袖沢御神楽沢

●日程:2019年9月14~16日
●メンバー:
つりし(L)、ササジ、タマ、ハギ(記)
●行程:
【14日】三岩岳登山道…窓明山手前のコルよりミチギノ沢下降…1200M(泊)
【15日】幕場…ミチギノ沢下降…御神楽沢遡行…1585M(泊)
【16日】幕場…御神楽沢遡行…会津駒ヶ岳/中門岳のコル…会津駒ヶ岳…駒の小屋…滝沢登山口

 

9月14日

三岩岳国体コース登山口(6:20)…三岩岳避難小屋(10:10)…窓明山鞍部(11:35)…ミチギノ沢…1202M(14:50)

前夜に東京発。車を下山場所の会津駒滝沢登山口の駐車場に置き、始発のバスで三岩岳登山口に向かう。
のっけからの急登、大汗をかきかき登る。それでもまだ、涼しいのでありがたい。三岩岳避難小屋近くの窓明山方面への縦走路に入り、ドロドロの登山道に文句を言いながら到着した池塘付近の鞍部にて装備を整え、薮に突入。ほどなく沢型が現れ、ホッとする。今日はこのミチギノ沢を下れる所まで下るのだ。

ミチギノ沢へ

しかしホッとしたのも束の間。この沢、よく滑るのだった。わたしはコケて、どういうわけか膝から着地。打ち身の痛みが引かず、膝を庇いながら妙な格好で降りて行く…。
のろまぶりにしびれを切らしたつりしL、後ろから別パーティが来て直近のテン場が埋まってはたいへんと、タマちゃんと先に確保しに先行。テン場近くになったら痛みはようやく引いてきた、まだまだ明日からも先が長いのだ、よかった。
14:50、1202Mの適地に到着。先行Pがいるのが分かっていたため、この下の1100Mの適地が空いているか微妙ということで、ここで1日目は終了。
ササジの富山土産から始まり、タマちゃんが担ぎ上げ下ろしてくれた豪華な夕食とおつまみでお腹一杯。つりしLがテン場周辺で釣り上げた良型の岩魚は一晩焼き枯らして朝食べることにした。

 

9月15日

幕場(6:50)…御神楽沢出合(9:30)…岩畳(11:15)…スラブ滝2段10M(12:10)…ナメ滝50M(14:55)…直瀑10M(16:15)…1585M(16:45)

今日は長くなりそうなので、4:30起床6:30発!の、予定だったが。
6:50発。沢の朝はどうも、のんびりしがちなのだった。

上流よりヌメリが取れて、大分歩き易くなった沢を下降。1100M適地の先で3-4Mほどの懸垂をし、さらに右岸の緩やかな段丘を巻き下る。段丘は懸垂したところから続いていたので、最初から巻きに入ってしまってもよかったかもしれない。最後は浮石だらけの枝沢から下降(段丘から枝沢に降りるところにトラロープがあった。)。ゴルジュっぽいところを、沢通しに下れる箇所も含めて纏めて巻いてしまったようだ。その後は特になにもなく、9:30御神楽沢との出合へ。
「時間、すでに押しているからね!」とつりしLに気合を注入されて出発。

20分ほどであらわれた小滝は右壁のバンドを伝って通過、その後も歩きとほどよい滝が交互に現れるかんじ。

下流の幅広滝
下流の幅広滝2

「御神楽沢の名所」という岩畳は、一時埋まってしまったそうだが、今は岩が一個残っているのみで不思議な景観を取り戻していた。

岩畳
跨ぐ勇気が出ませんでした

スラブ滝2段10Mで先行Pに追いついた。上段の左岸垂壁を1Pが上に抜けたところのようだ、もう1Pを待たずに垂壁手前の、ルンゼ状の枝沢から巻くが、中間が見た目よりなんだかいやらしい。そしてスラブ滝落口へのトラバースの出だしはわたしの大嫌いな土+草付風。お助けを要求…しかし本当に欲しかったところには間に合わなかった。(悲

スラブ滝2段10M、左から登れれば上は容易、でも残念なことに下部が取り付けません

しばし穏やかな歩きが続く。
スラブ滝を最初に抜けたPがいかにもな淵で釣りをしていたが、快く先に行かせていただいた。既に大物を何本も上げていて羨ましいかぎり。
その後は大田区の山岳会だというPも交え、相前後して進む。今回御神楽に入ったのはわたしたちを含めて3Pのようだ。

歩きゾーン

ナメ滝50Mは下部は左を快適に登るが、最後の抜け口が微妙。お助けをもらった。

ナメ滝50M、容易に見えます
ナメ滝50M2

(ナメ滝通過後、一箇所左から巻いて懸垂したのだが…遡行図を見てもどの滝か思い出せない。本流で唯一懸垂した)
渓相が変わって、大岩地帯へ。いつもならテン場でゆっくりしている時間だが、ここにはそんな場所はない。グイグイ登って高度を稼いだ。
大岩地帯の出口には側壁トラバースで登る滝、ちょっと膨らんでいて回り込む箇所に緊張したが問題なし。

大岩地帯で高度を稼ぎます
大岩地帯出口の滝
大岩地帯出口の滝2

沢が右に90度曲がる場所にある直瀑10M滝は左から腰まで浸かりそうなポイントを巻いて滝下に近づき、滝の左側から巻く。

直瀑10M

巻き終わるとすぐに4人寝れるくらいのテン場があり、ここで終了とする。
薪が少なく、あまり盛大な焚き火はできなかったが、河原が狭いのでちょうどよい。
満月で明るい夜だったが尾根向こうに出ているせいで、わたしたちがいるところからは星が綺麗に見え、また月明かりに照らされた対岸の山肌に背後の尾根の影が落ち、幻想的な風景だった。

 

9月16日

幕場(7:00)…ムジナクボ沢出合(7:05)…稲妻型の滝(8:10)…会津駒ヶ岳/中門岳のコル(11:20)…会津駒ヶ岳(11:40)…駒ノ小屋(12:00/12:45発)…林道(14:50)

霧雨の中出発。幕場から出発するとムジナクボ沢はすぐだった。しばらくすると、昨日の幕場よりも乾いて快適そうな適地を見送る。先行していたPはここに泊まったようだ。
さて、記録でよく写真が載っている三段電光型の滝。ちょうど、先行Pが三段目右のリッジをフリーで登っていた。滝全体としては寝ているのだが、三段目は登っているのを見ると見た目よりは立っている印象。

電光型3段の滝

滝上で巻きに入ったのを見届けて、「あの上の5M滝は登れないんですよ」と下調べしてきました感をアピール。するとつりしLが「じゃあ、めんどくさいから(電光型の滝と)一緒に巻いちゃおう」と速攻決断!みんな電光は登っていると抵抗したが、「なら巻きは新ルートかもね♪(試してみよう)」とそのまま左の藪に突入…。ともあれLの的確なルーファイで懸垂なし、電光型3段+5Mの滝+その上の最狭部も最小限で巻いたようだ。しかしツルツル根曲りのトラバースは個人的にきつかったです。片腕パンプ。いやはや。

ともあれ難しいところはもうなく、会津駒と中門岳の間のコルに出ることを目標に詰めるのみ。
1870Mの紛らわしい二俣では奥の二俣を左に進み、あとは方角を合わせて進みやすい方を選ぶ。
沢型は一瞬見失うも、わりと上の方まであり、最後10分ほど藪を漕ぐと、狙った通りの場所の登山道直下のコバイケイソウ地帯に飛び出した。なるたけ踏みつけないように注意しながら木道へ。ガスでどうせなにも見えん、と会津駒を巻いてさっさと小屋に下ろうとするLを説き伏せ、山頂経由で小屋へ向かう。

木道を会津駒山頂へ
真っ白な山頂に到着

駒の小屋で、各々熱いラーメンをすすり大休止。山のカップヌードルはなんでこんなに美味しいんだろ…。ほこほこ温まってすっかり弛緩した体に鞭打ち、雨の中、滝沢登山口に下山した。

*******

充実の3日間。全体の行程に影響を及ぼさずにあと何年、こういう山行に参加できるか…とドキドキするようになりました。「いまなら行ける行きたい沢」には行かないとな〜と思う今日このごろです。リーダーはじめメンバーの皆さまに感謝感謝です。ありがとうございました。