スタートは釜トンネルから | 穂高もきれいに見えています |
12月28日
夜半から雪が降り初め、雪の中の出発。風はないので穏やかだ。一応、ツェルトとスコップに加え、今夜&明朝の食材+ガスも持っていく。徳沢園の右側から登り出す。軽く新雪を被った、新しいトレースがあった。しばらくの間は急登なので殊更ゆっくりと・・・まだ暗くてあまり先を見通せなかったのは良かったかも知れない。今思うと見通せてしまったらゲンナリしただろう。
傾斜が弛んでホッと息をついた所にテントが一張あった。ステキなテン場だ。段々、ツボ足だとはまる箇所が多くなってきて、「折角だからわかん付けてみよう」と笹田さんから声がかかった。昨年の春先購入してずっと出番がなかった私のわかんがめでたくデビューとなる。いそいそとバンドを締めていると、4、5人のパーティが降りてきた。昨日は上で泊まったのか・・・と思ったら撤退してきたのだという。「倒木のある所で右に行くべきだったのを間違えたので、トレースを信じずに行くように」というアドバイスを貰い、それまでのラッセルのお礼を言って別れる。
ほどなくして、その地点と思しき場所に出る。(私はそのままトレースにつられて尾根に沿って直登しかけていたのだった。反省。)後で確認すると夏道が大きく右に回り込む2200Mの辺りだったのではと思うが、どうだろう。トレースから右に数メートル外れた所に倒木があり、赤布がついていた。丁度そこで休憩していたパーティによると他の先行していたグループはトレース通しに行ったらしいが、私たちは右へコースを取ることにした。そこからはひたすら膝〜膝上、時に股位のラッセルになる。夏道が隠れていると思われる凹みを見定め、前方を見すかして赤布を追う。いつしか他のパーティと一緒になってどんどん先頭を交代しながらのラッセルリレーになっていて、猛烈に楽しい。
笹田さんから撤退の判断が下ったのは12:13。いたさんが高度計を確認すると2600M地点、皆で地図を眺め、長塀山〜妖精の池の間ではないか・・・と推察する。空は大きくなってはきたものの、相変わらず思いっきり樹林の中で何も見えない・・・。残念!休憩したあと、撤退開始。この頃から晴れ間が見えるようになる。徳沢まであと少しという所の樹林の切れ間から穂高が見え、笹田さんの説明を聞きながら眺める。徳沢に戻ってきたのは16時近かったので、撤退はやはりあのタイミングだったのだなぁと思った。
明日はマッタリと上高地周遊の旅に決定。夜トイレ待ちしながらあっちゃんと並んで降ってきそうな満天の星を眺める。明日の天気に期待!
笹田さん、超ラッセル! | 深い雪の樹林帯を進みます |
12月29日
朝はゆっくり起き、朝焼けを眺めながらフラフラする。ちなみに八ヶ岳フレンチトースト事件のカトさんが再起をかけた野菜ラーメンは絶賛され、名誉は挽回された。27日は梓川沿いの登山道を歩いてきたが、今日は雪に覆われて雪原になった河原をいく。天気は最高、穂高も切り取ったようにパッキリ見えて、雪煙が上がっているのも見て取れた。行く手を流れに阻まれる所で右岸へ上がってしばらく行き、明神橋のたもとで大休止。お湯を沸かしてお茶タイム。その後は明神池を散策・・・気分はすっかり観光旅行だ。
13時には小梨平に着いてしまって今日はこれでおしまい。梓川から水を汲み、テントを張って、側のベンチ&テーブルに陣取る。こんな天気の良い中、こんな所で宴会できる幸せに酔いしれつつあったとき、声をかけてきた人がいた。昨日一緒にラッセルした2人パーティだった。昨日は途中で泊まり、今日登頂してきたとのこと。思いがけない再会で嬉しかった。
今日は上高地周遊の日 | 穂高神社奥宮の鳥居 |
明神池を見学 | 小梨平で楽しい宴会 |
12月30日
見納め、と清水橋から澄み切った流れを見下ろしていると岩魚発見、皆ひとしきり盛り上がる。小梨平で連絡したタクシーは釜トン入口で既に待っており、一路松本駅の前に温泉へ。坂巻温泉は洗い場のない露天風呂のみ利用可ということで、全身泡だらけにして洗いたいなぁとは思ったがよいお湯だった。その後は駅前の蕎麦屋で軽く打ち上げをし、あずさでもいい気分になって夕方遅くならないうちに帰宅できた。
夏は大混雑の河童橋を一人占め | 下山後は坂巻温泉でさっぱり |
蝶ヶ岳は登頂こそできませんでしたが、ラッセルができたのはいい経験になりよかったです。天気やメンバーに恵まれ楽しい4日間を過ごせました。笹田L始めみなさまありがとうございました。