日程: 2016年6月11日〜12日
メンバー: つりし(CL)、グッチー、つかみ、セキザワ、ハギ(記)
CT:
11日 鮫沢橋(9:00)〜荒沢橋(10:00/10:35)〜桂谷出合(11:15)〜ベンガラの滝(11:50)〜菅平(12:50)〜井戸淵(13:30)〜狼谷出合(14:25)〜幕場(15:15)
12日 幕場(7:00)〜北雲沢出合(7:55)〜1775鞍部(10:00)〜雲取避難小屋(11:15)〜鴨沢(14:15)
記録:
11日
三峰口駅から「大洞林道を入れる所まで」、とタクシーに告げると、落石に腹を擦りつつも鮫沢橋のゲート前まで運んでくれた。7000円弱也、5人で割ればたいへんリーズナブル。
1時間ほどの歩きで入渓場所の荒沢橋へ到着する。去年海の日の連休に、ここより奥の井戸沢に行くときに通りかかった時より大分水が少ない(大雨の後だったこともあるかもしれないが…)。
苔蒸していて谷全体が緑色の雰囲気、明るくて気持ちのよい谷だ。古いワイヤーが目に付くのは残念だけど、先日いった大小雲取谷に感じが似ている。
桂谷、アシ沢と分かりやすい支流を見送りベンガラの滝へ。名前の由来は左壁の岩だろうけど、そんなに赤くは…ないような。それより沢床でたまにみかける岩の方が鮮やかだ。水流隣のCSがある右側から登ったというネットの記録を見たが、これをフリーで登ってしまうなんて凄い。右岸のトラロープ沿いを巻く。しっかり踏まれた踏跡をたどって奥の沢型まで進み、下降した。
ベンガラの滝を過ぎてからしばらくは水を横目に歩くことが多くなる。菅平は平地がこれでもかと続くのどかな場所で、この時間からのんびりしたらさぞかし幸せだろうと妄想するが、明日があるので許されるわけもなく先へ。
緊張感がすっかり抜けたところで井戸淵に到着。足下からすぐにズドンと深い釜付きの滝の奥にも、もう一つ二条滝が見える。
最初の滝は左から小さく巻く。ガイドにも右岸巻きは悪いとあったが、ガレが土に埋まったような感じのグズグズで悪く足がどんどん崩れ、落石しそうでヒヤヒヤ。落ち口真上の狭い平地に集合、先を見透かすがさらに巻くとなるとこれから大変そうな気配。
「水が少ないから奥の滝は登れるんじゃない?」とつりしL。懸垂で降り、奥の二条の滝の左側の水流の、落ち口右側に居座る大岩のキワに半身潜り込むような感じでフリー突破を試みる。目処が立ったようでこちらにマルの合図を送ってきた。懸垂の順番を待ちながら上から見ていると、ザックが引っかかってしまうようでしばらく試行錯誤していたが、ハーケンを打ち、(後で聞けば)スリングで一手を自己確保し、シャワークライムで登りきった。
降りると一番目の滝上も淵になっていたが、着地点は都合よく浅くなっていた。落ち口近くに懸垂の残置あり。胸まで浸かって側壁の手がかりをたよりにへつり泳ぎで奥の滝下へ、確保してもらって登る。シャワーを嫌ってつりしさんが突破した右側ではなく水の流れていない左から登ったが、抜け口がつるつるで何もなく最後はゴボウになってしまった。ハーケンは残置になったが、皆を無事引き上げて満足げなリーダー。外岩ゲレンデで見かける姿(マッタリしている)と大分違う、とグッチーさんがしみじみとコメントした。
狼谷先の1250付近で行動終了、美味しい肴とごはんとお酒と盛大な焚火で、いつもの夜。
12日
5時ごろ起床、2時間後発。
なかなかに綺麗な渓相が続く、緑がまぶしい。
本日は地図読みデー。ツメが辛いという噂の大雲沢を避け、北雲沢を詰めて1775付近の鞍部を目指す。推定大雲谷と北雲谷に分かれる二俣で、推定大雲谷の奥にみえる滝が遡行図の大雲谷手前の7m幅広滝ぽくないかと首を捻るが、地形的には間違いないということで右の北雲沢に入る。
1450の二俣で本流と思しき左に行くが、離れていくと思った右が左と平行していることがすぐに分かり、間違いに気づき引き返して右へ修正、GPSでも間違いないことを確認。
稜線が近くなってきたところで沢型から離れ、右に斜上する獣道に乗る。その先は膝くらいの笹の斜面、ブヨがうるさくなってきた。落差が緩やかになってきたところで左手の尾根に乗り上がり、そのまま稜線の登山道を目指す。辛いツメではなかったけど、水がなくなるとしんどいのはいつものこと。
登山道に上がって一息つくが、鴨沢までがまた長い。14時台のバスを逃すと次が16時台ということで、14時台を目標に下山開始。下山なのに雲取避難小屋までの急登で汗だくになる。うんざりしたところでようやく避難小屋のある平地へ到着。雲取山頂は小屋裏すぐだが、皆の鼻先は鴨沢へ向いている。百名山ハンターのつかみさんは「(山頂に寄らないなんて)登ったことがなかったら泣いていた」と、胸をなで下ろしていた。
先頭セキザワくんのペースが快調で、グイグイ引っ張られて余裕を持って鴨沢バス停へ到着。荒沢谷、森が綺麗だったので紅葉の時来てもよいかもしれない。
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【荒沢谷 反省と感想】セキザワ(記)
いつものことだが、集合時自分のザックだけ異様に大きくてパッキング力の低さに落ち込む。余計なものは持ってきていないはずなのに・・・。
今回も先頭を歩かせてもらったが、まだルーファイが下手だと感じた。自分がもたもたして横をみるとハギさんがスーっと歩いていく場面が多かった・・・。井戸淵で感じたのは、滝を見てもまだ登れる滝なのか、登るとしたら弱点となるラインはどこなのかの判断ができない。滝は行き詰っている間に水流でみるみる体力を奪われているし、中間支点もほとんどとれない。とりあえずつっこむのは危険である。ジムでのクライミングのような動きや二点支持なんてとても危なくてできないし、ホールドも脆い。三点支持で確実にじわじわ上がっていかなければならない。高巻くべきか滝を登るべきかもわからなかった。この点はたくさん経験を積んでいくしかないだろう!
幕営は狼谷出合を少し過ぎて左に曲がるあたりでした。二週間ぶりの焚き火だったがやっぱり最高だった。夜は焚き火の横で寝た。これ以上ない贅沢だ。幸せ。
2日目は沢上部で違う沢に入ろうとしてしまった。反省。しかし北稜の山行に参加していくうちに、自分なりに地図になにを書き込めば現地で使いやすいかも考え始めたし、今回はおおかた現在地を把握したうえで行動できた。(沢は遡行図があるからわかりやすいのかもしれない)それに道なき道をいくのは楽しい。途中猿らしき頭蓋骨を見つけたが、こういう珍しいものを見つけられるのも良い。途中の滝で初めて腰がらみのビレイを経験させてもらった。確保態勢はもっと安定しているべきだったかなと反省。
下山は少しペース早すぎました。反省。すみませんでした。しかし今回もいろいろ学べて良かったです。
最後にご一緒したみなさまありがとうございました!