南会津・三岩岳縦走
●期日:2013年11月9~10日
●メンバー:つりし、いた、すが、ハギ(記)
●行程:
11/9…赤羽発6:00~小豆温泉駐車場発10:15〜三岩岳避難小屋着15:05
11/10…三岩岳避難小屋発6:05~三岩岳山頂6:55~三岩岳避難小屋発7:53~窓明山着8:55~家向山着10:35~巽沢山着11:43~車道着12:40
●記録:
7月に行った黒檜沢の下山道。その途中に水場付きのログハウス風素敵な避難小屋があった。
そこに泊まり、きのこ、特に!時期が良さそうなナメコを道すがら捜索し、ついでに?!周回コースで縦走しようという、なんとも欲張りな計画を、つりしさんが立ててくれた。
紅葉が道の両側に迫る素敵なドライブコースを経て、小豆温泉の駐車場から戻る形で10分弱、沢沿いコースではなく「国体コース(旧道)」からスタート。
右の緩やかな踏み跡を辿ったらすぐに不明瞭になり、左の尾根へトラバースした。ここは登山口からすぐ左に見える、朽ちかけた急な丸田階段を素直に登って尾根にさっさと取り付いた方がいい。
なかなかの急登だ。今日の行程は短いので迷ったが、分不相応に欲張らず、ビール一本だけ&度数重視のウィスキーでよかった…。7月下った時は、ずっとなだらか~なイメージだったのだが…そのなだらかな印象は、かなり上の方の記憶だったようだ。
早速、老菌だがムキタケ少々を発見、期待が高まる。
が、それからしばらくは、たまに見つけても食べごろ終了なきのこだけ状態が続き…相変わらず見上げれば気分が萎える急な道を淡々と登り、期待が萎みつつあったとき。つりしさんがやおら「ムムッ」と唸って登山道を逸れ、踏み込んだ先の倒木のたもとで叫ぶ。「ナメコだあー!!」
登山道から5メートル、こちらからは小さい粒が一つ、見えるだけだったのに見逃さなかったつりしさん、情熱のなせる業か。みんなその場でザックをかなぐり捨てる。
間違えようはなかったが、一応図鑑で確認。ナイフで丁寧に切り取ると、ぬめりがこれまた半端なく、ねっとりと糸を引き、手が粘液まみれになる(この手、どうしよう…)。さらに倒木に沿って奥に踏み込んだつりしさんがまたも絶叫する。「すごいよこっち!」
茶色い宝石のよう粒がつやつやと…みっしりと!
みんな笑いが止まらない。小さめのレジ袋二つにずっしり〜。

ニタニタしながら足取りも軽く急登を再開。途中ムキタケに加えてクリタケも少し採取。
晩餐が楽しみだ!!次第に雪が出てきて、いたさんが「初雪だわ~」と嬉しそう。


避難小屋で今日の行動は終了。小屋前の水場も、水筒に溜めるのにストレスがない程度にきちんと出ていてホッとする。雪に覆われる前でも、もう少し寒くなったら凍ってしまうだろう。
女三人が荷物を出したり、夜汲むのは嫌なので、水をありったけの水筒に詰めたりしている間に、つりしさんが丹念にきのこを洗い、塩水につけて虫抜きの下処理。たっぷりあるので、明日の朝食のすいとんにも入れることにする。

これまたつりしさんが担ぎ上げた日本酒の熱燗をやり、暖まってからビールで乾杯、きのこ汁を味わう。その味は…も、たまりません。
同宿の、単独男性二人にもおすそ分け。楽しい夜だった。
翌朝は四時半起床、トイレに外に出ると、星が出ていた。
朝から具沢山のナメコすいとん汁を頂いて元気一杯、荷物は置いて、小屋から軽アイゼンを履いて三岩岳を往復する。途中で雲の合間にご来光。積雪は多い所で15センチほど。
黒檜沢の薮漕ぎの終了点、思い出のポイントに出会いなんだかとても嬉しい。
曇っていたがガスガスではなく視界はクリア、山頂では会津駒の向こうに燧(多分)まで見えた。


小屋まで戻り、問題はこれから荒れるという今日の行動をどうするか、であるが、縦走路は森林限界以下=吹きさらしの稜線ではないので、縦走行ってみましょうとつりしリーダーの号令。予定通り、小屋からすぐの縦走路に踏み込んだ。
しばらく歩いたら雨がポツポツ降りだした。が、以降小雨程度で降ったり止んだりだったので、本当によかったと思う。

背の高い笹藪が防風林の役目を果たしている窓明山までの稜線、途中で行く手にぽっかりと池糖が見え、素敵な景色。窓明山からは下り、樹林帯に入りもう安心。途中でまた、つりしさんが登山道のすぐ脇にいるナメコ群を見つける。今度のは昨日のより大きめサイズで、一同ひとしきり興奮。他、下山中の収穫はムキタケ、ヒラタケを少々。あと同定できなかったキノコ(ブナシメジ、エノキタケの疑い。もちろん「確信なきは食わない」の、コバ師匠の教えを守る)。


途中までなだらかないい道だったが、ラスト高度差200Mまたウンザリな急降下になり、落ち葉で滑ってまったく気が抜けない。今回ストックは非常に有効だった。上の方は葉も落ちきっていたので、眼下に広がる唐松の黄色い絨毯がより一層鮮やかに見え、目を楽しませてくれた。
最後は大きく崩壊した脇を下り、車道に飛び出した。特に登山口の標識がないので、こちらから登る時は道路から見える崩壊と、20M先にある建築物が目印か。
車まで戻ってザックを置き、すぐそこの温泉に向かうタイミングを待っていたかのように、雨が強めに降り出した。
予定通りの行程を無理なくこなせ、山の恵みを頂いて、ひたすら静かな晩秋の山を存分に楽しめた。
とってもとっても、いい休日でした!ありがとうございました。
集会報告を更新しました
古賀志クライミング
●日時:平成25年11月2日(土曜)~4日(月曜)
●場所:
11月2日「不動滝左フェイス」
11月3日「不動滝右フェイス」
11月4日 悪天候のため、インドアへ転戦
●ルート:当文書の末尾を参照ください
●参加メンバー:アベ(L)、サイトウ(SL)、中村、はぎ、つりし、さぶ、カオリン、コバ、みっちゃん、たかたか(記)
●記録 :
7時に岩槻駅集合。アベさんの車で、中村さん、ハギちゃん、カオリン、タカタカの5人は、古賀志のゲレンデへ向かう。3連休初日の下りは渋滞し、到着まで2時間半くらい費やした。
古賀志の岩質はチャートで逆層。しかし、傾斜はそれほど無く、5.9以下のルートも沢山ある。ボルトもしっかりしていて間隔も近い。とはいっても、リードとなると難しいもの。早速、ベテランのアベさんが「粉屋の娘さん」をリード。アベさんは右肩に痛みがあるそうだが、率先してリードを担当してくれた。阿部さんの登りは何回見ても、バランスが良く、とても美しい。また、もう1人のベテラン中村さんのクライミングは素早くて、あっという間に終了点に到達している。中村さんにとっては久しぶりの山行参加だが、そのブランクを感じさせない。さすが岩場に慣れているなぁと感じた。
さて、ベテランはその2人以外にも、もう1人いた。ハギちゃんの知り合いの男性、○田さんだ(とりあえず匿名)。偶然にゲレンデで会ったのだが、○田さんは「仲間が午後からくるので、午前中はクライミング仲間に入れてくれないか」とのこと。私たちも承諾して一緒にクライミングを楽しんだ。というか、何本もトップロープをセットしてもらった。と言ったほうが正しい。○田さんのお陰で、皆が様々なルートを充分に楽しんだ。
他メンバーも負けてはいない。特に、はぎちゃんとカオリンのやる気がすごい!幾つかの難しいかぶったルートに果敢に挑戦して、核心部分を何度も何度もトライする。○田さんも絶賛。「本当にすごい!よくそんなに長くねばるねえ。大したものだ。」と褒めてくれた。
この日、トータルで6~8本のルートを登り、疲れ果てた。だからこそ、その後の飲み会は最高だ。中村さんは所用により日帰りで残念。アベさんが美味しいご馳走を振舞ってくれた。1日目夜はキムチ鍋、2日目朝は鳥南蛮うどん。キムチ鍋は豚バラと蛤のダシが旨みタップリ、ニンニクとゴマの香ばしさが堪らない。鳥南蛮は鶏モモ(大)2枚をこんがり焼いてからカットして鍋へ。どちらも料理のコツがぎっしり詰まった一品。女子3人は、ビール片手に「へ~、勉強になるねえ~」などと言いながら、つまみをポリポリ食べている。。アベさん、すみません、本当にありがとうございました。
翌日の11月3日は、サイトウさん、コバさん、さぶちゃん、みっちゃんの4人が朝から合流。つりしさんは夜から合流予定。
まず最初にハギちゃんが「新人クラック」をリード。スムーズに登っていく。サブちゃんも同じルートを何の問題も無くリードでクリア。アベさんも「タケチャンマン」をリードする。このルートは結構ホールドが悪いのだが、相変わらずお手本になるクライミングだ。

さて、新人(?)の3人はどうだったかというと、、、
まず、コバさんはスタイルが良く手足が長いので、ヒョイっとホールドに手が届くあたりが羨ましい。そして、ハギちゃんとカオリン同様、結構ねばる。何度も何度も挑戦していて、体力があるなあと感じた。
みっちゃんは、外岩の経験は1、2回しかないにも関わらず、スイスイと登っていく。その姿に一同びっくり!岩登りの素質があると皆に褒められていた。そんな中、みっちゃんが急に「思いつきました」と言う。テンションかけるとき、その前に「あ」をつけると、「アテンション・プリーズ☆」(スッチー風)になる、ということを発見したらしい。。。私たちは何とリアクションすべきなのか?一瞬にして回りの空気を凍らせた。気を取り直して、みっちゃんが登る。しかし、中盤でまさかの「アテンション・プリーズ☆」を大声で叫ぶ。当の本人は、先ほどの凍りついた雰囲気を察することが出来ていなかったようだ。今回の合宿中、みっちゃんはこのような爆弾を何発もぶち込んできたのだが、その全てをここに書ききれないことが惜しい。何回お腹を抱えて笑ったことか。この調子だと、一年後には北稜会員はトレーニングなしで、腹筋がシックスパックに割れていると思う。

サイトウさんは、次から次へとリードをして、トップロープをセットしてくれた。流石20年前に日本のクライミング界を騒がせた男。長期ブランクを感じさせない安定した美しいクライミング。アベさんは昼過ぎに帰ったのだが、もしサイトウさんがいなかったら、残りのピヨピヨ集団は路頭に迷ったことだろう。本当にサイトウさんが入会してくれて良かった。他メンバーへの面倒見も良い。例えば、、「ドライアイス・センセーション」の終盤にマントリングする箇所がある。そこまではサイトウさんがリードしてくれたのだが、その箇所から終了点までのみをタカタカがリードすることに。しかし全くクリアできないタカタカを哀れんで、マントリングした後にある支点に、サイトウさんが隣のルートからヌンチャクを先に掛けてくれた。しかも3本も連なって。。 サイトウさんの優しさを感じる。タカタカには極楽からの蜘蛛の糸に見えたのだった。

この日も6~8本登って、皆大満足。夕食はコバさん特製カレーシチュー。トマトベースのスープにカレーの風味が食欲をそそる一品。まず、細かく丁寧に刻んだニンニクやショウガ、アクセントで鷹の爪などを炒めることから始まる。その丁寧な仕事に、皆が感心する。野菜とお肉がタップリ入って、栄養満点だ。さらにお手製のお酒も持参。そのほかにも即席アレンジで、酒盗のパスタ(これが絶品!)やソーセージのチーズ焼きなど、沢山のおつまみメニューを作ってくれた。昨日のアベさんといい、皆を楽しませようと色々気を使ってくれて、本当に感謝します。
そんな宴会の最中、つりしさんが到着。更に宴会を盛り上げてくれた。しかし、宴会の途中で急に強い雨が降ってきて、さあ大変。すると、つりしさんはご自身で作ったというタープをロープで木に固定して、即席で宴会会場を作ってくれた。さすが、沢登りの達人だ。
この夜、強い雨が降り、3日目の最終日は岩登り中止。深谷のジムへ転戦したのでした。
この3日間の合宿中、皆がクライミングを大満喫できたことと思います。リーダーのアベさん、サブリーダーのサイトウさんをはじめ、皆様大変お世話になりました。誠にありがとうございました!
●ルート詳細
11月2日「不動滝左フェイス」
・粉屋の娘さん(5.9) 中盤のカチが数手続くところが核心。
・沙羅ちゃん(5.8)
・ブラックレイン(5.8) 一番易しい。
・鼻カンテ(5.10b) 壁がかぶっているが、ガバが多い。体のフリを意識。
・競技会ルート直上(5.10a) 途中テラス沿いに左から回り込むと「競技会ノーマル」
・ウルトラマン・フェース(5.9) 少し壁がかぶっている。意外とホールドが小さくて悪い。
11月3日「不動滝右フェイス」
・新人クラック(5.8) クラック沿いにガバあり。
・タケチャンマン(5.10c) 少し壁がかぶっている。中盤でカチが続き、次の左手も悪い。
・ドライアイス・センセーション(5.10a) 体のフリを意識してバランスを取る。
上部のマントリングも面白い。色々なムーヴが出来て、良いルート。
・凹状フェイス(5.9) 体のフリ、バランス大事。ガバが多い。
・失神クラック(5.10c) 下部はクラック沿いにガバがあるが、中盤はカチが増える。
・凹状ハング(5.10a) え?ほんとに10a??ホールド悪い。
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御嶽山山行報告
御嶽山
時期:2013年10月12(土)~13日(日)
メンバー:いしつかみ
1日目(10/12)
新宿発7:00→塩尻9:34・発10:03→木曽福島駅10:37(特急しなの7分遅れての到着)・バス10:43発→田の原着12:00 田の原12:05~王滝頂上~剣が峰(頂上)14:35着・発14:45発~二ノ池~五ノ池小屋16:40着
2日目(10/13)
五ノ池小屋6:00発~継子岳6:30~四ノ池~三ノ池~女人堂(9合目)9:00~御岳ロープウェイ9:45着・発11:20→木曽福島駅12:15→塩尻13:11・新宿着15:33
御嶽山へのアプローチは意外と長く、朝一のあずさに乗車し、乗り継ぎ乗り継ぎで5時間を要しました。途中信越線の遅れでバスへの乗り継ぎにハラハラしましたが、無事に登山口となる、田の原口に到着。思ったより人は少なく、思ったより寒い状態でスタートしました。ここ、田の原口は既に2256mあります。途中までハイキングコースにもなっており観光で訪れている家族などの散策風景がみられました。風は少しあるものの天気がよく気持ちよく歩き始めました。

今回は山小屋泊まりともあってどこかで観光気分に酔いしれていたのかもしれません。そこが大きな仇となり、後ほど試練が待っているなんてこのときは知る余地もありませんでした。順調に9合目まで来ました。この辺りから風が強くなって来ました。先ほどまで汗をかいていましたが、寒さが上回りはじめした。持ってきた上着と雨具を着込みました。(大丈夫かな?)不安な感覚が生まれながらも王滝頂上に到着。ここまでくると頂上までは15分程度。しかし風の他に霧までが発生。時より強い風が吹き、足が止まりそれでも一歩、また一歩と進むうちに頂上岳山荘到着。リュックを置き、階段を上り御嶽山の頂上、剣が峰に到着。頂上には立派な祠があり石像も何体か祭られてありました。静けさから不気味さも加わってか、写真を撮り急いで頂上を後にするのでした。

頂上山荘には数名登山者がいました。ストーブが焚いてあり、体を温める光景。私も手を温めさせてもらいました。10分ぐらい休んだら大分落ち着き元気がでてきました。ここから五ノ池小屋まで通常なら1時間程。アップダウンもほとんどない。「大丈夫、そう大丈夫」そう言い聞かせ、これから先の道のりに不安を抱えながらも出発しました。向かい風と戦いながら二ノ池を超え、賽の河原へ。ここは恐かったです。霧の中、人だ!と思う全てがお地蔵様だったり巨大ケルンだったり。視界がわるく3メータ先ぐらいしか見えませんでした。そして、3000m上空の世界とは思えぬほど、登山道は整備されていました。コースもあちこちありすぎ迷う場面も。迷ったら地図とコンパスで位置確認とかしなくてはなりません。しかし凍えた手でリュックから色々取り出すことが億劫で、これが優先し、感覚判断で進んで行きました。しかし、とうとう悲劇が起きました。“小屋まであと5分”と書かれていた看板から10分経っても、20分経っても着きません。やっと看板が見えて来ました。くいるように見ると、今まで歩いてきた方向を示しています。「えっ!」おかれている状況を把握しました。「これって遭難・・道迷い。」視界も2mぐらいになっていて泣きそうになりました。(不安、孤独、寒さ・・あ、どうしよう・・)とっくに山小屋に到着していいはずの時間は過ぎています。携帯電話を握り締め尾根に出たらSOSの連絡をしよう、そう繰り返しながら無我夢中で歩きました。踏み外さぬよう、見落としがないよう、体は霧雨でどんどん重たくなって行きました。尾根に着き辺りを見渡そうとした時、風が霧を払い行く手に五ノ池山荘が、五ノ池小屋と書かれた石看板がみえました。「あ~よかった、あ~助かった・・!」小屋の人も心配していました。周りの人も察知したのかストーブの前を空けて温めさせてくれました。この日の山小屋は大混雑でした。頂上山荘からココまで、誰一人と会わなかったのにココには沢山の人。ひょっとすると霧が濃かったので見えなかったのでしょうか。どうにか無事に到着出来たものの、情けないありさま、反省だらけの一日でした。この日の夜は氷点下(-4℃)。観光気分の装備しか用意していなかったので、遭難していたらと思うとぞっとします。10月の3000m級の山は恐いと思い知らされました。その夜は疲れていたのでしょう、7時半にバタン、きゅー。翌日4時半まで熟睡でした。
二日目の朝は、昨日とは一転、遠く北アルプスも見渡せる程の天気でした。あんなに迷った辺りも一望出来ました。5時50分、日の出を拝み6時に小屋を後にし、継子岳経由で御岳ロープウェイに向かいました。風が強かったのですが、展望がよく全て見渡せたので楽しめました。8合目にある女人堂に着くと、今朝登ってきたかと思われる登山者が途切れることなくロープウェイまで、つながっていました。絶好の紅葉、行楽日和です。センターハウスでは“木曽フェスティバル”が開催されており、ホルンや和太鼓の演奏が行われていました。きのこ汁や地元のお酒の試飲などもあり大勢の人が楽しんでいました。

振り返ると、身を持って“山の恐さ”を思い知らされた山行でした。「まさか御嶽山で!?ありえないでしょう。」みたいな“驕り”は、決してあってはいけないということでした。自立した登山者を目指しているはずなのに、地図は見ない、読めない。上着は持っていくも、薄くて意味がない。進むルートをはっきり把握していない。あれもこれも山の基本だらけなのに、全く機能していませんでした。反省点だらけです。これもまた経験の一つと忘れずに心に刻み、これからは二度とこのような事がないよう、行動していきたいと思います。
御嶽山、3067m信仰の山として知られています。
この霊山で、これからの山との向き合い方を教えられました。
山をやり始め4年目でした。だけどスタートラインに立った感じです。
まだまだこれからです。自立した登山者になるよう先輩たちにくっ付いて、色々学んで生きたいと思います。ありがとうございました!
太刀岡山左岩稜
利根川水系 楢俣川ススケ沢
【山行日】2013年9月20日~23日(前夜発2泊3日)
【メンバー】つりし(CL)、ハギ、コバ(記)
【行程】
9月20日 集合(21:00)-楢俣湖 林道ゲート着(0:00)
9月21日 林道ゲート(6:30)-狩小屋沢出合(10:00)-幕営地(14:30)
9月22日 幕営地(7:30)-ススケ沢出合(8:20)-ススケ峰の南西尾根1800M地点(12:30)-奥ススケ沢源頭部(13:00)-沢種沢合流点(15:00)-幕営地(17:30)
9月23日 幕営地(8:00)-狩小屋沢出合(11:30)-林道ゲート(15:30)
【記録】
9月21日(晴れ)
林道ゲートを6:30発。他に2パーティが前後して出発。楢俣川本流での釣りとヘイヅル沢とのこと。
ネットの記録によると林道歩きは3時間とのことで少々心配していたが、景色に変化がありなかなか飽きさせない。途中山葡萄を発見。少し収穫してしゃぶりながら歩く。時間は余計にかかったが狩小屋沢出合手前の開けた場所に到着。
沢装備を付け、踏み跡をたどった先で狩小屋沢に突き当たり入渓する。入渓点には相当古いがロープが張られていた。


入渓点から狩小屋沢を下るとすぐに楢俣川の本流と合流する。狩小屋沢は沢幅も狭く暗い感じだったが、本流に出た途端視界が開け、明るくて広い沢が出現する。水量も多く、透明度が高く、深いところでは濃いエメラルドグリーンが美しい。本流に入ってすぐは広い河原歩きとなるが、だんだん両岸が切れ上がっていきゴルジュと滝が連続するようになる。ゴルジュのヘツリも滝の壁も十分なスタンスとホールドがあってどれも比較的簡単に通過できる。どの滝もスケール感がありとにかく楽しい。



出合に滝を掛ける日崎沢を右手に通過した辺りでそろそろ幕営地を探そうということになる。しばらく行ったあたりでつりしリーダーが適地を発見。テントを張ることにする。テント場はちょうどいい大きさで、人が多く利用しているようで焚火跡もあったがゴミもなくとても快適であった。
つりしさんとハギさんは近くでイワナを3匹も吊り上げる大漁ぶり。残念ながらキノコにはまだ早く収穫はならなかったが、大満足の夕食となった。この日のイワナはムニエル、なめろう、胃と皮のソテー、卵と白子の醤油漬け。ご馳走様でした。



9月22日(晴れのち曇り)
予報では曇りベースであったが朝から晴れ。ススケ沢を遡行し、うまくいけばススケ峰と幻の湿原にたどり着けるかも。ということで7時半に出発。朝のさわやかな空気の中を1時間くらいでススケ沢出合に到着。ススケ沢出合は反対からも小沢が流入してミニ十字峡を形成していてわかりやすい。実はこのススケ沢、遡行記録は多くあるものの、国土地理院の地形図にもその名はなく、いったいどの沢がそうなのか現地に着くまで実のところ不明であった。行ってみると地形図に記載のある南沢というのがそれであった。



ススケ沢を遡行し始めるとすぐにここもやはり楢俣川であることを実感させられる。沢幅は狭まるものの白い岩の明るいゴルジュ地形にエメラルドグリーンの澄み切った流れ、次から次へと現れる個性的な滝。うっとりとするような景観が続く。ススケ沢に入って20分ほどで20m弱くらいの滝が現れる。これは右岸のスロープ状の岩を上がり滝の中間部あたりに取りつくと水線脇を難なく登れる。さらに20分ほどでススケ沢核心部大滝が現れる。地形図にある滝マーク?20mは超えていると思われるので、これを越えたら40メートルしかロープの無い僕らはもうこの沢を引き返すことはできないが、時間もまだ9時過ぎなので詰めあげることを決意する。見たところ直登は不可能なため左岸のスラブを上がって巻くことにする。滝の落ち口上部に向かってトラバースする草付の急傾斜が滑りやすく泥も剥がれ易そうで緊張するが、20分ほどでどうにか切り抜ける。



この後も大小の滝やゴルジュが連続し楽しく遡行を続ける。10時15分ごろ1470M付近の二俣到着。右に行けば至仏岳と連なる稜線に出てススケ峰にも確実に登れるルート。左に行くと記録がないのでどうなっているかは不明だが、下降に予定している沢の源頭付近に突き上げるルート。もし源頭部が草原ならススケ峰の湿原を望める可能性も残る。悩んだ結果時間と下降を優先する左俣ルートを選択。





さすがに源頭の様相となってきて両側から藪が迫ってくる。にも拘わらずところどころに滝が出現。最後の最後まで楽しませてくれるのだ。いよいよ水流もなくなったあたりで一瞬草地の上に顔を出す。振り返った眺めは素晴らしく、充実感一杯。だがここからは笹と灌木の藪漕ぎ。1時間ほどで尾根線上に到着するもやはり藪の中で眺望はなく、時間も12時を過ぎていたためススケ峰はあきらめる。念のためGPSで現在地を確認し、目標となる下降沢(奥ススケ沢?)へのルートを確認する。尾根を越え下降気味にトラバースすると割と簡単に沢筋に出ることができた。



奥ススケ沢は下降に適した沢で、一か所懸垂下降をしたが、他は多少大きな滝も階段状に歩いて降りることができて快適だった。16時頃本流と合流し17時半ごろテン場着。充実した1日であった。




9月23日(雨)
深夜から雨。しとしと降りで増水の心配をするようなものではない。
朝もゆっくり起きて8時ごろの出発。1日目とは逆に楢俣川本流を下り狩小屋沢を目指す。雨は降っているが快適。1か所日崎沢の出合の滝で懸垂下降した以外は問題なく、予定よりも早い11時半ごろ狩小屋沢から林道に上がることができた。林道はなぜか帰りに登りが多く、1日目と違いだんだん飽きてくる。長い林道であった。




楢俣川は明るくブナの森に囲まれた素敵な沢でした。大きな滝も登りやすく、美しいゴルジュや淵、緊張感・高度感のある滝もあり、藪漕ぎもほどほど。イワナも魚影が濃く、季節になればキノコや山菜も期待できる。ルートもたくさんあるようなのでぜひ何度も訪れたいと感じた沢でした。
きのこ採り沢 福島県滑谷沢
●期日:2013年10月12日 ~14日
●参加者:ハギCL、えび、こば、つりし(記)
●行程:
11日:王子出(22:30)→東北道福島飯坂ICを経て峠駅着(26:00)幕営
12日:峠駅(7:00)→東栗子トンネル登山口(8:00)→烏川入渓(10:00)→滑谷沢出合(12:50)→二俣幕営地BC(15:30)(内きのこ採り時間2hほど)
13日:BC(8:00)→滑谷沢右俣(8:05)→奥の二俣(10:00)→BC(12:00)
(当初予定は栗小山に詰め上げ三本松沢下降であったが雨天の為BC往復に変更)
14日:BC(7:10)→滑谷沢左俣(7:15)→裏見の滝(8:20)→大平橋(9:20)→登山口(12:30)
●記録:
東北自動車道の福島飯坂ICを出るとまさかの本降り、はじめ登山口のある東栗子トンネルの出口脇で幕営をする予定であったが、(車のトンネル通過音が大きく幕営は不向き)雨がしのげるところということで、そこから40分ほど走った米沢の旧峠駅跡地で幕営する。
軽く飲んで3:00就寝し朝はゆっくり寝坊する予定であったが、5:40テント横の車の防犯ベルが突然鳴り出し飛び起きる。
外に出ると誤作動でしたと車の主が平身低頭、また峠駅自体も深夜の保線工事の音で度々目が覚め、みんな寝不足気味である。
ともあれ車でまた40分ほど走り栗子トンネル脇のスペースに駐車、登山道の看板がある工事現場内を通って林道を進む、最後のほうにある二つ小屋トンネルは崩壊が激しく要ヘッデン、林道も四駆で通れるかどうかかなり微妙である。

2時間ほど歩いてコンクリートの烏川橋を少し超えたところから入渓し烏川を下る。
沢は高低差がなくサラサラとおだやかに流れている、特にザイルを出すようなところもないが苔が滑るため、一人アクアステルス底であったコバさんは少々歩きにくそう。
途中、倒木に楢茸の群生が何箇所も出てきて収穫しながら沢を歩く、キノコはその後の最終日までスギタケ、くりたけ、うすひらたけ、ぶなはりたけ、サンゴハリ茸、センボンイチメガサ、エゾハリ茸を食べられる量だけ採取した。
このようなきのこ採りができるのも、今年入会したコバさんのおかげである、その収穫の仕方はとても慎重で、すでにわかっているキノコでも複数のキノコ図鑑で念入りに再確認し、そして少しでも自信がないものは食べないことを徹底しているので、とても安心して食べられる。
それにしても、とれたてのキノコは美味しい。(*エゾハリ茸だけは固くて今一)


10:00滑谷沢の出合いに到達、水量が一気に多くなり、ところどころ出てくる深い釜のへつりはこの時期、落ちると震えるほど寒いのでとってもスリリング、また雨足が段々強くなって本降り状態に沢水は茶色になり少し増水してるが、このくらいの雨だと周囲は保水力がある森であるので一気に増水することは少ないのかもしれない。
途中、幕営できそうな平地が何箇所かあるが、今一決め手に欠けるので、大雨の中我慢し遡行を続けると、15:00二俣手前に素晴らしい幕営地出現、ありがたいことにブルーシートがデポしてあったのでそれをタープ代わりに設営しその下で焚火をすることにした。
冷え切った体でようやく集めた薪は水浸しで着火困難と思われたが、エビ火付責任者が一発で着火させる、去年からメキメキ腕をあげ今やすっかり焚火有段者である。
さて焚火が安定すると、ここからはコバ料理長の独断場である。
まずは前菜・食前酒としてクラッカーにたっぷり塗った山葡萄ジャムと山葡萄漬けのバーボンが厳かに出てくる、山葡萄は前にナラマタ沢行でとったものを料理長がジャムとバーボン酒漬けにしたもの、その気品あふれる素晴らしい味に皆が唸る、いまここに幻のレストラン「ブルー・ラ・シート」が出現した。
大蒜ホイル焼き、なすときのこの大根おろし煮、ミョウガ生姜味噌、仙台油ふとキノコの甘辛煮、一人150gもある鶏肉とキノコとトマトの悪魔風炒めなど、素晴らしい料理の数々に赤ワインとビールがガンガン進む。
前日ほとんど寝てないので珍しく私は21:00にテントに避難、流石にこの時期はシェラフカバーだけだと寒いので、夏用シェラフ+カバーで寝たらとても快適であったが、ダウン上+象足+カッパ+シェラフカバーでも寒くなかったようである、こちらのほうが缶ビール1本位追加できたかも。

あくる朝、寝ぼけ眼でエビマスターが入れてくれた本格ドリップコーヒーを飲んでいると、雨が本降りになってきた、ハギCL悩みに悩んだすえ、本日停滞して、もし天気が回復したら右俣を奥の二俣まで往復に切り替えるという決断をする。
本日雨でもブルーシートが張ってあれば焚火宴会ができるのでひと安心??
雨が少し上がり始めたので8:00に出発 変更通り右俣を上がる、滝がぽつぽつ出てくるが難しいところはしっかりとした巻き道あるので容易、また落ちなければ濡れても膝上あたりくらいで済むので、秋の沢としてもとても良い場所である、いろいろ調査して選んでくれたハギCLに感謝である、また魚は多く走ったが、サイズがあまり大きくないのと、巻き道がしっかり付いていること、幕営地のデポ品などを考えると、9月禁漁時期までは釣り人が多く入る沢であるのではないかと思われる、ちなみに今回沢中で会った釣り人は居なく沢登の2人組だけであった。

予定とおり往復してBC13:00頃帰還、余った期限切れのコンビニ御握りときのこをぶっこんで作ったきのこ雑炊が旨い。
さて今夜は今季沢中での最後の焚火宴会でもある、そんなみんなの気持ちを代弁するかのように、燃やすのに時間がかかりそうな太い薪がたくさん集まる。
暗くなるのが待ちきれずに熱燗「ぷわー」 あてはきのことわかめの酢味噌和え、ワカメの山葵醤油漬け、体がすっかり暖まりビールに変更するとつまみもウインナーときのこの炒め物、大蒜ホイル焼き、きのことねぎのホイル焼きと合わせてくる敏腕料理長、今夜のメインディッシュであるハギCL特製大盛きのこクリームシチューを食べその優しい味に浸っていると、今度は料理長が丸々太った尺ベーコンをとり出し、ベーコンの端を切ってキノコと炒める、旨すぎる。
お腹がきつくなってくるが、米は別腹という乱暴な意見に押されビリー缶に米4合+山盛キノコに醤油を適当にかけて焚火に放り込むと、30分で素晴らしいキノコ飯の出来上がり、「これは凄いよ」とおこげも綺麗にこそぎ落として食べるお腹一杯なはずの欠食大人達。
いよいよ宴も終盤となり最後はウイスキーでちびりとなると、いよいよ先ほどのベーコン塊のご登場、真っ赤な火で炙ると、溶け出した脂がとびちり、あつあつをまな板の上でじゅっと厚切りにして、口に放り込むと「はふほふ、脂じゅわー」あーなんて幸せなのかしら・・
そんなこんなんで、深夜就寝、その夜体脂肪率が10%増えた健康診断書を医者から渡された警告的な夢を本当に見てしまった。
翌朝は大快晴、大盛きのこラーメンを食べ7:00出発、途中 スダレ状滝や裏見の滝、ナメ滝が出てきて綺麗、しかし困難なところはなく、間違いなく初級癒し沢である。


両岸にある低いぶなの森に日が差し込み、木漏れ日が沢に反射してなんとも素晴らしい。
9:20 大平橋到着、大変名残惜しいのだが陸に上がる、帰り道は山ぶどうを採り食べながら歩き、お土産と山栗、きのこなどを採取する、秋の歩行時間はいつもより余計かかることを勉強し12:30登山口に無事に到着、おかげで良い沢納めになりましたとお互いに感謝の握手を交わす。
帰りの風呂は偶然見つけた飯坂温泉共同浴場(あとで調べると同じような所が温泉内に9箇所あるとのこと)、こじんまりだが100%かけ流し、風呂代200円+石鹸別売り50円也、熱い風呂と温い風呂と別れているが両方とも46度、地元の人は熱いのがお好みとかで、風呂場には風呂めぐりの地元以外の方が来たら温い風呂釜は43度に下げてあげましょうと書いてある。
ちなみに私も熱くて入れずに親切な地元の方に加水してもらい入りました。
東北福島は人も自然もとても優しく、また良い仲間に恵まれ最後までとても癒された沢旅ができましたハギリーダー、えびちゃん、こばさんありがとうございました。
また来年もこんな感じなのを是非やりましょうね。
