三つ峠(アイゼントレーニング)

期日：2012年3月3日(土)〜4日(日)

参加者：笹田さん(CL)、カトさん(SL）、さぶ、たかたか(記）

○3/3（土）曇り　高尾駅(7:46)-三つ峠駅(9:08)〜屏風岩付近幕営(14:00)-トレーニング
○3/4（日）曇り　幕営地(7:00)→屏風岩→天狗の踊り場(10:30)→幕営地→三つ峠グリーンセンター(14:30)
　　　　　　　　　　
　

たかたか

こんなに楽しい山行は今までにあっただろうか。
家に帰った後でも興奮は冷めない。高野にとっては、初めてのマルチピッチでしかもアイゼン。
非常に登り甲斐のある山行だった。
今まで2本足で歩く山行しかしていなかったが、今回は四肢で大地にへばり付き、身体全体で自然と向き合うという経験をすることができた。
先輩方に引っ張ってもらい、なんとか辿り着いた登頂であったが、今までに無い充実感を体験することができた。
その思いと共に、この機会を下さった先輩に対して大変感謝する山行であった。

8時前に4人全員が高尾駅集合。富士急行に乗り換え、挨拶を交わす。
当山行はさぶちゃんの岩トレ希望をもとに、笹田さんとカトさんのご協力により実現したもの。しかし当のさぶちゃんは浮かない顔をしている。
どうやらこの時期の三つ峠の岩場では、フラットソールで登れると思っていたそう。
しかしご同行下さる笹田さんやカトさんによると、雪や氷で岩が濡れているため、フラットソールは不要であり、アイゼンのみ必要とのこと。
アイゼントレで三つ峠を登れるか。。。さぶちゃんと高野は不安の気持ちで心臓バクバク。
勿論2人とも前夜は緊張で眠れず、寝不足気味なのであった。

三つ峠駅に到着後、9時半ころに早速出発。達磨石までは平坦なコースであったため、順調に進み11時に到着。
その後雪道の登り坂がキツくなるが、途中には股のぞきや八十八大師など、見るポイントが沢山あり、ハイカーを飽きさせないルートであった。
頻繁に休憩を取るが、そのたびにカトさんはおにぎりやパン等の間食をしており、スタミナ温存の工夫を学ぶ。午後2時ごろ屏風岩に到着。
すぐそばにテントを張り、クライミングの準備をする。1日目は練習を目的として1ピッチのみのトレーニングを行い、翌日の本番に備える。

笹田さんがリードでお手本をご披露いただく。「流石、笹田さん！」といったスムーズな登りで、皆から感嘆の声。
その後トップロープによりカトさんも難なく登るが、見所はさぶちゃん！素早くスルスルっと軽く登っていて、先輩方がビックリするほど。
一方、高野は必死に付いて行く。狭い足場にアイゼンの爪をかけて乗り込むことが難しかった。
当日の気温はとても低く、岩場に取り付くと岩が冷たい。手がかじかんで動かなくなる程だったが、
厳しいルートだったため手袋無しでなんとか練習をこなした。

笹田CLのリード！さすがです！ たかたかさんもスムーズに登ります


やっぱり「疲れた体に酒」。
この4人のメンバーは飲める口なので、最初にビールから始まり、ホットワインやウイスキー、日本酒など飲み物は充実。
特にカトさん持参の高級ウイスキーとサブちゃん特製のホットワインはとても香り高く美味。笹田さん持参のハムも香ばしくて美味しかった。
メインはサブちゃん提供による味噌ちゃんこ鍋。ひな祭り当日あったため、にんじんもお花の形にカットされ、とても手が込んでいる料理。
サブちゃんは本当に料理上手で、とっても美味しいお鍋だった！その後も楽しい会話でかなり盛り上がるが、9時ごろ大人しく就寝。
次の日が本番であるため、翌日に備える。

翌日は5時起床。高野特製のスープパスタで元気をつけ、いざ出陣。7時に取り付き場から登り始める。当日の天気は曇り。
富士が綺麗に見えることが売りの三つ峠だが、数十ｍ先は真っ白の天気であったため、景色はゼロ。風は吹いているので寒く感じる。

右フェイス一般ルートから天狗の踊り場までのルートを5ピッチで登る。
ザイルパートナーペアは、カトさんとさぶちゃん、また笹田さんと高野。
1〜3ピッチまでは笹田さんペアが先行、4〜5ピッチはカトさんペアが先行する。
両ペアとも先輩である笹田さん及びカトさんがリードを務める。

笹田、たかたかペア　たかちゃん楽しそう〜 カト、さぶペア　冬の三つ峠は本番さながら！
核心部リードのカトさん。真剣です！ アイゼン初リードのさぶ。一杯一杯です。

両先輩とも口を揃えて、「この時期の三つ峠は岩トレの練習ではなく本番だよね」とおっしゃるくらい厳しいルートらしい。
上に行けば行くほど、雪や氷が岩に張り付いている。特に3ピッチ目の直登は核心部であったらしく、
高野は非常に苦労してヌンチャクを掴んで登る始末。。。
一方、さぶちゃんはなんと最後のピッチでリードを任され、無事にその大役を務めていて、とても格好良かった。

10時半に登頂し、皆で握手をしながら祝う。三つ峠山頂まで歩き、そこから一般登山道を通過しテント場まで帰る。
テントを撤収し始める最中、テントを支える紐がかかった置石が地面にへばりつくという事態が発生。
何とか置石を地面から剥ぎ取ろうとするものの、ピッケルを使っても取れない。
そんな中、ある事をすると、簡単に岩が地面から離れた！サブちゃんが炸裂する踵落としである。
サブちゃんの頼り甲斐のある様は、先輩たちからも信頼が厚い。
テント撤収後、下山。途中カモシカに遭遇。人間慣れしているのか、私たちが近づいても逃げる様子がない。
すぐ5メートル先まで近づくが、毛むくじゃらの巨体は動かない。むしろ余裕の佇まいで、眠そうですらある。
今までテレビでしか見たことの無い動物に会うことが出来て、とても貴重な体験だった。

頂上にて記念撮影 眠たそうなカモシカ

帰りは温泉に女子組のみ寄ったが、駅で男子組と再合流し、一緒に帰路につく。
帰りの電車の中では、笹田さんとカトさんがご用意下さった馬刺しを頬張り、ビールと日本酒で乾杯。
山梨ならではのおつまみで最後まで楽しい時間を過ごした。

全身を使って岩登りをすることで自然を体感することが出来ました。
先輩にご指導いただいたお陰です。誠にありがとうございました。
またご一緒いただけると幸いです。よろしくお願い致します。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上