日原川巳の戸谷

日程: 2016年7月3日

メンバー: つりし(CL)、ハギ、アズ、ユイ(記)

CT 八丁橋先、天祖山登山道入口ゲート(7:35)〜林道ガード先、日原川降下ポイント(07:45)~日原川河原にて遡行準備(07:50/08:10)~15m大滝(08:25)〜忌山の悪場入口(08:45)〜忌山の悪場、核心部8m滝(09:15)〜忌山の悪場6m滝(10:05)〜小屋跡(10:30)〜8m滝(11:55)〜3連の滝(12:35)~五平窪出会付近(13:30/14:00)~ヤケト尾根1,247m峰付近(14:50/15:00)~八丁橋先、天祖山登山道入口ゲート(16:55)

記録:日原川の崖地を縫う林道を車で慎重に走って、八丁橋先の天祖山登山道入口まで入る。登山道入口にあるゲートを越えて出発、左側ガードの切れ目、赤いペンキの塗られた箇所が日原川への降下ポイント。急降下する登山道を慎重に下り、日原川河原で遡行準備して、日原川を右岸へ渡って出発。

日原川右岸を歩いて程なく入渓地点に到達、緩い勾配の道を沢沿いに進むと、すぐに15mの大滝が現れる。

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直瀑の見事な滝は右側に高巻き、苔と岩、小石の沢床を20分ほど歩くと、忌山の悪場と呼ばれるゴルジュ帯に到達する。

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忌山の悪場のゴルジュ帯は、入口から直ぐ左に大きく折れ、滝が連続する。先ずは3m、3m、4mと次々に滝を越えていく。4mの滝は、右側を登るが、やや足場が悪く、つりしCLが安全確保のロープを出す。

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4mの滝を越えると、今日の核心部ともいうべき8mの滝が現れる。左壁を登っていくものの、なかなか足場の確保が難しい。一方、丁度良いところに残置(ハーケン4か所)があり。私も先行者の足場、手の置き場を注視して、見様見真似で何とか登る。

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8mの滝を過ぎても、忌山の悪場は、なおも3m以下の滝がゴルジュ帯の中に連続する。倒木が多いため、やや難儀する個所もあるが、清冽な水の流れる沢の遡行を楽しむ。

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そして、忌山の悪場は、ゴルジュ帯の出口近く、最後に6mの滝が現れる。シダや苔の生えた滝の左壁を慎重に直登して越える。

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忌山の悪場を抜けると、倒木の多い谷の遡行となる。倒木・小滝と越えていくと、大釜のある4m滝が現れる。4mの滝は、右側にへつりながら滝の釜左側に取り付き、水の落ち口に沿ってステップを刻みながら登っていく。(写真は、滝の水流をものともせず登っていくつりしCL。)

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4m滝を抜け、左手に小屋跡を見遣りながら、倒木の多いエリアをさらに進むと、6mの滝に到達。流石に直登は難しく、右に取り付き、ややトラバース気味に滝の落ち口を目指して登り、滝を越えていく。

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6m滝を越えると、再び小さな滝がいくつも続く。倒木に悪戦苦闘しながら進むと、倒木に白いキノコが群生、なんと見事なウスヒラタケである。早速、ナイフを取りだし、切り取ってアズが自宅へお土産として持ち帰ることとなった。

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ウスヒラタケのあった小滝から先に進むと、沢筋は穏やかになってきた。私も、多少緊張が解けてきたが、最後に行く手を阻む8mの直滝が現れる。滝は、上部で2丈に分かれて直接滝壺に落ちている。水しぶきがミスト状に舞い上がり、滝壺近くは寒いくらいに涼しい。ホールド、スタンスがある右壁を登っていく。私も登るが、途中で足の置き場を見失って停止、周囲を見回し、いくつもの足の置き場になりそうなところをトライ、やっと見つけて、再び滝上を目指す。(途中残置ハーケン1か所あり)

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8m滝を越え、沢筋を足元に気を付けながら進むと、見事な3連の滝が現れる。丁度、日が差し込み、滝が輝いている。奥多摩にもこんな世界があるのかと、暫し見惚れる。

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綺麗な3連の滝を抜けると、再び小滝をいくつか越えていく。途中、真っ白なキクラゲを発見、野生のキクラゲを見るのは初めてであり、透き通った色合いはとても綺麗だ。

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小滝が連続し、倒木の多いエリアをさらに進むと、左手に見事な10mのすだれ状になった滝が現れる。滝の先は、沢の傾斜は緩むものの倒木が重なるエリア、倒木は滑ったりザックが引っかかったりするので、慎重に越えていく。

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倒木エリアを抜けると小さな広場が現れ、ここで遡行終了。広場から先は、更に倒木が折り重なっている。広場で着替え、軽く休憩し、帰りは、1,200m付近左岸にある山道を示すテープ横から、右岸にあるヤケト尾根の尾根筋を目指す。

その山道は少し歩くとすぐに悪くなるので、今回1,247mの尾根筋に回り込むような感じで登り稜線に出た後下り山道に合流するコースを選択する。(写真は、広場左岸にあった吊橋への山道を示すテープ。)

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尾根筋へは、初め急こう配の足場が悪く所々ザレた斜面を登り、やがて、一転して、緩く広い尾根筋に乗る。広い尾根筋は、踏み跡が無く迷いやすい。現在地確認のためにGPSがあると安心。モミ・ブナの森は、静かで気持ち良い。緩やかで広い尾根を下り、やがて1,247m峰付近で一息入れる。

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1,247m峰から更に下ると、尾根は再び急こう配な斜面になる。途中、急斜面に見事なキノコを発見。ザレた急斜面を下って確かめるも、毒キノコであるツキヨタケ。

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気を取り直して、ザレた急斜面を戻り、トラバース気味に、急斜面に続く作業道を下っていく。滑落事故を起こしそうな急斜面をトラバースし続けるルートは、最後まで気を抜くことができない。滑れば、日原川の谷底まで滑落しかねないトラバースの道は、疲労が蓄積した状態でもあり、最後まで気の抜けない状況が続く。

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やがて、つり橋が現れ、少し登り返せば、八丁橋へと続く林道に到達、あとは、林道を緑の木々を愛でながら、八丁橋に戻り、本日の山行は終了。

巳ノ戸谷は、滝の連続する沢の魅力に溢れる好ルートです。倒木が多く閉口する場面もありましたが、沢は2回目という私にとっては、奥多摩にこんな綺麗な滝があちこちに落ちる世界があるのかと、驚きながらの山行でした。

また、登攀技術、ロープワーク、歩き方等々、何れも大変に勉強になった一日でもありました。

この日は、寝坊の上、ヘルメットを忘れるという状況で、ご迷惑をおかけしてしまい、反省せずにはいられません。

この日は、お陰さまでとても楽しい一日となりました。

どうもありがとうございます。

 Minoto【 ルートGPS記録 (2016年7月3日、巳ノ戸谷) 】

越後三山

日程: 2016/7/8~7/9
メンバー: ミナトさん、サブさん、エビさん、セキザ(記)

記録:
当初は前夜発7/8~7/10で槍ヶ岳北鎌尾根の計画でしたが、天気が悪そうなので中止し急遽越後三山縦走の計画になりました。ただこちらも油断できない岩稜帯があるため、とりあえず上まで行ってみて、天気をみて決行するか下山するかを決めよう、ということで出発しました。

7/8 東京発07:00のMAXとき03号で越後湯沢へ、北越急行に乗り換え08:34に六日町駅着。09:30のバスに乗り八海山スキー場へ。(一本遅い新幹線だと09:29に六日町に着くが、電車とバスの接続はおこなっておらず、一時間近く待った。)バス運賃は420円だが、ザックが40リットル以上だと別途100円の荷物料金がかかった。スキー場の山麓駅からロープウェイで一気に4合目(1147m)まで行く。20分毎の運行で、片道1000円だった。
10:15登山開始。樹林帯で直射日光こそないが、湿気と風がないためかなり蒸し暑かった。6合目手前に胎内くぐりという洞窟があった。エビさんだけここを抜け生まれ変わる。(性格がさらに良くなったそうです。)

①胎内くぐり.jpeg

途中何箇所か梯子や鎖があったが特に問題ない感じでした。12:10に8合目に到着。②8合目.jpeg③八合目から越後駒方面その①.jpeg④8合目から越後駒方面その②.jpeg⑤入道岳西面のスラブ.jpeg

5分ほど歩いて9合目の千本檜避難小屋着。夕方からの天候があやしいので本日はここまで。受付を済ませ水を汲もうと思うも予想外の出来事が。なんと最近の豪雨?で近くの水場の水質が悪化し、小屋の水は天水かペットボトルの販売のみだそうです。最新のエアリアには水マークついているので注意が必要です!
結局6合目の少し上にある水場まで水汲みにもどりました。翌日の天気も悪いと思われるので、小屋に重荷をデポし軽身で八海山のうち5つ(不動岳~釈迦岳)を登りました。鎖があるとはいえ、岩稜帯に不慣れな自分にとってはちょっとしたスリル体験で楽しめました。

⑥八海山.jpeg⑦八海山集合写真.jpeg
夜はサブさんの大根サラダと豚生姜焼きと五目御飯おいしくいただきました。しかし夕食後○○さんがウイスキー飲みながらひたすら五目御飯2人前を食べ続け、さらに就寝直前になにかをボリボリ食べていたことに残りの3人は言葉が出ませんでした。翌日の天気予報は降水確率70%。

7/9 3:00起床。天気は朝から雨。天気予報も悪いし回復の兆しもないので、元来た道を06:00下山開始。08:00のロープウェイに乗って降りました。

最後にご一緒した皆様、リーダー急な計画変更大変なところありがとうございました。越後の山は初めてでしたが、いいところでした。いつか縦走したいと思いました。スラブもかっこよかった・・・。

奥多摩 長沢背稜

日程: 6/26(日)~28(火)

メンバー: セキザ

記録:

6/26 朝仕事が終わりそのまま東京駅発10:23の青梅特快に乗り奥多摩駅へ。12:27の丹波行きのバスに乗り換え、13:40ころ鴨沢登山口から登山開始。日差しが強かったり雲が出たりだが蒸し暑い。七つ石を巻く場合唯一ある水場は、前日雨天だったせいか?豊富に出ていました。なるべく汗はかきたくないし、奥多摩小屋までの予定なのでのんびりゆっくり歩く。16:20ころ奥多摩小屋に到着。日曜日だからか、テントは自分を含め4張り(貸し切りも期待したが・・・)で、静かなテン場を満喫できるかな・・・と思ったが、蚊とブヨがすごい!もがき格闘しながらやっとの思いでテント設営する。虫よけもってくればよかった・・・焚き火の力は偉大だなあと思う。なんだかんだ汗をかいてしまったので最近買ったファイントラックのナノタオル(3000円くらいした)を濡らして身体を拭く。超細かい繊維で身体の垢などをごっそりとってくれる使えるヤツで、拭いた後下山用兼パジャマ用の綿のTシャツに着替えたらサラサラですごく快適だった。広げると手ぬぐいくらいだがたたむとピンポン玉+αくらいのサイズになるのでとても良い買い物をした。
ここのテン場はシカが多いが、この日はとくに元気で、たくさん出てきて鬱陶しかった・・・。夜テントから出たら目の前にいて、びっくりしてものすごい勢いで逃げて行ったが、こちらもびっくりしてしまうのでやめてほしい。夜はこれも最近買ったテント用の小さいランタンを灯し読書。ヘッデンだけでも十分だがなんとなく贅沢な感じがして快適だった。この日は仕事終わりからの登山だったため、21:00くらいに就寝。

長沢①.jpeg

6/27 天気は曇り。今日は一杯水避難小屋までの予定。08:40にテン場を出発。一杯水避難小屋の水場は涸れることがあるらしいのと、来月の北鎌尾根の足慣らしも兼ねて雲取山荘で4リットル水を補給する。芋の木ドッケの手前からは長沢背稜のコースになる。三峰神社の方面なら何度か行ったことがあるが、ここからは初めてなので楽しみだ。あまり人は入らないイメージがあったが、道は明瞭で標識もたくさんあった。途中3人ほどすれ違ったが静かでいいところでした。酉谷避難小屋にちょろっと寄ったが小さくてきれいだった。水場は涸れなそうな感じ。15:00すぎに一杯水避難小屋着。この日は避難小屋に貸切で泊る。水場は蕎麦粒方面に5分ほど進むとあるが、普通に水出てました。小屋に置いてある日記帳によると、涸れているように見えるのは水場の管の上部に落ち葉が詰まっているからで、ほとんどの場合はこれを除けば解決するそうです。
2日前にホラー漫画を読んだせいで、1人の避難小屋は気味悪かったため、読みかけの本を片付けて早めに寝る。

6/28 天気は朝から雨。蕎麦粒~川苔を経て鳩ノ巣駅へ下山。展望はなかったが、静かなブナの山は雨の方がむしろ雰囲気が出て良かった。

読んだ本:洞窟おじさん

湯檜曽川東黒沢~宝川ウツボギ沢

○期日:2016年7月9日〜10日

○メンバー:コバ(CL)、みどり、トヨタ、ハギ(記)

○行程:

9日…白毛門登山口(8:50)〜白毛門沢出合(9:45)〜1040二俣(11:40)〜丸山乗越(12:55)〜ウツボギ沢出合(14:05)〜幕場(14:30)

10日…幕場(7:00)〜右俣出合(7:55)〜1520二俣(10:25)〜笠ヶ岳下鞍部(11:15)〜白毛門山頂(12:00/12:25)〜白毛門登山口(14:55)

○記録:

【9日】

分かっていた。分かっていたけど、雨だといまいち気分は乗らない。夕方から回復して明日は晴天との天気予報にみんなで気持ちを盛り上げて出発、白毛門登山口右側の道を歩き堰堤上から入渓。

雨だけども、白い岩盤はやっぱり綺麗だ。ああ、晴れてればなぁという言葉を道すがら幾度となく吐き出すことになった。

出発から30分でハナゲの滝。2箇所、明瞭な巻きの入り口があり、今回は上側の入り口から巻いた。少し歩くと白毛門沢出合。

ハナゲノ滝

以降ナメ床とナメ滝の繰り返しになり、晴れてればなぁ、晴れてればなぁと唱えながらも雨の中楽しく遡行。東黒沢は数年前に来たことがあるが、こんなに綺麗な沢だったけか。小滝もでてくるがどれも簡単に登れる。

ワンシーズン分のナメを半日で歩いたんじゃないかと思うほど、ナメにすっかり毒気を抜かれてしまった。やっとこ水がちょろちょろになり、スカイラインが低くなってくる。最後の二俣状から一度踏み跡ぽい所へ入って行くが、あまりはっきりしなかったので、コバLの取った右の沢型を忠実に詰めた後に踏み跡をたどる方が正解だったか。ともあれ薄い薮なので苦労することはない。先行したコバさんの笛を追うとすぐに平らな所に出て(丸山乗越)、北へ方角を定めて緩やかにくだれば、またすぐに小さな小さな窪に出会う。ほどなく小沢になり、ウツボギ沢の枝沢に合流した。何箇所か後ろ向きで降りるところはあったが、問題なし。

1時間ほどでウツボギ沢に出て、幕場を探して30分ほど付近をウロウロする。広河原は4人並んで寝れるサイズのタープをテンションかけて張れるほどしっかりした木がなくて却下。宝川の対岸まで見に行ったが、結局、水面からの高さはあまりないが、快適そうなウツボギ沢の河原に張ることにした。

話に聞くとおり周辺には薪が少ない。宝川まで遠征したり、広河原に残されたものを頂いたりして、なんとか集まった。濡れた薪からの着火にチャレンジしてみたが、やっぱり私には難しく、そしてきっと根気も足りなかった。

雨の中出掛けたコバさんが岩魚をゲット。ミズとフキ、ヒラタケちょっぴり、それらを平らげ、焼鳥、カレーとなるころにはお腹も一杯。ごちそうさまでした。ツエルトを持ってきていたが、全員タープの下で寝た。

夕餉

 

【10日】

昨日の夕方に止むはずの雨は結局、朝までダラダラとしつこく残っていた。

しばらく穏やかな沢歩き。ウツボギ沢の最大15mくの字滝は右から巻く。一段上がり、右から入る枝沢の端を登り、途中から薮に入りトラバースすると、滝上すぐの所にすんなりと導かれる踏み跡がついている。

くの字滝の途中

この滝の上はぐっと空が広くなり気持ちがよい。

このへんでようやく完全に上がったらしい雨に暑苦しい雨具を脱ぎサッパリ、注がれはじめた日差しにさらに気をよくした。

ナメ、ナメ滝、ナメ、小滝、という渓相がこれでもかと続いていく。大分沢幅も狭くなってきたなと思うと、向こうに美しい小滝が現れる(沢幅に対して結構立派)、の繰り返しで、「まだ続くの!」とみんな嬉しい悲鳴。

 

1520の二俣は左、そのあとは沢型を水のある方へと忠実に詰めていく。水はかなりの所までなかなか枯れなかった。

笹が被さったトンネル状の窪のどん詰まりから一段あがり、すぐそこの稜線を目指す。なんとなく跡ができているので軽くかき分けるだけで簡単に前に進み、頭が笹の上に出てからは右手には笠ヶ岳から下ってくる登山道が見えるようになり、方角も間違えようがない薮漕ぎ1級。ふりかえれば皆もにこにこ楽しそう。窪から上がって10分もしないうちに、ちょうど笠ヶ岳から下りきった鞍部に出た。

 

そのままのんびり歩を進め、一の倉沢のビュースポットではあそこが○稜で△稜でというトヨタさんとコバさんの会話についていけず首をかしげ、沢山の人でにぎわう白毛門でのんびり装備を片す(のんびりしすぎて気がついたらみんなパッキング完了していた。ごめんなさい)。白毛門の下山は…やっぱりうんざり。ピストンでハイキングの人が大半のようだったが、こちらは片道でお腹一杯である。みどりさん曰く「午前中の綺麗な沢の記憶が薄れちゃった」、本当に本当にその通りだ。

…でも、思い起こせばやっぱり綺麗な癒し沢でした。

 

〈メモ〉

コバさんはアクアステルスで難なくだったが、全体的にはぬめっている所が多いような感じはしたので、慣れてない人ならフェルト靴使用が無難だと思う。

奥秩父 荒沢谷

日程: 2016年6月11日〜12日

メンバー: つりし(CL)、グッチー、つかみ、セキザワ、ハギ(記)

CT:

11日 鮫沢橋(9:00)〜荒沢橋(10:00/10:35)〜桂谷出合(11:15)〜ベンガラの滝(11:50)〜菅平(12:50)〜井戸淵(13:30)〜狼谷出合(14:25)〜幕場(15:15)

12日 幕場(7:00)〜北雲沢出合(7:55)〜1775鞍部(10:00)〜雲取避難小屋(11:15)〜鴨沢(14:15)

記録:

11日

三峰口駅から「大洞林道を入れる所まで」、とタクシーに告げると、落石に腹を擦りつつも鮫沢橋のゲート前まで運んでくれた。7000円弱也、5人で割ればたいへんリーズナブル。

1時間ほどの歩きで入渓場所の荒沢橋へ到着する。去年海の日の連休に、ここより奥の井戸沢に行くときに通りかかった時より大分水が少ない(大雨の後だったこともあるかもしれないが…)。

苔蒸していて谷全体が緑色の雰囲気、明るくて気持ちのよい谷だ。古いワイヤーが目に付くのは残念だけど、先日いった大小雲取谷に感じが似ている。

桂谷、アシ沢と分かりやすい支流を見送りベンガラの滝へ。名前の由来は左壁の岩だろうけど、そんなに赤くは…ないような。それより沢床でたまにみかける岩の方が鮮やかだ。水流隣のCSがある右側から登ったというネットの記録を見たが、これをフリーで登ってしまうなんて凄い。右岸のトラロープ沿いを巻く。しっかり踏まれた踏跡をたどって奥の沢型まで進み、下降した。
ベンガラの滝
ベンガラの滝を過ぎてからしばらくは水を横目に歩くことが多くなる。菅平は平地がこれでもかと続くのどかな場所で、この時間からのんびりしたらさぞかし幸せだろうと妄想するが、明日があるので許されるわけもなく先へ。

緊張感がすっかり抜けたところで井戸淵に到着。足下からすぐにズドンと深い釜付きの滝の奥にも、もう一つ二条滝が見える。

最初の滝は左から小さく巻く。ガイドにも右岸巻きは悪いとあったが、ガレが土に埋まったような感じのグズグズで悪く足がどんどん崩れ、落石しそうでヒヤヒヤ。落ち口真上の狭い平地に集合、先を見透かすがさらに巻くとなるとこれから大変そうな気配。

「水が少ないから奥の滝は登れるんじゃない?」とつりしL。懸垂で降り、奥の二条の滝の左側の水流の、落ち口右側に居座る大岩のキワに半身潜り込むような感じでフリー突破を試みる。目処が立ったようでこちらにマルの合図を送ってきた。懸垂の順番を待ちながら上から見ていると、ザックが引っかかってしまうようでしばらく試行錯誤していたが、ハーケンを打ち、(後で聞けば)スリングで一手を自己確保し、シャワークライムで登りきった。

降りると一番目の滝上も淵になっていたが、着地点は都合よく浅くなっていた。落ち口近くに懸垂の残置あり。胸まで浸かって側壁の手がかりをたよりにへつり泳ぎで奥の滝下へ、確保してもらって登る。シャワーを嫌ってつりしさんが突破した右側ではなく水の流れていない左から登ったが、抜け口がつるつるで何もなく最後はゴボウになってしまった。ハーケンは残置になったが、皆を無事引き上げて満足げなリーダー。外岩ゲレンデで見かける姿(マッタリしている)と大分違う、とグッチーさんがしみじみとコメントした。
井戸淵1

井戸淵2
狼谷先の1250付近で行動終了、美味しい肴とごはんとお酒と盛大な焚火で、いつもの夜。

 

12日

5時ごろ起床、2時間後発。

なかなかに綺麗な渓相が続く、緑がまぶしい。

本日は地図読みデー。ツメが辛いという噂の大雲沢を避け、北雲沢を詰めて1775付近の鞍部を目指す。推定大雲谷と北雲谷に分かれる二俣で、推定大雲谷の奥にみえる滝が遡行図の大雲谷手前の7m幅広滝ぽくないかと首を捻るが、地形的には間違いないということで右の北雲沢に入る。

北雲沢出合

1450の二俣で本流と思しき左に行くが、離れていくと思った右が左と平行していることがすぐに分かり、間違いに気づき引き返して右へ修正、GPSでも間違いないことを確認。

稜線が近くなってきたところで沢型から離れ、右に斜上する獣道に乗る。その先は膝くらいの笹の斜面、ブヨがうるさくなってきた。落差が緩やかになってきたところで左手の尾根に乗り上がり、そのまま稜線の登山道を目指す。辛いツメではなかったけど、水がなくなるとしんどいのはいつものこと。

詰め中

登山道に上がって一息つくが、鴨沢までがまた長い。14時台のバスを逃すと次が16時台ということで、14時台を目標に下山開始。下山なのに雲取避難小屋までの急登で汗だくになる。うんざりしたところでようやく避難小屋のある平地へ到着。雲取山頂は小屋裏すぐだが、皆の鼻先は鴨沢へ向いている。百名山ハンターのつかみさんは「(山頂に寄らないなんて)登ったことがなかったら泣いていた」と、胸をなで下ろしていた。

道標で記念写真を撮る人々

先頭セキザワくんのペースが快調で、グイグイ引っ張られて余裕を持って鴨沢バス停へ到着。荒沢谷、森が綺麗だったので紅葉の時来てもよいかもしれない。

 

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【荒沢谷 反省と感想】セキザワ(記)

いつものことだが、集合時自分のザックだけ異様に大きくてパッキング力の低さに落ち込む。余計なものは持ってきていないはずなのに・・・。

今回も先頭を歩かせてもらったが、まだルーファイが下手だと感じた。自分がもたもたして横をみるとハギさんがスーっと歩いていく場面が多かった・・・。井戸淵で感じたのは、滝を見てもまだ登れる滝なのか、登るとしたら弱点となるラインはどこなのかの判断ができない。滝は行き詰っている間に水流でみるみる体力を奪われているし、中間支点もほとんどとれない。とりあえずつっこむのは危険である。ジムでのクライミングのような動きや二点支持なんてとても危なくてできないし、ホールドも脆い。三点支持で確実にじわじわ上がっていかなければならない。高巻くべきか滝を登るべきかもわからなかった。この点はたくさん経験を積んでいくしかないだろう!

幕営は狼谷出合を少し過ぎて左に曲がるあたりでした。二週間ぶりの焚き火だったがやっぱり最高だった。夜は焚き火の横で寝た。これ以上ない贅沢だ。幸せ。

2日目は沢上部で違う沢に入ろうとしてしまった。反省。しかし北稜の山行に参加していくうちに、自分なりに地図になにを書き込めば現地で使いやすいかも考え始めたし、今回はおおかた現在地を把握したうえで行動できた。(沢は遡行図があるからわかりやすいのかもしれない)それに道なき道をいくのは楽しい。途中猿らしき頭蓋骨を見つけたが、こういう珍しいものを見つけられるのも良い。途中の滝で初めて腰がらみのビレイを経験させてもらった。確保態勢はもっと安定しているべきだったかなと反省。

下山は少しペース早すぎました。反省。すみませんでした。しかし今回もいろいろ学べて良かったです。

最後にご一緒したみなさまありがとうございました!