権現岳

たかひで

期日:2012年2月11日(土)〜12日(日)
参加者:なお(CL)、いた(SL)、部長(食担夜)、ママ、アトム、ながお(食担朝)、たかたか、たかひで(記録)


2月11日(土)
7:30 新宿駅(あずさ3号)→小淵沢→10:11 甲斐大泉→タクシー→10:40 天女山入口→11:05 天女さん山頂 →11:30天ノ河原→ 14:30 前三つ頭(幕営地) 
2月12日(日)
5:00 起床→7:30出発→10:00 権現岳山頂→11:30 前三つ頭(幕営地)→14:30 天女山入口→温泉へ 

2月11日
 7:30新宿駅ホームにて集合、あずさ3号に乗車。あずさは、新宿始発でないため、人が結構乗っており、座れるか危ぶまれたが、なんとか皆バラバラになり何とか座れた。あっという間に小淵沢につき、小海線に乗り換える。小海線はワンマンで降車時に車両先頭でお金を払うところが何かシュールだ。
 甲斐大泉からタクシーであっというまに天女山入り口につく。本日の先導はママ。その後ろに部長、いたさん、たかひで、ながおさん、たかたか、アトムさん、なおさんと続く。天女山には10分ほどついたが公園のようなところ、駐車場があり、夏はここまで車でこれるとのこと。本日は青空が見える快晴で当初は土が露出しているところも多く、まるでゴールデンウィーク登山のような様子。暑がりのアトムさんはしきりに暑い暑いといい、どんどん脱いでしまって冬山としては考えにくい薄いシャツ2枚で登っているようだ。
 天女山から樹林帯を登りだしてすぐに土の露出がなくなってきたが、融雪が凍ってアイスバーンになっており、早々にアイゼンをつける。先導のママのペースは軽快で一定の速度でどんどん登っていく。傾斜はそれほどきつくないが、ひたすら登りなのでアキレス腱がつらい。部長がママに「これ最高速度でしょ」、「そうよ〜。これ以上は無理よ〜」とののどかな会話がなされるが、これ以上速度をあげられたらつらい。後で聞いたらアトムさん、たかたかも「けっこうつらかった」とのこと。流石ママ。なおさんが途中で「ながおさんに先導やってもらおうかとも思ったんだけどね〜。足長いからペースあわせきついでしょ」と言っていたが本当にそうならずよかった。
 天ノ河原からは綺麗な富士山が見え、小休止。今日、このルートに入っているパーティは多く、10名以上はいるようだ。車で到着し、6時くらいに出発したパーティーは既に権現まで行って戻ってきた猛者もいた。早くても片道4時間位はかかるので、なかなか厳しい行程である。 
 途中、鞍部で小休止したが、14:30頃には割りにあっけなく本日の幕営地の前三つ頭に到着。既に2パーティーがテントを張っており、この多さも冬山とは思えない。前三つ頭は東側は樹林で西側は開けており、相変わらず快晴のため、南アルプス、中央アルプス、富士山が良く見え絶景。しばし見惚れていたかったが、すぐテント設営の号令がかかり、まずは雪面の整地よりはじめる。5人、3人のテント二張りであるが結構テントの面積を目測でやるのは難しく、張ってからひろげたりして調整。
 トイレ作りはなおさんより指令を受け、東側の林の中につくるが最初階段状の道にしようとしたが傾斜がきつく難しい。部長・ながお、たかひででジグザクの道に整え、傾斜を殺して設置終了。雪がサラサラなので、割り箸ペグは使えず、岩をあつめて細引きをはる。テントの真ん中は溶けるので少し盛り上げるといたさんが教えてくれる。水造り用の雪は、私が集めたがとりやすいようにサラサラの雪を多めにしたのだが、なおさんより小さめのブロックのほうが使いやすいとの指示。冬山の幕営は雪のセッティングで何とでも整地ができるように思われるが、雪の状態・地形によりどのやり方が合理的か変わるということを改めて知り、また勉強になった。
 さて、まだ明るいうちだが幕営が終了、皆の気持ちは、既に宴会モードにシフトしている。しかし、そこでながおさんより「待ったっ」との声。このあいだアンケートをとってきた百名山の「プレゼン」をやる、とのこと。皆はブーイングまでは出さないが、そんなことより酒もってこーい、との状態となっているが、統計王子(今勝手につけましたが)ながおさんにはぶれはない。淡々とパワーポイントの印刷を見ながら数字に裏打ちされた分析を説明し始める。会の百名山登頂1位が雲取山というちょいと地味な?山であったり、北アルプス中1位が五竜であったりと意外性のある結果と統計的な綿密な分析に一同脱帽。最後はやんややんやの喝采であった。
 そしてすぐ乾杯。まずはなおさんが持ってきたデザートワイン、ハムや魚の味醂干し、ママの旦那さん謹製かきもち等を堪能。アトムさんはどこからとも無く?大量のビールを出してきた。大汗かきながらこんなに背負ってきてくれたとは恐縮次第。
 部長は五分毎に「さぁぁー、盛り上がってぇまいりましたぁ〜」と合いの手を入れる。あまり何回もやるので、山から帰っても耳に残って、ちょっと中毒になりそうだ。
 食事は部長特製の豪華キムチチゲだ。生のタラをわざわざもってきてくれて非常に美味であった。なお調理はなぜか、部長の指示を受け、アトムさんが丁寧に、うれしそうに調理をしていた。男子厨房に入らずが家のルールらしく、料理は好きだがあまり実践できないとのこと。女性陣より私ならやらせちゃうけどねー、との声多数。部長は料理をやらせてもらわなければオレは気がおかしくなる!とのラディカルな意見であった。
 雪を溶かし、翌日の水や紅茶を準備しつつ、9時位に宴会はお開き、各テントではまだ会話が弾むも9時半くらいに就寝した。テントの中はかなりあったかかったが、足のみが痛いほど冷える。ホッカイロを足に張っている人などもおり、準備に経験の差がでることを感じた。

青空の中を歩いていきます 本日のテン場

2月12日
 本日は5時起床、6時半出発の予定。朝食はながおさんのあさりスープスパゲティだ。味もおいしかったが、鍋を洗う手間を少なくするためコンソメベースのスープにするなど、細かい配慮をしていたメニューだった。外は昨日とうって変わってかなりの強風が吹いている。
 行動用の水・紅茶を再度雪からつくるなどしていたため、出発は7時半頃となった。ばっちりヤッケを着てゴーグルをし、完全装備にて進む。途中は風でよろけるようなポイントもあり慎重に進む。30分ほどで三つ頭に到着。ここまで2度ほどたかひでのアイゼンが外れ、申し訳ないが止まってもらい紐を結びなおすが改善されない。結局、紐の縛り方でなく金具の調整が悪かったことが判明。他にも眼鏡が凍りつき前が全く見えなくなるなどし、道具の調整が不備であったことを反省する。普段の2〜3人等の少人数で山行するときは、ちょっと立ち止まって調整しても問題ないだろうが、人数が多いパーティー、しかも立ち止まったとたん体が冷える雪山では出発までの調整で全てを完全に終えねばならないことを再認識した。
 装備といえば、暑がりのアトムさんはこの地吹雪の中でも薄着2枚になっていたそうで、後で集会で怒られ?ていた。途中で凍傷で鼻が白くなっていた人にすれ違ったくらいなので逆にすごい。
 三つ頭には天女山分岐があり木戸口公園・観音平コースがあるがこちらには踏み跡がない。三つ頭を越えるとなだらかな鞍部になる。この辺では雪が硬くしまっており、アイゼンの小さな跡のみで足跡がほとんど残っていない場所が多々ある。先頭のママと部長もやや慎重になりながらもルートを見つけていたが、複数にわかれた小さな痕跡があるため、自分が一人で来たら迷って時間がかかっていただろう。 
 頂上直下は距離は短かったが、壁のようになっている場所や崖上の細い道などもあり、怖い場所も多かった。風がそれほど強くなかったのが幸いした。
10時に権現岳山頂に到着。山頂を示すプレート等が見つからず、どこが山頂?かなと議論が起こるが小さな祠があるところを山頂として記念撮影。まだガスがかなりかかっているが権現小屋が小さく見えるのでなんだか安心した。早々に下山。
 天候は段々よくなってきていてガスが薄れていく。三つ峠あたりではかなり晴れてきて、編笠岳の優美な姿や南アルプスの山々が見え、一同満足。11時半に幕営地につく。
 撤収準備にかかるが、テント固定用の岩が凍り付いてとれなかったりと荷物のパッキングに手間取ったりと結構時間がかかる。
 12時頃出発し、天候・景色が良いこともあって軽快にすすむ。特に問題なく、14時半には天女山に到着。アイゼンを外し、登山口に向かう。タクシーを呼ぶとすぐ来て甲斐大泉駅に向かう。車で15分ほどの距離なので学生パーティーは歩いていた。駅で荷物を降ろし駅近くのパノラマの湯に向かう。たかたかペアは都合により駅で分かれる。
 今回は、天気も良くルートも厳しくない非常に楽しい思いをした冬山山行であった。CLなおさん、SLいたさんをはじめとした諸先輩方のサポートにより良い山行をさせて頂いたが、経験の少ないものだけであったらこうはいかなかっただろう。誠にありがとうございました。
以上
ガスっていても元気です 徐々に晴れてきました
すばらしい景色です 登頂おめでとうございます