記念山行 柏原新道~キレット小屋で合流

1、期間 2014,8,10~12(2泊3日)当初計画より1日早く下山

2、参加者 グッチ、キレット小屋より五竜岳までアベ本隊に合流

3、コースタイム
8/9 23:00新宿高速バスターミナル発
8/10 5:05扇沢着、6:20柏原新道登山口通過、9:30種池小屋着、同小屋泊 8/11 6:20小屋発、6:55爺が岳(南峰)登頂、7:15爺が岳(中峰)、8:08冷池小屋着、10:13鹿島槍ヶ岳(南峰)登頂、
10:55鹿島槍ヶ岳(北峰)登頂、12:09キレット小屋着、阿部本隊と合流、同小屋泊
8/12 5:41小屋発、8:32五竜G5通過、五竜小屋経由、11:17白岳で阿部本隊と分かれ遠見尾根を下山、13:54テレキャビン駅着
14:00テレキャビン下車、14:10花丸バスで14:20白馬駅、14:38特急あずさ(新宿直通)乗車、18:40新宿駅着

主な料金 新宿発扇沢高速バス 6,100円、花丸バス500円、白馬発新宿行き特急あずさ7,780円、種池小屋素泊まり6,000円、キレット小屋素泊まり6,800円

4、記録
8/9 ・深夜バスの「扇沢」経由「栂池」行に乗車。台風の影響でガラガラ。あすの便は満席とのこと。

8/10  ・予定通りの運行。雨は本降り。扇沢で4人ほど下車。行き先を尋ねると、みんなトローリバスで黒部、剣方面とのこと。

柏原新道入口
柏原新道入口

・扇沢から大町方面に15分ほど戻り、柏原新道入口に到着。登山口小屋に管理人が一人、尾根までは大丈夫だが種池小屋から強風のため注意するようアドバイスを得た。

・登山開始から風雨が強くなるが、例の雨傘を頭に装着し登り続ける。森林帯を抜ける頃には強風で雨傘を脱ぎ雨具のフードをかぶると、まもなく稜線が見え、種池小屋に到着。

・小屋にいる長野県パトロールの方に聞いたところ、これから台風が最接近するので小屋での停滞を勧められ、小屋泊を決める。

・小屋には10人強の登山客が同宿。

種池小屋から出発
種池小屋から出発

8/11  ・まだ雨は止まず風もあるが青空が見え虹がかかっており、まずまずの気分で出発。

・阿部本隊の針木方面が遠望できるが、雲が低く頂上は確認できない。

・爺が岳(南峰)を過ぎてから雷鳥との遭遇があり、8羽ほどと挨拶を交わす。

・天気は快方に向かうのでもなく、時折視界が広がるが、概ね眺望が効かない。相変わらず雨と強めの風。

・鹿島槍北峰をピストンし、キレットに入った時に異変に気づく。右足の登山靴のソールがべろりと剥がれる。手持ちのテーピングテープでソールをぐるぐる巻きにし、ともかくもキレット小屋を目指す。テープが保つことを祈りながら。なんとかキレット小屋に到着。

冷池小屋への稜線
冷池小屋への稜線
鹿島槍頂上
鹿島槍頂上

・早速、強力接着剤を小屋で購入しソールを補修、その後ウイスキーをちびちびやっていると窓外にカトーさんが見え、阿部本隊が到着。冷池小屋の予定をキレットまで足を伸ばしてくれた、やはり仲間がいると心強い。

・ちなみに昨日はキレット小屋の宿泊者は0人とのこと。この日は我々4人のほか6人くらい、カラカラの山小屋は結構居心地が良い。値段は高いが(素泊まりで6,800円)。

・夕食はアベさんのベーコンで一杯飲み、カトーさんのシチューをご相伴させていただく。

8/12 ・朝、靴を確認するとなんとか接着している様子。更に、番線(針金)を分けてもらい、カトーさんに手伝ってもらい靴に巻きつけ固定。

・朝食にタカタカさんの暖かいパスタをいただき、靴が仮にも直り、待望の立山、剣岳の眺望もあり、気分爽快に出発。

キレット小屋出発
キレット小屋出発
キレット越え
キレット越え
振り返る鹿島槍
振り返る鹿島槍

・キレットを抜け、G5を経て道はそれなりに険しいものの順調に進んだが、途中から番線が切れだし、遂に五竜に着いた時(縦走路の頂で本当の頂上は別)、番線が切れ、再度靴のソールがべろりと剥がれる。阿部本隊は五竜頂上に向かうが、自分は一歩先に五竜小屋へと向かう。僅かに残っていたテープを再度巻きつけ、なんとか五竜小屋へ到着。

・五竜小屋で登山靴を売っているとは、キレット小屋で聞いていたが、値段が16千円で、その時の手持ちの金が16千円。地獄の沙汰も金しだい。カードは効かぬと言われ、再度番線で補修を試みたが結果はダメ。結局、財閥カトー様に借金し、靴を購入。そんなかんなで五竜小屋到着時間を記録するのを失念しました。

・やれやれと思いつつ携帯を確認すると家内からの留守電。親戚が亡くなったので明日のお通夜に間に合うよう至急下山されたしとの指示。(山上で携帯が使えるのも善し悪し?)

・そこで、アベ本隊と分かれ遠見尾根を下山。なんとか白馬駅の新宿直通の特急あずさに間に合い18:30頃に新宿に到着、事なきを得る。(今回残したルートは今後の課題です。)

創立60周年記念山行:南アルプス縦走記録 加藤

創立60周年記念山行:南アルプス縦走記録

・時期:2014.7.18~7.31
・目的:全山縦走(光岳~聖岳~赤石岳~悪沢岳~塩見岳~農鳥岳~間ノ岳~北岳~仙丈ケ岳~甲斐駒ヶ岳~鋸岳)

・参加者:ミナト(L)、イシツカミ、カト (記)
合流組:アトム(7/18-22赤石岳-椹島下山)
ツノダ、トヨダ(7/26-27北岳)
キム兄(7/29-31甲斐駒、鋸)

・食糧計画(各自):
(ミナト)
朝食・・・アルファ米1/2袋+コーヒー   昼食・・・アルファ米1/2袋(朝の残り)
夕食・・・アルファ米1袋+スープ
ビタミン、カルシウム・・・サプリメント
(カト)
夕食用主食(アルファ1/2):アルファ白米2、アルファ牛飯2、アルファちらし寿司1、即席パスタ1
夕食副食:カレー4日分(炒めひき肉、乾燥野菜)、玉ねぎスープ10
朝食用主食(アルファ1/2):アルファ白米2、アルファ山菜おこわ1、即席しらす雑炊2
朝食副食:インスタント味噌汁10、あじ干物4、お茶漬けの元4、梅干し
レーション:バゲット2、練乳、豆類、乾燥こまい、アルファ米2(ツノダ氏から補給)
(イシツカミ)
朝食・・・玄米ブラウン、菓子パン、大福(ツノダ氏からの補給)+コーヒー
行動食&昼食・・・アルファ米(1/2が基本。しかし全部食べた時もある)
夕食・・・アルファ米1袋+スープ(がっちり系のスープ)
ビタミン、サプリメント、飲料水(アミノバイタル)1.5?~2?

・記録:
(はじめに)
南アルプスの南部は一度行きたいと思っていた。また、甲斐駒から派生する鋸尾根・鋸岳も甲斐駒に登るたびにいつかは!と思っていた。今回の記念山行のお蔭で両方がいっぺんに叶った。しかも一度に南ア全山を縦走するというおまけまでついて…。2週間も山に入ったことも初めてでいろいろな意味でよい経験、冥途の土産となった。

60周年記念アルプス縦断計画を企画していただいた阿部代表ほか関係者、本山行のメンバーであるミナトL、イシツカミさんに感謝したい。特に南ア全山縦走にあたってミナトLの綿密な計画と柔軟な現実対応によって安全に実行できたことが何よりの成果だったと思う。また、イシツカミさんの終始元気で絶えないおしゃべりと笑いが疲れを忘れさせてくれた。更に、最初の5日間同行していただいた強力アトム氏、北岳ケッチボーで食糧補給を頂いたツノダ、トヨダノ両氏、北沢峠ケッチボーで酒の差し入れをいただき鋸同行のキム兄、皆さんには大変お世話を頂いた。これらの方々のご協力なくして長期山行はできなかったと思う。感謝に絶えない。

山行の途中で出会った方々からは我々の山行に驚きと羨望の眼が向けらエールを送られた。例えば、14日間縦走のザックの小さいことに驚き20数人パーティのリーダーから参考にするようにと紹介され、反対に大きなザックで14日間もよく行動できると驚かれ、また、仙丈ケ岳で我々に驚嘆した男女二人パーティは甲斐駒で一緒に写真を撮りたいと1時間も待っていたなど、山の仲間達の励みがひ弱な私の力の源泉となったことも事実だと思う。

道中、我々3人は嫁夫婦と舅と見られていたようだ。他の方から見れば年寄りが若い夫婦の間に入って何てことだなどと思われていたのだろう。しかも、テント内では、食べ物、飲み物をシェアーするし寝るときは寄り添うし(トン旦那には悪いが)何とも仲が良い。単独でいるよりよほど孤独感を味わう。反面、長く生きているとこんな体験もするものと山の仲間の良さを新鮮な気持ちで感じた。

今年71歳の私には少し乱暴な山行であり「介護山行」に終始したことは間違いない。この意味でも二人のパートナーに感謝したい。
以下、山行中思いついたことを書き述べ記録としたい。

7月18日(金)雨後曇
新宿発高速バス21:00-飯田駅7/19 1:00
・24:00を回り飯田駅近くの公園で幕営。最初は歩道上にテントを張るが巡回ポリスから安全確保上から注意されすぐ近くの公園を紹介される。 (飯田駅近くの公園で幕営)

7月19日(土)曇後雨
起床4:30 飯田駅6:20-7:30平岡駅7:35(タクシー)8:35易老渡8:50-易老岳
14:00/14:20-光小屋16:50   (光小屋幕営)
・易老渡登山口駐車場満杯。30分で尾根に乗り10:40面平、雨が落ちてくる。
・易老岳まで長い急登。本山行の核心のような感じ。イシツカミさんの荷を少しミナト、アトムの両強力に分ける。

光岳
光岳

7月20日(日)曇後雨
起床3:30 光小屋4:30-光岳4:50-5:00光小屋6:00-易老岳7:55/8:10-茶臼岳10:50-上河内岳13:10-聖平小屋14:00  (聖平小屋幕営)

・光岳は2,500mを超える山としては日本の最南端にあるとして百名山というが展望がなく何ということもない。写真が乱れてご免なさい。

・聖平小屋が近くなったところで雨が落ちてくる。急いだため浮石に右足を乗せてよろける。右手ストックを着くも斜面で空を切り顔面から倒れる。眼鏡が飛び右額を擦りむく。傷は大したことはないが眼鏡が心配。案の定フレームが大きく開き使い物にならない。しかしレンズが無事だったことが不幸中の幸い。以後メガネなし。

・14:00頃小屋軒先に入ったところで強い雨、バケツをひっくり返したような豪雨、16:00頃小雨になったところでテント設営。

7月21日(月)晴
起床3:00 聖平小屋4:30-聖岳7:15-兎岳10:05-小兎岳10:50-中盛丸山12:10-百間洞山の家13:30   (百閒洞露営地幕営)
・聖岳は急斜面を1時間登る。聖岳から兎岳は急登急降下を繰り返す。

聖岳
聖岳

・百間洞で2日間の雨で濡れた装備を乾かす。

・家から何回か着信記録があったので電話すると青森五所川原の義母が7/20亡くなったと聞く。山行の進退を女房と相談すると下山しなくてよいと言う。ならば、下山したら青森に行き8月の北アは断念する旨を伝える。

・ミナトLから、明日の中岳非難小屋までは長いので今後のことを考慮すると間に1泊入れた修正計画が示され同意する。7/22は中岳非難小屋から手前の荒川小屋泊に、また、7/23は中岳非難小屋先の高山裏非難小屋幕営に変更。以後は当初計画通りで下山は7/30から7/31に変更。この旨掲示板で知らせる。

赤石岳
赤石岳
赤石岳避難小屋ハモニカ
赤石岳避難小屋ハモニカ

7月22日(火)晴
起床3:00 百閒洞露営地幕営4:00-赤石岳7:20/8:40-小赤石岳9:10-荒川小屋12:30    (荒川小屋泊)

・赤石岳避難小屋に寄り女性管理人からハモニカ演奏の歓迎を受ける。最初はアメリカ民謡「ミズーリ川をこえて(タイトルは「シェナンドー」か?)、アンコールするとダブルバモニカで「津軽のふるさと」。義母の死などいろいろありちょっとジンとくる。

・男性管理人からは展望の良い場所を教えてもらい南アルプスの山の大きさと谷の深さを堪能する。また、高山裏非難小屋管理人への手紙とリンゴをミナトLが託される。私たちもリンゴ1個いただく。

・義母の葬儀はすべて地元の親戚のご協力で済ませたので私は9月の四十九日に行けばよいことになりすっきりして山行を続けることになった。この間ミナト、イシツカミの両氏には随分心配をかけた。

・荒川小屋の夕食はカレーと焼き豚の荒川丼。私は荒川丼。カレーとご飯はお替り自由なのでカレーも食す。一粒での二度おいしいとはこのことか。

悪沢岳
悪沢岳

 

7月23日(水)晴
起床4:00 荒川小屋5:10-中岳6:40-悪沢岳7:50/8:50-中岳非難小屋9:50-中岳10:00/10:30-前岳10:40-高山裏非難小屋13:20 (高山裏非難小屋幕営)

・悪沢岳は風がなく光岳から甲斐駒まで展望する。1時間山頂でのんびり過ごす。

・前岳からのルートは南西斜面が崩落していて危うい尾根。尾根を通過するとガレ沢600mの下り。

・高山裏非難小屋手前の水場で体を拭き、衣類を洗濯しさっぱりする。

7月24日(木)晴
起床4:00 高山裏非難小屋4:40-板谷岳6:00-小河内岳8:10-烏帽子岳10:20-三伏峠小屋12:20  (三伏峠小屋幕営)

・小屋手前の斜面の花を保護しているのでお花畑となって黄色、紫などの花が咲き乱れている。

・小屋でカップ麺を買う。以後昼飯用に小屋でカップ麺を買って食す。

塩見岳東峰
塩見岳東峰

7月25日(金)晴
起床3:00 三伏峠小屋3:50-本谷山4:50-塩見岳8:10-熊の平小屋13:40
(熊の平小屋幕営)

・権衛門山トラバースに入る手前で枯れ木を跨いだら右膝にかかりタイツを大きく破る。

・塩見岳東峰から掲示板に中間報告「涼しい朝でごめんなさい」を入れる。家に電話したら8時ころですでに30度を越しているとか。

7月26日(土)晴
起床3:00 熊の平小屋3:50-農鳥沢頭6:30/6:40-西農鳥岳7:40-農鳥岳8:20-農鳥小屋9:50-農鳥沢頭10:30-間ノ岳11:30-中白根岳12:40-北岳山荘13:10    (北岳山荘幕営)

・仙塩尾根を離れて三国沢、ガレた農鳥沢をトラバース。

ガレた農鳥沢
ガレた農鳥沢
08農鳥岳
08農鳥岳

 

間ノ岳
間ノ岳

・北岳山荘でツノダ、トヨダ両氏とケッチボー。ビール、酒、漬物、アルファ米などの差し入れに感謝。また、夕食はツノダ氏特製のボタージュをおいしくいただく。

北岳頂上サポート隊と
北岳頂上サポート隊と

7月27日(日)強風、曇後晴後雨
起床3:00 北岳山荘4:00-北岳5:30/6:00-中白根沢ノ頭7:00-両股小屋11:30   (両股小屋幕営)

 ・早朝から低気圧と前線の影響で強風。尾根ルートから八本歯コルルートの変更。風で体が飛ばされそう。

左股沢
左股沢

・肩ノ小屋、中白根沢ノ頭分岐でツノダ、トヨダ両氏と別れる。
・左股沢への斜面は崩落し強引に下る。イシヅカミさん滑る。下の私がザックに手をかけて止める。ロープを出して下りる。沢は不明瞭な下り。雪渓はロープを出す。

・小屋管理人曰く左股沢ルートは雪渓があり通行止めとのこと。下から上がる場合は看板があるが下る場合はない。
・小屋に着いたら強い雨が降りだす。

7月28日(月)晴
起床3:00 両股小屋3:50-伊那荒倉岳7:40-大仙丈ケ岳11:40-仙丈ケ岳12:10-仙丈小屋13:30  (仙丈小屋泊)

・北沢峠まで下らないと幕営地がないので仙丈小屋泊。平日なのに小屋泊まりは多い。

・大仙丈から千丈に向かう途中で単独のおじさんと話していたら、イシツカミさんがあなたは新潟ではないかと聞くとピンポーンでしかも同じ町の方だと言う。誰それは知っているかなど話が弾む。

・仙丈ケ岳では我々の縦走を称えてくれて甲斐駒での再会を期待したいというパーティもあった。

仙丈ケ岳
仙丈ケ岳

7月29日(火)晴
起床5:00 仙丈小屋5:30-北沢峠8:00/8:30-甲斐駒12:40/13:20-鋸尾根六合目石室14:20  (六合目石室泊)

・小仙丈付近からはNo1富士山、No2北岳、No3間ノ岳がそろい踏みしている素晴らしい展望。

富士、北岳、間ノ岳
富士、北岳、間ノ岳

・北沢峠でキム兄とケッチボー。7:15着なのでだいぶ待たせた。もっとも予定より遅れることはイシツカミさんがしっかりメールしていた。

・明日の天気が心配で仙水小屋で確認すると晴予報。この山行は最後まで天気に恵まれると喜ぶ。

・仙水峠経由で駒津峰まで一気に上がる。

・甲斐駒では前日再会しようといった男女二人組が1時間も我々を待っていた。どうも我々の俄かファンとなったようだ。女性は静岡、男性は大阪で、山で一緒になり意気投合し年数回一緒に山行しているとのこと。

甲斐駒
甲斐駒

・甲斐駒への登りで右足ひざ内側から上の筋肉の痛みを感じて湿布を張る。甲斐駒から鋸六合目石室までの下りは痛みを我慢して下る。この調子だと明日の鋸は断念せざるを得ない。ミナトLに伝えて明日の様子を見ることにする。

・六合目石室は立派な作り。イシヅカミ、キム兄両氏に水汲みに行ってもらうが水場が分からずしかも少量で苦労したようだ。1時間以上かかり心配したがしっかり確保してきた。

・痛む足の湿布を張り替えてテーピングをしっかりしてキム兄差し入れの焼酎をたらふく飲んで寝る。

7月30日(水)晴
起床4:00 鋸尾根六合目石室5:10-第二高点8:40-鹿窓9:20-大ギャップ10:00-鋸岳(第一高点)10:20/10:50-戸台川13:50-戸台P16:20(タクシー)伊那市18:00  (伊那市ビジネスH泊)

・右足の痛みはない。念のため腰痛対策のロキソニン錠60mgを飲む。私は体力がないせいかこの薬飲むと暫くは頭が朦朧となり吐き気をもようす。

・一度は鋸に登ってみたいと思っていたので痛みがなく憂いなく歩けるのはラッキーと思わねばならない。またミナトLに心配をかけた。

・ルートファインディングは難しい。前日仙丈小屋管理人に烏帽子岳への尾根に行くなよと注意されていたのにどこで間違えたか尾根筋から外れて斜面をあがると烏帽子岳への尾根に上がってしまった。

鋸鹿窓
鋸鹿窓

 

鋸岳(第一高点)
鋸岳(第一高点)

・角兵衛沢の下りはガラ場というより岩雪崩が起きそうな場所だ。ゴロゴロと岩が落ちて危険なので極力ジグザグに下る。

・戸台川にやっと下りて対岸のルートに行くのに裸足で川を渡る。冷たい川水が火照った足を癒してくれる。

・橋本山荘に泊まる予定だったが廃業したとのこと。どうりで2日前くらいから電話をしても出ないわけだ。

・タクシーで伊那市まで行く。運転手さん紹介のビジネスホテルに入る。ビジネスHには珍しい浴場があり、13日ぶりの風呂に入りたまった垢を流す。

・伊那市はソースかつ丼が名物とのことでH近くの店で特製を食す。もちろんビール、酒付だ。

・飲み足らずHに紹介してもらった飲み屋にキム兄と行く。うまい酒、鮪の刺身などを食う。22:00H帰還。

7月31日(木)晴
起床6:30 伊那市駅8:56=岡谷駅10:12(あずさ)新宿12:33

 

山行報告(140719-21 中央アルプス)

山行報告(140719-21 中央アルプス) byキム兄
土~月曜の3連休を控えた金曜夜21:30、さぶ隊長、アベさん、エビさんと合流、新宿からバスに乗り込む。30分前には南アルプスへ向かうミナト隊が出発しているはず。1時、駒ヶ根到着。すぐにタクシーで登山口となる林道終点へ。駐車場の四阿にすばやくテントを張って、就寝。

140719- (9)7/19土曜日-1日目
翌朝テントから顔を出すと雨は降っていない。事前の天気予報では土曜日曜ともに『曇り時々雨、降水確率60%』。天気は期待できない。各自手早く朝食を摂りつつテント撤収、7:00出発。
前の日曜、ボッカ練習はしたがその以前は一か月入山していない。まだまだ体が山や重荷に慣れていない気がする。起伏の少ない最初の水場(8:40)までにすでに息が上がる。
10時、突然雨に降られる。道が狭く雨具を着るタイミングを躊躇しているうちに結構濡れてしまう。しかし雨は止んだりパラついたりでずっと降っているわけではない。
写真140719- (9)
11:30、昼食。今日の行程はCT約5時間と短い。しかし天候が先行き不透明なためノンビリもしていられず、結局5時間20分(時刻12:20)で目的地の空木平避難小屋到着。“おー、キレイでいいトコだなぁ”なんて言っていた途端、うるさいくらい激しい雨が降り始める。5分でも遅れていたらズブ濡れになっていたかも、セーーッフ!

140719- (14)

 

夕方、雪解けの沢で冷やしたビールとサブさん製カレースープで昇天!私は気絶するように眠ってしまった。夜、目を覚ますと雨は断続的に屋根を叩いている。
写真140719- (14)
140720- (6)

 

 

7/20日曜日-2日目
3:30起床、幸いにも雨は降っていないようだ。窓の外は白んでいるが明るくはない。朝食はキム製おでんうどん、ちょっと量が多かった。人数分の量は多すぎと学ぶ。5:00 出発、これは良い天気だ。山頂部も見え、背後から陽が昇る。
写真140720- (6)
140720- (8)

 
6:00 空木岳頂上。60周年企画の一端に足跡を残す。一割程度の達成感。南に南駒、北に宝剣がよく見える。期待していなかった好天にテンションは徐々に上がっていく。これからは稜線歩き、西から風が吹いて涼しい。登りで暑くなったので一枚脱ごうと思っていたがそのまま再び歩き出す。
写真140720- (8)

140720- (19)

 

 

7:15、休憩。8:00ガスってくる。出発から雨具で行こうか考えていた位だから、素直にカッパを着るも、結局降られたのは一瞬だけですぐまた脱ぐ羽目に。
 暑くもないし、寒くもない。雲がかかったり、たまに晴れたり。登りでは涼風が吹き、汗もかかない。遠くに御嶽や乗鞍が見える。なんと気持ちの良い稜線歩き。 写真140720- (19)

140720- (24)

9:05、熊沢岳。10:15、檜尾岳(20分休憩)。11:40(15分休憩)、12:40(10分休憩)、13:40島田娘(というピーク)。いよいよ本日の最終ピーク、宝剣を間近に確認。さぶ隊長に念のためのチェストハーネスをご教示頂き、宝剣に臨む。フタを開けてみれば簡単な鎖場だったけど、千畳敷カールを上から見られて良かった。
写真140720- (24)

ピークを向こう(北側)に降り、14:50(ほぼCT通り)、目的地の駒ヶ岳頂上山荘到着。“連休2日目なんてゼッタイ混むよなぁ”なんて言っていたがそれ程混んでいない。ちょうど良いスペースを見つけ、幕営。ビールで乾杯していると寒くなってきたのでテントに入った途端、雨が激しくテントを叩く。またしても、セーーッフ! 夜はエビさん製パスタとマッシュポテトを頂きながらの宴会、この日は本当に完璧な一日だった。

140721- (1)

 

7/21月曜日-3日目
4:00起床、朝食はアベさん製冷やし中華。冷やすのが面倒でそのまま食べたが温かくてもおいしいことが分かった(シカシ何と呼べばいいのだ)。今日は急ぐわけではないのだが何となく手が動いて片付けたくなる。雨は降っていないがガスっている。ここまで続いた強運もそろそろ尽きるのだろうか。写真140721- (1)

140721- (5)

 

6:10 出発、山頂部は見えないが義務的に木曽駒ヶ岳山頂へ向かう。しかし、登るにつれてまた都合よく霧が晴れてくる。山頂部(6:35)ではブロッケン現象が現れたらしく、オバちゃん達が騒いでいる。我々が駆けつけると消えてしまったようだ。まあここまでツイていればブロッケンなんて別にイイもんね。
写真140721- (5)

P7210321

 

山頂から下った馬の背から乗鞍、西穂~奥穂~キレット~槍、表銀座、その奥に後立山の南部が見える。みやのり隊があの槍穂の裏を歩いてるんだろおなぁ。結局今日もいい天気。思わず日焼け止めを塗る(7:25)。
写真P7210321

140721- (7)

 

 

なだらかで平和な癒し系平坦部を歩いていくと現在建替え中の西駒山荘(8:55)。本山行、最後のピークとなる茶臼山に近づくも、そのお姿はガスの中・・ が、我々を迎えるようにサーっと雲が引く。何だかラッキー過ぎてコワい。10:00 茶臼140721- (11)山登頂(休憩20分)

 

 

温泉に寄り、ビールと地酒で下山祝いをし、帰路の特急も連休最終日だから指定席は満席なのに、ナゼか自由席のボックスに座れたり、ちょっと気持ち悪いくらいキモチよくって、申し訳ないけど謝る相手もいないし、まぁいっか。中アの神様、ありがとーっ!!

 

 

【コース】
駒ヶ根高原スキー場奥の林道終点P(泊) – 空木平避難小屋(泊) – 空木岳 – 檜尾岳 – 宝剣岳 – 駒ヶ岳頂上山荘(泊) – 駒ヶ岳 – 茶臼山 – スキー場P

【費用】
バス代(新宿→駒ヶ根): ¥3700
タクシー代(駒ヶ根→空木登山口): ¥4380
(スキー場P→せせらぎの湯): ¥4100
(せせらぎの湯→木曽福島駅): ¥1600
駒ヶ岳頂上山荘幕営料: ¥900/人
せせらぎの湯入浴料: ¥700/人

8/1~8/2 北岳バットレス

北岳バットレス山行記録

日程:7/31夜発 8/1~8/2

メンバー:サイトー、タカタカ

行程:7/31 埼玉新都心駅18:30集合-(車)-奈良田22:30着

8/1  奈良田5:30発-(バス)-広河原6:15-広河原山荘7:00-二股9:00-c/d沢中間尾根10:30-dがリー取り付き12:00-第4尾根取り付き(ビバーク地)18:00

8/2  第4尾根取り付き4:40-終了点10:00-山頂11:00-広河原15:40-帰京

北岳バットレス第4尾根主稜は、標高日本第2位の北岳頂上直下に突き上げるダイナミックなアルパインコース。アルパイン経験・技術の乏しいタカタカにとっては難しいコースだったが、幸運にも晴天に恵まれ、何よりアルパイン経験の豊富なサイトーさんがパートナーだったことにより、無事に楽しく最高の景色の中で完登することが出来た。

第4尾根主稜コースは、第4尾根主稜とその取り付きまでの下部岩壁の2行程に大きく分けることが出来る。当コースは非常に人気が高く、所々で渋滞の可能性がある。ネット情報によると、白根御池小屋を早朝出発し1日で全工程を終了し小屋まで下山するケースが多いらしい。混雑を避けるため、我々は1日目を下部岩壁登攀、第4尾根主稜取り付きでビバークし、2日目で頂上を目指すことにした。

さらに、下部岩壁のコースは数種類の取り付きがあり、①bガリー、②dガリー、③第5尾根などの候補がある。①はbガリー大滝をつめてcガリーを横断する際、落石が危険との情報あり。だが②・③は雪渓の状態が悪いとの前情報があり、判断が難しい。結局、前日に山小屋へ電話で雪渓問題なしとの確認を取ったため、②を採用した。

朝一のバスで広河原入りし、まずは下部岩壁取り付きを目指す。大樺沢沿いに歩き二俣を越えた辺りから、取り付きのポイントを注意して探る。ただし、心配性のサイトーさんが事前に万全のリサーチをしてくれたお陰でdガリーへの明瞭な踏跡(c沢とd沢の中間尾根から登る)を容易に発見することが出来た。終始アイゼンは不要だった。dガリー前でクライミング装備を身に付け、いざクライミング!とその時、頭上から不穏な音が。。頭部より大きい岩が複数降ってきた!落石だ!間一髪の距離!!サイトーさん「上を見て!石が来たら避けろ!」と叫ぶ。早速アルパインの洗礼を受け、プルプル震えて立ちすくむタカタカ。スタート地点で早急に「本気で帰りたい。」と喉元まで出かかったが、落石はcがリー上部の崩壊跡から発生するため、我々のルートには影響は無いとの冷静なサイトーさんの判断から決行することにした。(北岳は2010年の大崩落後、今も岩が脆い状態。実際に我々の登攀中、その崩落現場からは何度も落石が発生していた。cガリー横断は非常に危険だ。)

dガリー取り付きから第4尾根主稜取り付きまで、ほぼスタカット(サイトーさんリード)で5ピッチ。途中の支点が頼りないこと(途中フレンズも使用)、足元が結構ざれていること等、不安定要素が多かった。dガリー取り付きまで雪渓の下を泥だらけになりながらくぐったり、上部の高度感たっぷりなトラバースが足元ザレザレだったり、結構バクバク心臓に負担をかけつつ(!)、第4尾根主稜取り付きにようやく到着。

第4尾根主稜取り付きは広いテラスになっていてツェルトビバーク可能。岩壁ビバーク得意のサイトーさん主導で心地よい安全なツェルト生活があっという間に完成。ビバーク方法を教えてもらった。例えば、ツェルトの設定方法から始まり、常に自己ビレイを取りヘルメットも装着する、トイレの為のビレイをロープで予めセットする、物を落とさないように必ず袋に収納し確保する等、貴重な体験をして参考になった。翌日の登攀のため、夕食後は早々に就寝。2人用のツェルトはそれほど大きくは無いが、岩の上にテントマットを敷き、シュラフカバーで包まって寝ると意外と居心地良いものだった。

翌朝3時に起床し、朝食後に身支度を整える。空が明るくなった後、第4尾根主稜取り付きから登攀開始。一般的に最終点まで9ピッチあり、核心部は1、5、9ピッチ目。タカタカは「ツルベなら偶数ピッチは担当しようかな~♪」なんて呟いたのも束の間、ゲレンデとは違うアルパインの迫力に圧倒され、あっさりフォローを志願する。「だってだって、ランアウトするし、絶対に落ちれないし、支点不安定だし。。モニョモニョ」と言っている間に、サイトーさんはタイムリミットを気にして全工程リードを担当してくれた。流石多くのクライミング経験を持つサイトーさんは、重い荷物を背負いながら、次々と突破していく。1ピッチ目のクラックや5ピッチ目のスタンスの少ない垂壁、そこからの大胆な高度感のあるナイフリッジ、6ピッチ目のマッチ箱の懸垂下降、9ピッチ目のハング気味のチムニー越え、各終了点ポイントでは素早い支点作りや所々のフレンズの使用等、まるで山岳ガイドのような身のこなし。本当にすごい技術と精神力だ!これだけお世話になったにもかかわらず、クライミングの途中でサイトーさんのカメラ(今回の唯一の記憶媒体)をタカタカがどこかで紛失。恩を仇で返すとはこのことだ。サイトーさん「そのカメラ3日前に買ったばっかりなんだよね。。」とぽつり一言。(←後日落し物として届出があり(!)無事にカメラを回収。しかしクライマックスのサイトーさんの格好良いシーンが全く撮影できず、本当にすみません。。) サイトーさん優しく許してくれました。

登攀後に装備を解除し、北岳山頂へ30分程度で到着。本来盛り上がって記念撮影をするはずだが、ここでも写真は無し。自分のおっちょこちょいを呪う。山行計画では肩の小屋でゆっくり1泊する予定だったが、突如天候が急変しザーザー降りになったため、急いで広河原まで下山し、最終バスで帰京した。

常にフォローで情けないが、清々しい晴天の下、3000メートル級の尾根をを登攀しながら、ふと背に見る壮大な山々の景色は最高に気持ちよかった!!登攀の途中にテラスでビバークしたのも楽しかった!!他のパーティとも会わずに北岳の尾根を独り占め出来た贅沢な山行だった。全てはサイトーさんのお陰です。ありがとうございました。

・アクセス詳細

広河原への道はマイカー規制があり、アクセスにはバスもしくはタクシーの利用が必要。南アルプス登山バスは、夜叉神~広河原間での落石による通行止めのため、一時的に奈良田~広河原のルートにて代替運行となっていた。それにより、今回は奈良田に駐車することになった。

交通所要時間 さいたま新都心駅-(車で4時間)-奈良田

奈良田-(バスで45分)-広河原

奈良田から広河原までのバスは大変混雑するので、要注意。

奈良田には2箇所の駐車場があり、各駐車場にバス停がある。第1駐車場がバスの始発駅で、第2駐車場が次の停留所。第2駐車場から乗車すると、混雑の為に時刻通りのバスに乗れない可能性あり。我々の場合、前夜22:30に奈良田に到着して、ギリギリ第1駐車場に駐車したので、始発駅から乗車出来た。早めに第1駐車場に到着することをおススメする