八ヶ岳(赤岳敗退・硫黄岳)
つりし
期日:2011年1月8日 〜10日
参加者:カト(CL)、グッチー、つりし
1月8日
新宿発7:00−茅野9:08/9:35−美濃戸口10:30…美濃戸山荘11:42…堰堤12:40…赤岳鉱泉13:40…中山展望台14:50…行者小屋15:00(幕営)
1月9日
行者小屋6:10…赤岳展望荘8:00…撤退9:00…行者小屋10:30…赤岳鉱泉11:30/12:30…硫黄岳15:00…夏沢峠15:30…本沢温泉16:00(幕営)
1月10日
本沢温泉9:00…みどりガ池10:30…稲子湯11:30−小海線松原湖駅13:20−小淵沢駅14:36−新宿16:36
1月8日
初日の今日は美濃戸口から幕営地行者小屋へのアプローチ、途中少し時間も早いからと中山見晴台で撮影会。
快晴の中、雪の山々が素晴らしい、赤岳稜線上の山小屋(赤岳展望荘)にある旗もときおり軽くたなびく程度、稜線も無風なのがみてとれる。
その夜は満点の星空、明日の赤岳アタックの成功を約束してくれているよう。
明日は午後から崩れる予報なので、午前アタックの赤岳は行けるだろうと、その時はそう安易に考えていた。
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快晴の美濃戸口 |
すばらしい眺めです |
1月9日
翌日朝食を済ませ、外に出ると風が少し吹き出した、少しガスっている地蔵尾根ルートを黙々と登る、先頭グッチーさんのハイペースに着いていくとバテそうなので無理なく自分のペースで登らせていただく、途中鎖場も何箇所かあるが視界が悪く高度感があまりないためか怖さはあまり感じられない、森林限界を超えると上空で風が音を立てている、稜線はもっとやっかいな状態であることが初心者の私にもわかる。
稜線に出るとやはり冷たい風が吹きつける、指先は寒さで痛くなり、鼻水付の目出帽、湿気のゴーグルが瞬く間に凍りつく、本当に必要とされている機能は今だというのに、使えない。特にゴーグルの結露凍結で良く見えないのには閉口した。
稜線を強風に振られながら山荘(赤岳展望荘)にたどり着く小屋横にある大型発電機のうなる音が頼もしい。ドアを開けるとそこは天国、強烈な暖かさに凍結装着品と緊張がたちまち溶けるが、それもつかの間であった。
ほっと一息の我々に、対応に出た主?曰く「宿泊客の朝食を優先したいので、休憩はさせらない、そこの入口も通行の邪魔になるので困る」との一言、やむなく小屋外の風裏でツエルトを被り小休止。
ザックに入れていた魚肉ソーセージは固く凍りつき、釘が打ちこめそう。
そんな中でも健気に発熱してくれているホカロンがとてもありがたい。
しばらくし男女4人組が下から到着、やはり赤岳アタックを逡巡していて、心強いから一緒に行きましょうかということになり、我々の出発準備を待ってくれる。
人数が増え意気揚々に出発するが、山荘の風裏から一歩出たところで突風にあおられ4人組まさかの棄権(合流してわずか30歩)、結局われわれだけになってしまう。
意を決し赤岳への稜線上を突き進むが、飛ばされないよう耐風姿勢を突風毎にとらざるえなく、体が段々冷え切っていく、こんな状態で頂上まで無事に行けるのか?と思いはじめた頃、カトLが耐風姿勢をとりながら我々に向かい「このまま登っていいか?」と確認してくれる。
そこで無理は禁物と判断し戻ることにする、残念ではあったが正直ほっとした。
登ってきた地蔵尾根を快調に下り行者小屋着、本日はこのテントを撤収し硫黄岳を乗り越す予定なのだが、その硫黄岳は先ほど撤退してきた同じ稜線である。
先ほどの状態では乗り越すのは無理そうか、では茅野周辺の温泉で宴会でも・・という意見も出たのだが(出した?)、せっかくなので駄目元で行ってみるかと、フル装備で出発する。
途中赤岳鉱泉に寄りゴーグルを乾かし、今度は結露しないようザックに入れる。(結果この方法有効であった)
赤岳鉱泉から硫黄岳の道は危険箇所もなく軽快に高度を上げていく、稜線に出る直前にゴーグル装着、コンパスを頂上からの下山位置に合わせ皆乗り越す気満々である。
稜線に出ると、強烈な風に一瞬ひるむが両側が切り立っていないため、多少飛ばされても大丈夫そうなのと今度はゴーグルが機能し視界が利くので、そのまま突き進む。
30分くらい歩いただろう手先が痛み、心の中でまだなのかと思っていたら、前のグッチさんの雄たけび、念願の頂上に着いたのだ。
登頂は難しいのではと思っていたので大変な達成感があり、熱いものが体全体に流れた。
証拠写真を撮り速やかに下山するが、硫黄岳頂上は台地になっており下山道がわかりずらい、視界が無い中、コンパスで下山はこっちと決めて歩いたところにケルンが見えてホッとする。
風はますます強まり、何回かザック毎振られる。途中小さな岩場で小休止、加藤さんからもらった大福がアイスの雪見大福みたいになっており、とても美味しい。
その後 樹林帯に駆け込むと先ほどの風が嘘のように収まり、ほっとする。
ここまで来れば、あとは本沢温泉まで樹林帯を下るだけだが、夜道を歩きたくないのと早期乾杯を目指し一段と速度を上げる。途中本沢温泉近くの露天風呂に入っている人たちがいるが、とても寒そうである。(次の日、ご当人達と偶然話す機会があったが、湯?
大層冷たく、干したタオルはすぐに凍りつき、最悪な験だったということ。)
その日、本沢温泉についたのが少し薄暗くなった16:00、その夜は硫黄岳無事登頂を祝い、10時間行動ができたことを称え合う、とても旨い酒でありました。
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ガスの中を進みます |
硫黄岳頂上! |
1月10日
最終日、本日は高低差のあまりない樹林帯の中をスノーハイク、すこぶる快晴でみどり池から見る天狗岳がとても綺麗である。
ゆっくり起き9:00に出発したが稲子湯まで昼前に着いてしまった。
風呂上り赤岳リベンジを皆で誓いながらのビールは格別でありました。
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快晴のみどり池 |
稲子湯に到着 |
終わりに今回の強風の中の八ヶ岳 撤退の赤岳も含め、厳冬期の雪山が初めての私にはとても思い出に残る充実した山行となりました。
全体を見渡しながらも初心者(私)がいるからと諸々細心の注意を払っていただいたカトリーダー、トップで軽快にチームをリードしていただいたグッチさん 大変お世話になりました。