- 場所:南アルプス 北岳 池山吊尾根ルート(奈良田から)
- 日程:平成27年3月28-30日
- メンバー:こば(L、記)、えび、けんた
27日(金)
東京を20時ごろ出発し車を飛ばして22時30分ごろ奈良田温泉の駐車場に到着。思っていたほど寒くない。軽く酒を飲んでさっさとお休み。
28日(土)
この日は朝から快晴。天気図によると29日の昼くらいまでは移動性高気圧の支配下で南アルプスは晴れそう。今日登れるところまで登っておけば、明日の登頂の可能性がぐんと高くなる。
朝5時に起き準備開始。奈良田の林道ゲート前には東京電力の駐車場があり、そこまで5分のドライブ。やはりゲートは閉まっていた。最初の核心部。
ゲートを越えて長い林道歩きの開始だ。所々にある滝を見物しつつ退屈をしのぐ。長ーいトンネルを越えるともうすぐあるき沢橋。ここまで約3時間の行程。今日はここからどれだけ登れるかが勝負。
あるき沢橋
それにしても雪が無い。もう春。サクサクの落ち葉を踏みしめて気持ちのよい急登を行く。道ははっきりしていないがテープがたくさんあり迷うことは無い。少し雪が出てくると道は凍ってくる。安全をみて早々にアイゼンを履く。途中池山御池の小屋を越える頃にはすっかり雪山の景色になっていた。池山御池が2000mちょい。ここから城峰を越え砂払いの手前約2600mまでこの日のうちに登っておきたい。今丁度12時。15時までには着けるか。
時折見える間ノ岳や農鳥岳に励まされながらぐいぐい高度を上げる。15時を過ぎたころ眺めの良い比較的なだらかな場所を発見しテンバとする。
29日(日)
朝3時に起床。やはり山の上はまだ寒い。時折強い風の音がする。しかし外に出てみると星が出ている。今日もまずは快晴だ。
準備を整え4時30分ごろ出発。まだ若干暗いのでヘッデンを点けて行動開始。5時過ぎには森林限界を越える。前方に北岳以外の白根三山、後ろには甲斐駒、鳳凰、八ヶ岳そして富士山がシルエットで浮かび上がる。だんだん明るくなるに従い山々が赤みを帯びてくる。ボーコンの頭を越えたとき、目の前に突如として巨大な北岳が現れる。しかも真っ赤なモルゲンロートに輝いて。これには感動した。ボーコンの頭から八本歯までは快適な稜線漫歩。南アルプスの主峰たちを眺めながらの縦走はまさに天上の気分。
北岳のモルゲンロート
八本歯は今回の核心。岩交じりのやせ尾根を急下降する。少しいやらしい所は躊躇なくロープを出す。ロープを使うのも僕らには練習なのだ。少し緊張感のある下りが終わると八本歯のコル。大樺沢を登る夏道と北岳山荘に向かうトラバース道の分岐。僕らは当然まっすぐ北岳に向かう。ここで6時半。なかなかのペース。このまま予定通り進めば天気の安定している9時ごろまでには登頂し、午前中にはテンバに戻れるだろう。気を引き締めて先に進む。
7時半ごろ間ノ岳へ向かう稜線との分岐に到着。標識には北岳山頂まで20分とある。もう登頂したような気分。もうすぐだ。しかしここからが以外にも悪い。夏道をたどって進んだが、頂上直下のつづら折りの登りは冬は雪壁と化している。ここは意を決して直登。ピッケルを突き立てアイゼンを蹴りこんで一歩づつ登る。雪は固く締まっていて、アイゼンが良く効く。不安はあまりないが緊張しつつ登りきるとその少し先に北岳山頂が見える。
8時15分ごろ登頂。結局あと20分が45分になってしまった。こんなものか。後で他の人の記録を見ると稜線とおしに登っている人もいてそちらの方が安全かもしれない。とはいえ無事登頂。風もあまり強くなく、目の前に広がる完璧なパノラマをゆっくり楽しむことが出来た。
下山も直下の雪壁が核心。一歩一歩注意して下る。天気も何とかもってくれた。ボーコン沢の頭まで戻ってきたころ雪がぱらつき始め景色が見えなくなっていく。間に合った!って感じでした。
テンバに戻り11時。あまりに早いので少し休憩した後で池山避難小屋まで下ることにした。下りは早い。13時半には小屋に到着。誰もいない綺麗な小屋を3人で独占し、14時くらいには早速宴会開始。7時ごろには寝てしまいました。
30日(月)
この日は下山。低気圧が通過したあとは天気も回復し朝から暖かな日差しが差し込んでくる。充実した山行を与えてくれた山と森に感謝しつつ南アルプスを後にした。