東北・月山~蔵王山 山スキー

日程:2017年4月29日~30日
メンバー:ツノダ(記)

今回は会の承認を頂き、気ままな一人山スキーに行きました。

4月28日(金)

20時にゆっくり石巻を出発。途中の寒河江PAで車中仮眠。月山、姥沢駐車場
ゲートが開くのが遅いと判断し29日4時にPAを出発しゲートへ向かう。
志津のゲートがあり仙台ナンバーの先行車1台が停車中、開門は7時なので又車中仮眠。
時間通りに山形のレガシー登場。待っていたのは横浜や宇都宮に大宮ナンバーの車約10台。
環境美化協力金500円を納め8時のリフト開始まで準備。リフト代580円、10分ほどでリフトアップ。
サクサク登高したいので今シーズン購入のウロコ板を持参。しかし斜面が急になり改造したクトー(スキーアイゼン)を使用。(老人26号と命名)

姥ケ岳遠望 「老人26号」(笑)
姥ケ岳遠望 「老人26号」(笑)

先行者のテレマーカーと少し違うルートで牛首斜面を先頭で行くが、クトーの爪が効かず、キックステップをしていたら後続の宇都宮からのテレ―マーカーに抜かれる。
彼のは横に歯があり急な斜面もスイスイ登って行った。
途中雲が出て少し不安になるが10分ほどで視界が回復。
3年前の野口さんご夫妻、板さん、田中さん、部長さん、萩さんと来たルートを思い出して月山神社の横から10時25分頂上へ。
月見ケ原で遊ぼうと計画していたが先程の宇都宮の方に雷雨が来ると言われ早々にスキーモードにして下山。

牛首斜面 月山頂上
牛首斜面 月山頂上

途中胎内岩から牛首までの斜面を堪能。雪庇の下を注意しながら11時に
駐車場へ到着。待ってたかの様に雨が降り出す。
途中でつまみのフキノトウを収穫し出発。西川町大井沢の温泉で汗を流し除雪されている古寺鉱泉に行くが携帯の電波が届かなくなり大事を取って故郷、蔵王へ変更。
白石スキー場から見る屏風岳の雪の斜面は小さい時から見た模様と同じで圧倒された。
上部の雪庇が今にも崩れそう、そして取り付きが思い出せない!

4月29日(土)

6時にスキー場を出発。
昨夜、白石の夜景を見ながら熟考、取付点を高くしアルバイトを稼ごうとエコーラインを利用し刈田峠から屏風岳に向かうルートに変更。
エコーラインは凍結予防のため8時まで賽ノ磧(かわら)駐車場でゲートが閉まっている。
時間が勿体ないのでここから6時50分入山。澄川上流の金吹沢沿いに夏のルートの杉ケ峰に向かう。
芝草平は雪の下、屏風岳に向けゆっくり蔵王連峰の山々を観望。

屏風岳遠望
屏風岳遠望

10時50分屏風岳到着、秋山沢を偵察、雪庇とクレバスが多い。

秋山沢 秋山沢ドロップイン
秋山沢 秋山沢ドロップイン

ドロップポイント(下降点)は緩い斜面にあるが又登り返す苦労と今回は偵察も兼ねているので、南屏風岳のコガ沢を見に行く。こちらはスキー場から簡単に行けそう。
屏風岳に戻ったら単独の山スキーヤーに会う。容姿や道具でベテランと判断。
話して見ると私の出身、白石の出で冬は山スキー、夏は沢と福島の山岳会で活躍中との事。
今回は藪漕ぎが多かった事や冬の秋山沢の入山ルート、飯豊の石転び沢の話など興味のある話で面白かった。秋山沢は何回も滑降していて、安定したドロップインを見る。(「ソロで生きる」のブログを検索するとトラ山(本名、熊谷さん)のHMで見れます。因みに公僕です)

熊谷さんとツノダ
熊谷さんとツノダ

今日は実家泊を考え駐車場までの道を急ぐ。刈田峠避難小屋経由し井戸沢を横断中偶然、小学校同級生が所属する東北学院大山岳部の山小屋を見つけイワナ釣りをしていた彼に再会。しばし、他のOBとの話で盛り上がり無事駐車場に14時30分到着。

東北学院大学山岳部山小屋と同級生)
東北学院大学山岳部山小屋と同級生

今回は色んな方々と逢って大変不思議な山行と東北の山の魅力、山スキーは素早い行動が出来る反面ルートファインディングが難しい事を感じました。

越後三山

日程: 2016/7/8~7/9
メンバー: ミナトさん、サブさん、エビさん、セキザ(記)

記録:
当初は前夜発7/8~7/10で槍ヶ岳北鎌尾根の計画でしたが、天気が悪そうなので中止し急遽越後三山縦走の計画になりました。ただこちらも油断できない岩稜帯があるため、とりあえず上まで行ってみて、天気をみて決行するか下山するかを決めよう、ということで出発しました。

7/8 東京発07:00のMAXとき03号で越後湯沢へ、北越急行に乗り換え08:34に六日町駅着。09:30のバスに乗り八海山スキー場へ。(一本遅い新幹線だと09:29に六日町に着くが、電車とバスの接続はおこなっておらず、一時間近く待った。)バス運賃は420円だが、ザックが40リットル以上だと別途100円の荷物料金がかかった。スキー場の山麓駅からロープウェイで一気に4合目(1147m)まで行く。20分毎の運行で、片道1000円だった。
10:15登山開始。樹林帯で直射日光こそないが、湿気と風がないためかなり蒸し暑かった。6合目手前に胎内くぐりという洞窟があった。エビさんだけここを抜け生まれ変わる。(性格がさらに良くなったそうです。)

①胎内くぐり.jpeg

途中何箇所か梯子や鎖があったが特に問題ない感じでした。12:10に8合目に到着。②8合目.jpeg③八合目から越後駒方面その①.jpeg④8合目から越後駒方面その②.jpeg⑤入道岳西面のスラブ.jpeg

5分ほど歩いて9合目の千本檜避難小屋着。夕方からの天候があやしいので本日はここまで。受付を済ませ水を汲もうと思うも予想外の出来事が。なんと最近の豪雨?で近くの水場の水質が悪化し、小屋の水は天水かペットボトルの販売のみだそうです。最新のエアリアには水マークついているので注意が必要です!
結局6合目の少し上にある水場まで水汲みにもどりました。翌日の天気も悪いと思われるので、小屋に重荷をデポし軽身で八海山のうち5つ(不動岳~釈迦岳)を登りました。鎖があるとはいえ、岩稜帯に不慣れな自分にとってはちょっとしたスリル体験で楽しめました。

⑥八海山.jpeg⑦八海山集合写真.jpeg
夜はサブさんの大根サラダと豚生姜焼きと五目御飯おいしくいただきました。しかし夕食後○○さんがウイスキー飲みながらひたすら五目御飯2人前を食べ続け、さらに就寝直前になにかをボリボリ食べていたことに残りの3人は言葉が出ませんでした。翌日の天気予報は降水確率70%。

7/9 3:00起床。天気は朝から雨。天気予報も悪いし回復の兆しもないので、元来た道を06:00下山開始。08:00のロープウェイに乗って降りました。

最後にご一緒した皆様、リーダー急な計画変更大変なところありがとうございました。越後の山は初めてでしたが、いいところでした。いつか縦走したいと思いました。スラブもかっこよかった・・・。

奥多摩 長沢背稜

日程: 6/26(日)~28(火)

メンバー: セキザ

記録:

6/26 朝仕事が終わりそのまま東京駅発10:23の青梅特快に乗り奥多摩駅へ。12:27の丹波行きのバスに乗り換え、13:40ころ鴨沢登山口から登山開始。日差しが強かったり雲が出たりだが蒸し暑い。七つ石を巻く場合唯一ある水場は、前日雨天だったせいか?豊富に出ていました。なるべく汗はかきたくないし、奥多摩小屋までの予定なのでのんびりゆっくり歩く。16:20ころ奥多摩小屋に到着。日曜日だからか、テントは自分を含め4張り(貸し切りも期待したが・・・)で、静かなテン場を満喫できるかな・・・と思ったが、蚊とブヨがすごい!もがき格闘しながらやっとの思いでテント設営する。虫よけもってくればよかった・・・焚き火の力は偉大だなあと思う。なんだかんだ汗をかいてしまったので最近買ったファイントラックのナノタオル(3000円くらいした)を濡らして身体を拭く。超細かい繊維で身体の垢などをごっそりとってくれる使えるヤツで、拭いた後下山用兼パジャマ用の綿のTシャツに着替えたらサラサラですごく快適だった。広げると手ぬぐいくらいだがたたむとピンポン玉+αくらいのサイズになるのでとても良い買い物をした。
ここのテン場はシカが多いが、この日はとくに元気で、たくさん出てきて鬱陶しかった・・・。夜テントから出たら目の前にいて、びっくりしてものすごい勢いで逃げて行ったが、こちらもびっくりしてしまうのでやめてほしい。夜はこれも最近買ったテント用の小さいランタンを灯し読書。ヘッデンだけでも十分だがなんとなく贅沢な感じがして快適だった。この日は仕事終わりからの登山だったため、21:00くらいに就寝。

長沢①.jpeg

6/27 天気は曇り。今日は一杯水避難小屋までの予定。08:40にテン場を出発。一杯水避難小屋の水場は涸れることがあるらしいのと、来月の北鎌尾根の足慣らしも兼ねて雲取山荘で4リットル水を補給する。芋の木ドッケの手前からは長沢背稜のコースになる。三峰神社の方面なら何度か行ったことがあるが、ここからは初めてなので楽しみだ。あまり人は入らないイメージがあったが、道は明瞭で標識もたくさんあった。途中3人ほどすれ違ったが静かでいいところでした。酉谷避難小屋にちょろっと寄ったが小さくてきれいだった。水場は涸れなそうな感じ。15:00すぎに一杯水避難小屋着。この日は避難小屋に貸切で泊る。水場は蕎麦粒方面に5分ほど進むとあるが、普通に水出てました。小屋に置いてある日記帳によると、涸れているように見えるのは水場の管の上部に落ち葉が詰まっているからで、ほとんどの場合はこれを除けば解決するそうです。
2日前にホラー漫画を読んだせいで、1人の避難小屋は気味悪かったため、読みかけの本を片付けて早めに寝る。

6/28 天気は朝から雨。蕎麦粒~川苔を経て鳩ノ巣駅へ下山。展望はなかったが、静かなブナの山は雨の方がむしろ雰囲気が出て良かった。

読んだ本:洞窟おじさん

奥秩父 荒沢谷

日程: 2016年6月11日〜12日

メンバー: つりし(CL)、グッチー、つかみ、セキザワ、ハギ(記)

CT:

11日 鮫沢橋(9:00)〜荒沢橋(10:00/10:35)〜桂谷出合(11:15)〜ベンガラの滝(11:50)〜菅平(12:50)〜井戸淵(13:30)〜狼谷出合(14:25)〜幕場(15:15)

12日 幕場(7:00)〜北雲沢出合(7:55)〜1775鞍部(10:00)〜雲取避難小屋(11:15)〜鴨沢(14:15)

記録:

11日

三峰口駅から「大洞林道を入れる所まで」、とタクシーに告げると、落石に腹を擦りつつも鮫沢橋のゲート前まで運んでくれた。7000円弱也、5人で割ればたいへんリーズナブル。

1時間ほどの歩きで入渓場所の荒沢橋へ到着する。去年海の日の連休に、ここより奥の井戸沢に行くときに通りかかった時より大分水が少ない(大雨の後だったこともあるかもしれないが…)。

苔蒸していて谷全体が緑色の雰囲気、明るくて気持ちのよい谷だ。古いワイヤーが目に付くのは残念だけど、先日いった大小雲取谷に感じが似ている。

桂谷、アシ沢と分かりやすい支流を見送りベンガラの滝へ。名前の由来は左壁の岩だろうけど、そんなに赤くは…ないような。それより沢床でたまにみかける岩の方が鮮やかだ。水流隣のCSがある右側から登ったというネットの記録を見たが、これをフリーで登ってしまうなんて凄い。右岸のトラロープ沿いを巻く。しっかり踏まれた踏跡をたどって奥の沢型まで進み、下降した。
ベンガラの滝
ベンガラの滝を過ぎてからしばらくは水を横目に歩くことが多くなる。菅平は平地がこれでもかと続くのどかな場所で、この時間からのんびりしたらさぞかし幸せだろうと妄想するが、明日があるので許されるわけもなく先へ。

緊張感がすっかり抜けたところで井戸淵に到着。足下からすぐにズドンと深い釜付きの滝の奥にも、もう一つ二条滝が見える。

最初の滝は左から小さく巻く。ガイドにも右岸巻きは悪いとあったが、ガレが土に埋まったような感じのグズグズで悪く足がどんどん崩れ、落石しそうでヒヤヒヤ。落ち口真上の狭い平地に集合、先を見透かすがさらに巻くとなるとこれから大変そうな気配。

「水が少ないから奥の滝は登れるんじゃない?」とつりしL。懸垂で降り、奥の二条の滝の左側の水流の、落ち口右側に居座る大岩のキワに半身潜り込むような感じでフリー突破を試みる。目処が立ったようでこちらにマルの合図を送ってきた。懸垂の順番を待ちながら上から見ていると、ザックが引っかかってしまうようでしばらく試行錯誤していたが、ハーケンを打ち、(後で聞けば)スリングで一手を自己確保し、シャワークライムで登りきった。

降りると一番目の滝上も淵になっていたが、着地点は都合よく浅くなっていた。落ち口近くに懸垂の残置あり。胸まで浸かって側壁の手がかりをたよりにへつり泳ぎで奥の滝下へ、確保してもらって登る。シャワーを嫌ってつりしさんが突破した右側ではなく水の流れていない左から登ったが、抜け口がつるつるで何もなく最後はゴボウになってしまった。ハーケンは残置になったが、皆を無事引き上げて満足げなリーダー。外岩ゲレンデで見かける姿(マッタリしている)と大分違う、とグッチーさんがしみじみとコメントした。
井戸淵1

井戸淵2
狼谷先の1250付近で行動終了、美味しい肴とごはんとお酒と盛大な焚火で、いつもの夜。

 

12日

5時ごろ起床、2時間後発。

なかなかに綺麗な渓相が続く、緑がまぶしい。

本日は地図読みデー。ツメが辛いという噂の大雲沢を避け、北雲沢を詰めて1775付近の鞍部を目指す。推定大雲谷と北雲谷に分かれる二俣で、推定大雲谷の奥にみえる滝が遡行図の大雲谷手前の7m幅広滝ぽくないかと首を捻るが、地形的には間違いないということで右の北雲沢に入る。

北雲沢出合

1450の二俣で本流と思しき左に行くが、離れていくと思った右が左と平行していることがすぐに分かり、間違いに気づき引き返して右へ修正、GPSでも間違いないことを確認。

稜線が近くなってきたところで沢型から離れ、右に斜上する獣道に乗る。その先は膝くらいの笹の斜面、ブヨがうるさくなってきた。落差が緩やかになってきたところで左手の尾根に乗り上がり、そのまま稜線の登山道を目指す。辛いツメではなかったけど、水がなくなるとしんどいのはいつものこと。

詰め中

登山道に上がって一息つくが、鴨沢までがまた長い。14時台のバスを逃すと次が16時台ということで、14時台を目標に下山開始。下山なのに雲取避難小屋までの急登で汗だくになる。うんざりしたところでようやく避難小屋のある平地へ到着。雲取山頂は小屋裏すぐだが、皆の鼻先は鴨沢へ向いている。百名山ハンターのつかみさんは「(山頂に寄らないなんて)登ったことがなかったら泣いていた」と、胸をなで下ろしていた。

道標で記念写真を撮る人々

先頭セキザワくんのペースが快調で、グイグイ引っ張られて余裕を持って鴨沢バス停へ到着。荒沢谷、森が綺麗だったので紅葉の時来てもよいかもしれない。

 

————————————————————-

【荒沢谷 反省と感想】セキザワ(記)

いつものことだが、集合時自分のザックだけ異様に大きくてパッキング力の低さに落ち込む。余計なものは持ってきていないはずなのに・・・。

今回も先頭を歩かせてもらったが、まだルーファイが下手だと感じた。自分がもたもたして横をみるとハギさんがスーっと歩いていく場面が多かった・・・。井戸淵で感じたのは、滝を見てもまだ登れる滝なのか、登るとしたら弱点となるラインはどこなのかの判断ができない。滝は行き詰っている間に水流でみるみる体力を奪われているし、中間支点もほとんどとれない。とりあえずつっこむのは危険である。ジムでのクライミングのような動きや二点支持なんてとても危なくてできないし、ホールドも脆い。三点支持で確実にじわじわ上がっていかなければならない。高巻くべきか滝を登るべきかもわからなかった。この点はたくさん経験を積んでいくしかないだろう!

幕営は狼谷出合を少し過ぎて左に曲がるあたりでした。二週間ぶりの焚き火だったがやっぱり最高だった。夜は焚き火の横で寝た。これ以上ない贅沢だ。幸せ。

2日目は沢上部で違う沢に入ろうとしてしまった。反省。しかし北稜の山行に参加していくうちに、自分なりに地図になにを書き込めば現地で使いやすいかも考え始めたし、今回はおおかた現在地を把握したうえで行動できた。(沢は遡行図があるからわかりやすいのかもしれない)それに道なき道をいくのは楽しい。途中猿らしき頭蓋骨を見つけたが、こういう珍しいものを見つけられるのも良い。途中の滝で初めて腰がらみのビレイを経験させてもらった。確保態勢はもっと安定しているべきだったかなと反省。

下山は少しペース早すぎました。反省。すみませんでした。しかし今回もいろいろ学べて良かったです。

最後にご一緒したみなさまありがとうございました!

 

北アルプス 西穂高岳

日程:2016/1/16~17

メンバー: サブ(L)、エビ、トヨタ、セキザワ(記録)

16日

新宿08:00の特急あずさに乗り松本下車。松本でバスチケットを買う。新穂高への直通バスは出ていなかったので平湯温泉にて乗り換える。
新穂高ロープウェイは第一リフトと第二リフトを乗り換えて14:00ごろ西穂口駅着。それぞれの乗り継ぎ時間は丁度良かったものの、移動時間6時間!(乗り物弱い自分にとってはある意味一番の難所でした)
準備をし14:15ごろ出発。事前にインターネットで見たところ西穂口駅には身長より高い雪の回廊なるものがあるらしいが、やはり今年は雪が少ないせいか腰より低かった。01_西穂口から西穂山荘へ

15:15西穂山荘着。この日は飲む人がさぶさんしかおらず、少し寂しそうでした。(スミマセン)さぶさんの魚とトマトとチーズを炒めたおつまみ、トヨタさんの鍋非常に美味しかったです。夜はよく晴れて、星がくっきり見えました。実は自分は3000m級の山で星を見たことが無かったので、北アルプスのしかも冬の時期に見ることができ感激でした。

17日

3:30起床。外に出てみると無風。こばさんの予報では昼くらいから天気が崩れ始めるとのことだったので、まだ真っ暗な5時過ぎに出発。
経験の浅い自分はハーネスを着用しました。テン場を出て登り始めると飛騨側からかなり強い風。雑に大股で歩いていると片足になった瞬間身体が横に流されそうになるので、小股でしっかり歩く必要がありました。(先輩方曰くこれはそよ風らしい・・・)独標あたりで白んできました。02_独標

ピラミッドピークに至るころには気づけば風もそれほど気にならない程度になり、絶好の天候になりました。空気も澄んでおり、360°アルプスの山々が見渡せました!(正直槍ヶ岳くらいしか自信ありませんが・・・)03_ピラミッドピーの登り
途中一か所さぶさんにお助け紐出してもらいましたが、とくにロープも出すことなく08:00ころ西穂到着しました。事前に調べたところでは独標~西穂は雪と岩稜のミックス、痩せており危険との記録が多かったので経験の少ない自分としては少しビビっていました。しかし雪のつき方が良かったのか、アイゼンがよく決まるくらい良い具合に締まっていたお陰でしょうか、特に難所と感じる箇所もなく快適な稜線歩きでした。04_西穂 06_山頂にて 05_稜線を振り返る
山荘に戻ったのは10:00ころでした。テント撤収し11:00ごろ山荘を出発。1時間弱で西穂口駅に着き12:15のリフトに乗車。上部の第二リフトは2階建てなので定員も多く比較的乗車率マシなのですが、第一リフトの定員が40人と少なめの為大変でした・・・。下手したら定員にあぶれてしまうので素早く並ぶのがいいかもしれません。12:55のバスに乗り新穂高発。(ここでエビさんがバスの運転手に外国人だと勘違いされる)途中平湯温泉でお風呂と遅めの昼食をとり帰りました。

07_パノラマ

最後に

後から計画に入れて頂いたり、技術的指導等頂いたり、先輩方に感謝です。個人的な反省や課題はいくつかありますがこれからの長い山人生に活かしていきたいと思います。冬の北アルプスですばらしい景色を堪能できて大満足です。充実した週末をありがとうございました。

北アルプス 蝶ヶ岳長塀尾根

場所:蝶ヶ岳 長塀尾根
日程:2015年12月30日‐2016年1月2日
メンバー:かおり(L)、ミナト、ケン、トン、あずさ(記録)

【1日目】
毎日新聞東京本社に22:20に集合。ここから22:40に出る高速バスに乗る。この時からかおりさんの体調が思わしくない様子だった。少し心配…。

【2日目】
7:00中ノ湯バス停に到着
写真1

7:45出発
釜トンネルの中は当然だが暗いし、若干登り気味で精神的に痛めつけられる。20分ほど歩いていると白い光が見え始め、出口にたどり着いたことを知った。どうにも暗い所は苦手だ。
トンネルを抜けるとすぐに焼岳が見えた。少し雲はかかってるが晴れており、今日のうちは上高地の天気は崩れなさそうな雰囲気で安心。途中顔を出した穂高連峰は頭に雲が出ていて、全体像を拝むことはできなかった。明日の山頂に期待!

10:00河童橋
小梨平手前のトイレの前で、休憩がてらアイゼンを付けるメンバーもちらほら。晴れ間も見えるが雪がパラパラと降ってきていた。下はこんな感じだが稜線は荒れているだろうなぁと話しながら、徳澤を目指す。徳澤までの道のりは、とにかく似たような景色ばかりで長く感じる。
途中、梓川が逆流しているように見える場所があって、前の夏から気になっていたので他の隊員に聞いてみたりしたが、そう見えるだけなのか本当に逆流しているのかは分からなかった。一体何だったのだろうか。

12:20徳澤
蝶ヶ岳を目指す人か、カメラマンか、いくつもテントが張ってある。中にはもう登り始めている人もいる様で、空のテントも多かった。
休憩を取ってから、長塀尾根を登り始める。
写真2
やはりかおりさんが辛そうにしていた。心配したミナトさんを筆頭に、男性陣がかおりさんの荷物を奪うように手分けして担いでいた。
今日のところは早めに幕営地を決めてしまおうということになり、1890m付近でテントを張ることとなった。

14:50テント設営完了
写真3
今晩と明日朝のための水を作るために雪をかき集めるが、なんだかあまり綺麗ではない。表面は白いのだが、表面をかすめ取って下の方を見てみると、木の屑やら葉っぱなんかが混じっていて、とてもそのままでは飲めなさそうな状況。今年の雪が少ないことと関係があるのだろうか?かおりさんが漉すための布を持ってきたと言うので、それでしのぐことにする。

17:30夕食
今晩の食担はかおりさんで、メニューはチゲ鍋。鍋キューブの軽さと美味しさに皆で感動していた。いつもの調子だとここで大量のお酒が出てくるのだが、今日はあまり飲まないメンバーだったからか、缶のお酒は自分の金麦一本だけだった。肩透かしを食らった気分だ。シメはラーメンで、キムチラーメンという新境地が開拓された。なかなか美味しい。

19:30就寝
明日は4時起床ということに決定し、寝ることにする。しかし、斜面を整地したせいか、自分の真下の雪は異常に盛り上がっていて、3時間に一回は起きる始末だった。
少しだけ吹雪いている音がしたが、樹林帯であるためかテントはびくともしなかった。明日には良い天気になっているだろうか…。

【3日目】
4:00起床
外はまだ暗い。元旦ということで、別のテントで寝ていたミナトさん、トンさんが「あけましておめでとうございます」と言いながらテントに入ってくる。そういえばそうだった!山に入ると日にち感覚が無くなってしまう。
朝食は自分の担当で、お雑煮を作った。が、味が薄く、かおりさんの醤油に助けて頂いた。餅が重いのが難点だが、お雑煮は食べやすくて朝食には丁度良かったように思う。

5:50出発
テントはそのままにして、蝶ヶ岳山頂を目指す。かおりさんは体調が思わしくないので長塀山まで様子を見て、調子が悪かったら引き返すということになった。
道中、樹林帯の中で日の出を迎えた。左手には穂高連峰、右手には朝日と、素晴らしい初日の出だった。木々の合間から橙色の光が覗き込み、雪をオレンジ色に照らしていた。

8:00
山頂まで3kmを切ったところで、稜線に備えた装備に変更。目出帽やらオーバー手やらを装備する。かおりさんの調子も悪くはなさそうなので、山頂まで一緒に行くことになった。
写真4

8:40長塀山
この辺りから、前日夜の雪のおかげかふわふわとした新雪を味わうことが出来た。

9:30蝶ヶ岳山頂
山頂直前で樹林帯を抜け、急に視界が広くなった。隊員の顔にも笑顔が。
写真5
頂上に着くころには、360度の展望になっていて、北に常念・大天井岳、西に槍穂高連峰がはっきりと見えた。ここまでの快晴は北アルプスでは珍しいことで、流石のミナトさんも驚いていた。かおりさんは涙すら出たとか。「来年には穂高に居るんでしょ?」とミナトさんにからかわれるトンさんが少し面白かった。
写真7 写真6

9:50蝶ヶ岳ヒュッテ
冬期小屋で休むかどうか話し合うも、アイゼンを外すのが億劫で断念。それにしても、なぜ小屋の入口がトンネルなのだろうか?不思議な場所だ。

12:10幕営地
山頂から長塀尾根を下り、何事もなく幕営地まで戻ってきた。まだ日も高いので、ここでテントを片付けてしまい、徳澤まで降りることに。

13:45徳澤
徳澤まで下りてくると、尾根の入口で「ピピピピ、ピピピピ」という機械音がする。小屋に付いているセンサーに引っ掛かったらしいが、この後も人が下りてくる度に鳴っていた。少し煩いのでどうにかならないのだろうか。
前日の幕営地より遥かに平坦で整地の必要もない地面に感動。ふかふかな部分に思わず倒れこんだ。みんながテントの中で和んでいる間、ケンさんは横尾方面まで行った様子。写真撮影だろうか。徳澤からも穂高が綺麗に見え、絶好の撮影日和だった。

17:00夕食
トンさん作塩ちゃんこ鍋は、昨晩と同じく鍋キューブが活躍していた。具材にはなんとホタテまで入っており、豪華な登頂祝いとなった。トンさんは野菜嫌いで有名だが、克服したということでネギや白菜も大量に入っていた。満腹。

18:30就寝

【4日目】
4:00起床
前日より寒い朝だった。晴れていたし、谷底だし、放射冷却が相当効いたらしい。シュラフカバーの中まで凍っていた。
朝食はケンさんのワンタンスープだった。桜えびが入っていて、朝から海鮮風味を味わうことが出来た。乾燥ワンタンは初めて見たが、どこで売っているのだろうか。
写真10

6:20出発
テントを仕舞おうとするも、ポールが凍ってなかなか畳めない。温めようと息を吹きかけたら、唇がポールに接着されそうになってしまった。もうやらない。

7:30明神館
ここまでの間で、穂高のモルゲンロートが見えた。最後の最後にまたも絶景を見てしまい、「今回の冬合宿では私たちが一番いい思いしてるかもね~。」と浮かれていた。
写真8

8:30河童橋
穂高は雲に隠れ始めているが、焼岳はまだはっきりと見えた。今日来たのか、河童橋で撮影をしている人も何人か見られた。
写真9

10:50釜トンネル
今度は上高地側から下ることになるが、思ったよりも傾斜がきつい。ふと上を見上げてみると、傾斜11%の標識。こんなところを登ってきていたのか!とビックリ。

11:15中ノ湯
これで予約していたタクシーが来れば全ての行程が終わる!と喜んでいたのも束の間、予約されていないタクシーや他の人が予約したタクシーは来るのに、我々のものだけ来ない。どうしたことだろうか?12:15から12:30の間には着くと言っていたが…。
結局、事情を話して違うタクシー会社さんを使うことになった。その運転手さん曰く、予約していたところは一人しか上高地まで来られる人がいない会社らしい。それで時間がかかるのだとか。山専門のタクシー会社にした方が効率が良いですよ、と名刺まで頂いた。

13:30松本駅
スーパーあずさに乗り帰京。途中に見えた八ヶ岳や南アルプスは雪が少なく、北アルプスはまだ良い方だったなぁとしみじみ感じた。
暖冬ながら、雪山を楽しむことが出来た山行でした!