カメラ等


 なくても生きるのに支障はないけど、持ってると楽しい。

 写真を趣味めしのタネにしていて、撮影をしに山にいく人は自分で使い易くて目的に合ったシノゴでもバイテンでも好きな写真機を持ち上げればそれでよろしい。

レンズ付きフィルム Kodakスナップキッズ
 そうでない場合はなるべく軽い物がいいのでは?最近はレンズ付きフィルムという便利な物もある。これは非常に小さく軽いし壊れにくい。また壊れても惜しくないし電池がなくてもフラッシュ以外は動いてくれるという。シンプルなところが山には丁度いいのではないか?

 難点はフィルムがAPS規格になってしまって、本体が小さくなったのはいいのだがDPE後のフィルムの整理が厄介になってしまったこと。まあこれはたいした問題ではない。

 近〜中距離の人物撮影に最適化されているせいか無限遠での撮影に若干甘さがある。日陰、曇天など、少し暗めになると写りが悪いなどの難点があるが、記録用と割り切れば無敵である。特にどピーカンの元ではとてもよく写るので良い。一番厄介なのはフィルム巻き上げ用のダイアルが細かくて手袋をしたままでは操作しにくいことである。昔の簡易水中用ハウジングに入ったやつはこれが大きくてよかった。別売りの水中ハウジングもあるので試してみる価値があるかもしれない。これに入れとけば冷凍庫のような表から暖かいテントの中に入った時の結露の心配もせずに済みそうである。自分はあまり使わないので誰か試して。

 レンズ付きフィルムでは物足りない人はふつーのコンパクトカメラ。最近はリチウム電池を使っていることもあり、多少の寒さでは動かなくなることが少なくなってきたようである。しかし、いくらリチウム電池だからといって冬の山の気温と同じくらいまで冷えてくればまったく動かなくなったり電池の起電力が落ちてすぐにローバッテリーの警告が出るようになったりする。この場合は
KYOSERA slim-T with tesserT* 35mmf3.5
あったかくすると電池は復活するが…。

 ザックのポケットに入れておいたカメラが冬の稜線で動かなくなることはしょっちゅうである。冬山で持ち歩く際はジップロックなどの完全防水の袋に入れてヤッケのポケットに入れておくと具合がよろしい。結構汗で濡れたりするので防水は必要。テントの中へもそのまま持ち込める利点も。テントに持ち込んでもカメラ本体とテント内の気温が同じくらいにならないうちは袋の口をあけないように。結露した水が凍りついて動かなくなる。当然壊れる場合もある。
 最近のカメラはフィルム巻き上げピント合わせ、シャッターまですべてエレキの力に頼っているので電池が生命線である。予備電池は必携。

 また、個人的には流行の高倍率ズームレンズ付きカメラは持ちたくない。無理して小さい図体に分不相応なレンズを積む物だから、レンズ自体に非常に無理がある。バランスもよろしくない。この手のカメラではレンズの開放f値が明記されてない物が多い。f12.7とか16とかの暗いレンズであることが多く、一杯に望遠にした状況ではやたらと明るくない限りシャッタースピードが1/60や1/30秒以下になってしまい、とても100mm程度のレンズで手ぶれせずに撮影できるとは考えられない。

 単焦点の35mmか28mmあたりのレンズのくっ付いた小さめのカメラが個人的には非常に使い易いと思う。ズーミングはでやればよろしい。

 今は私はキョーセラのslim-Tというのを使っているが非常に優れたカメラだと思う。tesserのT*35mmf3.5を積んでいて怖いくらいにシャープに写る。コンタックスTやニコン35,28Tiなどに比べていかにも、という気負ったところがない所が気に入っている。
小さくて軽いCOSINA C1s

 その前にはローライ35TEというのを使っていた。学生のころ新品を2万円位で買った。小さいが金属の重みが心地好いきれいなカメラであった。レンズは無印のテッサー40mmf3.5、フルマニュアル機械式で距離は目測。露出計に水銀電池を使っていた。当然電池がなくても露出計以外は正常に動作するので大変よろしい。単車で走っている最中に鞄から落ちてアスファルトに激突、お亡くなりになった。残念である。

 撮影目的以外で35mm一眼レフを持っていくのは一寸気合が要る。ちょっと重い。折角持ってくのだからレンズも三脚もなどといってるとすぐに10kg近くなってしまうので油断は禁物である。

 写真はcosinaのC1sというカメラである。メーカー自体はあまり有名でないが、オリンパス(OM2000)やリコー(XR8super)、さらにはあのNikon(FM10)にまでOEM供給されているボディである。フルマニュアルTTL露出計付きでシャッタスピードは1〜1/2000秒までと実用上は充分なスペックでお買い得である。全機械式で電池が無くても露出計以外は動作するところが冬山向きである。
 最近はフォクトレンダーシリーズの母体となっているボディで、マウントはKマウントなのでペンタックス用のレンズが新旧問わずにくっつく。
 外装は総プラスチックなので軽く、がしがし使える点がよろしい。インターネットの通販で16,000円で買った(今でも新品16,000円で売っているようである)。レンズは昔から持ってたので買わなかったが、古いペンタックスのレンズは格安(暗めの50mmや標準ズームで1万以下)で売ってることがあるのでそれを買っても妙なコンパクトカメラを買うより安くてよく写る。新品の標準ズームレンズでも1万円台からあるのではないか。妙なコンパクトカメラはコンパクトでない場合もあるのでおすすめである。写真のレンズは今はもう作っていないがリコーのいわゆるパンケーキレンズで45mm1:2.8とあまり明るくないが全長約2cmフィルター径52mmと大変コンパクトである。

 撮影目的以外で中型以上を持っていくことはまずない。
 デジタルカメラも興味があるがまだ欲しくない。
 三脚も持っていると楽しい。

つづく

(H12.11改 岡田)