丹沢『キュウハ沢』遡行
大久保 純 

期  日  1998年5月24日(日)  曇 時々 雨
メンバー  大久保 純
タ イ ム  天候 曇り時々雨
       塩水橋(7:00)−キュウハ沢出合(7:45-8:00) −丹沢山(10:45-11:00) −塩水橋(12:20)

 流山を 4:30 に出発し、首都高〜東名・厚木ICを経て宮ケ瀬ダムへ向かう。20年程前、横須賀の自宅からヤビツ峠にサイクリングに行ったが、当時はダムはなく、ひっそりとしていたが、今や立派な観光地に様替わりしている。宮ケ瀬ダムからヤビツ峠へ至る県道の『塩水橋』付近に駐車する(ここから先、本谷川林道・塩水川林道ともゲートが閉じていて進入不可)。本日2度目の朝食を採りいざ出発というとき、雨が降出したため、車中にてしばし待機する。

  7:00、小雨の中、出合を目指して本谷川林道を歩き始める。小1時間行くと、右側から堰堤の見える大きな沢に出くわす。これがキュウハ沢である。早速身支度をし、8:00に遡行開始する。堰堤を4つほど越え、ゴルジュ帯に入ったところで、6人ほどの先行パーテイーに追い付く。少々強引に追い抜こうとしたとき、この中の1人から自分の名を呼ぶ声がした。振り向くと、なんと村瀬さんだった……。挨拶だけ交わし、そそくさと傾斜のゆるいナメを登り始める。ここまでは良かった。が、お互いバツ悪く、とにかくこの場から逃れたいという焦りから、ものの見事にこのナメで滑り落ち、村瀬さんのパーティーの男性をも巻き込んでしまった。現場は3mくらいの滑り台状のナメだったため2人とも怪我はなかったが、この男性とナメの上にいたCLらしき人に丁重にお詫びをし、先に行かせてもらうことにした。穴があったら入りたいとは、まさにこういう時をいうのだろう……。

 左から四町四反の沢が入り、そこを過ぎると有名な『キュウハの大滝』(F1 12m) となる。遡行図通り、左側のチムニー状を残置シュリンゲをしっかり掴んでA0で越えるも、沢シーズンに入ったばかりのせいか、どうも体の動きが固くスムーズに越せない。この先、大ガラン沢出合までの間、8 10m 程度の滝(F2 F5) があり、そこそこ楽しめる。F5(210m)だったと思うが、上段を複数の残置ハーケンにビナとシュリンゲの掛け替えをして登った。崩壊が進んでいる大ガラン沢出合にて一本取る。ここまで来れば『村瀬隊』に追い付かれることはないだろう。

 休憩後、水流のほとんどない左の細い本流を進む。すぐに遡行図に記述されているCS( チョックストーン)となるが、ボロボロでガレ状となっている。ここからが長いガレ沢が続く。F6、涸滝を越え、ガレが土に変わり樹林帯になると、丹沢山は目前となる。樹林帯は無数にある不明瞭な踏跡(シカの道らしい)を直上すると、丹沢山頂から 50M位『本間の頭』よりの登山道に出る。頂上でゆっくり休もうと思いきや、雨が降りだし、身支度を整えて足速に天王寺尾根を下り始める。途中で本降りとなり、雨具のズボンを持ってこなかったことも手伝って靴もジャージもズブ濡れ状態となる。12:20,駐車していた塩水橋に到着、行動を終える。