木曽川水系 柿其川岩倉川樽が沢

  • 日程:2024年8月12日
  • メンバー:こば(L/記)、うえ、キヨ
  • コースタイ
    入渓(7:30)ー2条30m滝上(8:30)ー30m滝上(10:00)ー林道(12:30)ー岩倉川大滝(13:30)ー駐車場(16:00)

飯豊の前川本流を今年の夏合宿に計画していたが、台風が東北地方を横切るということで急遽西へと転戦することになった。さすがに木曽川まで来ると台風の影響はなく、思いっきり晴れ。泳ぎあり滝ありでバリエーションに富んだ美しい沢を心行くまで楽しんできた。

8月11日 東京~南木曾
飯豊の予定でいたので時間はたっぷりある。渋滞を避けつつ観光もしながらということで、前日の朝早く東京を出発して木曽路へと向かう。
9時半ごろには奈良井宿につき午前中いっぱい観光を楽しんだ。小坂屋漆器店という店があるのだが、ご主人が曲げから漆塗りまで一人でやるという職人さんの店。ちょうど曲げの作業をしているということで、見せていただきながら木曽の檜のことなど、いろいろな話を聞くことができた。曲げのお弁当箱やタンブラーなどついついたくさん買い物をしてしまった。

8月12日 樽が沢遡行
国道19号から観光地として人気がある柿其渓谷へ向かう道に入り岩倉林道へ。集落を抜けてすぐ林道ゲートがあり、乗用車5台分くらいの駐車スペースがある。ここで沢支度を整え出発。ゲートから2つ目の橋が樽が沢の入渓ポイント。すでに渓相の良さが感じられる。その先3分ほどでもう一つ橋があり、そちらは岩倉川の本流にかかる橋で脱渓はそちらから。7時30分ごろ入渓。


沢は東向きなので、すでに朝日が差し込み水面がキラキラして気持ちがよい。岩は花崗岩で少しヌメリがあるように感じるが、注意すれば基本ゴム靴がバッチリ効く。
少し歩くとすぐに最初の大滝、2条30mの滝が現れる。ガイド本だと水流左を登り、上部はヌメリが強く慎重を要するとのこと。念のためロープを出して取り付く。中断ぐらいまでは水流左が階段状で登りやすい。途中灌木で気休めのランニングを取り登っていく。中段少し上、2本の水流に挟まれたところに乾いた部分がありそちらに向かって水流をトラバースする。そのまま上へ登ることも考えたが、乾いているものの割と傾斜がある。安定したところでピトンを1本打って支点を取り、さらに水流をトラバースして左岸側に渡る。ここからは階段状で簡単。

その先もきれいなナメや滝が続き、登れない滝もあるもののしっかりとした巻き道がついていて快適に進むことができる。

950M付近の沢が左に大きく流れを変えるあたりにもう一つの30m滝がある。こちらはキヨがリード。序盤ややヌメリがあり立っている部分もあるが、ホールドスタンスとも豊富で登りやすい。50mロープをいっぱいに伸ばしてフィニッシュ。

その後もたくさんの滝を越え、途中チョックストーンをモグラのようにくぐりながら進んでいく。

樽が沢終盤にかかる3m2条トイ状の滝は、一番右にあるオフィズス状のクラックを登る。水流は2段になっているようだったが、一気に最上段に出る。

多くの記録ではこの後1100mあたりからショートカットして林道に上がっているようだが、勘違いがあり我々はそのまま沢を詰めて林道へ。
ガイド本によると、しばらくしばらく河原歩きが続いた後、終盤にナメや滝があるようだったが、行ってみると若干崩壊していたり倒木が多かったりしてあまり遡行価値はないように感じた。
林道をたどり下降点に向かう。目印はカーブミラー。近くにテープもあり、踏み跡もしっかりしている。

踏み跡をたどり、傾斜が少し緩んだあたりを左側に下降。やはり踏み跡がある。最初はザレているが次第に沢型がはっきりしてくる。クライムダウンを繰り返しながら下降するとじきに岩倉川本流に突き当たる。

突き当たったところは岩倉川にかかる大滝。なかなかの迫力だ。ここから沢筋に降り大滝から流れ込むきれいな淵を泳いで下る。

岩倉川の下降は2か所ほどラッペルしたところもある(後続のパーティはどうやらクライムダウンしたよう)が、それほど難しいところもなく、泳いだり飛び込んだりしながら楽しく下ることができる。
最後に出てくる堰堤は右岸をその先の滝ごと巻いて枝沢から本流に出ると、林道の橋のすぐ近くとなる。

16時前に脱渓して行動終了。
さっさと行けばもう少しい早く終わっただろうが、せっかくの夏休み沢をとにかくゆっくり楽しもうと、休憩もたくさんとりながらのんびり遡行した。時にはこんな参考もいいものだ。楽しかった。
グーグル先生によると道路は渋滞して真っ赤っかだったので、この後もゆっくり温泉につかり、ご飯を食べ、名古屋方面から東名経由で帰京。大した渋滞もなく0時過ぎには東京につくことができた。

針ノ木雪渓BC

  • 日程:2023年4月23日
  • メンバー:つりし(L)、ハギ(記)
  • コースタイム
    扇沢駐車場(7:00)…最終堰堤(8:10)…2550M平坦地(12:40)…マヤクボノコル(13:20)…扇沢駐車場(16:00)

7:00扇沢駐車場発。雪が豊富なときは篭川の右岸を最初からシールで登れるそうだが、今回は登山道経由。いったん車道に出て、少し歩くと左の砂利道へ。奥に堰堤が見える。橋を渡ると雪上歩きが始まるが、スキーは担いだまま行く。堰堤脇のトラバースは雪が硬く、アイゼンで通過した。

最後の堰堤でつりしさんはアプローチシューズをデポ。ここまでで1時間弱、ようやくシール登行になった。行く手には記録によく載っているとおりの針ノ木雪渓とアルプスらしい景色が見えて、テンションが上がる。

登山口。雪がありません。。

しばらくは平坦だが、デブリの末端から傾斜が変わってくる。最初の50mくらいはクトーを付けて登ったが、デブリで登りにくいのと傾斜がキツくなってきて、途中からアイゼン歩行に切り替えた。シールで登れそうな区間も少しあったが、マヤクボ沢に分かれるその先も急傾斜なので、そのまま行くことに。

そんなわけで、スキーで登ったのは往路中、多分1/3?くらいなもので、他はずっとスキーはザックについたままだった。アイゼンじゃないと登れない所にスキーで来たのは初めてだ。硬いし荒れてるし、これ登ったところで自分にはマトモに滑れないだろうなーという揺るぎない確信だけが増した。

増すばかりの確信にボヤきながら稜線手前の2550m平坦地に到着すると、そこから稜線までは綺麗な斜面が広がっていた。雪も適度に緩んでいるようだ。雄叫びをあげながら落ちるような速度で滑ってくる人、気持ちよさそう。その姿に元気をもらってもうひと頑張り、マヤクボノコルまでの登り。

コルの向こう側には大パノラマが待っていた。東北ばかり行っている2人はまったく同定できず、「黒部湖。。だよね?ツルギって。。見えるの?」という体たらくではあったけど、稜線に上がらないと絶対に見れない景色に大感動。来れてよかった。

2550m平坦地より、爺ヶ岳と鹿島槍
針ノ木岳ピークにダイレクトに詰めあげる人々
ワレワレノピーク(マヤクボノコル)

横にそびえる針ノ木岳の山頂を尻目に、滑降に移る(2人とも針ノ木岳に登ったことがないのに、くたくたの人(ハギ)と、山頂に対する興味が薄い人(つりしさん)でどちらも登頂しようと言わない。こんなにいい天気なのに。。。)。

平坦地まで滑って、そこから先は岩場を挟んで左側、登ってきたルートをなるべく荒れてないところを選んで下るが、先の確信通りでキックターンの連投。傾斜が緩んでようやく『楽しい>ビビリ』になる。よかった。

最後は担いだスキーが枝にひっかかるのが嫌で、車道を忠実に歩く。ゲートのバーを、職員の方が持ち上げて通してくれた。16時、扇沢駐車場着。

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課題満載でしたが、よい汗をかき、天気に恵まれ、アルプスならではの景色も堪能し、充実した1日を過ごせました。
つりしさんありがとうございました。