蓮華温泉 山スキー

【日程】2021年4月9-10日
【メンバー】つりし(L)、ハギ(記)
【行程】
4/9:栂池高原スキー場ゴンドラリフト終点(10:00)…天狗原(13:10)…振子沢…蓮華温泉(15:20)
4/10:蓮華温泉(07:15)…角小屋峠(10:20/10:50)…木地屋(13:00)…栂池高原スキー場第2駐車場

 

白馬栂池高原から蓮華温泉を経て糸魚川の木地屋に抜ける。
山スキーのクラシックルートの一つとして有名なルートに、小屋の混雑を避け(宿泊人数制限でそもそもがゆったりでした)平日絡めて行ってきました。

●4月9日(晴→曇→雪)

10:00、栂池高原スキー場のゴンドラリフト終点から出発。
ポイント券1枚(40ポイント)で、ちょうど2人分のゴンドラリフトとリフト1回分になる。わたしたちはリフトに乗らずにコース外に出て、林道をショートカットして直接成城大学小屋に向かうルートを取った(1本さらにリフトに乗ってからトラバースしてきたパーティもいた。ちなみに栂池ロープウェイはこの時は土日運行)。

予報に反して青空が顔を覗かせ、途中振り返ると、栂池自然園の雪原がよく見えた。

天狗原の直下は、傾斜が少々増してくる。
少し前からシールが引っかかる気がしていたのだが、なんだか効かない。平坦地に戻って確認すると厚さ5cm超の雪団子になっていてびっくり。削り落としてクトーを装着して登る。その後、つりしさんのシールワックスを借りて塗ったが、なんやかんや、わたしのシールトラブルで30分は無駄にしてしまった。
ともあれシールワックスのおかげで雪団子からは解放された。これは有効、買っておかないと。

天狗原に着くころには視界は効くものの、ガスと風も出てきた。
できれば白馬乗鞍にも…なんて言っていたけど、時間的にもまた次回。まずは2072Mの平坦地を目指そうと、天狗原を横切り、滑走用意をして振子沢に入った。

白馬乗鞍を横目に天狗原をいく

沢に入るといい斜面、最初は固めメインのモフ雪ミックスという感じ。つりしさんはヒャッホー、わたし的にはあまりヒャッホーでなく慎重に。

地形図では読み取りにくい細かい沢型がちょこちょこ入るが、ルートを示すピンクテープが随所にあり、迷うことはない。

左岸側に寄りつつトラバース、1632M付近で尾根を乗り越えて隣の沢を下っていくと橋が見え、蓮華温泉に至る林道に合流。

辿ると、テントがみえてきた。正規(夏季)のキャンプ場はロッジから600m離れているそうだが、この時期だけの臨時キャンプ場ということだ。

そしてその向こうに…ありました!今宵のお宿、白馬岳蓮華温泉ロッジ。

有名な野湯にもいってみたいと思っていたが、雪の中を片道20分スキー靴で歩く気にもならず、内湯だけにした。タイミングよく貸し切りでゆったり浸かる。ご飯もおいしくビールはワンコイン、綺麗でよい山小屋だった。

●4月10日(晴)

7:15発、今日は大快晴。真っ白な山々を背に、名残り惜しい気持ちで蓮華温泉を後にした。
先に出た方々のトレースは林道を離れ天狗原方面へ登っていく。わたしたちは新潟側の木地屋方面へ、ヤッホー平経由ではなく、昨日の新雪でまっさらになった林道を行く。
林道の屈曲部にかかる橋の手前、20Mほどのカリカリに新雪が乗ったトラバース。スリップするとそのまま沢側にスポーンと落ちそうで、つりしさんは慎重に一歩一歩スキーで通過したが、トラバース苦手なわたしは速やかに断念、スキーを担いでアイゼンでザクザク通過。アイゼンを持っていくか迷ったのだが、あって良かった。橋の先は陽当たりが良いのか側壁の雪が崩壊していて、崩壊の瞬間に居合わせるとよろしくない感じ。

写真では別に〜という感じですが。。

少しすると地形が広がってのどかになり、林道をまったりスキーを滑らす。誰もいない。

見切れていますが雪倉岳?
前方が角小屋峠

栂平から林道を外れ、角小屋峠へ、今日唯一の登りらしい登り。乗り上げポイントは本来笹藪帯のところ、丁寧に刈払いがされていた。

角小屋峠を越えると、ずっと見えていた後ろの雪山たちともお別れ

刈払いの所はスキーを担いで、角小屋峠到着。解放的な景色の中で大休止し、シールを外した。

ウド川の上流側に気持ちよく滑り込み、右岸へ渡る。

帽子をふっとばし滑走するリーダー(隊員が回収しました)

しばらくはピンクテープに従って高い位置をトラバース三昧。下には楽しそうな段丘があるというのに…、そこを滑ってしまうと尾根を跨ぐのが大変になる。


トラバースが終わってようやく緩やかな疎林になると、あとはそこそこ楽しみながら滑ったり漕いだり、で林道に合流。ゆるい起伏はあるものの、シールをつけるほどではなかった。

水芭蕉が咲き始めていました

13:00、木地屋の除雪終了点に到着、予約していたタクシーで栂池高原スキー場に戻った(約12000円)。

***

スキーという道具を使って山の中を自在に移動した(ツアー看板やピンクテープがなければこんな風にはルートを描けないと思う)、という印象の今回の山行。
よい山旅になりました。つりしL、計画していただきありがとうございました。

木戸壁右カンテ

2021/3/7(日)曇り時々晴
メンバー:うえ(L)、こば、きよ(記録)

妙義の木戸壁右カンテへクライミングへ行ってきました。
うえさんの怪我が回復し、そのリハビリも兼ねて簡単なマルチピッチの山行です。
今回は3人でのマルチピッチなので終了点ごとにリードを交代しながら登って行きました。

岩はフリクションのよく効く岩でしたが、一部緩んでいる箇所もあったので注意は必要です。

8:30
準備を整えて旧国民宿舎裏妙義を出発。
丁須の頭の方向へ看板通りに進み、歩き易いアプローチを進みます。
黄色い←と↓の矢印が出てきたらそこを右に曲がります。
鎖場が出てきたら行き過ぎです。

▲この矢印を右に曲がる。
▲踏み跡は明瞭。

分岐から10mほど歩くと取り付きの目印のピンが上の方にある。

▲画像では見にくいかもしれないがピンが見える。

9:30
装備を整えてクライミング開始

■1P リード:うえ 15m (トポ表示 25m グレード:5.6)
フェースを直上して登っていきます。
脆そうな見た目の岩に恐る恐るでしたが、良い手も足もありサクサク登れました。
終了点は3人が丁度入りきれるくらいの広さ。

■2P リード:きよ 20m (トポ表示 25m グレード:5.6)
トポでは核心は4ピッチ目だが、個人的にはここが一番の核心に感じました。(リードだったから?)
スラブ状の壁を右上の方へ少し登り、小ハングを超え、その後はバンドを左に登ったところに終了点がありました。
終了点はここも3人が丁度入り切れるくらいの広さでした。

■3P リード:こば 20m (トポ表示 25m グレード:5.6)
コバさんは久しぶりに5.6と言うグレードに張り切って登っていました。
緩やかなフェースを右上に登り、ルンゼを登るピッチでとても簡単でした。
終了点は大きな松の木が右手に生えているテラスでとても広い終了点でした。

▲リードするこばさんとビレイするうえさん

■4P リード:うえ 20m (トポ表示 20m グレード:5.7)
核心ピッチはうえさんがリードで登ります。
テラスから右上の方へ登り、フェースを登っていきます。
核心ピッチでしたがそこまで難しくなく登り切りました。
終了点はとても狭くロープの付け替えが大変でした。

▲ビレイするうえさんとフォローで登るコバさん

■5P リード:きよ 10m + 20m (トポ表示 25m + 15m グレード:5.5/5.4)
最終ピッチ。
5ピッチ目はトポで示されている5P/6Pをリンクして登りました。
これまでのピッチでは至る所にピンが打ってありましたが、ここから先は簡単なこともあってか?ピンの数が激減していました。
緩やかなフェースを登っていくとすぐに5P目の終了点があり、そのまま6P目へ。
6P目も優しいがピンが少ないのでランナウトは大きくなりスリル感はありました。
最後の終了点への右から回り込むルートにピンがあったようですが、私は見逃して砂まみれのルンゼを直上してしまいました。
終了点はとても広く、3人ぐらいが座るスペースは十分にありました。

▲笑顔で登るうえさん

12:00
登頂
トップで表妙義の壮大な風景をみながら小休止。

▲終了点からの妙義の景色
▲星穴岳の穴も見えました

12:40
下降開始
下降は6P/5P、4P、3P/2P/1Pの計3回懸垂下降で降りていきました。

▲懸垂下降するうえさん

最後の懸垂下降は地面まで3mほどロープが足りませんでしたが、クライムダウン出来そうだったので途中で解除して降りてきました。

14:20
下降終了

15:10
下山

木戸壁は去年から行ってみたくて相談してましたが、ついにいくことができました。
私のような初心者でも登りやすく、とても楽しくクライミングすることができました。

うえさん、コバさんありがとうございました!

福島県檜枝岐村・大戸沢岳山スキー(2,089m)

日時:2021年3月20日(土)天候、晴れ
メンバー:つりし(CL)、ハギ(SL)、ツノ(記)

 

3月19日(金)21時 圏央道、白岡菖蒲ICでツノ合流し一路、西那須野IC経由で南会津町、道の駅「番屋」にてテント設営し入山祝いの宴会。

20日(土)5時起床、朝食。「下大戸沢岳スノーシェッド」側の駐車スペース(883m)から7時出発。


残雪が残る大戸沢から東尾根に取り付く。右側に三岩岳を見てやや急斜面を30分ほど登り気持ちの良いブナ林から1,553mの小ピークに到達。

山頂雪原を約2時間かけ12時に山頂に到着し乾杯。少し風があり寒いが尾瀬、燧ケ岳と会津駒ケ岳を望む。先行者は二人、途中でボーダーも含め5~6名と出会う。


シールを外し、いよいよご褒美の滑降へHere we go!
それぞれのスキースタイルで斜面を堪能(笑)
下山コースに注意し、途中の急斜面も問題なく通過する。

13時50分駐車スペースへ到着。
「小豆温泉」の熱い風呂で汗を流し「番屋」にて会津そばで締める。

つりしさんとハギさんは先週の菅平、根子岳に続いて晴れた山スキーを楽しみ、私は1年振りの山スキー、1年間の放蕩生活で体力が落ち勉強しました。
それぞれが違った道具を使い、登り下りをする山スキーも楽しい山旅です。

農鳥岳(積雪期)

メンバー:コバ(L)、うえ、きよ(記録)
日時:2020/12/28~2020/12/30

2020年最後の山行に農鳥岳に行ってまいりました。

当初の予定は初日に農鳥岳の稜線まで出て1泊し、翌日農鳥岳・間ノ岳にアタックする予定でしたが、入山前に雨が降っていたため、大門沢小屋に拠点を置き農鳥岳を往復する山行に変更しました。

12/28 11:05

奈良田の発電所の先に車を止め、雨が止むのを待つこと数時間、ようやく雨が止んだため、山装備に着替え出発します。
しばらくは林道を歩きます。

11:55

登山口に到着。

▲行きに写真を撮り忘れたので帰りに撮影

登山口からすぐに立派な吊り橋を渡ります。

綺麗で歩きやすい雪道を歩きます。


雪は締まっていて前駆者のトレースも薄ら残っていて歩きやすい道が続きます。


木の橋を渡る所は木が凍っていて滑るので這って進みました。

15:39

大門沢小屋の手前に氷瀑がありました。

15:53

初日最後の核心部。
ツルツルの木の橋をうえさんが這って進んでいるのを見て、私は横切る川の水量が少なかったため渡渉しました。

16:03

大門沢小屋に到着。
小屋の中にテントを張り、拠点とします。

▲他のパーティは小屋に1組、テン場に1組いました。

夕方の微睡タイム。富士山が綺麗に見えます!

夕焼けに染まる富士山

夕飯はコバさんがニンニク醤油味の鶏鍋を作ってくださりました。
写真は撮り忘れましたがとても美味しかったです!

▲星も綺麗に見えました。

12/29 3:00

起床。
朝食は各自インスタント麺を食べ、準備します。

4:35

真っ暗闇の中、農鳥岳に向けて出発します。

6時ごろには辺りが明るくなってきます。

6:55

富士山の左肩あたりから日が昇りました。

▲樹林地帯から抜け出せずに、残念ながら開けた場所で日の出を拝めませんでした。

8:29

樹林帯を抜けると視界が開け、同時に膝下程までの雪が現れます。



▲先行者がいたおかげで明瞭なラッセル跡がありました。

9:54

稜線に出るとアルプスの壮大な景色と強風が迎えてくれました。
稜線上は風で雪が飛ばされているのか、岩肌が見えている箇所も多々ありました。

▲稜線の黄色い鐘。先行者はここで引き返す様子でした。ラッセルに感謝。

雪山の経験がほとんどない私は、慣れないラッセルと強風、薄い空気に苦戦しペースが落ちてしまいました。

▲置いていかれる撮影者

農鳥岳の山頂付近は岩稜地帯になっており、先週実施したアイゼントレーニングが生かされます。

▲この先、ちょっとした岩場が出てきます。

11:03

ついに農鳥岳登頂!
相変わらず強風は吹いていますが、天気も良く、とても気持ち良い山頂です!

▲左に西農鳥岳、正面に間ノ岳、右に北岳が見えます。北岳の山形が綺麗!

11:46

体力と時間の問題から西農鳥岳への登頂は断念し、下山を開始します。
私は慣れない雪歩きに足を取られ、登り以上に苦戦してしまいました。

▲軽快に降りるうえさんと絶望する私。

森林限界に入った後はアイゼンとピッケルを捨て、ストックを出してようやくペースが出てきました。

14:59

ようやく大門沢小屋に降りてきました。
2日目の夕飯はうえさんがカレー鍋を作ってくださりました。

▲和風で具沢山お肉たっぷりの絶品カレー鍋

12/30 5:00

起床。
本日は下山だけなのでゆっくりご飯を食べて用意します。

8:30

気温は暖かく、天気は雪から雨に変わっていました。
下山を開始します。

雨に打たれ、雪はぬかるみ始めています。

10:45

下山。
奈良田に到着。お疲れ様でした!

人生初の冬山3000m級農鳥岳、辛く長い道のりでしたが登頂したときの喜びは格別でした!
私自身雪山に慣れていない事もあり、お二方の足を引っ張ってしまう事も多かったと思います。
まだまだ技術も体力も忍耐力も未熟なので、今後精進して行きたいと思います。
コバリーダー、うえさんありがとうございました!