松木沢周辺アイスクライミング

期日:2月11日 〜 2月12日

参加者:笹田さん(CL)、ミナト、エビ、ほっしー(記)

          
 

ほっしー

1日目 わたらせ渓谷鉄道藤間駅着 〜 (笹田車)銅親水公園駐車場〜 松木沢周辺(幕営地) 〜 アイストレ
 歴史の地、足尾銅山にてアイスクライミング。
銅親水公園駐車場からは1時間半ほどで氷瀑にたどり着く。
途中、日本のグランドキャニオンとも呼ばれる岩山を横目に通過。目を凝らすとはるか上に点々と取りついているクライマーが見える。
ゲレンデとは違うスケールに圧倒される。  沢の出合に着き、川の対岸にテントを張る。水に浸からないよう慎重に飛び石を踏んで氷瀑にたどり着き笹田さんによるトップロープでトレーニング開始。
5〜6mほどの高さだが横広の滝で、場所によってフェース状、ルンゼ状、薄氷とバリエーションがあり、バイルとアイゼンの効きを確かめながら何度も登る。
クライミング経験の少ない私だが道具を打ち込んで支点にし、自分の思うままにルートを作っていける所に岩とは違った趣があって楽しいと思う。
互いのバイルを交換し合ったりなど和気藹々とした雰囲気の中で練習が続く。
 夜のテント。海老原さんの新・コーヒーメーカーの質感が眩しい。居酒屋ならぬ歩く喫茶店の拝命も近い(?)

日本のグランドキャニオン! さぁ、みんなでクライムオン! 笹田CLによるトップロープ

2日目 アイスクライミング(7:20幕営地発 〜 11:50幕営地着)
笹田さん海老原さん、湊さん星野の2人組に分かれ、氷瀑から沢伝いに上を目指していく。
前者組は海老原さんはバイルがないので、笹田さんの物を1本づつ手に緩やかな滝はシングルアックスでトップも交代しつつ先行していく。
ここは海老原さんのクライミング技術を鑑みての笹田リーダーの判断なのだろう。
必要な場面では成程、笹田さんがダブルで先行し、ザイルでバイルを下しながら上がっていた。
こちらは安全第一ということで湊さんが常にトップを執って下さる。沢は私たち以外に誰もなく、水の流れる音が足元から心地よく響いてくる。
時折足元の氷が薄い場所もあり踏み抜かないように気を付けながら進んでいく。
氷瀑は随所にあり、3〜4m程のものが多く、初心者の私でもパンプすることなくテンポよく高度を上げていくことができ、テンポよく楽しめた。
ただ、場所によっては岩と氷のミックスや、雪が被っていてどこにバイルを打ち込むべきか迷う場所もあり、道中のスパイスとなっている。
「ここだ!」と叩いた雪の下が岩で、丹念に研磨したピックがつぶれた時はさすがに動揺を抑えきれず…。
上がり始めて2時間ほど、ここまでは傾斜も比較的緩やかな氷瀑が多かったが、最後となる氷瀑は4m程の垂壁だった。
やはりこれまでの物よりも迫ってくるものを感じる。
トップでロープをかけて下さった湊さんは横から傾斜を上がって行ったので壁には挑戦できず、一抹の申し訳なさを感じながらトライ。
緊張しつつ海老原さんも私も無事登りきることができ感無量!登りきったところでこれまでの行程を振り返り、皆とても満たされた表情だった。
帰りは懸垂下降で往路を下っていく。下手くそな私にとっては今までになく長丁場で、登りよりむしろ辛く感じてしまった。
ルートどりを間違えると沢への袋小路にはまってしまいそうで腕にも足にも余計な力が入ってしまう。
スムーズに降りられず急降下急ブレーキ、まだまだ課題は多い。
 最初の氷瀑に着いたときはこの時間も終わりかと思うととても名残惜しい気持ちになる。
振り返ってみるとアイスと銘打ちつつアルパイン的なムードもあり、今回の山行はとても充実したものだった。
皆を見守りつつ適切なアドバイスでまとめて下さった笹田さん、
常にメンバーの安全のため気を回して下さった湊さん、
初アイスながらさすがのクライミングテクを見せて下さった海老原さん。
ご一緒いただいた皆様のお陰で無事山行を終えることができ、また山の楽しみを広げることができました。ありがとうございました。
これを機に、北稜でもぜひアイスを盛り上げていこうと確かめ合うのでした。

凍った沢を行きます リードのエビさん ペルグラを慎重に

エビ感想

ピッケルすらも持っていかず、手ぶらで参加してしまいましたが、ずうずうしくも道具を借りまくり、トップまでさせて頂きました。
内容・雰囲気ともに最っ高!でした。笹田CL、ミナトさん、ほっしーさんには感謝しております。
特に印象的だったのは2日目で、「朝、川を越えると冒険がはじまり、また川を越えると冒険がおわる」
そんな1日で、明日も続けたい、帰りたくないと本気で思いました。
朝食を済ませて、すぐそこにある川をアイゼンを履いた足で危なっかしくもバランスをとりながら石から石へ移り渡る。
そこには、横幅の広い氷瀑が我々4人を待ち構えている。昨日は、ここでトップロープをセットして練習をした。
ザイルを結びダブルアックスで越える。道具を持っていない私に先に登った笹田CLが下ろして貸してくれる。
それを使って、なんとか乗り越えると、急に細くなった氷の道がどこまでも山の奥へと続いている。
それをひたすら突き進む4人だけの世界。氷瀑の下から聞こえる水の流れる音、広くて平らな氷の真ん中は薄くなっていて、気を抜くと踏み抜いてしまう。
脇に避けたり、大股開きで越える。バイルで叩くとボコンと割れて溢れる透明な水。
次々に現れる小さめの氷瀑、氷瀑と岩のミックス、そして突然現れる手強そうな氷瀑。
全てがすばらしくて全てが楽しい。
疲れも空腹も忘れていた。その日の核心的な垂直の手強い氷瀑でミナトさんがリード。
先日、そして前日の成果で慎重に登っていく、緊張感は見ているほうにも伝わる。 スクリューをさすときには見ていただけの私も手に汗を握った。
下りは、2本のザイルをつないで数ピッチの懸垂下降。
思いにふける懸垂下降。

ここも越えられたな、ここは苦戦したな、ここは氷を踏み抜いてしまったなと通ってきた道のりを眺めながらのまだ不慣れな懸垂下降もまた楽しい。
最後にはやっぱり門のような存在の横幅広い氷瀑を懸垂下降。昨日よりずいぶん小さくて易しく見えると皆同じ感想。
アイゼンを履いた足で危なっかしくもバランスをとりながら石から石へ移り川を渡ると昨夜楽しく過ごしたテントが待っていて、急に空腹を思い出す。
このまま本日の冒険を語らいながら眠り、明日また冒険を続けられたらどんなによいだろうかと名残惜しみながらも、テントを片付けて帰路へ。
本当に日本離れした風景の中、来たときと同じように誰にも会わず、見送りは鹿だけ。
帰り道、私の頭の中では、感動が渦を巻き、「また来たい、また来る!」と念仏のように繰り返されていました。
                                     以上

みんなよい表情ですね また来ます!!!