平成8年度夏合宿奥秩父・東沢 ホラノ貝沢 左俣


期  日 1996年8月19日(月) 晴れ
パーティ 阿部 功 中村 孝 水野 二朗 中村 優 村瀬 みゆき 大久保 純
タイム BC ― ホラノ貝沢出合い(8:00)― 鶏冠尾根(14:00)― BC(15:20)

 本日はホラノ貝沢である。この沢は、今回の夏合宿で是非とも行きたかった沢の一つ

であった・・・。
 予定通り、午前7時にBCをに出発し、ホラノ貝沢へと向かう。朽ちた橋のところが出合である。ここで一旦東沢の本

80mナメ滝を登る

流へ下降し、しばし「ホラノ貝のゴルジュ」を眺める。出合のすぐ上の、2段10mの滝の上部にて、登攀具を身につける。すでに沢の水量は少なく、水筒に水をつめておく。

 ナメというよりは草つきと言った方が良いと思われる80mのナメを過ぎると、本沢の核心部、30mチムニーだ。遡行図のアドバイスを読むと、「悪い」が3連発・・・。 阿部さんがフラットソールに履き替えてリードする。セカンドは大久保。ありったけの支点をつかみ、残置シュリンゲに足まで掛けて登る。途中ザックの中にあるフラットソールに履き替えなかったことを悔やむ・・・。

  30m岩溝状を過ぎた付近でルートが不明瞭となったが、村瀬さんが木の枝に付けられていた白いテープを見つけ、ルートに間違いがないことを確信し、さらに進む(私はこの白いテープをいじっているうちに、ボロボロにしてしまった・・・)。

 ようやく稜線に到着し、しばし休憩する。ここから、鶏冠谷出合へ一気に下る。踏み跡がしっかりしており、道標も多かった。稜線から30〜40分で出合へ到着。スリルに満ちた登りのわりにはあっけなく出合についてしまった。    

  (以上記録 大久保 純) 

 さて、本日は神より活動を許された日である。(因みに昨日は日曜日。信仰厚い私には−他の3人は知らぬが−日曜日は活動をせず神への祈りに費やすという特別な日である。他人の目から見れば、他の3人のごとく二日酔いで一日休んでいたように見えたかも知れぬが、その精神活動たるや全く雲泥の差、月とスッポン、恐れ多くもこの信心深い私と彼等とを同一視なんぞしたら、天罰が下るぞ!! と言った感じである。ちょっとかっこの中が長くなってしまったので、この辺りでかっこを閉じることにしよう。そして、記録は上に大久保さんが書いてくれてることを言い訳に、簡単な感想にしてしまう無礼を許してくれ給へ。)

30mチムニー滝を登る

 ルート図集に書いてある通りで、登攀要素が強い沢だ。30mチムニー滝はやはり悪いクライミングを強いられた。(途中で左にまわりこまないで、あと一歩上に行くと右に大きなスタンスがあるので、ここに立ってから左に行くと簡単)
 
 しかし、他も部分的にいやらしく、基本的な岩の技術がないと、ザイルをつけたりで時間がかかる。2級といっても、ヒツゴー沢(谷川岳)や米子沢(巻機山)よりも難しい沢だと感じた。また、夏は薮が濃くルートが判然としないから、秋にでも行くのが良いと思う。(特に上部が分かりにくい。)          
 


鶏冠尾根の下降路について】
 白山書房の「東京付近の沢‘94」page-199に書かれているように、かつてはチンネのコルから先の道が迷い易かったけれども、赤テープが沢山付けられ、分かり易い道になっていた。チンネのコルから先の道標(標識は西沢でなく広瀬)から「・・・2m下った所で左の倒木を乗越して直角に左に折れるのだが、この入り口には道標がない。そのまま直進してホラノ貝沢の源頭に迷い込むパーティーが多い・・・・・。」とあるが、現在(平成8年8月)はこの倒木は撤去されてる。赤テープに導かれるまま歩けば40分程で鶏冠谷の出合に着くことができる。      (以上記録 中村 孝)