルートの一つとして有名なルートに、小屋の混雑を避け(宿泊人数制限でそもそもがゆったりでした)平日絡めて行ってきました。

●4月9日(晴→曇→雪)

10:00、栂池高原スキー場のゴンドラリフト終点から出発。
ポイント券1枚(40ポイント)で、ちょうど2人分のゴンドラリフトとリフト1回分になる。わたしたちはリフトに乗らずにコース外に出て、林道をショートカットして直接成城大学小屋に向かうルートを取った(1本さらにリフトに乗ってからトラバースしてきたパーティもいた。ちなみに栂池ロープウェイはこの時は土日運行)。

予報に反して青空が顔を覗かせ、途中振り返ると、栂池自然園の雪原がよく見えた。

天狗原の直下は、傾斜が少々増してくる。
少し前からシールが引っかかる気がしていたのだが、なんだか効かない。平坦地に戻って確認すると厚さ5cm超の雪団子になっていてびっくり。削り落としてクトーを装着して登る。その後、つりしさんのシールワックスを借りて塗ったが、なんやかんや、わたしのシールトラブルで30分は無駄にしてしまった。
ともあれシールワックスのおかげで雪団子からは解放された。これは有効、買っておかないと。

天狗原に着くころには視界は効くものの、ガスと風も出てきた。
できれば白馬乗鞍にも…なんて言っていたけど、時間的にもまた次回。まずは2072Mの平坦地を目指そうと、天狗原を横切り、滑走用意をして振子沢に入った。

白馬乗鞍を横目に天狗原をいく

沢に入るといい斜面、最初は固めメインのモフ雪ミックスという感じ。つりしさんはヒャッホー、わたし的にはあまりヒャッホーでなく慎重に。

地形図では読み取りにくい細かい沢型がちょこちょこ入るが、ルートを示すピンクテープが随所にあり、迷うことはない。

左岸側に寄りつつトラバース、1632M付近で尾根を乗り越えて隣の沢を下っていくと橋が見え、蓮華温泉に至る林道に合流。

辿ると、テントがみえてきた。正規(夏季)のキャンプ場はロッジから600m離れているそうだが、この時期だけの臨時キャンプ場ということだ。

そしてその向こうに…ありました!今宵のお宿、白馬岳蓮華温泉ロッジ。

有名な野湯にもいってみたいと思っていたが、雪の中を片道20分スキー靴で歩く気にもならず、内湯だけにした。タイミングよく貸し切りでゆったり浸かる。ご飯もおいしくビールはワンコイン、綺麗でよい山小屋だった。

●4月10日(晴)

7:15発、今日は大快晴。真っ白な山々を背に、名残り惜しい気持ちで蓮華温泉を後にした。
先に出た方々のトレースは林道を離れ天狗原方面へ登っていく。わたしたちは新潟側の木地屋方面へ、ヤッホー平経由ではなく、昨日の新雪でまっさらになった林道を行く。
林道の屈曲部にかかる橋の手前、20Mほどのカリカリに新雪が乗ったトラバース。スリップするとそのまま沢側にスポーンと落ちそうで、つりしさんは慎重に一歩一歩スキーで通過したが、トラバース苦手なわたしは速やかに断念、スキーを担いでアイゼンでザクザク通過。アイゼンを持っていくか迷ったのだが、あって良かった。橋の先は陽当たりが良いのか側壁の雪が崩壊していて、崩壊の瞬間に居合わせるとよろしくない感じ。

写真では別に〜という感じですが。。

少しすると地形が広がってのどかになり、林道をまったりスキーを滑らす。誰もいない。

見切れていますが雪倉岳?
前方が角小屋峠

栂平から林道を外れ、角小屋峠へ、今日唯一の登りらしい登り。乗り上げポイントは本来笹藪帯のところ、丁寧に刈払いがされていた。

角小屋峠を越えると、ずっと見えていた後ろの雪山たちともお別れ

刈払いの所はスキーを担いで、角小屋峠到着。解放的な景色の中で大休止し、シールを外した。

ウド川の上流側に気持ちよく滑り込み、右岸へ渡る。

帽子をふっとばし滑走するリーダー(隊員が回収しました)

しばらくはピンクテープに従って高い位置をトラバース三昧。下には楽しそうな段丘があるというのに…、そこを滑ってしまうと尾根を跨ぐのが大変になる。


トラバースが終わってようやく緩やかな疎林になると、あとはそこそこ楽しみながら滑ったり漕いだり、で林道に合流。ゆるい起伏はあるものの、シールをつけるほどではなかった。

水芭蕉が咲き始めていました

13:00、木地屋の除雪終了点に到着、予約していたタクシーで栂池高原スキー場に戻った(約12000円)。

***

スキーという道具を使って山の中を自在に移動した(ツアー看板やピンクテープがなければこんな風にはルートを描けないと思う)、という印象の今回の山行。
よい山旅になりました。つりしL、計画していただきありがとうございました。

木戸壁右カンテ

2021/3/7(日)曇り時々晴
メンバー:うえ(L)、こば、きよ(記録)

妙義の木戸壁右カンテへクライミングへ行ってきました。
うえさんの怪我が回復し、そのリハビリも兼ねて簡単なマルチピッチの山行です。
今回は3人でのマルチピッチなので終了点ごとにリードを交代しながら登って行きました。

岩はフリクションのよく効く岩でしたが、一部緩んでいる箇所もあったので注意は必要です。

8:30
準備を整えて旧国民宿舎裏妙義を出発。
丁須の頭の方向へ看板通りに進み、歩き易いアプローチを進みます。
黄色い←と↓の矢印が出てきたらそこを右に曲がります。
鎖場が出てきたら行き過ぎです。

▲この矢印を右に曲がる。
▲踏み跡は明瞭。

分岐から10mほど歩くと取り付きの目印のピンが上の方にある。

▲画像では見にくいかもしれないがピンが見える。

9:30
装備を整えてクライミング開始

■1P リード:うえ 15m (トポ表示 25m グレード:5.6)
フェースを直上して登っていきます。
脆そうな見た目の岩に恐る恐るでしたが、良い手も足もありサクサク登れました。
終了点は3人が丁度入りきれるくらいの広さ。

■2P リード:きよ 20m (トポ表示 25m グレード:5.6)
トポでは核心は4ピッチ目だが、個人的にはここが一番の核心に感じました。(リードだったから?)
スラブ状の壁を右上の方へ少し登り、小ハングを超え、その後はバンドを左に登ったところに終了点がありました。
終了点はここも3人が丁度入り切れるくらいの広さでした。

■3P リード:こば 20m (トポ表示 25m グレード:5.6)
コバさんは久しぶりに5.6と言うグレードに張り切って登っていました。
緩やかなフェースを右上に登り、ルンゼを登るピッチでとても簡単でした。
終了点は大きな松の木が右手に生えているテラスでとても広い終了点でした。

▲リードするこばさんとビレイするうえさん

■4P リード:うえ 20m (トポ表示 20m グレード:5.7)
核心ピッチはうえさんがリードで登ります。
テラスから右上の方へ登り、フェースを登っていきます。
核心ピッチでしたがそこまで難しくなく登り切りました。
終了点はとても狭くロープの付け替えが大変でした。

▲ビレイするうえさんとフォローで登るコバさん

■5P リード:きよ 10m + 20m (トポ表示 25m + 15m グレード:5.5/5.4)
最終ピッチ。
5ピッチ目はトポで示されている5P/6Pをリンクして登りました。
これまでのピッチでは至る所にピンが打ってありましたが、ここから先は簡単なこともあってか?ピンの数が激減していました。
緩やかなフェースを登っていくとすぐに5P目の終了点があり、そのまま6P目へ。
6P目も優しいがピンが少ないのでランナウトは大きくなりスリル感はありました。
最後の終了点への右から回り込むルートにピンがあったようですが、私は見逃して砂まみれのルンゼを直上してしまいました。
終了点はとても広く、3人ぐらいが座るスペースは十分にありました。

▲笑顔で登るうえさん

12:00
登頂
トップで表妙義の壮大な風景をみながら小休止。

▲終了点からの妙義の景色
▲星穴岳の穴も見えました

12:40
下降開始
下降は6P/5P、4P、3P/2P/1Pの計3回懸垂下降で降りていきました。

▲懸垂下降するうえさん

最後の懸垂下降は地面まで3mほどロープが足りませんでしたが、クライムダウン出来そうだったので途中で解除して降りてきました。

14:20
下降終了

15:10
下山

木戸壁は去年から行ってみたくて相談してましたが、ついにいくことができました。
私のような初心者でも登りやすく、とても楽しくクライミングすることができました。

うえさん、コバさんありがとうございました!

福島県檜枝岐村・大戸沢岳山スキー(2,089m)

日時:2021年3月20日(土)天候、晴れ
メンバー:つりし(CL)、ハギ(SL)、ツノ(記)

 

3月19日(金)21時 圏央道、白岡菖蒲ICでツノ合流し一路、西那須野IC経由で南会津町、道の駅「番屋」にてテント設営し入山祝いの宴会。

20日(土)5時起床、朝食。「下大戸沢岳スノーシェッド」側の駐車スペース(883m)から7時出発。


残雪が残る大戸沢から東尾根に取り付く。右側に三岩岳を見てやや急斜面を30分ほど登り気持ちの良いブナ林から1,553mの小ピークに到達。

山頂雪原を約2時間かけ12時に山頂に到着し乾杯。少し風があり寒いが尾瀬、燧ケ岳と会津駒ケ岳を望む。先行者は二人、途中でボーダーも含め5~6名と出会う。


シールを外し、いよいよご褒美の滑降へHere we go!
それぞれのスキースタイルで斜面を堪能(笑)
下山コースに注意し、途中の急斜面も問題なく通過する。

13時50分駐車スペースへ到着。
「小豆温泉」の熱い風呂で汗を流し「番屋」にて会津そばで締める。

つりしさんとハギさんは先週の菅平、根子岳に続いて晴れた山スキーを楽しみ、私は1年振りの山スキー、1年間の放蕩生活で体力が落ち勉強しました。
それぞれが違った道具を使い、登り下りをする山スキーも楽しい山旅です。

農鳥岳(積雪期)

メンバー:コバ(L)、うえ、きよ(記録)
日時:2020/12/28~2020/12/30

2020年最後の山行に農鳥岳に行ってまいりました。

当初の予定は初日に農鳥岳の稜線まで出て1泊し、翌日農鳥岳・間ノ岳にアタックする予定でしたが、入山前に雨が降っていたため、大門沢小屋に拠点を置き農鳥岳を往復する山行に変更しました。

12/28 11:05

奈良田の発電所の先に車を止め、雨が止むのを待つこと数時間、ようやく雨が止んだため、山装備に着替え出発します。
しばらくは林道を歩きます。

11:55

登山口に到着。

▲行きに写真を撮り忘れたので帰りに撮影

登山口からすぐに立派な吊り橋を渡ります。

綺麗で歩きやすい雪道を歩きます。


雪は締まっていて前駆者のトレースも薄ら残っていて歩きやすい道が続きます。


木の橋を渡る所は木が凍っていて滑るので這って進みました。

15:39

大門沢小屋の手前に氷瀑がありました。

15:53

初日最後の核心部。
ツルツルの木の橋をうえさんが這って進んでいるのを見て、私は横切る川の水量が少なかったため渡渉しました。

16:03

大門沢小屋に到着。
小屋の中にテントを張り、拠点とします。

▲他のパーティは小屋に1組、テン場に1組いました。

夕方の微睡タイム。富士山が綺麗に見えます!

夕焼けに染まる富士山

夕飯はコバさんがニンニク醤油味の鶏鍋を作ってくださりました。
写真は撮り忘れましたがとても美味しかったです!

▲星も綺麗に見えました。

12/29 3:00

起床。
朝食は各自インスタント麺を食べ、準備します。

4:35

真っ暗闇の中、農鳥岳に向けて出発します。

6時ごろには辺りが明るくなってきます。

6:55

富士山の左肩あたりから日が昇りました。

▲樹林地帯から抜け出せずに、残念ながら開けた場所で日の出を拝めませんでした。

8:29

樹林帯を抜けると視界が開け、同時に膝下程までの雪が現れます。



▲先行者がいたおかげで明瞭なラッセル跡がありました。

9:54

稜線に出るとアルプスの壮大な景色と強風が迎えてくれました。
稜線上は風で雪が飛ばされているのか、岩肌が見えている箇所も多々ありました。

▲稜線の黄色い鐘。先行者はここで引き返す様子でした。ラッセルに感謝。

雪山の経験がほとんどない私は、慣れないラッセルと強風、薄い空気に苦戦しペースが落ちてしまいました。

▲置いていかれる撮影者

農鳥岳の山頂付近は岩稜地帯になっており、先週実施したアイゼントレーニングが生かされます。

▲この先、ちょっとした岩場が出てきます。

11:03

ついに農鳥岳登頂!
相変わらず強風は吹いていますが、天気も良く、とても気持ち良い山頂です!

▲左に西農鳥岳、正面に間ノ岳、右に北岳が見えます。北岳の山形が綺麗!

11:46

体力と時間の問題から西農鳥岳への登頂は断念し、下山を開始します。
私は慣れない雪歩きに足を取られ、登り以上に苦戦してしまいました。

▲軽快に降りるうえさんと絶望する私。

森林限界に入った後はアイゼンとピッケルを捨て、ストックを出してようやくペースが出てきました。

14:59

ようやく大門沢小屋に降りてきました。
2日目の夕飯はうえさんがカレー鍋を作ってくださりました。

▲和風で具沢山お肉たっぷりの絶品カレー鍋

12/30 5:00

起床。
本日は下山だけなのでゆっくりご飯を食べて用意します。

8:30

気温は暖かく、天気は雪から雨に変わっていました。
下山を開始します。

雨に打たれ、雪はぬかるみ始めています。

10:45

下山。
奈良田に到着。お疲れ様でした!

人生初の冬山3000m級農鳥岳、辛く長い道のりでしたが登頂したときの喜びは格別でした!
私自身雪山に慣れていない事もあり、お二方の足を引っ張ってしまう事も多かったと思います。
まだまだ技術も体力も忍耐力も未熟なので、今後精進して行きたいと思います。
コバリーダー、うえさんありがとうございました!

楢俣川水系 後深沢

【日程】2020年10月3日- 4日
【メンバー】つりし(L)、ハギ、ワダ、セキモト(記録)

9/26-27で企画していた沢登り。雨天順延にて再チャレンジ! 良い天気に恵まれました。

10/3

7:14 奈良俣ダムより先の奈良俣トンネルを抜け右に進むと、数台車が停車可能な駐車場・林道入口ゲートがあリます。ここから長い林道歩きが始まります。


7:45 じわじわと最初は登りが続き、少し暑い。林道は秋めいて少し紅葉が始まっています。きのこがいたるところに生えており、ペースが上がらず 笑。食べられるもの、食べられないもの、私はよく分からずですが、楽しいです。


9:22 さらに進むと山葡萄があちこちに、全く進まず.. つりしさんからひと房いただき、食べながら歩きます。後ろに見えるのはヘイズル沢。


10:44 狩小屋沢を渡るところ、ここから入渓し少し下ります。


10:51 奈良俣本流です。ここから遡行を開始します。美しい沢ですね。


11:36 いい感じのナメ滝が続きます。




12:16 水も澄んでおりとても綺麗です。自然の堤防を渡り、左岸から進みます。



12:52 本流と前深沢・後深沢にいく分岐です。右に行きます。


この場所の写真がないですが、前深沢への分岐を左にいき、7-8mほどの大きな赤い滝にたどり着きます。
傾斜的には問題ないですが、滝が非常にヌメっており1段足をかけたところでスリップ.. 安全をとり左から巻きました。。

13:13 先ほどよりもゴツゴツした滝が続きます。


前深沢への分岐と中深沢の分岐に到るまでの間で、比較的平らなエリアを発見、良い時間にもなってきたので皆でテント探し。同時に食べられそうなきのこをつりしさん、ハギさんがゲット 笑


14:30頃、右岸に少し高台になる平らなエリアを見つけます。テント場として完璧な場所ではないですが寝床を確保。


河岸に場所を確保し焚き火開始。山行中に確保した山の幸できのこ汁、山葡萄のバーボン割りと美味を堪能 !
ハギ先輩の肉だんご鍋も絶品でお酒の進む宴会となりました 笑




10/4

 7:30 飲みすぎた次の日は早めに準備をして沢に向かいます。テント場より先は釜のあるナメ滝が続きます。
最初の滝は右壁の上を進みます。少し右奥では、立木を掴み進みますが届きづらい部分がありシュリンゲで確保します。


釜が深い滝を進んでいると、常に岩魚が.. すぐに隠れてしまいますが、たくさんいます。




8:33 ここあたりからぱったり、水が少なくなり途中で涸れ沢に.. このまま終わるのかと不安に。


9:48 いえいえ、再び水が復活してきました。いい感じのナメ滝が続きます。




10:53 小滝の連続のあと少し全体が開けてきます。


11:47 ナメのいい感じから、だんだん黒い岩が増えてきます。最後の核心となる7-8mのジェードル滝。水に濡れながら進みます。水が流れている滝の中に良いホールドがあり足場とします。


12:04 その後水は枯れ、ひたすらガレガレの岩場を進みます。岩を落とさぬ様そおっと進みます。


13:36 やっと稜線に出ました。霧で隠れていた稜線がよく見えてきました。青空も見えいい感じ。



14:15 至仏山山頂に到着。


15:27 登山道から、良い感じで秋めいて来ました。


16:02 鳩待峠に到着です。お疲れ様でした!

***

【雑感】
ナメ滝が印象的な沢でした。きのこに山葡萄と自然を満喫したい良い沢旅でした。つりしさん、ハギさん、ワダさん、ありがとうございました!

木曽駒ケ岳・細尾沢

2020/8/9-11
メンバー:つりし(L)、ハギ、キム(記)

 

中央アルプス、木曽駒ケ岳へ突き上げる細尾沢を遡行した。

①日目

早朝東京を出発し、中央道を利用し伊那ICで降り、コガラ登山口Pへ。見覚えがあると思ったら北稜60周年記念で行った中央アルプス縦走の下山口だった。

9:10 行動開始

登山道から逸れる沢へのアプローチルートに、“沢コース”なる道標。おお、何だか市民権を得た沢なのか⁇

細尾沢へのアプローチは正沢川を辿る。このパートは沢登りというより川歩きと言った趣。

10:25 入渓。水量は多いが、流されたりするところはない。

12:45 細尾沢出合の二俣到着。テンバ候補はここと、更に進んだビバーク地点。今回は余裕のある3日プランのため、快適性を重視し、こちらで幕営することに決定。

テンバは二俣下流の右岸および二俣の間にあるが、焚火リラックススペースが開けた前者を選択した。

早く着いたおかげで、超のんびりできた。


メンバーの内、2人は自立ツェルト。1人はここ↓でタープを張った。以外に寒く、全員熟睡は難しかったようだ。良く考えたら標高1900m!

②日目

7:15 行動開始

細尾沢からはもちろん沢登り。

7:45 すぐに現れる大滝は左岸側の隣の沢型から高巻く。難しくは無いが結構な高感度があり、初心者が居たらロープを出すべきだろう。

8:25 高巻きの沢型と大滝の間に現れるルンゼ上部をトラバースして本流に復帰、休憩。

その後もフリーでガンガン登れる小滝が続く。


9:05 ビバーク地点到着。4-5人用のテント一つ程度の広さでやや傾斜している。二俣から2時間弱ということになる。

やがて木曽駒ケ岳山頂を奥に臨むカスケード帯に突入。日本アルプスならではのスケールの大きい眺望に歓声を上げる。珍しく記念撮影したりしてしばし足を止める。

「登っちゃうのがもったいない」とはハギ隊員談。

振り返ると、60周年山行中央アルプス隊、最後の山となった茶臼山。

沢は予想より早く涸れ、ゴロゴロしたガレ場を詰める。沢の水が冷たかったので水源は雪渓かと思っていたのだが雪は全くない。


ここの詰め上げが難しい。浮石、動く岩だらけでホールドが何も信用できず、慎重に慎重を重ねてじわじわと登る。これちょっとおかしいだろうとGPSを見ると、避けなくてはならない予定であった頂上直下の崖の中にいることが判明。やっちまった…

今さら戻れないのでジワジワ登攀を継続し、最後は腰くらいまでのハイマツ帯を突破。

山頂付近の人が見える。彼らはナニあの人たち… みたいな感じでこちらを見ている。こっぱずかしい心境だったが、まるで狙ったかのように寸分たがわず山頂に突き上げた。

木曽小屋の様子を見つつ、トラバースして頂上山荘のテンバへ。奥に宝剣岳が見える。

付近には北アルプスから持ってこられた(隊長情報)ライチョウがウヨウヨ。足に識別票をしており、ヒトに慣れているようだ。可愛らしい鳴き声にヘンにハマった隊長を横目にテンバ確保に急ぐキム隊員。

13:25 テンバ到着

小屋で受付を済ませ、ヤレヤレと宿泊準備をしていると、小屋での食事はコロナ影響下でできない、とのショッキングな情報が!!(HPで確認して100%アテにしていた我々は食料を持っていない)

ビール(500ml):800円を飲みつつ、併せて買ったカップラーメン(小):500円や、ワインハーフボトル:2000円を見つめながら、こんなハズでは… と一同の口は重い。
(しかもビンもカンも全て持ち帰り… 荷物増えるってどゆこと??)

昨夜、我々は寒くて余り睡眠を取っていない。今日更に1000m登り、計算では6.5℃低下する。ひもじく寒風に耐えなくてはならない状況下で、7合目避難小屋まで下らないかとの案が出されるが、議論のタイミングが少々遅すぎた。

甲斐駒や南八ッの夕景も俺たちの慰めにはならなかった…

③日目

悲しくも全く予想通りほとんど睡眠を取れない眠い目をこすりながら、

4:00 起床

5:00 行動開始。一晩中吹いて未だ止まない強風でバーナー使用ができず、食事も諦める。

5:30 玉ノ窪小屋で風裏に入り、さて改めて朝食だというタイミングで何故かバーナーの調子が悪く、湯が沸かない。隊長は屈辱の500円カップラーメン(小)を恨めしそうに睨んでいる。テンションは低いまま諦めが肝心、と下山を続ける。

朝、寒くて寒くて全て着込んだまま下山していたが、陽が当たると一気に暑くなりヒィヒィ言いながら脱衣する。さっきまで震えていたのに今は日影がありがたい。

8:00 7合目避難小屋着。とてもキレイで2階もあるし狭くはない。トイレもあり、一応飲用不可となっているが水もある… やはりコッチが正解だったか…?

その後は日影に入り、気温は最適。しかしやっぱり1500m強の下りっぱはナカナカ膝に応えた。

10:30 駐車場に無事帰還。

帰路、天神温泉 国民宿舎 清雲荘に立ち寄るもコロナ影響下で県民以外の入浴は禁止。

国道19号に出る交差点の左にある“水車家”さんでは、コシとボリュームのあるお蕎麦が頂けます。

【所要時間】
以下の図の通り。

【シューズ】
フェルト2人、ラバー1人。比較は難しいが、一日目の乾いた岩歩きが多かったのと、下山も兼ねられるためラバー有利か?