御嶽山
時期:2013年10月12(土)~13日(日)
メンバー:いしつかみ
1日目(10/12)
新宿発7:00→塩尻9:34・発10:03→木曽福島駅10:37(特急しなの7分遅れての到着)・バス10:43発→田の原着12:00 田の原12:05~王滝頂上~剣が峰(頂上)14:35着・発14:45発~二ノ池~五ノ池小屋16:40着
2日目(10/13)
五ノ池小屋6:00発~継子岳6:30~四ノ池~三ノ池~女人堂(9合目)9:00~御岳ロープウェイ9:45着・発11:20→木曽福島駅12:15→塩尻13:11・新宿着15:33
御嶽山へのアプローチは意外と長く、朝一のあずさに乗車し、乗り継ぎ乗り継ぎで5時間を要しました。途中信越線の遅れでバスへの乗り継ぎにハラハラしましたが、無事に登山口となる、田の原口に到着。思ったより人は少なく、思ったより寒い状態でスタートしました。ここ、田の原口は既に2256mあります。途中までハイキングコースにもなっており観光で訪れている家族などの散策風景がみられました。風は少しあるものの天気がよく気持ちよく歩き始めました。
今回は山小屋泊まりともあってどこかで観光気分に酔いしれていたのかもしれません。そこが大きな仇となり、後ほど試練が待っているなんてこのときは知る余地もありませんでした。順調に9合目まで来ました。この辺りから風が強くなって来ました。先ほどまで汗をかいていましたが、寒さが上回りはじめした。持ってきた上着と雨具を着込みました。(大丈夫かな?)不安な感覚が生まれながらも王滝頂上に到着。ここまでくると頂上までは15分程度。しかし風の他に霧までが発生。時より強い風が吹き、足が止まりそれでも一歩、また一歩と進むうちに頂上岳山荘到着。リュックを置き、階段を上り御嶽山の頂上、剣が峰に到着。頂上には立派な祠があり石像も何体か祭られてありました。静けさから不気味さも加わってか、写真を撮り急いで頂上を後にするのでした。
頂上山荘には数名登山者がいました。ストーブが焚いてあり、体を温める光景。私も手を温めさせてもらいました。10分ぐらい休んだら大分落ち着き元気がでてきました。ここから五ノ池小屋まで通常なら1時間程。アップダウンもほとんどない。「大丈夫、そう大丈夫」そう言い聞かせ、これから先の道のりに不安を抱えながらも出発しました。向かい風と戦いながら二ノ池を超え、賽の河原へ。ここは恐かったです。霧の中、人だ!と思う全てがお地蔵様だったり巨大ケルンだったり。視界がわるく3メータ先ぐらいしか見えませんでした。そして、3000m上空の世界とは思えぬほど、登山道は整備されていました。コースもあちこちありすぎ迷う場面も。迷ったら地図とコンパスで位置確認とかしなくてはなりません。しかし凍えた手でリュックから色々取り出すことが億劫で、これが優先し、感覚判断で進んで行きました。しかし、とうとう悲劇が起きました。“小屋まであと5分”と書かれていた看板から10分経っても、20分経っても着きません。やっと看板が見えて来ました。くいるように見ると、今まで歩いてきた方向を示しています。「えっ!」おかれている状況を把握しました。「これって遭難・・道迷い。」視界も2mぐらいになっていて泣きそうになりました。(不安、孤独、寒さ・・あ、どうしよう・・)とっくに山小屋に到着していいはずの時間は過ぎています。携帯電話を握り締め尾根に出たらSOSの連絡をしよう、そう繰り返しながら無我夢中で歩きました。踏み外さぬよう、見落としがないよう、体は霧雨でどんどん重たくなって行きました。尾根に着き辺りを見渡そうとした時、風が霧を払い行く手に五ノ池山荘が、五ノ池小屋と書かれた石看板がみえました。「あ~よかった、あ~助かった・・!」小屋の人も心配していました。周りの人も察知したのかストーブの前を空けて温めさせてくれました。この日の山小屋は大混雑でした。頂上山荘からココまで、誰一人と会わなかったのにココには沢山の人。ひょっとすると霧が濃かったので見えなかったのでしょうか。どうにか無事に到着出来たものの、情けないありさま、反省だらけの一日でした。この日の夜は氷点下(-4℃)。観光気分の装備しか用意していなかったので、遭難していたらと思うとぞっとします。10月の3000m級の山は恐いと思い知らされました。その夜は疲れていたのでしょう、7時半にバタン、きゅー。翌日4時半まで熟睡でした。
二日目の朝は、昨日とは一転、遠く北アルプスも見渡せる程の天気でした。あんなに迷った辺りも一望出来ました。5時50分、日の出を拝み6時に小屋を後にし、継子岳経由で御岳ロープウェイに向かいました。風が強かったのですが、展望がよく全て見渡せたので楽しめました。8合目にある女人堂に着くと、今朝登ってきたかと思われる登山者が途切れることなくロープウェイまで、つながっていました。絶好の紅葉、行楽日和です。センターハウスでは“木曽フェスティバル”が開催されており、ホルンや和太鼓の演奏が行われていました。きのこ汁や地元のお酒の試飲などもあり大勢の人が楽しんでいました。
振り返ると、身を持って“山の恐さ”を思い知らされた山行でした。「まさか御嶽山で!?ありえないでしょう。」みたいな“驕り”は、決してあってはいけないということでした。自立した登山者を目指しているはずなのに、地図は見ない、読めない。上着は持っていくも、薄くて意味がない。進むルートをはっきり把握していない。あれもこれも山の基本だらけなのに、全く機能していませんでした。反省点だらけです。これもまた経験の一つと忘れずに心に刻み、これからは二度とこのような事がないよう、行動していきたいと思います。
御嶽山、3067m信仰の山として知られています。
この霊山で、これからの山との向き合い方を教えられました。
山をやり始め4年目でした。だけどスタートラインに立った感じです。
まだまだこれからです。自立した登山者になるよう先輩たちにくっ付いて、色々学んで生きたいと思います。ありがとうございました!