期 日 メンバー 2/6(土) |
1999年2月6日(土)〜7日(日) 人見邦明、吉田佳代 7:00田端駅→9:50〜10:20美濃戸山荘→12:1 0〜13:20赤岳 鉱泉→赤岩の頭→硫黄岳山頂15:00〜15:20頃→赤岳鉱泉16:15頃 |
2/7(日) | 6:20赤岳鉱泉→地蔵尾根→赤岳山頂9:10〜9:30→地蔵尾根→中山乗越→ 赤岳鉱泉11:10〜12:50→美濃戸山荘13:40 |
朝寝坊した為、パッキングもそこそこに家を飛び出し、待ち合わせ場所の田端駅へぎりぎりセーフで辿り着く。人見先生の愛車で一路美濃戸へ。中央道を走っていくと八ヶ岳が目に飛び込んできました。あの一番高いところに登るんだとわくわくすると同時に、大丈夫かな・・あまりの雄大さにちょぴり不安になります。
諏訪ICを下りて美濃戸山荘まで車で入り、装備を整えて赤岳鉱泉を目指して歩き出しました。2度目のプラスティックブーツはやはり重く歩きにくくてゆるやかな登りにも関わらず、到着まで非常に長く感じました。赤岳鉱泉に到着すると、たくさんのテントが張ってあります。
そこで私達も整地してテントを張り、昼食をとって元気を取り戻したところで硫黄岳を目指しました。午後である為か登っている人はあまりいません。白く美しい樹林の中での静かな山歩きです。荷物を背負わなかったので体がとても軽く快調に歩けます(が、やはりスピードはゆっくり、です)。アイゼンを着けて登ったのですが、ふかふかの雪でいまいちがしっと刺さっているという感触がなく、足がずぼっとはまってしまう場面も幾度かありました。
少しづつ急登になって森林限界を超えたというあたりから上を見上げると稜線が見えていよいよ頂上も間近かなぁと最後の急登を登り切るとその瞬間、痛い風が吹いてきました。とりあえず近くにあったケルンで風を避け、帽子をしっかりかぶり襟を立てて頂上を目指しました。
ここで人見先生が、登頂はレディファーストと前を歩かせて下さったのですが、前を歩くとプレッシャーでつい足早になり、襟を立てて息苦しくなってしまったことも重なって呼吸困難に陥りました。結局、先生に前を歩いて頂き、またゆっくりペースで頂上を目指しました。
岩場になって一部バランスの取り難い箇所を慎重に抜けて、頂上に到着することができました。相変わらずすごい風ですが目の前に憧れの穂高連峰や槍ヶ岳まで見ることができます。初めて自分の目で見た槍ヶ岳です。感動のあまり・・ではなく寒さのあまり涙が止まらなくなってきて避難小屋の陰で休憩を取りました。温かいお茶がとても美味しく感じられました。そして下山。
岩場を再び慎重に通過して稜線を離れると不思議なことに風がぴたっと止みまた元の静かな樹林が続きます。下山は早くところどころ近道をすべりあっと言う間にテントに戻れました。
本日の夕食はお赤飯とハンバーグです。私はジフィーズを初めて食べたのですが、お湯を入れて少々待てば美味しいご飯が出来上がってびっくり。また、お酒も嗜む程度に頂いて本日は快適に眠りにつけたのですが、少し冷え込んだようで結局途中でおきて眠れなくなってしまいました。先生もマットに傷がついていた為空気が抜けてくるようで寒くてあまり眠れなかったそうです。
隣の合宿テントから4時頃物音が聞こえ出し、いっそのこと起きようと起床。トマトソースのペンネにスープと優雅な朝食を頂き、明るくなってきた6:20赤岳を目指し出発。
今日も私は荷物を持たず歩きはじめました。快調に中山乗越、行者小屋を経て地蔵尾根の急登をゆっくり登り、ふと気がつくと鎖や梯子が出てきたので、ピッケルを確実に地面にさし、先生にかなり遅れをとりながらも一歩づつゆっくり慎重に進ませて頂きました。そしてまた気がつくと稜線に出ていましたが、昨日と同じくかなり痛い風。しかしながら昨日の経験さえものを言うのかそれほどつらく感じませんでした。昨日は被らなかった目出帽を被っているせいかもしれません。
そして歩きにくい岩場を超えてとうとう赤岳山頂に到着。ぐるっとあたりを見回すと360度雄大な山々に囲まれて素晴らしい景色。昨日と同じく各アルプスから剣の方まで、あっちは日光・・とずーっと見ていても飽きないのではないかと思われる美しさでした。とは言うものの寒いことには変わりありませんので一息ついて下山することになりました。
当初、文三郎尾根を下れればという計画だったのですが、私の歩きに不安があり地蔵尾根を下ることになりました。この下りは登りより何倍も難しく感じました。足が竦むということはないのですが、少しでもバランスを崩そうものなら落っこちそうだなぁと怖怖、おそらくへっぴり腰で歩いていたのではないかと思います。何とか慎重に鎖場を通過したあと足早に下山しますが、せっかくということで中山乗越の展望台に寄ることになりました。八ヶ岳の峰々が目の前に聳え立ち、圧倒されました。小同心クラックと呼ばれる岩を登っている人たちや縦走している人たちもちらほら見えました。
しばし見とれてから我が家へ戻り、撤収すると同時に虫干し状態に放り出した荷物を詰めて、最後に暖かい日差しの中で乾杯・ラーメンを昼食として赤岳鉱泉を後にしました。美濃戸山荘からは阿弥陀岳に登ってきたというオーストラリア人のおにいさんと美濃戸口までご一緒したのですが、20分程のお二人の会話で人見先生の滑らかな英語に尊敬の念。
今回も反省点がたくさんありますが、特に冬山におけるピッケルと目出帽の大切さをひしひしと感じ、道具を使いこなせるよう経験を積まねばならないと感じました。八ヶ岳の他の峰も登れるように、そして硫黄岳や赤岳に次回は不安なく登れるように努力したいと思います。今回も素晴らしい山での週末でありましたことを報告させて頂きます。ありがとうございました。