笛吹川東沢 『鶏冠谷左俣』 遡行
  大久保 純

期  日  1997年7月27日(日)〜28日(月)          
メンバー  大久保 純                       

 当初の予定では、中村(孝)先輩とあこがれの前穂高へ本ちゃんに行く予定だったが、天候不順のため中止となり、天気が気になったが鶏冠谷左俣に行くこととなった。

7月27日(日) 天候 曇のち雨 西沢渓谷P(20:45) 東沢出合BS(21:20)

 流山を夕方5時に出発し、西沢渓谷へ向かう。途中、中央道の大月あたりで雨が降出す。西沢渓谷の駐車場に着いた頃は本降りとなっていた。日曜日の今日、駐車している車は1台もない。待ったところで雨は止みそうになかったので、雨具を着て東沢出合へ向けて歩き始める。闇夜のなか、ヘッ電のみを頼りに歩くが、薄気味悪い。最近起こった忌まわしい事件(神戸や三重で起こった殺人事件)を思い出すと脂汗が出てくる……。30分程で無事に東沢出合に降り、昨年の夏合宿と同じ場所にテントを張る。


7月28日(月)天候 小雨 東沢BS(9:40) −二股 −稜線(14:20) 鶏冠山 − 東沢BS(18:10)
  6時に起きてみるも、あいにくの雨。せっかく来たのでもう一眠りし様子見することとする。8時過ぎに目覚めるも雨は止みそうもない。東沢本流も昨晩からの雨で増水している。このまま帰るか迷ったあげく、とりあえず行けるとこまで行くこととした。

  ナメや小滝を遡って行くと、最初の関門『魚止めの滝』が現れる。直登可能のようだが、滝の落口辺りがいやらしく、右から高巻く。しばらくすると、左から飯盛沢が、奥の飯盛沢と合流する奥の飯盛沢は、水量は少ないがその落差には圧倒される。20m『逆くの字の滝』を過ぎしばらくすると二股に到着する。

 ここで一本取り、左股へ向かう。左から注ぐ『一の沢』『二の沢』、『三の沢』を過ぎ、ナメと小滝の続くなかを遡る。ようやく『四の沢』の出合に辿り着く。ここから先、本流を進むべきを間違えて『四の沢』に入ってしまったことが後でわかった。

 というのも『奥秩父・両神の谷』(ヤマケイ社出版)の遡行図では、『四の沢』は左で本流は右となっており、これに従ったためであった(ちなみに『東京周辺の沢』(白山書房出版)では、四の沢は右から注いでおりこちらが正解)。『四の沢』に入り込んでしまったため、この先悲惨なヤブこぎを強要される羽目となった。

 小雨とガスと深いヤブで視界のきかない状況のなか、鶏冠尾根を目指し北西に進んだ結果、14時20分に鶏冠尾根上の稜線(登山道)に辿り着く。靴を履き替え、レーションを食い、足速に鶏冠山へ向かう。15時20分鶏冠山到着、相変わらず小雨とガスで視界悪く休まず下る。途中の岩稜帯で懸垂する。45mザイルで慣れた人なら、恐らく1回で降りるところを、3回かけて慎重に降りる。しばらくして、尾根から鶏冠谷出合へ下る分岐点に到着する。

 ここから先は昨年の夏合宿で『ホラノ貝沢』の下降時に通っており、一安心する。東沢出合に到着したのは18時10分、手早くテントを撤収し、駐車場へ向かい、長い1日の行動を終えた