城ヶ崎
山 城 宗 健
メンバー ジロー、シンゴ
7/11 10時15分過ぎ、水野家着。 例に依って何処に行こうかと言うところから始まる。
前日までの予定では、谷川の南稜等という話もあったのだが、色々悩む。谷川か、伊豆か、或いは瑞牆の北稜ルート何ぞと言う話もあったのだが、結局何時もの通り伊豆に行くことにする。その間、日本登山体系を始め瑞牆のルート図や何かを拡げて行き先を決めるのだが、なかなかどうして。
水野家を出たのは、11時20分頃。環七から目黒通りを通って、東名に。御殿場までの間は快調。ここまでは順調。然し、然しである。御殿場から箱根に上がり、芦ノ湖スカイラインに入ろうとするが通行止め。仕方なく箱根にはいる。これが第一の間違い。強羅から山崎に出るが、右折左折で悩み右折し、やっぱり間違えて、元に戻って左折。然しそれも間違いで、結局もとの道に。ここで運転手交代。ドライバーはジロー、ナビ山城。漸くバカみたいな難問を抜けて伊豆スカイラインに入る。所が、ところがデアル。この伊豆スカイラインが曲者で、ヤンキーの兄ちゃん達をやり過ごした途端、ものすごい濃霧。視界はせいぜい10メートルぐらい。突然、スピードダウンして遅々として進まない。時刻は未だ1時半ぐらいかと思うが車は時速30キロほどにおちて周りが何も見えないので異様。さしずめ冬場のホワイトアウト並でジローはセンターラインを懸命に辿るしかない。こんな運転が長く続くはずもなく玄岳から熱海にエスケープ。丁度錦ヶ浦のところで何だか戻ったような感じ。
然し、135号線はすいている。後は伊東のコンビニでアルコール類とつまみを買うだけになった。所が又しても所がデアル。今度は何よりも大事なこのコンビニが見あたらない。行ったり来たりして、コンビニが消えた。否、消えたのはコンビニではない。自分の記憶である。これは出口のない迷宮に迷い込んだか、或いはアルツハイマーの進行か。段々辺りが明るくなってきているので、焦る。落ち着いてよくよく思い出す。あった!やっぱり坂の途中のファミリーマート。酋長ウソつかない。溶けてしまった脳味噌は戻らないが、アルツハイマーはくいとめた。そして、薬を購入。秘密の幕場についたのは午前4時5分前。急いでビール500ccと冷酒4合を呑む。もう5時だ。寝てもしょうがないので移動。移動したのは5時過ぎ。浮山橋のゲルニカを前にして一枚岩で二人揃って、就寝。太陽が燦々と輝き今日は快晴。
5時半頃寝たにも拘わらず、9時起床。暑い。もう30度ぐらいはあるのではないか。とてもお休みしていられない。滅茶苦茶眠い目をこすりながら仕方なく起きる。ゆっくり朝御飯。コーヒーとカップ麺。急いでもしようがない。この時期城ヶ崎に来るのは我々ぐらいだ。人のいないときでないと来れない。
そろそろ始めましょうかと、トップロープをセット。ゲルニカと隣のトラベルチャンスにザイルを掛け、右のゲルニカから始める。ここはいつも下部のクラックをフィストジャムで越すことが出来ない。テープでぐるぐる巻にした右手をフィストで引きつけて左手をハンドジャムで越すことが出来ればよいのだが、それが出来ない。だから常に僅か2〜3m足らずで墜落する事になっている。今日も何時もと同じ。原因はいつも二日酔い、今日は睡眠不足ということにしよう。因みにグレードは5.10d。ここを登った人は我らが阿部ちゃんだけである。ジローと二人で何回挑戦したか。何しろフィストから左手の所で何時も墜落。今日もダメ。休憩にする。ここはコーヒーとタバコの消費が多い。
続いてトラベルチャンスの右にチャレンジ。フェースの細かいホールドを上に行くがこれも難しい。本を見るとクラウドと書いてある。グレード5.11b。不可能。その左トラベルチャンスに。諦めが早いのが特徴である。昔と違って、持久力で勝負したりしない。登れもしないのに難しいところばかり行きたがる。ところがトラベルチャンスの5.10bもクラックから立ち上がって、前傾しだした所で三手位しか上がれない。二人ともスランプということにする。
又休憩。気分を変えるために昼食。いつもは飯なんぞ食べずにアルコール臭いげっぷばかりだから、少しは常よりマシな筈もやはり実力を発揮してしまった。何故素晴らしい実力を発揮することが出来ないのか考えてから行動した方が良いかも。
そして午後は、午前中の繰り返し。ザイルにテンションばかり掛かってどうしても重力に逆らえない。一度やってダメなモノは二度三度やるほどに余計ダメという感じ。分かっているのに・・・午後4時前退散。6時間以上もやっていた事になるが、実際はその半分ぐらいの登攀時間であろう。いつものように次回に期して帰る。
じかいは自戒の事かも。