谷川岳(雪訓)

ほっしー

期日:2011年12月10〜11日
参加者:あつこ、カト、いた、笹田、藍澤、アベ、ママ、なお、つりし、さぶ、エビ、たかたか、たかひで、ほっしー


12月10日
水上駅(8:49)〜谷川岳ロープウェイ駅(9:15)天神尾根〜熊穴沢小屋(10:15)〜肩の小屋(12:25) 幕営地付近にて雪訓
12月11日
幕営地撤収(6:30)〜肩の小屋にて天候状観〜下山開始(8:00)〜熊穴沢小屋(9:10) ロープウェイ付近にて雪訓(11:20)〜ロープウェイ駅下にて解散(13:45)

12月10日
 雪訓初日は好天に恵まれ胸高鳴るスタートでした。ロープウェイ駅エントランスにて車組、電車組合流し荷分け。上がってからはまず列の順番決めから始まりました。皆さん山の話題には花咲く中での発表だった為か、歩き出す時に「誰がどこだっけ?」とちらほら…。「これ今日の核心部じゃない?」とは山田さんの談。初雪訓の緊張も和らぐ光景でした。
 天神尾根を登り始めると紺碧の空、穏やかな風…というか暑い!まるでGWのような陽気に時折立ち止まっては脱衣・水分補給しつつのハイクアップ。自身も汗だくでしたが、汗冷えに苦心することはなく幸いでした。積雪は総じてひざ丈ほど。時折深い木洞に足を取られながら順調に進んでいきます。振り返ると富士山も確認できますが、冠雪が今一つ少ないように感じます。
 熊穴沢小屋より上の尾根では踏み跡を脇に外れラッセル体験。肩の小屋直下は全員横並びで幕営地まで。一旦荷物をデポしオキノ耳で集合写真。笹田さんによるエビの尻尾・雪庇を見て風向きを知るお話が大変参考になりました。この後のテント設置もこれに倣い入口の向きを決めていきます。
 テント設置後、初回と経験者に分かれ雪訓開始です。私は前者、村岡CL指導の下アイゼン歩行とトラバース、滑落停止を学びます。滑落停止は坂を固め、レジャーシートで滑りながら。自身初の滑落停止訓練、おぼつかないながらフォームを意識しつつ繰り返します。いざというとき無心でできるようにならなければ…。
 陽が隠れたころテントへ撤収。宴の始まり。ジャンボテント内に14名!弾む会話の中、奥まった私は度々足を攣らせ落ち着かず。この夜中は月食との話題でしたが見たのは笹田さんだけのようでした。ただ、月が素早く動くのを目撃したという御方が約一名…。夜が更けるにつれ風が強まってきます。

総勢14名でスタートです 紺碧の空、穏やかな風
GWのような陽気です すばらしい眺望のオキノ耳
周囲の稜線がキレイですね たかたかペア特製、絶品キムチ鍋!

12月11日
 朝から視界がなく強風。昨日から一変し、これもまた冬山の表情かと。一ノ倉まで登頂の予定でしたが、苦心しつつテントを撤収し肩の小屋で天候の変化を待ち待機。小屋の擦りガラスの窓からも縦縞状に駆け抜ける吹雪が確認できます。1時間ほど談笑ののち、今回は下山し下で雪訓を行うことに。薄くなったトレースを加藤さんトップで。視界の効かない中正確なルートファインディング。脱帽です。熊穴沢小屋まで来ると吹雪の影響もなく安定した天候に。高度によってもこれだけ違うものなのですね。ここからは数人ごとに分かれてヒマラヤンコンテ。私は山田さん、阿部さんに挟まれ、停止法を教わりました。他グループは落ちるのに勝手の良い坂をそれぞれさがし、実践しつつ下っていきます。途中日帰り組とすれ違い、あの吹雪を目指していくのだな…と安全を祈りつつ見送ります。
 下る途中、昨日見かけたテントの一群を確認。「昨日もいましたね」と先頭の山田さんに声をかけると「あ、そうだっけ…」と言いかけたかの刹那!バッと坂に飛び込む山田さん。「ここできたか!」咄嗟に停止をかける私。完全に意表を突かれピッケルの刺しが甘く一歩引かれてしまう。山田式教育法、痛み入りました。精進します。
 ロープウェイを見下ろす坂で合流し2日目の雪訓開始。前日同様レジャーシートで滑るほか、転倒を想定しての滑落停止。頭でイメージして動きだしても、出来上がりは何か違う。ピッケルのブレードを肩で押し込む、左肘は引く。笹田さんからのアドバイス。形だけでは効かないのだと反省の繰り返しです。また、ピッケルを左手に持ち替えての練習はこれが全くの別物で、最後までパニック状態のまま終わってしまいました…。スタンディングアックスビレイは、坂を駆け下りて効きの確認。ロープは肩がらみ・腰がらみで繰り返す。和気藹々と練習し、最後はツボ足でロープウェイ駅まで。これも練習。駅下にて車組の方々と惜しみつつ解散。

 初の雪訓。訓練の名にどうしても構えてしまうのですが、北稜の空気、諸先輩方のお気遣いにより大変楽しんで2日間を過ごすことができました。訓練内容は多岐に渡り、コンテやビレイなど今回だけでは消化しきれないものもありましたが、これに終わらず、会員として必要な技術を継続して身に付けていければと思います。北稜での今後の山行もますます楽しみになる貴重な体験となりました。かような新人を温かく迎えて下さった皆様、充実した2日間をありがとうございました。




雪訓感想 エビ

 初めての雪上訓練参加は、装備を揃えることなど準備に苦労し、参加前はかなりの不安と緊張でしたが、実際に参加してみるとCL、諸先輩方、同じ初参加の仲間達に支えられてとても楽しく過ごせました。
 雪山登山は、ほんの短い時間だったかもしれませんが1日目の快晴、2日目起きたら吹雪と天気に左右されることや寒さという困難、荷物が重いのに加えて歩きづらい雪上という苦労、でも変わらずかいつも以上に楽しい皆で過ごすテント内、不慣れ・反省すべき点も多々あったかもしれませんが、得たものはそれよりも遥かに多く充実した訓練でした。