霧来沢 鞍掛沢

●期間:2017年7月15〜17日
●メンバー:ハギ(L/記)、つりし、コバ
●CT
(7月15日)東京発(6:00)…御神楽岳登山口(11:40)…もうがけ沢出合BC(12:30)
(7月16日)BC発(6:20)…鞍掛沢出合(6:40)…二俣(8:00)…30M大滝(9:15)…登山道(12:20)…御神楽岳管理舎(12:45)…BC(14:50)
(7月17日)BC発(5:45)…御神楽岳登山口(6:25)

本当はBC方式で、去年10月中止にした霧来沢もうがけ沢と2本立ての予定だったのだが、16日夕方からの大雨で17日のもうがけ沢遡行は中止。鞍掛沢のみの遡行になった。

(7月15日)
西那須野ICから下道を、晴れの関東から小雨予報の奥会津方面へ。でも、良い方に外れているみたいで晴れ間がみえ気分は上々。只見川沿いに走るようになると、鉄橋が分断されている線路が視界に入る。2011年から部分的に運休している只見線、未だこんな状況なのかと、当時の災害を思う。
林道の本名津川線に入り、御神楽岳登山口まであと3分、林道仕様の車でないのによくぞここまでというところで駐車。もう少し手前には比較的広いスペースがある。

御神楽岳登山口から八乙女ノ滝の上の入渓点までは登山道を行く。登山道からよくよく見ると、八乙女ノ滝の左壁に残置ロープらしきものが垂れているのが見えた。ちょっとした鎖場を下って滝上で入渓。
霧来沢本流は本流らしからぬ水の少なさ、ゆるやかな流れで平和そのもの。明後日遡行する予定のもうがけ沢出合まで行き、もうがけ沢に入って少し先を見るが、出合手前の適地より良い場所はなさそうなので戻ってBCを設営した。
蒸し暑いので各自、腰掛けによい岩を水流の中に見繕い、足を冷やしながら早々にビール解禁・素麺タイム。BCまでほとんど歩かないということで、各自酒もつまみも多めだ…夕方、焚火を始める頃にはあらかたお腹も膨れていたが、コバさんの牛すじ煮込みと米3合がするりと入ってしまう人体の不思議。宴会開始が早かったせいで、いつもより早めに就寝。

川の中で宴会開始

 

 

(7月16日)
5時起床、6時15分出発。歩き出してほどなく、左岸に並走する登山道から釣りのグループが降りてきて挨拶を交わす。本流をずっと行く訳ではないと告げるとホッとされた様子。こちらもほんの少しだけ彼らより先行していたのでホッとした。少しすると「八丁洗板」という、広々としたナメが広がり、幸せな気分でヒタヒタ歩く。沢床の岩盤が白っぽいので余計に綺麗だ。晴れていればもっと…。

八丁洗い板のナメ

鞍掛沢は左岸から小さく出会う。15分ほど歩くと先がモヤモヤとしていて、やはりスノーブリッジ登場。短くしっかりしており、下を通過。斜滝は問題なく登る。その先がモヤってるんだよなぁ…次に現れた雪渓は覗いても真っ暗で上に上がるのも苦労しそう、少し戻って右の泥壁を3mほど登り、平坦な段丘に上がって巻く。水に戻ったところでウドを採る。ナメ滝を気持ちよく歩き、少しすると左から10M滝が落ちているのが遠望できる。枝沢の滝かと思っていたら、左俣だった。右俣にも少し奥に滝があり、綺麗。出合の滝を右から巻いて登り、左俣に入る。フリーで登れる小滝が続いた。そしてゴーロの奥にはまた…。本日一番大きな雪渓だ。

距離が長いのでヘッドライトを着ける。抜けた先は、どうやら核心の大滝30mの基部だ。庇状になって頭上に大きく被さっている雪渓末端の落雪の影響を受けないよう、ルートの右ルンゼを途中まで登った。途中からコバさんがリード。縦一列だったがうまい具合につりしさんがいる所にセルフが取れる灌木があった。しっかりしている残置ハーケンが一箇所。テラス状になっている岩壁に突き当たった所で切って、上げて貰う。岩壁には残置が2つ。ラストのつりしさんがそのままロープを引いて落ち口へのトラバースルートを探りにいく。左上し、最後は枝にぶら下がりながら滝の落ち口のすぐ上に降りることができた。

大滝手前の雪渓

大滝上の15m滝は上部が微妙と感じて補助ロープを貰った。CS(下から見るとそう見えたが…造形?)滝は右のグズグズを一段上がって岩の隙間を登るがホールドが遠く離陸に難儀。

大滝上の15M滝

詰めは水の消えた沢を淡々と登る。途中でワラビの群生があり、今晩のつまみ用にせっせと摘んだ。迷うこともなく、わずかな薮こぎで登山道に合流する。
東京から遠路はるばる来たので、せっかくなので本名御神楽岳の山頂を踏むつもりだったのだが、少し前からしとしと雨とガスで真っ白。どうせ何も見えないので、そのまま下山することにした。
すぐに現れた御神楽岳管理舎で休憩をとってからBCへ向けて登山道を下山。下の方で、キクラゲをレジ袋一杯に採った。先ほどのワラビと、雪渓の近くで採集したウドと、少しだけだけどヒラタケもある。BCなのでタープの下は乾いているし、薪も昨日のうちに、今日の分集めてあるのですぐに酒宴の準備から入れる。今夜も楽しくなりそうだ!だったのだが。

16時くらいから本格的に降り出した雨。昨日、日中の宴会時に使った本流の中の岩が隠れていく。でもここは安全…なはず。とタープの下で山菜を頂きながら酒を飲み、余裕の目で「すごいね、増水結構早いね」と眺めていたのもつかの間。沢の色が茶色になり、サンダルで行き来できていた本流が荒々しい様相に変貌していった。その岩が隠れたら移動と定めたラインを越えたので、荷物をまとめて2-3m高い段丘に避難。土砂降りの中タープを張り直しテントを張り直し、男性陣が最後に薪まで移動させてきて、タープの下の焚火を復活させた。
沢のゴウゴウいう音に混じり沢の中を岩が転がる音だという低く鈍いゴロゴロとうなるような音が絶え間なく続き、なんとなく落ち着かない。0時すぎに焚火のそばでゴロ寝した。

川の中では宴会不可

(7月17日)
4時少し前に消えかけた焚火を熾していたら、全員なんとなく起床。もうがけ沢は中止決定にした。あれだけ降って岩がゴロゴロした後なので、遡行可能な程度に減水したとしても浮き石等が多そうなのと、林道の車が無事に国道に出れるのかも気になるところ。3時くらいにも雨脚が強まっていたので心配だったが、明るくなってから確認すると、水は相変わらず茶色に濁っているが水位は大分下がっていて、渡渉可能だった。撤収して6時前に出発、入渓時は八乙女ノ滝の上からBCまで沢を歩いたが、今日はBC対岸からすぐ登山道に入る。こういう時はありがたいロケーションだ。車まで戻り、順調に国道まで出れた時はほっとした。7:30からやっている大塩温泉の共同浴場でゆっくりと体をほぐす。昨日の大雨が嘘のような太陽の眩しい晴天になっていた。天気だけいうなら文句なしの沢日和…。もうがけ沢のまぼろしの大滝はまぼろしのまま終わったが、また、次の機会に!