日程:2017年8月27日
メンバー:こば(L)、うえ、つかみ(記録)
ロープ:8㎜ 30メートル お助けロープ
コースタイム:(前夜泊)6:15大源太山登山口駐車場~7:15入渓地~7:50七つ小屋裏沢出合~9:20三又~12:40大源太山頂上~ヤスケ尾根~15:35大源太山登山口駐車場
8月最後の週末、北アルプスを楽しむ予定だった。
こばさんとうえちゃんは畳尾・飛騨尾根登頂。そして私は常念から蝶が岳を縦走。しかし、天候が崩れそうなので転進することになり、そこに私も参加させてもらった。晴れそうな地域の沢登りへ。前日の夜、登山口駐車場へテントを張って翌日に備える。標高800メートル程の駐車場。半袖一枚では少々寒い。夏が過ぎ秋の気配を感じてくる。それでもランタンによってくる虫たち。空には一面の星空。やっぱりいいなー。何度繰り返しても山の領域には癒される。
5時に起床。外で珈琲を頂いていると、車が一台。また一台と次から次へとやってくる。あっという間に10台ほど停められる駐車場は満杯になった。登山者の方が圧倒的に多く、沢装備をまとったパーティは一組(5名)だけだった。先に越されたくないなー、と思ったが先に出発。ゆっくりしていたが、私たちも予定より早めの出発となった。
今回の沢は大きく3つに分けられる。入渓地から三俣までの前半。三俣から大源大山頂上までの後半。そして、下山となるヤスケ尾根である。
先ずは、前半。
駐車場と登山口は同じ敷地内にあり、登山ポストに計画書を入れスタート。歩きやすい登山道を進むと崩落した箇所に梯子がかかっている。しかしこの梯子も崩壊の箇所あり。注意しながら登り、2回目の徒渉地点が入渓地。既に沢装備を整えて出発しているのですんなり通過。最初に2条4mの滝。すんなり突破。次いで4条6mの滝。先に出発した五人組のパーティが、左側からロープを出して登っていた。確かにガイド本には左とある。しかし、リーダーは右から登り始めた。確かめながらあっという間に登り切る。お助けロープに繋がり、私たちも後に続く。思ったよりすんなり登れた。やはり人数が少ないと早く先に進む。あっという間に七つ小屋裏沢出合い。その後に続く小滝。いやらしいものもあり、気が抜けない。7mの滝は右側の壁から取りつく。そして10mの斜滝のクラック。左側のクラック沿いを登る。小さなものでもぬめりがあるので、気が抜けない。水流があったり、滑っていたりし、「どうかな?」と、思う箇所には必ずお助けロープを出してもらった。たまに、「いけそうかな」と、強気に思う場所も、このお助けに繋がれているから、そう思えたんだなーと、今更ながらに思う。
予定より早く三俣の出合いに到着。
ここからは後半。
七つ小屋沢から流れ落ちる30mの滝は迫力があった。見晴ノ沢も崖から勢いよく流れる。そして出合いにかかる8mの滝は右壁を渡り、次いで2段15mはそのまま高巻く。草木を握りしめながらトラバース。先が見えなくなくなる所もあり、緊張する。次の2段7mはあっという間に過ぎ、チムニー滝へと差し掛かる。今までお助けロープのみで進んできたが、リーダーは30mのロープを取りだした。ザックを背中から腰へと位置を変え、ロープをつけて進んで行った。なんとビレーなしで。「エッ!?」一心不乱でみていると、壁と体がフィットしている。ねじりなら、つっぱりながら快調に進んで行った。最後の詰め上げ部分がシャワークライムになっており、そこが少々難しそう。それでも、無事突破。次に、クライマー女子のうえちゃん。小柄ながらもかなりの男前。怯むことなく進んで行く。足のスタンスを確実にとりながら、慎重に進むので安定感がある。するすると最後の詰めに差し掛かるも、足をしっかり決めての突破。華麗である。そして私の番が来た。ハーネスにロープをしっかり結びトライ。しっかり見ていた通り、チムニー部分は何とか進めたものも、張りだした岩の登り詰め。思ったより水圧がかかる。力を振り絞りトライ。次の瞬間、ずり落ちた。どうしよう・・それでも、何でも、どうにか、上がるしかない。再度チャレンジ。ロープに全体重を乗せ踏ん張ると、隙間にお腹が引っ掛かった。両足で壁を蹴飛ばしどうにか突破。
あーよかった。
その後は、徐々に沢は枯れ、スラブ状になってくる。乾いていてもコケなど付着し滑っていたりし、かなり厳しい。一か所、脇の潅木帯に逃げ込む。足場が定まらず手こずりながら、かなり苦労した。どうにかこうにか、ヤスケ尾根の稜線にでた。そこから頂上までは、ほんのわずかで到着。
大源太山山頂。抜群の展望、越後の山々など近間からみることが出来た。「うー素晴らしい!」
山頂でしばし休憩をとり、ヤスケ尾根を下って行く。上越のマッターホルンとささやかれるだけあって、尾根の両脇は際立っている。足元はしっかりとしているので、全く問題はない。展望を楽しみながら、樹林帯の中に。下り一片の登山道。足を痛めないようゆっくりと下っていった。
小滝や三又の大滝。そしてシャワークライムのチムニーに、緊張スラブとスリル満点だった。
沢の水は適度に冷たく、木々の隙間からは光が溢れる。見上げる空は青。絶好の沢日より、満喫した一日に感謝。