妙義 木戸壁右カンテ(西上州シリーズその2)

日程: 2016年12月30日
メンバー: みなと、けんた(記)

5:52 霞ヶ関駅(埼玉県)集合・出発
7:45 駐車場到着・準備
7:55 出発
8:30 取り付き
10:40 登頂
12:10 取り付き
12:55 下山

みなとリーダーにお誘い頂き、西上州シリーズその2である。
前回の筆頭岩からおよそ1ヶ月後、軽い気持ちで家を出たが、南浦和駅での電車の接続待ちが、寒い。朝霞台での電車の接続待ちが、ものすごく寒い。霞ヶ関駅でみなとリーダーと集合した際には、すでに戦意喪失。寒くて手がかじかんで、岩を登れないのではということで、ハイキングにしようという話になる。
国民宿舎の駐車場に到着して準備をする。気温は低いが向かう岩場は日が差しており、とりあえず行けるのではないかということで取り付き点へ向けて出発。取り付き点へ向けての登山道は、ちょっとした岩場のアップダウンを繰り返しながら進む。ところどころ、初心者は引き返してくださいという看板が見られ、さすが裏妙義という気がした。
30分強で取り付き点へ到着し、岩屋根の下で準備をする。この時点ですでにたどん状の岩が見られる。試しに、岩を握って力を込めてみると、取れた! 他の岩でも試してみるが、取れた!!
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この時、前評判通り、ここの岩場のホールドは、信じられないことを悟る。
ここでもやはり、みなとリーダーから何ピッチをリードしたいか聞かれ、即座に奇数ピッチを希望。事前の情報を見て、やはりラクに快適のモットーを優先させる。
とはいったものの、1ピッチ目は、全く持っての垂壁。ホールドはあるのだが、こいつ本当に信頼できるのという思いから「スタートできないんじゃね」という不安に駆られる。ネットの山行記録にあった3点支持を意識し、ホールドが取れないことを確認しながらおっかなびっくり登る。
2ピッチ目、たどん状のホールドやボルトが豊富にあることはあるのだが、みなとリーダーもなかなか進まない。やはりホールドが取れないか確認をしているようだ。

3ピッチ目は、松の木を目指して登るピッチで、ルートが分りやすく、また2ピッチ目より斜度も緩やか。登りやすいピッチであった。
4ピッチ目。全ピッチの中でいろいろな意味でここが一番登りづらいピッチであった。ルートを右上に取った後、カンテを左上するのだが、まず左に切り替わる地点がいやらしい。
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ホールドの少ない垂壁なのだが、1つだけいかにも乗ってくださいと言わんばかりのたどんが1個(上の写真でも見られます)出っ張っていた。みなとリーダーは、このたどんに足を乗せて良いものやら、大分悩まれていた。他にホールドがあれば、それに越したことはないのだが、どうやらこのたどんしかない。最後は思い切って、このたどんに足を乗せて、上へ上がられていた。ちなみに私は、みなとりーだーが乗って大丈夫なら、自分は確実に大丈夫なはず、ということで迷わず足を乗せることができた。また、みなとりーだーが登り切った後、私のフォローの際に、青のダブルロープがたどんに引っかかって、うまくロープが張れなかったため、赤ロープのみをたよりに登ることとなった。セカンドで登るにも緊張するピッチだった。
5ピッチ目も、3ピッチ目と同様、緩やかなルートかつ短いルートであっけなく終了。
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インターネット上の山行記録を見ると、5ピッチ目よりも上へ登られている記録もあるのだけれども、特に眺望が望めるわけではなく、このピッチで終了させ、懸垂下降に移る。懸垂下降ルートも上ったルートを辿るように降りる。たどんにロープが絡むことを恐れて、ダブルロープ一本で下降を開始。最初の3ピッチは問題なく降りられたのだけれども、次のピッチでロープが絡んでしまった。二人で力を入れて引いても、全然動かない。仕方なく、もう一本のロープでみなとリーダーが登り返し、事なきを得る。やはり本番のルートではダブルロープが必須である。
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振り返ってみると、それほど難しくはないルートではあったが、絶えず緊張が強いられたルートであった。ただ、その緊張のおかげで、岩を落とすことなく集中して登ることができた。今後の本番ルートに向けてのいい経験になったというのが実感である。

<ミナト記>
全てのホールドが信用できない… しかし、これでもか!という程打たれているボルトのおかげで登ることができた。もう見るからに「このホールドはヤバいな」という場面では、躊躇なくA0しちゃったし、「足を置いたホールドが落ちたら、ケンちゃんに直撃しちゃうかも」なんて場面でも、躊躇なくボルトに足を乗せちゃいました。
最初にこのルートを登った人は相当な精神力の持ち主だったに違いない!ハーケンは効かないので、取れちゃうかどうか判らない「たどん状ホールド」にスリングを掛けてランニングにして、登って行ったのだと想像すると…私には絶対に出来ません!!
でもこの岩場のロケーションは素晴らしいですよ。たかだか千メートル程の山とは思えない岩山景色です。南面なので日当たりは良く、赤城おろしの風も遮られてけっこう暖かいし、スカッとした高度感が最高です!ルートも易しいし(ホールドが大丈夫なら)、初級者のマルチピッチ練習にちょうどいいと思いました。ただ、アプローチがヒルの生息地なので5月~10月はNGですね。

2016年12月雪上訓練 谷川岳

日程:2016年12月17~18日

メンバー:サブ(CL)、ケンタ(SL)、ツカミ、ミナザ、ミヤユミ、ササ(記)

■12月17日(土)
9:30   谷川岳ロープウェイ駅集合(佐々木遅刻10:50着)
12:20  熊穴沢避難小屋到着
テント設営
14:20  テント内にてロープワーク復習
・ヒマラヤコンテ
・諸注意
16:40  夕食
20:00  就寝

しょっぱな電車遅延で遅刻。
本来の集合場所ではなく、谷川岳ロープウェイで待ってくれているサブさんと合流する。
他のメンバーは先に出発していたためすぐに追いかける。
雪はパラついて平地でもひざ下まで積もっていた。ロープウェイ側の斜面では5~6組ほどのパーティーがラッセルや滑落停止訓練を行っていた。

待ってくれていたメンバーと合流し、幕営予定の熊穴沢避難小屋を目指す。
道中は人もテントも多くトレースはばっちりついていたので歩行はかなり楽だった。

1日目テント幕営地熊穴沢小屋

ケンタ、ササが先行し熊穴沢小屋へ到着し幕営スペースを確保。
全員合流しテント設営。

テント設営後は中でサブ、ケンタにてロープワーク講習。
2日目の実習に備える。

夕食担当はツカミ。

ツカミさんの美味しい夕食

とてもおいしく品数も多かった為、少々食べ過ぎた。
各自持参の酒でささやかな宴会をし1日目終了。

 

■12月18日(日)
4:00   起床
6:00   出発
8:15   肩ノ小屋到着
8:45   トマの耳到着
9:50   熊穴沢避難小屋到着
・テント回収
・アイゼン装着
11:05  熊穴沢小屋出発
12:10  谷川岳ロープウェイ駅付近の斜面にて雪上訓練。
・滑落停止訓練・・・初期制動
・ヒマラヤコンテ
・スタンディングアックスビレイ(あくまで参考として)
12:40  谷川ロープウェイ駅発
日の出前の暗いうちから出発。

日の出。今日もお天気は良さそうだ
準備を整えて出発

風は強いが雪も降っていないので行動しやすかった。ふと気づくと既にずっと先まで
トレースがついていた。天狗の留まり場に到着する前にラッセルをしていたパーティーに合流した。若い男性3人のパーティーで話を聞くと早朝から延々ラッセルしていたという。
私たちも混じりラッセルする。やっと雪訓らしいことができた。

ようやく雪の量もそこそこになってきた

雪は時に腰までありとても深い。浅い部分は足を上げなくていいので疲れないが腰ラッセルは踏む→膝で固める→足で固めるこの一連の流れが辛く体力を消耗する。

交代しながらなんとかトマの耳へ到着。
強い風が吹いているが晴れていてとても眺めがよかった。

トマの耳

今回はトマの耳までで下山。
最後に谷川ロープウェイ駅の前の斜面で滑落停止、ヒマラヤコンテの練習をして
今回の雪上訓練は終了した。
谷川は積雪も多い為、多くのパーティーが訓練していて異様な光景だった。
だが実際歩いてみて雪訓にはもってこいだと感じた。

 

 

妙義 筆頭岩(西上州シリーズその1)

平成28年12月4日
【メンバー】みなと、けんた(記)

5:52 霞ヶ関駅(埼玉県)集合・出発
7:30 駐車場到着・準備
7:40 出発
10:20 登頂
11:30 下山

みなとリーダーにそそのかされてダブルロープを購入したのは、1年半以上前、それ以降ダブルロープを使ったのは、雪訓で1回とサブリーダーの元での岩トレで1回の2回のみ。今回、ようやくみなとリーダーにダブルロープの使い方をご指南頂く運びとなった。ちなみに今回ご案内頂いた筆頭岩は、日本の山を世界に紹介したかのウェルター・ウェストンさんも登られたということで、俄然やる気が出てくる。
早々に出発したことが奏功し、まだ人が少ない、駐車場に到着する。手早く準備を済ませ、出発。しばらくは車道歩きが続くが、だんだんと目の前に筆頭岩が迫ってくるのが圧巻だった。見た目はプチ槍ヶ岳。
車道から登山道に入るのだが、各種記録に見られるように、ここが核心であった。狭い道を進むのだが、浮き石がゴロゴロ、すぐ下には車道が走る。当然、岩を落としてはならないが、自分が落ちるのではないかという恐怖におののく。慎重に、慎重に進み、取り付き点へ。
みなとリーダーから何ピッチをリードしたいか聞かれ、即座に奇数ピッチを希望。事前の情報を見ていても、厳しいピッチは、偶数ピッチに集中していた。ラクに快適にがモットーです。
1ピッチ目は、階段状の登り。練習のため、こまめにランニングを取りながら登る。

1ピッチ目

2ピッチ目から斜度が増していくが、みなとリーダーの落ち着いたクライミングにより、難なくクリア。

2ピッチ目

3ピッチ目も傾斜は急であるが、ピークを越えた先がナイフリッジになっている。リードという事もあり、恥も外聞もかなぐり捨てて、這い這いで進む。みなとりーだーからは見えない位置だし、証拠写真は撮られないので安心だ。ちなみに、左側を見ると切れ落ちた崖なのだが、右側を見ると単なる雑木林になっていた。落ちるとしたら右だなと縁起でもないことを思いながら進んだ。

3ピッチ目

そして核心の4ピッチ目へ。垂壁に近い壁。自分はリードしたくないなあと思いながら見ていたが、みなとリーダーは淡々と登っていった。セカンドで登ると、安心感からすんなりと登ることができた。

4ピッチ目

頂上からの眺めは良く、遠くまでしっかりと見ることができた。

頂上

頂上で軽く食事を取り、下降を開始する。今回はダブルロープ2本を使用して、2ピッチで下降。1ピッチ目は岩を落とさないように注意しながら下降。特に問題なく降りたが、2ピッチ目で私が支点に思いっきり負担をかけてしてしまいながら、懸垂下降を行ってしまった。みなとリーダーから本ちゃんルートでの懸垂下降は支点に負担をかけないようにしっかりと教えて頂くことに。
取り付き点に戻ってから、また車道までの登山道を戻ることになるが、最初と同様、かなり注意しながら歩く。車道を見ると峠を攻める車やバイクが頻繁に登ってくる。岩を落としたら本当に大事故になってしまい、最初よりも緊張しながら慎重に歩く。車道についてようやっと安心できた。安心からか、帰りの車では爆睡してしまい、途中から記憶がない・・・。みなとリーダー失礼しました。
ダブルロープを使った本番のルートは、今回が初めて。筆頭岩はそれほど厳しくなく、経験を積むのにちょうど良かった。また、西上州の山々が楽しめ、関東からも近い。今後も西上州の岩場を楽しんでいきたいと思う。(ただし、ヒルの出ない時期で。)

筆頭岩
<みなと記>
初めての西上州なので、最も易しい岩場にしました。ちょっと岩慣れた人ならロープ無しでも行けちゃうと思う。一応の核心となる最終ピッチには鎖もあるし(ボロボロですが)。
ですので、岩登りの楽しさ的には期待できないが、ハイグレードハイキング的な面白さや、初心者のマルチピッチ練習にはちょうどいいと思います。あと、妙義の岩峰群の景色が素晴らしいです。新緑の頃にまた行きたい!

鶏冠尾根

日程:H28.8.19~20
10/15 東上線霞ヶ関駅集合9:30=圏央道=中央道=西沢渓谷駐車場0:00幕営
10/16 駐車場5:30~鶏冠第3岩峰11:00~鶏冠山12:00~木賊山15:30~徳ちゃん新道~駐車場19:30=帰玉
参加者:ミナト(L・記録)、ウエ、ユイ、ミヤユミ

10/15(土)晴れ

リーダー権限で私の最寄り駅で集合とし、レンタルした愚妻車で一路目的地へ。西沢渓谷駐車場の端っこの落ち葉の上にテントを張り、ユイさん持参のワインで軽く酒盛りしてAM1:00に就寝。この駐車場はトイレは遠いが快適な幕場だ。

10/16(日)快晴のち曇り

4:30起床、5:30出発。林道をしばらく歩き東沢を吊り橋で渡ると、すぐ右に東沢沿いの登山道があり、そこを行くと自然に鶏冠谷出合へ導かれる。心配していた東沢の徒渉は問題なく、道標に従い鶏冠尾根へ取付く。ここでヘルメットやハーネスを装着し気を引き締めるが、道は立派な登山道並みで、ちょっとガッカリしつつも黙々と稜線を目指す。天気は秋晴れ、空気も爽やかで急登も気にならない。「あんなところにブルーシートがある!」とウエちゃんが叫ぶと、「あれは青空だよ?」とユミちゃんに返され一同大爆笑!いったいどうしたらそこまで勘違いできるのだろうか?不思議だ…。
稜線手前の岩壁帯を登る所でちょっと迷うが、ウエちゃんから「ここに登った跡があるよ」と助言してもらい、めでたく稜線へ出られた。残置ストックの手書き道標によると、ここはチンネのコルという所らしい。ここから樹林帯をしばらく登るといよいよ岩稜帯のお出ましだ。

写真1登山道並みの良い道
写真2岩稜帯のお出ましだ

所々に鎖やトラロープが設置されているが、それらを使わずとも適所にガバホールドがあり、岩のフリクションも良いので快適に登れる。ちょっと怖い所もあるが、それもスパイスとして楽しみましょう!クライムアップ、ダウンを繰り返すと核心の第3岩峰に突き当たった。今までの岩稜・岩峰に比べ高さと角度が段違いで、鎖やロープも無く、これはクライミングの領域。不安そうな顔のユイさんとユミちゃんに「巻道で行くかい?」と問うと、二人とも思いっきりうなずいて笑顔に戻った。さてウエちゃんはどうかな?「私は登る!絶対に!!」、ハイハイわかりました。

写真3第2岩峰から第3岩峰を見る
写真4第3岩峰取付き

ユイさんとユミちゃんには巻道で行って上で待っててもらうこととし、私とウエちゃんは登攀の準備をしレッツ・クライム。正面フェースはフラットソールじゃないと無理。左へ回り込んでみると右上するクラックが中間テラスへ続いていて「ここを登りなさい」と岩が教えている。まず2m程上のピナクルでランニングを取り、適度にあるガバで順調に登りカムでランニングしようと思ったらハーケンが2枚打ってあった。1枚はヤバそうだが、もう1枚はガッチリ効いているので、それにランニングを取る。そこから2m程登ると中間テラスでビレイポイントも設置されていた。まだ10mも登っていないのでピッチを切らずそのまま上へ。このテラスから左の石を足場にして1段上がって正面フェースに取付く所が核心だろう。フェースに取付いてそのまま上がろうとしたら行き詰り、一旦テラスに降りて仕切り直し。下から「私のビレイで大丈夫ですかぁ~」と不安げなコール。大丈夫も何もここまで来たら行くっきゃないでしょ!真面目にルーファイすると、少し右に行くとガバっぽいのがある。再度取付いてそのガバ目指して登ってみると目論見通り、おまけにハーケンも打ってありヌンチャクでランニングしてひと安心。ここから上はガバの連続で快適なクライミングを楽しんで終了点に到着。
立木を確保支点にして、ウエちゃんに「登っていいよ」のコール。ウエちゃんはスルスルと順調に登ってきたが、例の核心で迷っている。よしよし、それでよいのよ。迷って自分で解決して、それで力が付いてくるのだから。何とか核心を解決し、完登したウエちゃんは満面の笑顔で「楽しかった~!」だって。すぐ上にはユイさんとユミちゃんが待っていてくれて、お待たせしました。そこからちょっと歩くと鶏冠山の山名標があって、登頂おめでとうございます!

写真5ニセ鶏冠山・山頂

時刻は11時。「来た道を戻るか、尾根伝いに木賊山へ登って一般道で下山するか、どっちにする?」と私。「戻るより進みたい!」との全員の意見。この先は特に危険な所も無いとの情報なので、それではそうしましょう!シャクナゲがうるさい踏み跡を1時間ほど登ると「あれれ、鶏冠山の看板がある!」ええっどうゆうこと??どうやらこっちが本当の鶏冠山頂みたい。木賊山到着が14時頃と見積もっていた私は「ヤバい、1時間まちがえた!これじゃ木賊山到着は15時過ぎで、ヘッデン下山確実かも」とひとり焦るが、皆が不安にならないよう「木賊山まであと1時間」と適当にうそぶいたら、ウエちゃんに「そんなに早く着くはずないじゃない!」とたしなめられてしまった。

写真6本当の鶏冠山・山頂
写真7藪漕ぎデビューのお姉さまたち

ここから先はシャクナゲがさらに濃くなり、おまけに下ったりもするものだから、遅々として進まず不安な空気が漂い始める。慣れない藪漕ぎと先が見えない行程に段々とお姉さまたちの機嫌が悪くなり、出てくる言葉は愚痴とため息ばかり。こんな時は申し訳ないが奴をネタにするしかない。そう、あの怪しい東洋人「キム兄」だ!「あいつはさ、あんな顔して…なんだぜ」と私。「そうなんですよね~、あれでも…なんですよ!アハハ~」とウエちゃん。「キム兄さんにはどうやったら会えるの?私も会いたい~♪」とユミちゃんも乗ってきて、あっという間に場は和やかになった。キム兄よ、キミは今、東北の山をさまよっていて知らないだろうが、こうして我々を癒してくれているのだよ!ありがとうキム兄!
先頭のユイさんの絶妙なルーファイで木賊山頂30m手前の登山道に飛び出してひと安心。ユイさんは、「藪漕ぎって面白いですね!」と言い放つ奇特な人で、私にとっては先が楽しみな人材だ。

写真8木賊山にやっと到着

下山は尾根ルートの「徳ちゃん新道」を選択し、途中からヘッデンを点けての下降になる。駐車場に辿り着いたのは19時半。14時間に及ぶ長い1日であった。
今回は、読図、岩稜、藪漕ぎ、夜間歩行、長時間歩行と大変内容の濃い山行であったが、いつの日か、この経験が今後の皆の山行に活かされる日が必ず来るであろうと思う。

きのこ採り沢2016 福島県滑谷沢

期日:2016年10月1~2日
場所:滑谷沢左俣下降~三本松右俣遡行~栗子山~三本松左俣下降
メンバー:つりし・(L)ハギ・こば・あずさ・つかみ(記録)

週末の天気が・・・。
前線の影響で、週末雨が予想されていた。当初計画していたのは、奥只見に位置する白石沢スラブ。残念ながら中止が決定。それでも諦めきれず、相談を始めた。雨から逃れ、なおかつ水量がすくなく、秋・・きのこだ!と、言うことで2年前に訪れた、栗子山塊、滑谷沢に行くことになった。

【一日目】

6:00 王子駅前セブンイレブン前~東北自動車道・福島飯坂IC経由~
9:45 東栗子トンネル駐車場到着。全員沢靴に履き替え出発。

写真1前線を抜け見事な天気

駐車場の脇道を進むこと5分程で、林道に入る。この林道はかつての国道。(昭和41年に廃止されている)万世大路と呼ばれる旧国道は勾配も穏やかで、歩きやすい。
10:35 二つ小屋トンネルに到着。

写真22年前より整備されている

トンネルを抜け、しばらくすると大きなキノコを発見。次いで紫色したキノコ。図鑑で詳しく調べる。食べられると判明すると袋の中へ。それから入渓地までキョロキョロ収穫しながら進む。キノコだけではない、山ぶどうもある。粒が大きく甘い。もちろんこちらも袋の中に。宴会での葡萄酒、とても楽しみだ。そして歩きながらも山ぶどうを頬張った。

写真3大きいキノコ
写真4図鑑で検索
写真5スギタケモドキ

12:20 太平橋到着。ここより入渓。

写真6太平橋

日差しがブナの隙間からこぼれる。時より美しいナメ床が出現する。平坦で遡行しやすいのだが、キノコを探すのに夢中で何度か見逃す。みんな袋をぶら下げながら幕営地となる裏見の滝手前の二俣へと進む。前回は大収穫のため、今年もと・・期待をよせた。が、しかし・・大量収穫とまではいかなかった。

写真7きのこハンター
写真8美味しそうなナメコ

13:40 幕営地到着。右岸には人臭い気配が残っていた。向かって左岸はどうにか、人工的なものがない。なので、こちらに決定。タープを張り、テントを設営。次いで、個人の準備を整え、上流へとキノコ採りへと出発。裏見ノ滝を少し過ぎた辺りで倒木にはりついたクリタケを発見。その後は真剣に探すも、腐れていたり古かったりで無念に終わった。2年前に比べると不作らしいのだが、コッフェルいっぱいにキノコを収穫出来た。

写真9ご覧あれ、きのこ尽くめ

夕方には宴会が始まる。今までにないビールの量。今日はハギさんの誕生日前夜祭。こば料理長の料理はいつもながらプロ級だ。写真でお見せ出来ないのが残念だが、どうにか伝えたい。旬の芋煮は牛肉、キノコ入りと、贅沢な具が盛りだくさん。しかも白菜が溶け込んで、たまらない美味さだ。芋煮だけじゃない、豚の味噌漬け。焼き鳥。まさか山で三種類のお肉を食べるなんて想像もしなかった。ミズのお浸しは鰹味と梅味を楽しみ、採れたて葡萄とバーボンのコラボ酒。米は収穫したてのコシヒカリ。あっ・・これ以上、望むものなんて・・主役はハギさんのはずだが・・負けじと、みんな幸せに包まれた夜を過ごした。

【二日目】

5:30 起床。予定より30分遅れた。まさかの全員寝坊。今日は荷物をデボして6時間程の行動予定だから、押した分急がないといけない。しかし慌てる様子もなく、約一時間後の6:40分出発した。

テン場の滑谷沢左岸から三本松沢右岸の奥へ進み、そのまま沢床へ降りる。遡行図では栗子山までの間、2~5m、3~7mの小滝連続と大雑把に記されている。次から次へと滝が続く。大きなものはないのだが、ナメがあり慎重になったり、濡れるのを回避しまいたりした。いくつ滝があったかは数え損ねたが、ロープを出すこともなく楽しめた。

写真10ナメ床を進む
写真11快適に登る

9:35 栗子山到着。三角点をみつけられなかったのだが、ドラム缶が放置してあり、そこを頂上とした。

写真12栗子山のドラム缶

藪漕ぎをしながら稜線を南に南下。稜線にはピンクの紐で標がされている。背丈ほどある藪を抜けると見晴らしの良い台地になっていて、吾妻連峰や麓の町がよくみえた。しばらく休憩・・何もかも吹っ飛んでしまう程、癒される・・。

写真13藪を抜けると絶景が
写真14稜線からの眺め

10:30 稜線から三本松左俣下降に入る。小滝が連なるが、比較的簡単に下降できる。中俣、右俣と出合いしばらくすると、滑谷沢出合いでる。
12:20 幕営地に到着。撤収を行い
12:40 出発。帰りはキノコ採りに夢中だったので気づかなかった部分を何度か確認しながら進んだ。場所によっては新鮮な感覚を覚える。

写真15昨日通ったはずなのに・・

13:35 太平橋~14:45 二つ小屋トンネル 林道の万世大路を下って行く。
トンネル内は舗装されているので、歩きやすい。整備されている気配だが、崩落している箇所があったりもして、気が引き締まる。木漏れ日に当たりながらあっという間に、駐車場到着。15:30。

自然の恵に、感謝せずにはいられない。
きのこ採り沢、このまま秋の定番コースになりそうだ。

コースタイム
【一日目】東栗子トンネル駐車場出発9:45~二つ小屋トンネル10:35~太平橋(入渓)12:20~二俣(幕営地)13:40
【二日目】二俣幕営地6:40~栗子山9:35~三本松左俣下降10:30~幕営地12:20~太平橋13:35~二つ小屋トンネル14:45~東栗子トンネル駐車場15:30

谷川岳 馬蹄形縦走

日程: 2016年10月8~9日
メンバー: ミナト(CL)、アトム、ウエ、ユイ(記)

CT: 10/8 土合橋駐車場(7:05)〜松ノ木沢の頭(09:40)〜白毛門山頂(10:50/11:20)〜笠ヶ岳山頂(12:25/12:40)〜朝日岳(14:00/14:35)〜ジャンクションピーク(14:50)〜清水峠(16:25:幕営)
10/9 清水峠(7:30)〜七ツ小屋山(08:25)〜蓬峠(09:25)〜白樺避難小屋(10:20/10:45)〜芝倉沢巡視小屋(12:30/12:50)〜マチガ沢駐車スペース(13:50/14:00)〜土合橋駐車場(14:25)

1日目、早朝に集合、先ず、土合橋駐車場から霧の中、白毛門に上がります。なかなかの急坂が続き、露岩も点在するしっかりした登りです。松ノ木沢の頭前後から森も疎らになり、視界も開けてくるはずですが、今日は真っ白、ジジ岩・ババ岩も見えません。そのまま岩がちな山道を白毛門へと登り、稜線を伝って、笠ヶ岳へと歩いていきます。

白毛門へ、岩場を越える
白毛門山頂にて

笠ヶ岳へ向かうあたりから、霧が晴れてきた。パーティのメンバーから一斉に歓声があがります。霧が晴れると、周囲は紅葉した木々の山々、正面に笠ヶ岳から小烏帽子の稜線、稜線の笹が風に波打って風紋のよう。眺望は期待していなかっただけに喜びが湧いてきます。

紅葉の笠ヶ岳
笹原が波打つ笠ヶ岳の稜線

笠ヶ岳からは稜線を伝って、小烏帽子を抜けて朝日岳に到達。時折、晴れ間も出てきて、ぐるり360°の展望を楽しめる眺望山行となりました。朝日岳に到着して休憩。朝日岳周辺は広くてとても気持ちが良いところ、静かでとてもきれいな山頂です。休憩後はおだやかな池塘の広がる木道を進み、ジャンクションピークを抜けていきます。

笠ヶ岳山頂にて、山頂同定中のよう
笠ヶ岳山頂より白毛門方面、ジブリ調
崖上のミナトさん
朝日岳山頂にて
朝日岳池塘の木道
ジャンクションピークの先には、右手に巻機山のカッコいい稜線が続き、登山道の続く稜線には幕営予定地である清水峠が見えます。清水峠への下りは、トラバース気味なやや嫌らしい個所も幾つか越えるなど足元に気を使い、また、視界に清水峠にあるJRの巡視小屋と避難小屋を肉眼ではっきりと捉えるものの、なかなか清水峠に到着できませんでした。
ジャンクションピーク先の稜線
カッコいい巻機山
清水峠はあと少し
紅葉稜線
幕営地の清水峠は、穏やかな笹原にある心地よいところ。水場の水はとてもおいしく、幕営にちょうど良いです。この日の夕食は、ウエちゃんが、マイタケのスープ、エリンギとホタテのアヒージョ、トマトソースのペンネをふるまってくれました。アトムさんが持参して下さったビールで乾杯し、ウイスキーや焼酎をいただきながら、歓談のひと時を経て、22時頃に就寝しました。
清水峠に到着

2日目:翌朝は冷たい雨。起床時間を遅らせ、お湯を沸かして、アトムさんが作るコーンビーフサンドイッチをおいしくいただきました。この日は、風雨強く、早々に蓬峠から土合口への下山を決める。冷たい雨と風の中、七ツ石小屋山を越え、蓬峠から下山開始です。雨の谷川岳は、蛇紋岩がつるつる滑り、途端に難しくなります。崩落した岩のトラバース、増水した沢の渡渉などがあり、気を使いながら、慎重に対処します。雨に濡れた岩は、まるでアルカリ温泉にある浴槽と洗い場のようにつるつる滑り、また、沢も増水していて渡渉が難しく、下山は思ったより大変でした。

雨の清水峠
雨の白樺避難小屋
増水した沢の渡渉個所を探す

事前の天気予報では、両日とも雨予報でしたが、初日は山行日和になり、紅葉と眺望を楽しむことができました。2日間の歩きごたえあるルート、無事に楽しく歩けたのは、泊まり山行に慣れた会の皆さまのお陰です。今回は、荒天で蓬峠から下山となってしましましたので、次回は、好天の日に、是非とも谷川馬蹄形をコンプリートしたい、魅力的なルートと山行でした。