日程: 2016年7月3日
メンバー: つりし(CL)、ハギ、アズ、ユイ(記)
CT: 八丁橋先、天祖山登山道入口ゲート(7:35)〜林道ガード先、日原川降下ポイント(07:45)~日原川河原にて遡行準備(07:50/08:10)~15m大滝(08:25)〜忌山の悪場入口(08:45)〜忌山の悪場、核心部8m滝(09:15)〜忌山の悪場6m滝(10:05)〜小屋跡(10:30)〜8m滝(11:55)〜3連の滝(12:35)~五平窪出会付近(13:30/14:00)~ヤケト尾根1,247m峰付近(14:50/15:00)~八丁橋先、天祖山登山道入口ゲート(16:55)
記録:日原川の崖地を縫う林道を車で慎重に走って、八丁橋先の天祖山登山道入口まで入る。登山道入口にあるゲートを越えて出発、左側ガードの切れ目、赤いペンキの塗られた箇所が日原川への降下ポイント。急降下する登山道を慎重に下り、日原川河原で遡行準備して、日原川を右岸へ渡って出発。
日原川右岸を歩いて程なく入渓地点に到達、緩い勾配の道を沢沿いに進むと、すぐに15mの大滝が現れる。
直瀑の見事な滝は右側に高巻き、苔と岩、小石の沢床を20分ほど歩くと、忌山の悪場と呼ばれるゴルジュ帯に到達する。
忌山の悪場のゴルジュ帯は、入口から直ぐ左に大きく折れ、滝が連続する。先ずは3m、3m、4mと次々に滝を越えていく。4mの滝は、右側を登るが、やや足場が悪く、つりしCLが安全確保のロープを出す。
4mの滝を越えると、今日の核心部ともいうべき8mの滝が現れる。左壁を登っていくものの、なかなか足場の確保が難しい。一方、丁度良いところに残置(ハーケン4か所)があり。私も先行者の足場、手の置き場を注視して、見様見真似で何とか登る。
8mの滝を過ぎても、忌山の悪場は、なおも3m以下の滝がゴルジュ帯の中に連続する。倒木が多いため、やや難儀する個所もあるが、清冽な水の流れる沢の遡行を楽しむ。
そして、忌山の悪場は、ゴルジュ帯の出口近く、最後に6mの滝が現れる。シダや苔の生えた滝の左壁を慎重に直登して越える。
忌山の悪場を抜けると、倒木の多い谷の遡行となる。倒木・小滝と越えていくと、大釜のある4m滝が現れる。4mの滝は、右側にへつりながら滝の釜左側に取り付き、水の落ち口に沿ってステップを刻みながら登っていく。(写真は、滝の水流をものともせず登っていくつりしCL。)
4m滝を抜け、左手に小屋跡を見遣りながら、倒木の多いエリアをさらに進むと、6mの滝に到達。流石に直登は難しく、右に取り付き、ややトラバース気味に滝の落ち口を目指して登り、滝を越えていく。
6m滝を越えると、再び小さな滝がいくつも続く。倒木に悪戦苦闘しながら進むと、倒木に白いキノコが群生、なんと見事なウスヒラタケである。早速、ナイフを取りだし、切り取ってアズが自宅へお土産として持ち帰ることとなった。
ウスヒラタケのあった小滝から先に進むと、沢筋は穏やかになってきた。私も、多少緊張が解けてきたが、最後に行く手を阻む8mの直滝が現れる。滝は、上部で2丈に分かれて直接滝壺に落ちている。水しぶきがミスト状に舞い上がり、滝壺近くは寒いくらいに涼しい。ホールド、スタンスがある右壁を登っていく。私も登るが、途中で足の置き場を見失って停止、周囲を見回し、いくつもの足の置き場になりそうなところをトライ、やっと見つけて、再び滝上を目指す。(途中残置ハーケン1か所あり)
8m滝を越え、沢筋を足元に気を付けながら進むと、見事な3連の滝が現れる。丁度、日が差し込み、滝が輝いている。奥多摩にもこんな世界があるのかと、暫し見惚れる。
綺麗な3連の滝を抜けると、再び小滝をいくつか越えていく。途中、真っ白なキクラゲを発見、野生のキクラゲを見るのは初めてであり、透き通った色合いはとても綺麗だ。
小滝が連続し、倒木の多いエリアをさらに進むと、左手に見事な10mのすだれ状になった滝が現れる。滝の先は、沢の傾斜は緩むものの倒木が重なるエリア、倒木は滑ったりザックが引っかかったりするので、慎重に越えていく。
倒木エリアを抜けると小さな広場が現れ、ここで遡行終了。広場から先は、更に倒木が折り重なっている。広場で着替え、軽く休憩し、帰りは、1,200m付近左岸にある山道を示すテープ横から、右岸にあるヤケト尾根の尾根筋を目指す。
その山道は少し歩くとすぐに悪くなるので、今回1,247mの尾根筋に回り込むような感じで登り稜線に出た後下り山道に合流するコースを選択する。(写真は、広場左岸にあった吊橋への山道を示すテープ。)
尾根筋へは、初め急こう配の足場が悪く所々ザレた斜面を登り、やがて、一転して、緩く広い尾根筋に乗る。広い尾根筋は、踏み跡が無く迷いやすい。現在地確認のためにGPSがあると安心。モミ・ブナの森は、静かで気持ち良い。緩やかで広い尾根を下り、やがて1,247m峰付近で一息入れる。
1,247m峰から更に下ると、尾根は再び急こう配な斜面になる。途中、急斜面に見事なキノコを発見。ザレた急斜面を下って確かめるも、毒キノコであるツキヨタケ。
気を取り直して、ザレた急斜面を戻り、トラバース気味に、急斜面に続く作業道を下っていく。滑落事故を起こしそうな急斜面をトラバースし続けるルートは、最後まで気を抜くことができない。滑れば、日原川の谷底まで滑落しかねないトラバースの道は、疲労が蓄積した状態でもあり、最後まで気の抜けない状況が続く。
やがて、つり橋が現れ、少し登り返せば、八丁橋へと続く林道に到達、あとは、林道を緑の木々を愛でながら、八丁橋に戻り、本日の山行は終了。
巳ノ戸谷は、滝の連続する沢の魅力に溢れる好ルートです。倒木が多く閉口する場面もありましたが、沢は2回目という私にとっては、奥多摩にこんな綺麗な滝があちこちに落ちる世界があるのかと、驚きながらの山行でした。
また、登攀技術、ロープワーク、歩き方等々、何れも大変に勉強になった一日でもありました。
この日は、寝坊の上、ヘルメットを忘れるという状況で、ご迷惑をおかけしてしまい、反省せずにはいられません。
この日は、お陰さまでとても楽しい一日となりました。
どうもありがとうございます。