個人用マット


 如何に多数のお酉様の犠牲の上に成り立った羽毛が何kg入ったシュラフにくるまれて眠ろうが、体重によってつぶされた背中側の羽毛の下が摂氏零度以下の雪の上にナイロンのシートを1ないし2枚しいただけでは当然、背中が冷たい(俯せで寝れば当然腹が冷たい)。たとえ薄さ数mmの銀マットをひいたところでまだまだ冷たい物である。
 銀マットは共同装備として持っていくのが一般的だと思うが(単独の場合は好きにする)とてもそれだけでは我慢できないので個人でマットを持っていくことになる。別に持って行かなくても眠れないことはないが、あった方が楽ができる。少しごつごつするがザックなんぞをひいてその上に寝れば下からの冷えにはある程度対応できるものと思うが、かさばるけどたいして重いものではないので是非持っていこう。
 まさか海水浴に持っていくようなものや、オートキャムプ用の厚さ1cm以上もある銀マット、幅1m数十cm、厚さ十数cmもある2人も寝られそうな派手な色のエアマットを持っていく人はないと思うが、だいたい個人で持っていくマットの選択肢としては

  1. ウレタンマット
     画像準備中 
  2. エアマット
    キャラバン ライトウェイトエアマット
  3. ウレタンマットとエアマットの中間くらいの高級マット(なんと呼ぶのだろう?)
    カスケードデザイン ウルトラライト3/4 たたんだ状態

などがあると思う。昔は炭俵などを敷いたと言う話も聞くが、どうせ持つなら3番あたりが一番いいのではないだろうか?

 1あたりは軽くて断熱性がいいし、安いので愛用してるけれどもかさばること夥しいのが難点。よく銀マットの厚手のようなやつを巻いてザックの外に付けてる御仁がいらっしゃるがあまりおすすめはできない。岩角や木に引っかけて破れたり落としたりバランスを崩して危険なので折り畳んでザックに入れるのがいい。現にマットを山で拾ったことがある。キスリングを使っていた時分はウレタンマットをビニロンで覆って折り畳み式にしたものが一般的で、みんな持っていたが今は売ってるのも見たことがない。(自分は今でも愛用している)

 2のエアマットは断熱がよく、畳むとコンパクトになってよい。昔はゴム引きの重量感あふれるものであったが最近は重いものは見あたらなくなった。ただ空気を入れすぎるところころして寝心地が悪いだけでなく寝てるうちにおっこってしまったり、逆に空気が少なすぎると体が地面と接触して冷たかったりするのが欠点。また、パンクすると全く使い物にならなくなるので修理用具は必携となる。空気を入れるところの構造をよく吟味しないと寝ているうちに空気が抜ける事態に陥るので安物は使わないように。半身用の小さい物で充分だと思う。レジャー用やその他のものは重いし寒くなると素材が硬化するものもあるので登山用と銘打ったものを使うのが身のためだと思う。

 3のなんと呼ぶのかわからないマットは他のものよりも高価である。が高価であるぶん威力も絶大(らしい)快適である(らしい)。コンパクトさは1と2の中間ぐらいで、1と2の長所を兼ね備えている。広げると勝手にふくらんでくれるので、2ほど肺を酷使しないしパンクしても1程度の断熱性は確保できるのではないだろうか。
 (らしいというのは自分が所有していないのである。うらやましい)

個人的評価としては

と言うようなことになると思うが、価格は抜きにしても絶対3がいいと思う。自分の場合は価格がネックになって3は遠慮させていただいている。


(H12.1 岡田)