燧ケ岳

              

カト

期日:2009年10月3日〜4日
参加者:カト


10月3日
大清水8:00→8:50一ノ瀬休憩所→10:10三平峠→12:00沼尻休憩所→13:50見晴(幕営)
10月4日
 曇りのち晴 見晴3:40→7:00柴安ぐら→7:30俎ぐら→8:00ナデッ窪分岐→9:50浅湖湿原→10:05→長倉小屋→10:50三平下→11:10三平峠→12:00一ノ瀬休憩所→12:40大清水

 掲示板で募集したが、募集期間がタイトなためか同行者は出ず、初めての単独テント泊 山行となった。

10月3日 曇り時々雨のち晴
 自宅をレンタカーで4時30分出発。家を出てから関越はずっと雨がなく、しめしめと 思っていたら赤城ICから大粒の雨となった。7時30分大清水。雨があがり順調な滑り 出し。登山者が10人ほど先行して行った。この辺の紅葉は今一で、まだら模様。林道を 50分歩いて一ノ瀬休憩所。休憩所は下山した中年登山者団体で一杯。
 休憩所先の橋を渡り左の狭い登山道に入り、ほどなく木道となる。小雨が落ちてくる。 レインウエアーの上着を着る。木道は上りはよいが、下りは滑って誠に歩きにくい。三平 峠で2年間で尾瀬を30数回来ているというおじさんが話しかけてきて、尾瀬のウンチク を20分も聞かされる。どのルートが人気があるかなど参考になることもあったが閉口す る。三平峠から三平下は下りの木道で慎重に行く。テン場の見晴の給水場は壊れていると の情報があり、三平下の尾瀬沼休憩所で夕朝食用と明日の緊急用の水を補給する。
 ここは尾瀬沼の全景が見渡せ、紅葉は黄色系が多く真っ盛りの感。湿原の草もみじは黄 金色一色で圧巻。尾瀬沼の南岸を北西に向い、沼尻休憩所は丁度お昼に着く。こんなに尾 瀬沼に入っていたのかというほどの人また人。早々にして見晴に向かう。
 見晴までは、湿原を少し歩き沼尻川に沿った道を紅葉を堪能しながら2時間弱歩く。見 晴の燧小屋でテン場代800円を払い、登山道の状況と夜の気温を聞く。夜は9度前後で 寒い日は6度まで下がると言う。
 テン場の先客は1張り。持参のツエルトを設営する。設営している間に3パーティが入 ってくるが皆さん立派なテントで、ツエルト張りの私は何となく貧乏たらしい。敷物は雨 対策用のグランドシート、その上に銀マット。15時には設営、荷物の整理が終わり、食 事の支度もしてしまい何もすることがないので、尾瀬ケ原を散策する。天気は回復し燧ケ 岳が間近に美しい姿を見せてくれる。黄金色の広い草原がはるかどこまでも遠くに続いて いる。思い切って来てしまってよかったと思う。17時30分ころ煌々と照らすまん丸の 中秋の名月があがる。月見をしながらいつものウイスキーを堪能した後に夕食。家で愚妻 が用意してくれた肉野菜炒めを温めるだけ。明日の朝食ラーメンの具に少し残す。18時 30分には食事も終わってしまい、することもないので寝る。シュラフカバー、シュラフ、 シュラフインナーに上は下着3枚、薄手フリース、レインウエアーを着こみ、下はタイツ、 下着、ズボンを穿き、足はザックに突っ込み寝る。が、暑い。1時間ほどでフリース、レ インウエアー、ズボンをはぎ取る。暖かい夜で10度くらいはありそうだ。

10月4日 曇りのち晴
 2時起床。すっきり目覚める。コーヒーを飲み、朝食は昨晩少し残した肉野菜炒めを具 にしたラーメン。ラーメン1食分は多かったが完食。ツエルトを撤収し、3時40分出発。 10時間行程を予測し、14時までに大清水に下山するつもりで出る。レンタカーを20 時までに返さなければならないので帰路の渋滞を考慮して運転時間を6時間とった。
 曇った空は暗く登山道は暗闇の世界。ヘッドランプが唯一の頼り。前日来た道を20分 ほど戻り見晴新道登山口に入る。道は小屋主の言うとおりはっきりしている。それでも5 分ほど歩いたところの大木に赤ペンキの印を見た時はほっとした。冷静に印を確認しなが らゆっくり進む。夜間歩行は8月の劒岳で経験済みなので全く不安はない。2時間ほど歩 いた1950mあたりからクマ笹の回廊を急登する。2200m付近の大きな1枚岩を回 り込んでよじ登ると尾根に出る。風と霧がひどい。頂上まで300mの表示があってから が長い。岩とハイ松の道から突然岩稜帯にぶつかり、左の岩壁に道のようなものがあり、 そこに入り岩を回り込んで斜面に出るとハイ松帯にぶつかり道はなく引き返す。8月の劒 岳、夜のハイ松藪こぎ以来ハイ松は鬼門だ。岩稜帯に突入するのが正解で、ちょっと岩を 超えたら印があり何てことはないが、この辺がルート読みの未熟なところ。風が強く帽子 をきつく締め直す。風は強いと言っても那須岳の烈風からすればまだ良い方だ。岩の間を 縫うようにして頂上にたどり着く。証拠写真を撮りすぐに隣に聳える俎ぐらに向かう。
 俎ぐらは柴安ぐら頂上からいったん下り、広いコルから急登する。先に一人で登ってい るのが見える。険しい岩稜を超えると頂上。先に登った人にルートを聞くと沼尻からナデ ッ窪を登ってきたと言う。ナデッ窪は傾斜がきつく下が濡れて滑るので下りは危険だとの こと。俎ぐらも西風が強く岩を風よけに一息入れ証拠写真を撮り早々に下山に向かう。標 識は尾瀬沼、御池、見晴の3方向が表示され地形図と合せ南の尾瀬沼方向を急降下する。 岩稜帯を超えると水の流れで斜面がえぐられた水路のような急傾斜を下る。昨日の雨で滑 るので慎重になる。25分ほどでナデッ窪と長英新道の分岐に出る。
 長英新道は水が流れる沢状の道なため、歩き始めは水がなかったが斜面が緩やかになる ところからは水がちょろちょろと流れその上をピシャピシャ、グチャグチャ歩くので靴と スパッツがすぐに泥だらけ。標高差約300m下のしらびそ樹林帯まで続く。このルート から登る登山者は多く、しばしば上りを待つ。ぬかるんだ道を避けながら尾瀬沼浅湖湿原 に出る。樹林帯から突然広々とた浅湖湿原に出たものだから、帰りと逆方向の湿原中央に 向かって少し歩き尾瀬の湿原歩きを満喫する。
 長倉小屋無料休憩所で温かいそばを食す。天気は良く、尾瀬沼周辺の紅葉は真っ盛りで 1日中ここでボオーとしていたい気分だ。そうもいかないので往路の尾瀬沼周遊基点の三 平下に出て昨日と同じ登山道を紅葉を楽しみながら下山する。
 明け方早く出発し、ちょうど9時間の12時40分に大清水に着く。

 初めての単独テント泊は、反省点はいつも通り多々あるが大過なく終わることができた。 これまで諸先輩にいろいろ教わってきたことがこの山行で大いに活かされたと思う。鍛え ていただいた会の皆様に感謝をしたい。