湯河原・幕岩
期 日 |
1998年10月10日(日) |
メンバー |
人見邦明部長、佐藤勝也、水野二朗 |
○岩登り(やっぱりヤツも酔っぱらいだった幕岩編) 水野 二朗
10月10日、体育の日。久しぶりに幕岩にいった。今日は3日前に説明会にきた佐藤君を連れて、彼にとっては予備知識ゼロからの岩登りである。湯河原駅に着くと駅前では人見先生が、ウンコずわりして我々を待ちかまえていた。うーん、あぶない。どう見ても英語教師には見えない。
いつものように茅ヶ崎ロックに向かう。思ったほど人はいない。はじめに一通り道具の説明をして、ハーネスの付け方、ザイルの結び方を練習する。そしてさっそく岩にトップロープを張り、とりあえず登ってみることにする。まあ、人見大先生は登り慣れているだけあってすんなり登っているが、本日岩に触るのがまったく初めての佐藤君は一本目だいぶ苦労したようである。しかし、少し慣れてくると多少力が抜けてはきたようだが、まだまだ足元を見る余裕はない。そのうち疲れてきて落ちるかな、と思っているとこれがまた粘ること粘ること。初めて落ちる恐怖もあるだろうが、若いだけあって体力ばりばり、いくら足がミシンを踏んでいようがぜったいに落ちずに最後は登ってしまう。さすが、若いっていいね、と人見先生と感嘆しながら見物させていただきました。
そして、午後にはいきなり懸垂下降などを初めての人にさせてしまいましたがなかなかどうしてこつを掴むのが早く、これからが楽しみであります。
帰りはこれまたいつものそばやでアジのたたきをつまみにビールをクイっとやって、帰りの電車に乗ったのであった。当然電車の中でも飲んでいたことはいうまでもありません。そしてここで早くも発覚したのが新人S君はかなりの酒飲みであるという事である。電車の中で、あっという間に缶ちゅうはい三本をごくごくと飲み干し、まだ足りなそうであったが、どうも世の中が彼を中心にぐるぐる回りだしたらしく、ゆらゆらとご帰還になった。人見宴会部長と私はしょうがないので品川周辺の飲み屋を散策してから本日の行動をおえた(大久保さん式)。
− 幕岩にて岩登り − 佐藤 勝也
タイトルに岩登りとありますが、私は当日まで沢登りをするものだと勘違いしていました。
沢登りなら川の中をざぶざぶ入るだろうから、短パンの方が好都合にちがいないと思い、軽装で出かけてしまい、後でそんな服装で来たことを悔やむのでした!
現地集合ということでしたので、東海道線で湯河原まで向かいました。本を読んだり居眠りをしていますと、私の目の前の席にリュックを背負ったスラリとした好青年が乗り込んで、リュックを降ろしました。どこかで見たことがあるような好青年だと思ったら、なんと水野さんでした!水野さんはスティーブン・キングの原書を読んでいました。そしてその車中にて、岩登りをするということを知り、また道具やら本やらを見させていただきました。
そして湯河原に着くとすでに人見さんが来ており、昼の弁当を買い、タクシーで幕岩まで向かいました。タクシーの運転手さんは若い女性でした(名をさおりと言う)。私はこの日、岩登りに加え、女性ドライバータクシー乗車をも初体験したのでした!
ハーネスの着け方、ロープの結び方を教わった後、初心者向けの「アリさんルート」に挑戦することになりました。始め、水野さんがカラビナという鉄の輪っかを岩壁に打ち込まれた丸い穴のある杭に取り付けながら登り、頂上からロープを垂らしてくれました。どのように登るのか参考にしようとよく見ていましたら、身軽にスイスイスイスイ登っていったので、自分もなんとか行けそうだ、初心者コースだしなと思い、緊張しつつ登り始めました。
ところが、4、5歩登ると、それ以上先に指をかける所がなくなってしまい、にっちもさっちも行かず、必死に壁にしがみつく形になりました。汗がぶわっと噴き出し、ふくらはぎは制御不能なほどにけいれんし、気を緩めたら地面に落ちてしまいそうです(実際には命綱があるのでそんな事にはなりません)。ついさっきまで簡単だなと思っていた自分が恥ずかしくなりました。ついに見かねた水野さんが私の真下まで登ってきて、アドバイスして下さったのですが、はっきりいって耳に入りませんでした。なぜなら、私は短パン、トランクスといった軽装で来てしまったために、真下から覗かれると股間が丸見えという状態になってしまうので、気が気でなかったからでした!
休み休み、失敗をしながらついに頂上に立った時、心の奥から達成感みたいなものが込み上げてきました。それはまるで、「ロッキー4」でロッキーがロシアの山にこもってトレーニングを積み、仕上げにものすごい積雪の雪山に脚を取られながら駆け上り、「ドラーコーーっ!!」と叫んだ時のように吠えたい気分でした。
頂上からの雄大な山の景色を堪能した後、今度は懸垂下降の練習をすることになりました。これは壁に体の前面を向け、足を伸ばして壁に付け、体重をかけてスルスルと降りる、それは「気持ちよい」降り方だそうです。が、初めてそれをやるとなると、おっかなさが先立ち、気持ちよく降りられません。ロープを緩めると勢いよく落っこちていって、慌てているうちに地面に激突するのではないかと考えてしまい、力が入りすぎてちっとも下に進みません!それでも、地面が近づいてくると恐怖感が薄れ、懸垂下降の形で降りることができ、気持ちよかったです。
次に「いんちきするな」、「シンデレラ」というルートに挑戦しました。これまた、じっくり時間をかけて登りきりました。「シンデレラ」ではそのルートのてっぺんに、なんとニホンザルが座っていてこっちを見ていました。思わずその姿を写真に収めました。むくむくしてかわいくて、触りたいな、でもかみつかれたらやだなと思っていたら、どこかへと去っていきました。
最後に、一日私が岩を登るのを見て下さった水野さんが登りたいという「かがみわに」という所に行きました。その壁の前に立った時、こんな所、どうやって登るんじゃと思うくらい、つるりとした壁でしたが、水野さんは見事な指さばき、足さばきで登っていきました。私も挑戦しましたが、2、3歩が限界でした。
3時頃、山を下り、行きでお世話になったさおりさんのタクシーで駅まで行き、駅前のそば屋で冷たい生ビールで乾杯。帰りの電車の中でも、人見さんが缶チュウハイとちくわをご馳走して下さり、結構酔っ払って、品川で人見さんと水野さんと別れた後の記憶があいまいなのですが、なんとか家に辿り着きました。
翌日は全身筋肉痛でした。
天候も良く、楽しい一日でした。水野さん、人見さん、付き合って下さってどうもありがとうございました。ぜひまたよろしくお願いします。
(編集者注 文中「かがみわに」とあるのは「とけいワニ」の誤りだと思います。)
稜友MEMO平成10年11月号