60周年記念山行 南アルプス全山縦走記

南アルプス全山縦走記

≪60周年記念山行≫

【日程】2014年7月18~31日

【メンバー】・ミナト(L) ・カト・アトム・ツノダ・トヨダ・きむ・ミチ(記)

※コースタイムや食糧などはカトさんの記録をご参考ください

それは突然起きた。

次から次へと涙が溢れた。

ほんのすう数分前、はしゃぎながら記念写真を撮っていたのに、突然・・。

自分でも予期しない出来事に困惑。だけども理由なんて何でもいい。

とにかく歩きぬいたのだ。南アルプス隊の最終ピーク、鋸岳に。

ミッションと口走りながら、半ば仕事のような義務感を抱いたり、容赦なく照りつける紫外線に怯えたり、ザックが重過ぎて食い込む痛さと戦ったり、思い起こすと限が無いぐらいの泣き言が出てくる。それでも辿り着いたのだ。

7月18日(出発)

《新宿バスターミナル・飯田駅》

雨の降る中、南アルプス隊の出発の時が来た。新宿のバスターミナル。

すでに隊長のミナトさんがいた。骨太のガッチリとした体。それに負けず劣らないザック。30キロ近くはあるだろう。小学生並みの重さだ。この縦走めがけて60キロのザックを背負い会社の階段でトレーニングを重ねていた。南アルプス隊の隊長でもあり、60周年記念山行の総隊長でもある。凄い人なのに、威張ったところなど微塵もなく、礼儀正しく穏やかである。毎度も言い続けているが、何度でも言いたい。ミナトさんがいると安心する。安全の保証が約束されるわけではないが、とにかく安心するのだ。

挨拶を交わしていると、カトさんが到着。出発前なのにすでに真っ黒に日焼けした姿は山人・・山で働いていそうな雰囲気を漂わせる。真っ赤なザックは大縦走のわりには大きくない。食事の準備も備わっている。なのに、コンパクトだ。工夫をこらし軽量化に務める。完璧なカトさん、無駄がない。今回の縦走でも、常に先頭を歩いてくれた。ペース配分も完璧。それに、準備や手配等お世話になりっぱなしだ。

そして最初の三日間、一緒に過ごすアトムさん。笑顔で登場だ。相変わらず背筋がピンとしている。一瞬でも猫背姿を見た覚えが無い。本人いわく遺伝と謙譲してだが、日ごろから鍛えている筋肉の力も大きいと思う。あやかりたい。

少し経つと私たちの後に出発する中央アルプス隊のアベさんの姿もあった。アベさんは南アルプス全山縦走を経験しており、確信に基づいたエールを送ってくれた。

「日が経つにつれだんだん荷が軽くなるから面白いよー」これを実感したのはだいぶ後になってからだった。

さあ、出発。これからどうなる?不安よりも楽しみの方がうんと大きい。お気楽なのか、いや、これでいい。4人を乗せたバスは飯田に向かって出発した。

7月19~21日(前半)

《光岳・易老岳・茶臼岳・上河内岳》

雨が降ったり、止んだり。雨具を身につけると瞬く間に汗がでる。重さ19キロのザックは重い。易老岳までの登り。かなりキツイ。根をあげるには早すぎる。だけどキツイ。何度も大丈夫との問いかけに、大丈夫と頷き、続けるはずが・・とうとう音を上げてしまった。ミナト、アトムさんが私のザックを軽くしてくれた。それもかなりの量。そのお陰でどうにか光小屋まで辿り着くことが出来た。振り返ると、この登りが一番キツカッタ。体が慣れてない、そこにきて大荷物や雨が降ったり止んだりの天気。心が折れかかった。(これじゃ足手まとい。この調子じゃ、一足さきに山を下りた方がよいのか・・・)

天気同様、曇り時々雨の中の山行。樹林帯の中をもくもくと歩く。景色も開けてこない。ただ、ただ汗が流れる。まだ始まったばかりなのに、弱気に支配された出だしであった。

二日目の聖平小屋での朝、アトムさんとお別れだ。寂しくなる。この時点で百名山の光岳を含め4座のピーク。まだ15座も残っている。気が遠くなる。大丈夫なのかと不安を抱える。それを見据えたかアトムさんがエールを送ってくれる。「気をつけてね、がんばって!」(アトムさん、ありがとう・・)

7月21~24日(中間・前)

《聖岳・兎岳・赤石岳・荒川岳》

兎岳非難小屋手前で単独のおじさんに出会った。「トマト食べる?」と挨拶してきた。私とカトさんは迷いも無く好意に甘えトマトを食べた。話しを聞くと金沢の人だった。そして、とにかくしゃべる人。こちらから終わりにしないと、いつまでもしゃべり続ける。なんとなく仲間のS氏にそっくりだった。背丈や雰囲気、歩き方さへ似ている。その後しばらくおじさんの後ろ姿みながら近づいたり、遠ざかったりしながら、徐々に見えなくなって行った・・・。

百間洞山の家に到着。小屋の脇には沢が流れており、テン場も最高だった。時間的にも日が落ちるまで、たっぷり時間は残されている。気分が高上する。3人でまずは乾杯。久々に飲んだ炭酸は格別だった。迷わず沢に入り足を洗った。厳密に言うと4日目ぶりだ。とにかく気持ちが良かった。足だけなのにさっぱりした。水道で顔も洗った。前半戦の疲れが、一気に流されていく。
百間洞山の家 (2)
テントなどの装備や雨具。靴からなにもかも干しまくった。辺り一面はガラクタ市のようになっていたがお構いなしに、干した。体だけじゃなく荷物もさっぱりした。ココでのサッパリが、意気を吹き返してくれた。

≪百間洞山の家≫

翌日、嘘のような絶好調が待っていた。

前半戦に自信を無くし掛けていると「4日目ぐらいから調子よくなるから」のミナトさんの言葉通りになった。肩のヒリヒリも無い。多少の登りもキツイと感じない。思考回路も鮮やかに変わって来た。恥ずかしい話しだが、地形はもちろん、名だたる山の場所や名前まで、はっきりと把握していない。そんな状態で参加したものだから、赤石岳を「赤岳まだですかー」と言う始末。大問題である。ここまでくると笑い事ではすまされない。山歴5年。会のメンバーになって1年が経った。自分でもウンザリしていた矢先の変化だった。天気は良好。見渡す限りの大展望。今まで歩いて来た山々。そして、これから向かう遥かなる山々。余計なざわめき一つ無い静かな山。このような環境におかれてか、果たして熱心に指導してくれたミナトさんのお陰か、覚えるようになった。光岳、茶臼岳、聖岳・・、赤石岳、荒川三山、塩見岳・・・。楽しかった。わけ分からずに、ただひたすら歩いている時よりも、新鮮だった。山の容も様々だ。特徴のあるものから、そうでないもの。人気のある山はやっぱり、なるほど・・と、頷ける何かがあったりする。土の感じも岩の種類も色々ある。南アルプスのど真ん中付近に居る。奥深い山の稜線上に居る。贅沢な課外授業だ。カトさんも花の名前を教えてくれる。一瞬覚えるのだが、直ぐに忘れる。高山植物についてはあと2~3年かかりそうだ。(カトさん待っていて下さい)

7月25~28日(中間・後)

《塩見岳・農鳥岳・間ノ岳・北岳・仙丈ヶ岳》

この日も晴天。目指すは塩見岳。三伏峠小屋を出発してから登り降りを繰りかえしながら塩見小屋の前に。中から、布団を抱えたさわやかなお姉さんが出てきた。挨拶を交わす。話しによると、今年で40年余り続いた小屋も老朽化が進み取り壊すようだ。レトロな雰囲気で何となく名残惜しい。このような稜線に立つ小屋は厳しい天候だったりすると、多くの人を救って来たに違いない。そう思うと自然に頭が下がる思いだ。小屋を後に岩ガレの急斜面を登り終えると、13座目の塩見岳頂上到着。平日だからか、ほとんど人が居ない。ゆったりとした山行予定。たっぷりある時間。気付けば3人して無言で携帯をいじっていた。塩見岳の頂上で。超大自然と超現代がコラボしている。そんな贅沢を経験した。

色んな体験をさせてもらった。その中でも身体についての発見だ。

わかりきっているが、山に入ると風呂には入れない。2週間近く続く風呂なし状態。

どうなるのだろう。もの凄く興味があった。雨に打たれ。汗もたっぷりかいた。帽子はかぶったりかぶらなかったりだが、髪もべったり固まっている。

3日目(百間洞山の家)沢に入り初めて足を洗った。

4日目(荒川小屋)テン場の水場で手足洗う。

5日目(高山裏非難小屋)手前の水場で始めて髪を洗う。ここで、みんなが体を拭きシャツなど洗いまくる。あー気持ちがいい。それにしても冷たい。頭皮にじんわりと突き刺さる。だけど最高だ。

7日目(熊野平小屋)でもほぼ全身浴に近い洗いに専念した。男性人は手足のみで相撲中継に夢中だった。

9日目(両又小屋)炊事場での蛇口で髪を洗う。それも手洗い石鹸で。よくすすがないとならない。快感を満喫するにはちょっとばかり水の冷たさが染みる。この日は午後から雨で気温も下がり気味。だけどもありがたい。この後は下山後、最終日までお預けだ。

まとめると、5日が限度のようだ。季節や状況、個人差にもよるが、5日が限度。そして太もも辺りがかゆかったのに、10日も過ぎると感じなくなる。むしろ皮膚にバリアガードが直積されたのかサラサラに感じる。結構の割合で清潔は保たれる。

新たな進化もあった。起床から出発までの時間だ。どんどん進化し、気付くと3時起床、3時50分出発が当たり前になっていた。更に5分短縮され45分準備完了の時さえあった。朝食、身支度、テント撤収。通常なら1時間半ぐらいなのに、半分の時間で完了。朝食は、コーヒーと昨夜に用意してあるアルファー米と簡単メニュー。そして極めつけは、自衛隊の訓練のような動きである。朝の挨拶を交わしてから出発まで、ほとんどしゃべらず淡々と出発めがけて行動するのであった・・。

北岳ではツノダさん、トヨダさんと合流。たくさんの物資を担ぎ上げて来てくれた。お願いした大福はもちろん、ビールやアルファー米。元気もりもりアミノバイタルまである。ホントありがたい。優雅な晩餐を味わった。体力的にも徐々に疲れが溜まってきているはずなのにテンションンは一気に上がった。仲間っていい。最高だ。大量物資のせいか本人たちはテントを持たずツエルトで夜を過ごした。この夜は風が強く大変だった。時折目が覚めるような強風。仲間って最高だ。などど、言いながら一度もテントから顔を出すことは無かった。仲間のはずなのに、ゴメンナサイ。翌日、強風と霧の中、かき分けるかのように頂上へと向かった。そのような状況でも、一瞬ガスがとれ素晴らしい瞬間を捉えることが出来た。燃えるような真っ赤な朝日。幻想的なブロッケン。本当ツイテいた。みんなで記念撮影。ここで16座目。残すところあとわずかであった。

≪北岳≫
北岳

7月29~31日(後半戦)

《甲斐駒ケ岳・鋸岳》

北岳・仙丈ヶ岳・甲斐駒ケ岳。この辺は、観光地と言っていいほどの賑わいだった。仙丈小屋から一気に1,000m下り、北沢峠で、きむ兄と合流。そして甲斐駒ケ岳頂上まで一気に1,000m登る。標高差はあるものの、整備され歩きやすかった。

それにここまでくると荷物が軽い。更に、きむ兄にもフライや水などを持ってもらう。

アベさんの言葉を思い出す。確かに、面白い・・・。

さて、甲斐駒ケ岳を後にして最終地点鋸岳へと向かう。先ほどまでの賑わいは何処へやら、誰もいない静かな、鋸岳への登山ルート。「集中」と何度も言い聞かせながら進む。遠くから見ていると、ギザギザしており危険な感じがしていた。だけども一瞬たりとも気が休まらない、などど、言うほどでもない。カトさんを先頭に一行は六合目小屋にと到着。レンガ造りの立派な非難小屋。私たち4名だけじゃもったいないぐらい広さだった。

さて、水場へと水汲みに行かなきゃ。だけどもそれらしい、道しるべや、標識もない。新人の私と、きむ兄で捜索に向かった。この捜索に関しては説明すると長くなる。既にこの南アルプス縦走記録も(簡潔に)を心がけていたのに、ずらずらとしている。記録のはずが、感想になっている。おまけに自分目線だ。最終的には、無事に水をくみ上げて来たが、そこに至までのドラマがあった。追々に語ることにする・・・。

確保した水で心配することなく過ごせた。夜は満天の星空を満喫。大自然の偉大さを噛み締める。いいなー、すごいなー、たまらない。終わらない感動、締め付けられる思い。願い事を唱えることすら忘れてしまう、そんな光景だった。

さてさて、翌日、一行は鋸岳へと向かう。分かりにくいルート。何度か辺りを見渡す。時にはロープをはり安全歩行。ガレガレ地帯では石を落とさずと気を張り詰める。これでもか、これでもか、とガレ場は続く。泣かされながら、ついに到着。南アルプス隊、最終ピーク鋸岳。

≪鋸岳≫
鋸岳

「やったー!やったー、やったよー!!」弾けるばかりの嬉しさに大騒ぎ。

皆と握手を交わす。「ありがとー!」「ありがとうございます!」

入山してから12日目。ついに達成。あっという間だった。だけど、色々あった。落ち込んだり、へこんだり。痛かったり、苦しかったり。それに負けないぐらい、嬉しかったり、楽しかったり。喜んだり、感動した。そして、何より強くなった。そう思う。

格好よく、「強くなった」はい、じゃんじゃん。で、終わりにしたかったが、鋸岳下り、そして、河原歩きなど、へこたれた。しゃべれないほど、へたれた。やはりまだまだ甘い。甘かった。

色んな山に行こう。更に進化して震えのくるような場面に出くわしたい。山に登れば登るほど欲深くなって行く。終わりがない。山って何なの。とにかく魅力的。こんなに思えるのも、みんなのお陰だ。

カトさん、山行途中に不幸があったにも関わらず下山せず同行。常に先頭を歩き引っ張ってくれた。安心して着いて行くことが出来た。カトさんとはよく一緒になる。(縁が強い)これから先、まだまだ、ご一緒願いたい。

途中で分かれたアトムさん。幾度となく、助けてもらった。荷物だけではなく精神的にもだ。語り合ったあの日の夜は楽しかった。また、続きを願う。今度は少し飲みながら。

ツノダさん、トヨダさん。思い荷を背負い支援してくれた。ありがたい。そう簡単な話ではない。次回は私が二人を応援したい。(待っていて下さい)

きむ兄、北沢峠から合流。あなたはやはり晴れ男。目が覚めるよな、天気を運んできてくれた。一緒に水を探しに行った。捜索隊の大冒険、わくわくした。上から目線の態度に刺激される。私は先輩、しっかりしなくてはと。

そして、ミナトさん。心より感謝いたします。(制御不能、敬語に変換致します)

よくぞ南アルプス全山縦走を実現してくれました。計画書作成から現地での判断、そして最後まで面倒をみてくれて、ありがとうございます。普通の感覚なら嫌になってもおかしくないぐらい、山に対して勉強不足、力不足、まさにアウト的な状態でした。私の犯した細かい明細はしまって置くとして、山を、更に、好きにさせてくれました。あんなに歩いたのに、もう、歩きたくて、歩きたくて仕方がないです。

また、一緒に歩いて下さい。

今度はミナトさんに泣いてもらいます。(なんちゃってー)

記録よりも感想になってしまいましたが、以上です。

支えてくれたみなさん、本当にありがとうございました!

創立60周年記念山行:東沢谷~双六~槍ヶ岳

水量多い~。

コバ(L)、エビ、さぶ(記録)

8/12(金) 23:00新宿発-(さわやか信州号)
8/13(土) 晴れ 4:00 扇沢-6:30-(トロリーバス)-6:46 黒部ダム‐10:30平ノ小屋‐(休憩)-12:00平の渡し‐(船)‐12:15平の渡し場‐14:20奥黒部ヒュッテ
(幕営)

8/14(日)曇り      7:00 奥黒部ヒュッテ‐東沢谷‐16:00 2150m付近(幕営)
8/15(月)曇りのち暴風 6:30幕営地出発―9:45東沢乗越-10:30水晶小屋(休憩)13:00三俣小屋(幕営)
8/16(火)雨、時折雷雨 6:00三俣小屋出発-8:00双六小屋-8:30樅沢岳(もみさわだけ)-9:00硫黄乗越-12:00槍ヶ岳山荘(幕営)
8/17(水)雨、時折雷雨 6:00槍ヶ岳山荘出発―12;30 上高地

60周年記念山行にて
槍~双六までのルートを行く人がいない・・・

そんな情報を聞いて、裏銀座いったことないし、一人でも行こうかなーって考えていた矢先
コバさんからイカれた・・・いや、素敵な提案が出てきた。
黒部ダムから東沢谷経由で、双六ー槍へ行く計画。
東沢は調べると綺麗な沢だ。イワナもいるらしい。すぐに計画にのっかることにする。

メンバーは、コバリーダー、エビさんという、北稜最速レベルの足をもつ男たち
ついていけるか若干の不安をかかえての山行となる。

新宿都庁のバスターミナルで集合、朝の4時に扇沢に到着。トロリーバスは6時半出発だ。
時間があるので、駅前で寝る。北稜に入ってから、路上どこでも寝れるようになってしまった。。。

得意のステーションビバーク
得意のステーションビバーク

切符売り場が、あく30分ほどまえにコバリーダーが動いた。
みると既に列が出来ている。
乗り場の方にもすでに列が出来ているので、切符売り場と乗り場と二手に分かれて並ぶ事にする。
お盆とあって大変な賑わいだ。

無事に切符を購入してコバさんがやってくる。改札まであと15分ほどので駅員さんが大声でアナウンス。

「皆様・本日は大変混雑して申し訳ありません。ただ、本日、快晴でございます。
駅の改札は6時半の予定ですが・・・今日は大変な混雑のため・・

お?早めに改札開始か?

「お弁当いかがですか???」

ええーっ!?

「こちら扇沢駅限定となっております。今日などは上のレストハウスも大変混雑します。今日はお天気もよいので景色をみながら
外でお弁当を食べる事をお勧めします。なのでー・・・」

「お弁当いかかですか??」

素晴らしい口上だ。みるみるお弁当売りの列が長くなる。商売上手の駅員さんにコバさんも脱帽していてサケの押しずし弁当を買ってましたw
(テンバでご相伴にあずかりました。とってもうまかった!

さて、改札もはじまり、初のトロリーバスにのり黒部ダムの放水を楽しみながら、登山道へ。平の渡しの1便目が10時・・
これはコースタイム1時間巻く必要ありだ。
まぁ、今日は急ぐ旅じゃないし、ゆっくり行こうといいつつ、コバリーダーが早い、というか休憩をほとんどとらない。
まぁ、平坦の道なので、疲れる事もなく、なんとかついていく。

黒部湖を見ながら強行軍
黒部湖を見ながら強行軍

タイムリミットまであと30分ほどってなった時に、もしかして間に合うかもと、おもったらしく、ペースアップし、
このまま10時まで休まず行くとのコバリーダー。
が、惜しくも、タイムアップ。30分ほど足りませんでした。黒部ダムで遊びすぎましたね。
10時20分に平の渡しついたので、次の12時の渡し船まで平小屋でひといきつく。
船の出発まで、2時間近くあるからって、ビールとか飲んでませんよ。ええ。(汗

船にのってから2時間程度で、黒部ヒュッテに。他のパーティーは上の廊下、雲ノ平などに行く人が何パーティか。
東沢は私たちだけのようだ。

平の渡し-大変な賑わい
平の渡し-大変な賑わい

ヒュッテについてから、手早くタープとテントを設営すると、明日の下降点を偵察しにいく。
取水のパイプをたどって、左岸をトラバースして、がけにぶつかったところで懸垂下降している記録がある。
水量が多いので下部のゴルジュはできれば巻きたい私。
ここかなって、ポイントを確認したが、他にいい場所がないか
登山道を上がって、それより上流部へ降りれそうなポイントを探す。
先ほどみれなかったゴルジュの様子をみると、超えられるか不安な感じの水量だ。
しかし、この先は、結構の高巻で降りられそうだけど、大変そう。。。

ということで最初のルートを明日は行くことにしてテンバに戻る。

コバさんが途中で採取したフキを煮てつまみに、ビールと日本酒で乾杯。
小屋に酒を買いにいったら、それ一人で飲むの?って小屋番の方に驚かれたのは内緒です。

明日もあるので、早めに宴会を切り上げて寝る。コバリーダーはタープの下で、私とエビさんはテントで。ぬくぬく就寝。

朝、起床。沢靴になり、ハーネスを付け、武装完了。
下降点へ、昨日確認したところより先に行けそうだ。懸垂下降ポイントがあったが、もうちょっと高巻できるか上に上がると、
当初は上の廊下に行くよていだった、大阪から来た3人パーティーに遭遇。
どうも増水している上の廊下は渡渉不可能と思って東沢にしたらしい。彼らから、この先は切れ落ちていて、降りるのは厳しいというので、
先ほどのポイントに戻り、懸垂じゃなくて降りれるところを踏み跡をみつけて入渓。

左岸にすぐ大岩があらわれる、岸との間を抜ける時に、つるっとすべって、さっそく私はドボン。つ、つめてぇ。。。

大阪のパーティーが最初にロープを出して右岸に渡ろうとしているが、リーダーの方が何度か流されて、左岸に戻ってくる始末。
まじかー。上の廊下に行く人たちがこんな感じならそーと厳しいのか・・・
で、ここで、コバリーダーが動く。
「先にいかしてもらってもいいですかー」
エビさんにビレイしてもらい、コバリーダー渡渉。
どうも、白く波がたっているところは、実はあんまり流れが早くないってことらしい。
慎重にルートを選択しながら、するっと渡渉成功。すげぇ!(夢中で写真忘れた!)
大阪パーティーから拍手が。ちょっと気持ちよかった(笑

私は中間でFIXロープにビナ通しで渡渉。エビさんは、末端に固定でコバさんビレイで無事渡渉。
私たちは、そのまま右岸をまいたり、水線どおしにいったり、

水量多い~。
冷たいだろうけど。ちょっと写真とるからそのままで~。

大阪パーティーとは、抜きつ抜かれつつ、時折、会話をする。

大阪パーティー:「東沢乗越あがるんですよね?それからどこへ行くんですかー?」
さぶ:「槍までいくんです。これ、槍へのアプローチなんです(笑」
大阪パーティー:「え!槍!?おかしいやろ!!アプローチまちがえてるやろ!!(笑」

と大阪らしいツッコミを頂く。

 

コバリーダーのルーファイは見事。
私はただついていくのみ。しかし、歩くの早い!渡渉なれない私は、必死でついていく。
ときおり、コバリーダーに手を引いてもらい
後ろのエビさんにルートを先取りしてもらったりして、介護されてる感満載。

い。いけるかしら???
わ、私、いけるかしら???

その日は、途中でイワナの魚影を何度もみるが、さすがに2200付近で幕営予定なので2000を超えるまで釣竿は出さない事に・・・

決めたはずのリーダーのコバさんが5分置きに、「もう、2000超えた?」って聞いてくるw
釣りたくて仕方ないみたいだ。

男性二人は
「俺たち、初心者だから、やっぱり、スレてない子がいいじゃん?まー、その子もダマしちゃうつもりなんだけど?」
と、なんの話してるんだかの、釣り談義。

2000を超えて、なんかつれそうなポイントでやっと竿を出す。
と、すぐにコバさんに当たりが!結構、大きいいわなをGET!やっほぅ!

釣りにめざめた?二人組
釣りにめざめた?二人組

2000を超えたところで、左岸に幕営しているパーティーがひとつ。
大阪のパーティーもその、ちょっと上ではったようだ。

私たちは他のパーティーよりの上の2150あたりの樹林の中に平な場所をみつけてテントとタープ設営。

この沢のために釣竿を購入したエビさんはもうひとチャレンジしに竿をもって沢へ。
アベさんと、つりしさんに、岩魚つるのに、釣竿って必要ですか?(=枝と糸でいけるやろ)
って聞いて、釣りをなめるな!と怒られて購入したもようだ。

私はごはんの用意。コバさんがたき火を。
しかし、連日の雨で、枝がたっぷり水分を吸っている。。。
ここでコバリーダー、着火剤を何個も使うが火が起きず。。。
つりをあきらめて戻ってきたエビさんにバトンタッチした時には着火剤が残り2個。。。

エビさんも苦心するが、さすがたき火マスターだ。
なんとか火がついてほっとする。
もう20時近くだった。。。お疲れさま。たき火ありがてー。。

それから宴会。さぶの高野豆腐でつくるスンドゥブ鍋。
岩魚は、なめろう
皮と骨はあぶって、カリカリに
頭はじっくりあぶって、骨酒に。
すべて綺麗にたべる。ごちそうさまでした。山の恵みに感謝。

のんべ二人は、酒とつまみでおなかがいっぱいなので、結局、米を炊かず。
エビさんだけがα米を戻して食べる始末。この山行はα米が相当余った。。。

22時ごろに就寝。明日は、長い一日になりそうだ。

朝は薄曇り。天気はどんどん悪くなる予報だ。
コバリーダーは相変わらず、沢をハイスピードで行く。。。
私は、ついていくのが、やっと、さすがに、もうちょいゆっくり行ってくれとお願いする。

水がなくなってくると雪渓が見えてくる。

雪渓の間を行く
雪渓の間を行く

最後の雪渓はほとんど崩壊。横のガレを容易に上がれる。軽アイゼンをもってきたが不要だった。

しかし。水中では、好調子のコバリーダーが、丘にあがったとたん、お皿が乾いた河童のごとき動きが悪い。
数歩歩いては、息をととのえている
エビさんは、どうも、昨日から体調がすぐれないようだ。

水がなくなってからほどなくして、エビさんのみ沢足袋から、登山靴にここで履き替える。

最後に、ハイマツ滞を横切るようにしてひとつ右の沢に詰め上げる。

最後のヤブ漕ぎ
最後のヤブ漕ぎ

ばっちり、東沢乗越に出た!やったー登山道だ!

登山道に出てほっとひといきだが、こっから厳しかった。。。
登山道に出てほっとひといき。

ってここから風雨が厳しい。

私とコバサンはめんどくさいので、このまま沢靴でいくことにする。

水晶小屋まで40分ほどだが、稜線は飛ばされそうな風だ、ときおり、耐風姿勢をとりながらすすむ。

水晶小屋につくと、小屋の休憩所は雨をしのぐ登山客でにぎわう。ここでコバさんが天気図を確認し無事を掲示板に書き込んでくれた。
カップめんで体をあたため、気合をいれて外に再び出る。
双六小屋まで、登山道がほぼ沢状態。沢靴で正解だ。
あちこち、山壁が滝のようになっている。

黒部源流もみたかったが、標識だけにしておいた。雲ノ平への分岐の沢は渡渉が危険そうだった。

黒部源流への標識。向こう岸が雲ノ平。
黒部源流への標識。向こう岸が雲ノ平への道

そのまま三俣山荘へ。時間は13時。
ここから双六小屋が今日のテンバ予定だったが、装備が濡れているのもあり
テントで乾かす事を考えると、今日は三俣小屋で止まるのがいいだろうと判断。

小屋でまず、あたたまりたい気持ちが先行するが
まずテント張ってから、装備を乾かした方がいいだろう、てか、正直そうしたら、テントはるのがいやになっちゃうだろうと思い、先にテントを張る。

本音を言うと、小屋に泊まらないかと喉まで出かかったが、
リーダーが小屋に泊まろうって言ってくれないかなって心から思っていたが・・・(リーダーもそう思っていた模様w)
60周年記念山行。現役が小屋泊まりでは、申し訳ないだろうという
気持ちがどこかにあり、ぐっとこらえてテントを張る

テントの前の道はすでに沢になっていたので、排水がきちんとできるように、突貫工事までやりましたよ。ええ。

ちなみに、このあとの山行報告会で、他のパーティーが小屋泊まりで豪遊していた話を聞いて愕然とする事になることを私たちはまだ知らない。

水晶小屋では、コバさんが大判振る舞い・・・。パスタ、カレー、最後ラストオーダーには、オムライスまで頼んでいる。
私は、ビールからのワイン。コバさんと二人でフルボトル2本をペロリ。いやー、うまいね!
結局、夕食はエビさんの麻婆春雨を作らず、小屋で豪遊して終了。

明日も天気は悪そうだ。。。

朝起きるとテントはびっしょり。私が軽量化をもくろみ、銀マットいらないんじゃん?って言ったため、浸水した雨でテント内は非常に不愉快な状態だ。

テント撤収中は、雨が小降りになり、パッキングして、今日は槍まではマストだ。

槍ヶ岳山荘はテンバがせまくて、張れない事もあるので
槍平まで下りたいコバリーダーの提案で、6時間。ほぼ休みなく歩く。

全てのピークは巻く方向で行軍。(双六も槍もすでに登ってくれているので、私たちはその間をつなぐだけでいいのだ)
ノーピーク ノーライフじゃない沢屋の二人はまったくピークを巻くことに罪悪感がないが、私はちょっと双六のぼってみたかった。。。

コバサンはやはり久しぶりの高地と寒さのため息が続かない。
エビさんもいつもはうるさいくらいなのに、体調不良のためか、天気のせいか、無言。。
まー、強い人たちだから大丈夫だけど若干、二人の体調が心配なさぶ。
私は相変わらず沢靴のまま。濡れた岩にはフェルトが非常に快適である。濡れる事も気にしなくていいしね。

途中で、雷が鳴る。。。マジでかー。鹿島槍でやられた時みたいに、ガラガラガッシャーン!!って感じではないが
ごろごろと遠雷。いやだなー。これから、岩場の稜線で逃げ場ないじゃないか。。。

どちらにしても、行っても戻っても逃げ場所は小屋まではい。
空の気配を慎重に確認しながら行く。

すると、槍の方向からビっと横に雷が走る。思わず伏せて、空をみやる。でも、まだ遠いだろう。(と思いたい)
ビビりながら、とりあえず槍ヶ岳山荘まで。わーい。なんとか安全な場所までついてうれしい。

槍平に降りる予定ではあったが、なんと槍平から新穂高に降りる途中の沢が増水していて渡渉不能との張り紙が。
雷も怖いし、このまま槍ヶ岳山荘のテンバに幕営を決める。

まず、テントが張れるかまず確認。結果、ガラガラ。(はじめてだ!ここで張れたの!)
だよねー。ふつー、テントこんな日に張らないよねー。

行くと日体大山岳部のテントがみえた。仲間がいてうれしい。

緑のポッテンがうちのエスパース
緑のポッテンがうちのエスパース

まず、小屋の食堂でご飯を食べて体を温める。コバリーダーの震えが止まらない。低体温一歩手前だったんだなっていう。

しばらく小屋で休んでいると、ぱあっと、視界が開けた。

遠方まで見渡せる。あわてて男性二人を呼びに行く。

IMGP1655
やっと晴れたよー。

 

しばらくすると、また、曇ってくる。ガイドさんが、ひっきりなしに天候情報をチェックしながらそわそわしている
横で、私とコバさんは、またワインをフルボトルで飲み始める。

そうすると、また、一面が晴れ渡る。

ガイドはじめ、小屋に停滞していた、いろんな人が槍の穂先を目指し始める。
小屋に確認して気象庁のレーダーを見せてもらう。雷警報が消えたようだ。

コバサンと私はアルコールを飲んでしまったし、既に槍は登ったことがある。
明日の朝、張れたら穂先に行こうと話していたが、晴れる保障はないし、このチャンス逃すのは惜しいと思い

まだ槍に登っていない、唯一素面のエビさんに、登ってきたら?っていったら、「いいの??」とうれしそう。
往復で1時間のコースタイムをエビさんは30分足らずで戻ってきた。さすが!

エビさん槍登頂おめでとう!
エビさん槍登頂おめでとう!

しかし、ピークに立ててよかった!
テントで宴会&ごはんを食べ、明日は下山だ。

最終日。

朝から、雷がごろごろなり、相変わらずの雨
が、これから樹林帯なので、昨日より気が楽だ。
私はまたしても、沢靴だ。もう、今回の山行は沢靴で締めくくる事を決める。

本当は、新穂高には降りれそうにないので、おなじみの上高地に降りる。

途中、雪渓があったが、斜度もないし、スプーンカットを拾うようにあるいていけば
沢靴でも割と平気だった。

梓川の増水っぷりにビビりながらも

たぷんたっぷんの梓川と明神
たぷんたっぷんの梓川と明神

ちゃっと、降りて、上高地についてアルペンホテルでお風呂に入り、新島々から松本
松本の蕎麦屋で一杯やり、あずさで帰路につきました。

天気が悪いながらもリーダーと仲間に恵まれ楽しい山行でした!
ありがとうございました!

費用
新宿‐扇沢(さわやか信州号):6200円
トロリーバス代:1540+200(手荷物)
テンバ代:奥黒部ヒュッテ:500
三俣山荘:800
槍ヶ岳山荘:1000

上高地-新島々-松本:2,450円
松本-新宿:6380円

甲斐駒・黄蓮谷右俣

甲斐駒・黄蓮谷右俣(沢登り)

  • 期日   2014年8月24~25日
  • メンバー  角田(L) 笹田 深沢(記)
  • タイム 8/24(日)竹宇駒ケ岳神社駐車場(6:00) 日向山林道ゲート前(6:20)  錦滝東屋(7:00) 尾白川入渓点(8:00) 噴水の滝(9:30) 黄蓮谷出合(10:15) 千丈の滝(11:00) 坊主の滝(11:30) 奥千丈の滝(14:00) 2400m付近BP(16:00)
    8/25(月)BP(6:00)甲斐駒ケ岳山頂(8:20) 五合目小屋跡(10:00~10:40) 駐車場(13:40)

8/24(日)晴れ~曇り夕方から雨

5時過ぎ、駐車場で昨夜到着の角田さん、笹田さんと合流。天気予報は夜半から雨、「幕岩」への変更も考えたが、降られるのを覚悟でゆくことにする。日向山林道ゲートまで車1台で行きデポ、林道を下降点に向かう。三カ所の隧道を抜けてまもなく明瞭な下降点に到着。ここから古いロープのフィックスをたよりに尾白川に降りたつ。ちょうど釣り始めたばかりの二人組に挨拶し、身支度をする。

噴水滝
噴水滝

水量は少なめ、溯行をはじめてまもなく鞍掛沢を左岸に確認、その先にワイヤーの滝が見える。沢の中央を通るワイヤーは廃道となった渓谷道に取り付けてあったものだろうか。次々と現れる釜のある滝は、トラロープや踏み跡をたよりに巻いてゆく。花岩と呼ばれる側壁前で小休止。すぐ先に噴水の滝、以前は1m近く跳ね上がっていたが、今は噴水のイメージは湧いてこない。いずれ消滅かもしれない。左岸の高い所に獅子岩を確認、しばらく行くと二俣となり左から黄蓮谷が出合う。

奥千丈の滝
奥千丈の滝

黄蓮谷に入り最初の滝は左岸を高巻く。トポに「怖いトラバース」とあるところは避けて大きく巻く。千丈の滝は地形図にもある三段の滝、右手に坊主の沢が細く流れている。右岸の顕著な巻道(廃道跡で五合目小屋跡に続いている)から滝上におりる。次の滝は左に五丈の沢を見ながら左岸を高巻く、途中の尾根上に平坦地があり焚き火あともある。沢に戻り、すぐに坊主の滝、右のガレ沢を登り大きく高巻く、沢に戻ると傾斜がきつくなり連瀑帯となる。このあたりで深沢の足がつり、ロープを笹田さんに担いでもらう。左俣の出合を過ぎたあたりで雪渓が残る。雪渓をこえて連瀑帯に入り奥千丈の滝となる。

2400m付近ビバーク
2400m付近ビバーク

奥千丈の滝は右岸を適当に登るうちに、角田さんは水流添いに、笹田さん、深沢は巻道の踏み跡へとわかれてしまい、上部で合流する。相変わらず連瀑帯で藪こぎを交えて進み2400m付近、雪渓のある滝下部でビバークとする。

焚き火の火がついた頃から雨が降り出す。食事はほうとう鍋、途中で採った「イグチ」はきのこ汁に。予備のツエルトをタープ替わりに張りその下で飲み始めるも、まったりとはゆかず、早々にツエルトにもぐる。夜半は小雨が続く。

 

甲斐駒ヶ岳
甲斐駒ヶ岳

2/25(月)雨~曇り

レリーフ前にて
レリーフ前にて

朝食(雑炊)をすませ、小雨の中撤収、出発。右寄りに踏み跡をたどる。奥の滝は下部までゆくが、戻って高巻く。ハイマツの中を進み途中から沢筋に降りる。もう稜線は近そう、少しの上りで尾根に飛び出し石室からの登山道にでる。山頂はそこだけど、ここで小休止。2~3分で甲斐駒山頂に到着。高度計は2965mピッタリだ。七丈小屋から登って来た単独の男性と撮影交換。あとは下りるだけだ。相変わらず小雨、視界はなし、8合目、7合目小屋を過ぎ5合目小屋跡では雨があがる。一息入れて久保さんのレリーフへ。

きのこラーメン
きのこ入りラーメン

角田さん、笹田さんも初めてとのこと、20代の頃、2~3度訪れてはいるものの記憶は不確かで、すぐには見つからず不安になったが、水場の先の少しザレた場所で岩に設置されたレリーフをみつける。38年前、笹田さんは感慨深げ、お参りして、5合目を後にする。

下山途中、キノコを少し(イグチ、アミタケ、タマゴタケ、ウスタケ?)採取、よく喋るおばちゃん夫婦とも遭遇。駐車場できのこ入りのラーメンを頂く。その後ベルガの湯に浸かって、解散。

 

 

北アルプス烏帽子岳~船窪岳~針ノ木小屋~扇沢

【山行記録】60周年記念山行(北アルプス烏帽子岳~針ノ木小屋~扇沢)

日程:8月7日夜発~8月10日

行程:烏帽子岳~針ノ木小屋~扇沢

メンバー:サイトー

お詫びがあります。

今回雨風ひどく写真を撮る事が出来ませんでした。

申し訳ありません。

87

22時 自宅

3時 大町 

60周年記念山行の北アルプス中部を担当する役目を仰せつかり休暇と仕事を調整してみるが、なかなか上手くいかない。日程は3日。それなら北アルプスで一番不遇な縦走路である烏帽子から針ノ木を歩きたい。参加募集をしてみるが、どうも一人みたいだ。う~ん、寂しすぎる。最も苦手な単独行だ。修行僧の精神で行くしかない。でも寂しい。と考えていたが、いよいよ出発の日となってしまった。

車に乗り込む前に天気予報をチェック。なんと台風が接近中だ。かなり天気は悪いらしい。出だしから不吉。とりあえず車で現地に向かう。がしかし、な、なんとガス欠。しかも高速道路である。大至急JAFを呼び、どうにかこうにか大町に到着。やはり凶だ。とりあえず寝る事にする。

88日 

430分 大町

6時    高瀬ダム 

8時    烏帽子小屋着

830分 烏帽子小屋発

11302459

13時   船窪小屋

430分タクシーに1人(やはり寂しい)で乗り込む。天気は今にも降り出しそうな怪しい雲行きだ。高瀬ダムで朝食をとり6時出発。平坦路からブナ立て尾根にはいった途端雨が降りだす。やばい。帰りたい。でも行かないと。まさに修行僧サイトーだ。100歩歩いては5秒休むを繰り返し、なんとか2時間で小屋に到着。30分程休憩。雨は激しく視界は10メートルぐらい。意を決して行動開始。歩くにつれ風も強くなる。烏帽子を過ぎたあたりからザレ場や鎖場がでてくる。視界はないし、雨風強いし、誰にも会わない。とりあえず船窪小屋まで行けば会話ができるぞ、と思い必死のスピードで歩く。休憩無しで2459峰到着。なんの感動もわかない。なぜならパンツや靴まですべてビショビショだからだ。しかも霧がすごく視界23メートルだ。10分程休み転げ落ちるように船窪小屋到着。本来ならテント泊だが、台風のため小屋泊とする。人生ではじめての小屋泊である。ワクワク、ウキウキ。しかも宿泊客は自分と長野県警の隊員2名。小屋はランプの小屋で、とても素朴で温かいおもてなしで感動しっぱなしでした。感謝感謝。でも窓の外は横殴りの雨。あ~、でも明日はアベ隊と合流出来るので、やる気が少しづつ出てきた。20時就寝、布団なので爆睡でした。

89

530分 船窪小屋

545分 七倉岳

620分 北葛岳

740分 蓮華岳

8時    針ノ木小屋

9時    アベ隊合流

430分起床。外はなにも見えない。雨風も強く外に出るのはかなりの勇気が必要である。昨日の残りのおにぎりを食べ出発。昨日のコースに比べたらあまり悪い箇所はなく、天気はよくないが、スピードアップでわき目もふらず進む。昨日同様ピークの写真すら撮れる状況ではない(申し訳ありません、この縦走では1枚も撮る事ができませんでした)精神的にまいっていると遭難しかねない天候である。視界がないためピークも突然にやってくる。針ノ木小屋まで休憩無しで歩く。今日もパンツ、靴はビショビショである。でもアベ隊と合流するので、気持ちは楽である。時間があるので小屋から迎えに行く。小一時間ぐらい下った所で待っていると、雪渓を3人で登ってくるパーティが見える。ヤッター、本隊だ。手を振り全身を振った。やはり登山は仲間と登るのが良い。合流がとても楽しく一人ウキウキしてしまった。合流後の評細はタカタカさんの記録を参考にしてください。

810

5時 針ノ木小屋

7時 大沢小屋

8時 扇沢

天気予報では本日台風が通過する予定らしい。本来なら本隊と種池まで行動を共にする予定だったが、台風のため針ノ木雪渓を下山する事にする。小屋で本隊の無事を祈りつつ朝日での再会を約束し、下山の途につく。雪渓はとても悪く、視界が数メートルでしかも踏み跡が消えてしまい、2回ルートを見失う。かなりあせる。小屋まで登り返して翌日下山した方がよいかなとも考えた。だがなんとか野生の勘で雪渓から脱出。この3日間で一番緊張した。あとはゆっくり扇沢まで無事に感謝しながら歩を進めた。

白馬岳~栂海新道~親不知

山行報告(140812-15 白馬岳~栂海新道~親不知) byキム兄

【コース】

猿倉 – 白馬頂上山荘(泊) – 白馬 – 雪倉岳 – 朝日平(泊) – 朝日岳 – 黒岩山 さわがに山 – 犬ヶ岳山荘(泊) – 白鳥山 – 親不知

【メンバー】
アトム(L)、ブチョー、トヨタ、アズ、キム(記)
【報告】
初日、アトム隊の他の4名とは白馬駅で合流する予定だったが行き違いがあり、4名は先に猿倉へ。白馬駅で連絡が取れた私は後から追いかけることに‥

8/12曜日-1日目
アトム隊11:00猿倉先行、タクシーで追った私は遅れて11:15出発、白馬尻小屋で無事に追いつく(11:55)。微妙な雨で皆スタートからカッパを着ていたが、却って暑いので脱いで歩き出す。12:30大雪渓に取りつき、代わり映えのない足元の雪を見つめながら登る。天気は回復しているようだ。

20140812_0003
13:50アイゼンを外す。14:45避難小屋到着。雲の中から妙高、高妻、戸隠の山並みが頭を出す。陽は出ておらず涼しく、登りには絶好のコンディション。

  20140812_0006妙高、高妻、戸隠
更に1時間歩き頂上山荘到着(15:45)、お盆の混雑で45テンは場所を確保するのに苦労していた(私のソロテントは問題なかった)。夕食はキム製ナス味噌炒め。気まぐれでゴーヤを入れたら苦味しかしなくなった。まあ、きっと苦い分なにか薬効があるさ!
20140812_0010
夕方、天気は急速に回復、杓子・鑓がくっきりと西陽に照らされる。明日以降の天気は期待できそうだ。
20140812_0011
8/13水曜日-2日目

4:30起床、6:00発、いい天気。高度を上げていくと剣・立山や黒部五郎などが見えてくる。

20140813_0002
6:35白馬岳頂上。八ヶ岳、富士山、南ア、槍まで見えた。槍穂のハギ隊はどうしていることやら‥ 20140813_0004
10分ほどで再出発。雪倉岳を目指す。8:20避難小屋手前のお花畑で休憩。
20140813_0011
9:30雪倉岳山頂、とてもいい景色で30分も休憩してしまった。
20140813_0017雪倉岳
次に目指すは朝日岳。目測では遠く見えないが、途中不必要に下り、何だか結構疲れるコースだ。花畑はまだ散在し、白馬の花畑で指導員に教えてもらったシロウマアサツキを発見。
20140813_0019シロウマアサツキ
11:10ツバメ平で15分休憩、12:20朝日岳手前の分岐で頂上経由か巻くか悩む。まき道は「水平道」という名前だが、アップダウンが激しいことが地図に記されている。頂上にガスがかかってきたため、水平道を選択。
20140813_0021ネーミング失敗「水平道」
途中10分休憩を経て、14:30朝日平到着。テントを張ってビールを飲んでいるとイタさん率いる蓮華温泉出発隊が現れ、無事ケッチボー。先輩方のお話を伺う。楽しい方々で、笑い声の絶えない宴会となった。ブチョー製カレーを振る舞う。

現役と懇親
現役と懇親

 

~~~ ここから先、詳細は蓮華温泉パーティーの報告をご参照ください。 ~~~

 

8/14木曜日-3日目

3:30起床、5:00出発。薄曇りの涼しい気候。13名の大連隊で6:00朝日岳登頂。
20140814_0000十三人の大連隊
6:40蓮華温泉への分岐、10:30黒岩山、12:25さわがに山、13:35犬ヶ岳手前の水場、13人で汲むと30分もかかった。15:15犬ヶ岳の山荘到着。皆さん色々な夕食を作っている。こちらはアトム隊長のワカメ・高野豆腐ラーメン、乾きモンで軽そうなのに麺がラ王でおいしい。
20140814_0012
8/15金曜日-4日目

3:30起床、4:55出発。今日も涼しい、標高が低くなるから暑くなって大変だろうなあ、と思っていたがこの日とうとう最後まで涼しかった。少し降られたけど。
20140815_0002あの向こうに海が
6:05オーレン山、6:35オーレンの水場で15分休憩、7:15菊石山、8:00下駒、9:20雨に降られカッパ着用するも大して降らず、9:50白鳥山にて結局脱ぐ。
20140815_0006
白鳥山からは海や港がハッキリ見える。15:15入道山、最後に1時間ほど降られながら16:35親不知観光ホテル到着。
20140815_0014
今回の最大の収穫は、滅多にご一緒できないであろう大先輩方のバイタリティに触れさせて頂いた事です。大変お疲れ様でした。皆さんのご努力と直向きな姿勢に感動しました。本当に有難うございました。

60周年記念山行(北アルプス北部縦走)

【山行記録】60周年記念山行(北アルプス北部縦走)

日程:8月8日夜発~8月16日

行程:扇沢~親不知

メンバー:アベ(L)、カト、タカタカ(記)

合流メンバー:サイトー、グッチー、ツノダ、ママ、大崎、カオちゃん(合流日付順)

(記録)

※アベさんとカトさんの記録、また費用・食糧の詳細情報は当文章の末尾に掲載しています。

8月8日 20:30 西大宮駅発

アベリーダー、カトさん、タカタカの3人は西大宮駅で集合し、アベさんの車で信濃大町へ向かう。24時過ぎに現地に到着。タクシー会社に翌日の扇沢までのタクシーを依頼すると、ついでに今夜の宿泊地として事務所の一部屋を無料で使わせてくれるとの有難いお心遣いを頂く。さらにアベさんの車を専用駐車場に10日間無料で駐車させてくれるサービス付き。

8月9日 雨のち豪雨(台風11号接近、進み遅く四国に上陸は明日?)

・0:30 信濃大町駅着 アルプス第一交通の事務所で宿泊
・4:00 タクシー乗車 運転手さんが準備万端で出発が早くなった
・6:05 扇沢 発
・7:20 大沢小屋
・9:00 齋藤さんと雪渓上部で合流
・10:40 針ノ木小屋  シュラフがズブ濡れ、寒くて眠れず。

 

本日の行程は5時間なので、6時に信濃大町を出発する為ゆっくり準備をしていたら、事務所前でタクシーが4時前にスタンバイ。登山客だから早出が良いという気遣いだろう。タクシーを待たせているプレッシャーに耐え切れず、朝食も食べずに急いで出発する。昨日の対応といい、とてもサービスが良い。扇沢登山口到着後支度を整え、いざ長期縦走の出発だ!山々の尾根を越え、辿り着く先は遠い遠い日本海!なんてロマンを感じる旅だろう。

歩く順番は常に1番目カトさん、2番目タカタカ、最後はアベリーダー。長期山行に慣れているカトさんの歩くペースは丁度良い。阿部リーダーは後ろで優しく見守ってくれている。前代表と現代表に挟まれ、これ以上無い安心感を持って歩くことが出来た。
しかし条件は良くない。台風接近の天気予報。当たり前だが入山する人は少なく、むしろ下山する多くの人と擦れ違う。悪天候山行の不安はあるが、60周年記念山行のために突っ込むぞ!(もちろん慎重安全第一が北稜の教えです)

途中、大沢小屋で4本アイゼンを借り、針ノ木雪渓を登る。だいぶ溶けたようで、1時間ちょっとの雪渓歩き。アイゼンは不要なほど雪はしまっていた。さて、雪渓終了点に全身真っ赤の人がコチラに手を振っている。いや、まさか。本日は2泊3日船窪岳方面から来るサイトーさんとこの先の針ノ木小屋で合流するはずだが、まだサイトーさんだって小屋には到着していないはず。。そのまさかだった。数々の伝説を持つサイトーさんは「俺のコースタイムはエアリアの半分だ」「ザックの腰バンドなんか切って捨てろ」(体幹トレーニングの為らしいが、効果は確かでない)等、とにかく凡人の理解を超える大型新人であるため、尋常でないスピードで小屋を通過し、わざわざ雪渓まで迎えに来てくれたのだった。
針ノ木小屋は泊まり客ゼロ、テントは他1パーティーのみ。そりゃそうだ、台風だもの。雨の中テント2張を設営し、4人で夕食。今夜のメニューは入山祝のカツ丼だ。生卵でトロトロ上出来。しかし問題は就寝後に起こった。台風を甘く見てはいけない。暴風雨によりテント内浸水し、シュラフからパンツまでビショビショ。全然寝られないよ~。

 

8月10日 雨、台風11号の影響
5:00 針ノ木小屋キャンプ場発 齋藤さんは針ノ木雪渓下山
6:00 針ノ木岳
7:00 スバリ岳
9:05 赤沢岳
10:00 鳴沢岳
10:40 新越山荘  8400円/人 水とビールのサービス

団らん室のストーブが有難い
カトさんカレーGood

 

本日の予定は冷池山荘までだが、この台風下行けるはずもない。行程が1日遅延するが、仕方が無い。サイトーさんは針ノ木雪渓を下山。正しい判断。3人はとりあえず次の山荘まで駒を進めることにした。暴風雨は半端でない。強風により足元がふらつきながら、ようやく新越山荘に到着し転がり込む。「良かった、無事に避難できた。。」5時間しか歩いていないのに、3人ともにヨタヨタである。靴の中もパンツの中もグチョグチョだ。「山荘に宿泊しよう」もちろん全員一致で即決。身に着けているもの、ザックの中身、全てを乾燥室に放り込む。翌日には結構乾いた。新越山荘はとても清潔で居心地が良い。我パーティー以外の宿泊客は1名のみで、寝室は個室だ。団らん室のストーブ前を占領し、熱燗をちびりちびり。カトさんお手製カレーは乾燥野菜の甘みが凝縮して非常に美味。あ~、幸せ。飲みすぎちゃう。

 

8月11日 雨時々曇
6:05 新越山荘発 二重の虹とブロッケン現象 オコジョと遭遇
6:50 岩小屋沢岳
8:20 種池山荘
9:15 爺ヶ岳
10:10 冷池  本日宿泊予定のキレット小屋は飲料水無しの情報
11:30 布引山 日本猿と遭遇
12:30 鹿島槍ヶ岳  八ツ峰キレット
14:15 キレット小屋 谷口さんと合流

素泊まり6500円/人

台風のお陰で飲料水確保

 

小屋の朝食は贅沢で美味しい。皆ご飯と味噌汁をお替りして元気いっぱいだ(ちょっと二日酔い気味)。この日は朝からラッキーの連続。二重の虹やブロッケン現象を見たり、オコジョと挨拶したり、10匹程のサルとにらめっこしたり、雨の憂鬱を吹き飛ばしてくれた。鹿島槍ヶ岳を越えて八峰キレットへ。鎖が沢山設置してあるため、予想以上に安全である。キレット小屋ではグッチーさんが出迎えてくれた。ケッチボー!乾燥室や食事室、トイレなど、山荘主人のごとく案内してくれる。グッチーさんは長身のステキなロマンスグレー紳士なので「こんな山小屋の主人がいたら通っちゃうわ」なんてコッソリ妄想をしてしまった。夕食はカトさん特製のシチュー。乾燥野菜や乾燥ホタテの旨みギッシリで本当に美味しかった。アベさん持参のベーコンもこんがり焼いて贅沢だ。キレット小屋はテント場は無いので小屋泊まり。この小屋は通常は飲料水は提供しないのだが、台風の雨のお陰で無料で飲料水を貰うことが出来た。

 

8月12日 曇のち晴れ
5:25 キレット小屋発
7:00 北尾根の頭
9:15 五竜岳
10:05 五竜山荘 谷口さんとここで別れる
13:15 唐松山荘 トイレ遠く、キャンプ場としてはNGだが景色は良い。
濡れたテントを乾かす。

 

キレット小屋を後にして五竜岳へ向かう。岩稜帯が長く続くため苦労した。五竜岳山頂はなかなか近づいてくれない。しかし後ろを見ると、昨日雲の中にあった鹿島槍ヶ岳が全体像を堂々を見せ付けてくれた。こんなにカッコイイ稜線を歩いてきたのだと思うと苦しさも吹っ飛ぶ。五竜岳の山頂にようやく到着し、雲の中で記念撮影。の前にグッチーさんは一足先に五竜山荘へ。というのも、グッチーさんの登山靴の靴底が剥がれてしまったので山荘で修理をするためだ。本当は翌日も一緒に行動するはずだったグッチーさんは、残念ながらそれを理由に遠見尾根から下山した。3人は唐松山荘へ向かう。唐松キャンプ場は山荘から徒歩5分くらい離れているので不便だが、景色が最高。今までずっと曇り続きで景色は望めなかったのだが、なんと急に晴れてきた。剱岳を中心に北アルプスの峰々が浮き上がる。なんと美しいのか。。。3人はしばらくウットリ見とれていたのだった。その景色を眺めながら、タカタカ手作りの煮物を夕食のおかずにする。具材が高野豆腐やお麩である為、出来上がりは鍋中で茶色い物体が汁に浮き上がっている有様だったが、味は美味しい(と2人とも言ってくれた)。山では何でも美味しいのだ(勝手に言い訳)。お酒は少ないので早々に寝床に着く。

 

8月13日 晴れ
4:30 唐松山荘キャンプ場発
4:40 唐松岳 不帰のキレット
9:00 天狗の頭
9:40 天狗山荘
10:50 白馬鑓ヶ岳
11:50 杓子岳 コマクサの群落
13:00 白馬岳キャンプ場  角田隊と合流、キャンプ場は満杯

ジャガイモとシシトウ、お酒の差し入れが有難い

 

今朝は珍しく快晴。唐松岳山頂付近で日の出となる。剱岳を中心に北アルプスの峰々が神々しく浮き上がる。左手奥には槍ヶ岳が見えた。今回の山行行程の中でこの眺めが一番記憶に残っている。さあ、本日は今回山行のクライマックスである不帰剱に向かう。エアリアマップには危険マークが幾つかある(ドキドキ!)しかし通過してみると、しっかりした鎖が沢山設置されており距離も短く、予想したより簡単だった(ただし登る体勢は常にへっぴり腰!とほほ)。今までの悪天候により登山客が少なかったからか、行き交う人が少なく渋滞なしでスムーズに通過できた。今回山行の全工程において、針ノ木岳から唐松岳までは岩稜帯が続く男性的な荒々しい雰囲気だったが、この先の白馬岳より北部の山々は女性的でなだらかな印象。長距離縦走をすると、地域別に山の印象が違うことを体感できて面白い。天狗山荘を通過し、白馬三山へ向かう。白馬鑓ヶ岳と杓子岳は岩石がゴロゴロしたガレ場で植物が育たないようだ。そのため、杓子岳では貴重なコマクサの群生に会うことができた(コマクサは他植物が生育出来ない厳しい環境に生育する)。白馬岳頂上宿舎に到着し、テントを張る。白馬岳はアクセスが良く登りやすい山なので登山客が多い為、テント場は隙間が無いほど込み合っていた。ここでもケッチボー!角田さん、ママさん、大崎さんと合流。多くの差し入れを頂く。例えば、ママさん特製のキュウリの漬物や角田さん持参の生野菜で作るカレー。他にもお酒やハム等、流石体力のある角田さんは沢山の嗜好品を担ぎ上げてくれた。カレーを作る際、ジャガイモの皮を剥いていると、アベさん「皮を捨てるのは勿体無い!」ということで、ジャガイモ皮のソテーを急遽作ってくれた。バター風味で香ばしくてイケる!流石料理上手のアベさんだ。またもや飲みすぎ注意!

 

8月14日 曇時々晴れ
5:10 白馬岳キャンプ場発 角田隊と別れる
6:30 白馬岳  見事なお花畑
9:30 雪倉岳  雪倉岳下りでシゲさんと武蔵さんに遭遇

朝日小屋間近でカオリちゃんと交信。水場で体を洗う。

・14:15 朝日小屋キャンプ場  ロケーションGood

齋藤さん&カオリちゃんと合流
夜、テントのポールが折れて、応急処置。

 

何日間も山生活を続けていると朝の身支度が素早くなるもので、早々にテントを撤収。角田隊と別れ、3人で白馬岳へ向かう。とその前に、本日のコースタイムは約7時間で比較的短い為、白馬山荘の雰囲気の良いレストラン(とてもおススメ!)に立ち寄ることにした。小1時間ほど優雅にモーニングコーヒーを楽しむ大人の時間。この先もゆっくり進む。なぜなら、白馬岳から雪倉岳辺りで沢山の種類のお花が出迎えてくれたからだ。私達は何度も足を止めてお花達を観察した。お花といえばカトさん!いや失礼、カト先生と呼ばなければならない。先生は色々な種類の花の名前や特徴を教えてくれて、とても勉強になった。

雪倉岳を過ぎた辺りで、なんとサプライズのケッチボー!蓮華温泉へ向かう武蔵さんと佐藤さんだ。元気な大先輩とお会いするとこちらが励まされる。互いの無事を祈って握手を交わした。
朝日岳に近づくと、水が豊富になってくる。朝日小屋手前の水場で3人は頭と体を洗う。あ~!すごく気持ちイイ!だって約1週間ぶりの水浴だもの。ワカメの様な髪の毛がサラサラになり、野生的悪臭が薄くなり、身も心もリフレッシュ。
朝日小屋手前でまたまたケッチボー!本日朝日小屋で合流予定のカオちゃんとサイトーさんがわざわざ迎えに来てくれたのだ。2人はイブリ尾根から入山し、最終日まで行動を共にする。長丁場の縦走は体力的精神的に辛くなってくるが、2人の笑顔を見たら一気に元気が沸いてきた。夕食も豪勢で更に元気百倍。カオちゃん特製の牛鍋やサイトーさん持参のおでんやプリンやベーコン等、差し入れに感謝。
就寝後、事件が発生した。アベ隊が使用していたテントのポールが折れたのだ。ここで頼りになるのがアベさん。コッヘルの持ち手部分の針金をポールの中に通し、ポールの周りをテントのペグで補強し、テーピングで固定。スゴイ!素早く修理してくれて、とても助かった。

 

8月15日 曇のち雨
4:20 朝日小屋キャンプ場発
5:15 朝日岳
6:00 照葉池
8:00 黒岩平 野口隊から交信が入る
11:45 栂海小屋  昼から雨、夜半に雨風とも強くなる。

都岳連遭難対策委員の吉田夫妻と会う。

 

朝日岳から北部は環境が変化する。1つは日本海からの風が強くなるということ。特に「吹上のコル」では体がよろけるほどの暴風だった。他にも、湿地帯が広がり池塘が多く点在することが挙げられる。広範囲で木道が完備されて歩きやすいルートだった。
黒岩平付近で野口隊から無線交信が入る。本来は野口隊+稲垣隊と合流するはずだったが、我が隊が1日遅延した為に残念ながら合流ならず。お互いに無事であることを伝える。ケッチボー出来なくても、声が聞けるだけでも嬉しい。
栂海小屋に到着。この小屋は無人小屋だが、設備が良い。2階建てで部屋が幾つかに仕切られている。毛布が各人に2枚程度用意されており、夜は暖かく寝ることが出来る。我がパーティの他に5組程度のパーティがいた。昼ご飯はタカタカ手作りのちらし寿司、夜はサイトーさんのラーメン。この日は昼から雨が強く降り始め、夜中も雨風の音に悩まされた。明日が不安だ。

 

8月16日 雨
3:55 栂海小屋発
5:30 黄連の水場
8:00 白鳥小屋  雷雨に見舞われる。全身ずぶ濡れ
13:30 栂海新道登山口

親不知観光ホテルで入浴。
実家に帰省中の笹山さんからの差し入れが嬉しい。

 

昨夜の不安は的中。朝から雨だ。白鳥小屋辺りから豪雨になり、遠くで雷も鳴り響く。樹林帯の登山道は、まるで濁流の川となり、靴の中は泥水でぐちゃぐちゃ。全身ずぶ濡れで気分が滅入る。しかしゴールはもうすぐだ。展望の無い樹林帯の中、時折木々の隙間から日本海がチラリと見える。気持ちが高揚する。泥まみれになって最後の急な下りを懸命に進む。

目下に日本海が広がった。その瞬間、涙がでた。8日間3人で励まし合いながら一歩一歩懸命に進んだこと、ケッチボーで多くの仲間と元気を分け合ったこと、皆が無事に目標を達成できたこと、なんと幸せなことだろう!
下山後、登山口正面にある親不知観光ホテルで入浴。ホテル従業員に「湯船に入る前に体を洗ってください」と念を押される。臭いのは自覚しているが、言われると恥ずかしい。ホテルを出たところで、なんと最後のケッチボー!帰省中の笹山さんが富山名物の押し寿司や海鮮ちらし寿司を持って来てくれたのだ。改めて仲間の有難さを痛感した。

 

今回のような長期縦走は初めてだったので、山行前は非常に不安でした。実はどこでリタイア出来るか、エスケープルートを探していたくらいです。しかし悪天候の中でも何とか無事にゴールまで辿り着いたことは、カトさんのペース配分やアベリーダーの適切な判断、またお二人の優しいお心遣いのお陰です。また、ケッチボー出来た仲間達の励ましにも助けられました。皆様、誠にありがとうございました。また山にご一緒してください!

 

高野 賢子

 

 

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針ノ木~親不知 感想

 

雨に打たれた山行でした。

普通の夏山は、下山後風呂に入ると日焼けした肌がヒリヒリするものだが、今回はそれが無い。入山初日から台風11号に見舞われ、シュラフまで濡れ寒い夜を過ごした。
この歳になって、何を好んでこんなことをしているのだろうと思った。
雲の切れ間から時々顔を見せる剣岳の山容は心に響くものがある。
雨が上がって唐松岳キャンプ場で見た景色と心地よい風は、それまでの反動で余計に感動する。
自分で計画したのだが、8日間もの縦走は初めてだ。重荷を背負っての岩稜歩きに足元がおぼつかない。ちょっとバランスを崩し、立ち直すまでの時間が長い。
肉体の衰えをつくづく感じた。
こんな体力では冬山の岩稜歩きは、もう無理かな・・・と思う。
それでも、途中で合流してくれる仲間は本当に有難い。その都度鋭気をいただく。
齋藤さん、谷口さん、角田さん、福田さん、大崎さん、長谷川さん、笹山さん、このご恩はどこかでお返しできれば、と思います。
最後に山行を共にしてくださった賢ちゃん、カトさん、ありがとうございます。
お二人の工夫を凝らした料理は感動ものでした。

阿部

 

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北アルプス後立山連峰縦走感想

加藤秀夫

7月の南アルプス全山縦走(7/18-7/31光岳~甲斐駒ケ岳・鋸岳)に続いて後立山連峰縦走(8/8-8/16針ノ木岳~親不知)に参加させていただいた。このルートは以前から興味があり一度は歩いてみたいと思っていた。60周年記念山行「日本アルプス縦断」企画のお蔭で念願がかなった。企画をしていただいた阿部代表ほか関係者に感謝したい。本山行に同行していただいた阿部リーダー、高野貴さんには老体を気遣いいただきながらの山行でお二人なくしては成しえなかったことと心から感謝したい。また、縦走途中でケッチボーした谷口、角田、福田、大崎、齋藤、長谷川(齋藤、長谷川両氏は日程変更までしていただき合流)の諸氏には食糧、料理、酒などを振舞っていただき有難かったがそれ以上に同じ仲間に高山で会えたことで新鮮な気持ちになり新たな意欲を奮い立たせてくれたことが完登できたと思う。更に、下山地の親不知に駆けつけていただきチラシ寿司などの差し入れを頂いた笹山さんにも感謝したい。また、8/14稲垣隊と別れた永久会員の武蔵氏とOBの佐藤先輩に雪倉岳付近で遭遇したことは嬉しかった。唯一残念なことは台風の影響で稲垣隊と1日遅れで合流できなかったことだ。長期縦走中ピンポイントで合流することは難しい。

スタート時の台風と後半の停滞前線の影響で雨に始まり雨で終わった山行だった。しかし、中間の鹿島槍、五竜、白馬、雪倉などは展望がよく剱を見ながらまた花を愛でながら気持ちよく歩けた。花の名前は相変わらずわからない。チングルマ、ハクサンイチゲ、キンポウゲ、キンバイが分かる程度で進歩がない。三国堺を左に折れたガレ斜面一杯のコマクサの花畑は嬉しかった。

8/14晴天となった朝日小屋手前の沢で6日ぶりに体を洗いシャツを洗濯する。長期縦走ではこのことが一番の楽しみかもしれない。

最終日8/16栂海小屋からの登山道は雷雨のため小川と化し水の中のジャブジャブ歩きと泥道歩きを強いられたことも終わった後では稀有な経験として思い出深い。

お盆のこの時期の悪天候で北アルプスは数人の遭難が報道された。私たちが無事下山できたことは阿部リーダーの適切な判断があったからこそと改めて感謝したい。

’07年64歳、52期として北稜に入会し登山を始め今年9月で丸7年になる。北稜の皆様のお蔭で多くの山を経験させていただいた。日本アルプスで言えば残すところ北アルプスの表銀座、三俣蓮華岳~針ノ木岳、焼岳、中央アルプス全山、御嶽山、乗鞍岳とまだ沢山残っている。高齢者保険証をもらっている身ではそう時間がない。歩けるうちに残された日本アルプスの山々に登ってみたい。

 

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費用

西大宮⇔信濃大町 高速代:8200円 燃料代:8400円
信濃大町→扇沢 タクシー:6300
親不知→信濃大町(齋藤車):1200円/人
針ノ木キャンプ場:500円/人
新越山荘(1泊+朝食):8400円/人 水&ビール1缶サービス
冷池 飲料水 :150円/L
キレット小屋(素泊まり):6500円/人 通常水無
唐松山荘キャンプ場:900円/人 飲料水はペットボトル買い
白馬キャンプ場:1000円/人
朝日小屋キャンプ場:700円/人
栂海小屋:寸志
親不知観光ホテル入浴料:750円/人

 

ビール代、飲食代を除くと 約28000円/人 になります。

 

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食糧詳細

8/9  朝 各自         夜 カツ丼
8/10 朝 トマトパスタ     夜 カレー(加藤さん担当)
8/11 朝 山荘の朝食      夜 シチュー(加藤さん担当)
8/12 朝 キノコクリームパスタ 夜 高野豆腐の煮物
8/13 朝 ラーメン       夜 角田隊特製カレーおすそ分け
8/14 朝 卵雑炊        夜 トマトスパゲティ(加藤さん担当)
8/15 朝 ラーメン       夜 ちらし寿司とラーメン
8/16 朝 マーボー春雨丼

 

軽さを重視し、全てのメニューに乾燥物を使った(カツ丼は除く)。
加藤さん特製のカレーとシチューには乾燥ホタテや手作り乾燥野菜を使用。
高野豆腐煮物の材料は、仙台麩・高野豆腐・乾燥椎茸・乾燥エビ・乾燥ごぼう。
ちらし寿司の具材は、乾燥「きんぴらの具」を煮〆たもの・錦糸卵(常温保存)・のり等。
3日間夕食は加藤さん担当。それ以外の全ては高野が担当したが、食糧の重さは全く負担にならず、軽量化に成功したと思う。味も阿部総料理長に合格点もらいました^^

 

 

以上

 

 

 

 

 

 

 

記念山行 蓮華温泉~栂海新道

栂海新道

期  日: 平成26年8月12日〜15日
メンバー:  L いた、むさし、さとう(OB)、すすむ、たなか(OB)、
ささだ、えつ子、やました(OB)、ふく子(OB)、あいざわ(記)

この山行は東京北稜山岳会60周年記念山行の一部として、いたさんが「この記念山行のどこかで北稜OBクラスの人達も参加しょうよ」と OBの方々に参加を呼びかけて、10名のメンバーで実現できました。
このパーティー名称は「蓮華温泉パーティー」として記載しています。

《8月12日》
蓮華温泉のテント場に夕方集合という行動計画でしたが、朝から雨。普通なら中止の天候である。しかし、60周年の行事だし、雨でも行かねばならないのだと、糸魚川の親不知観光ホテルへと車を走らせた。

親不知観光ホテルは栂海新道のまさに下山口(登山口)にあるところで、ささださん夫妻、やましたさん夫妻、あいざわは下山後に宿泊することにした。今回は蓮華温泉から五輪尾根を経由して朝日小屋で一泊。翌日は栂海山荘まで。最終日は親不知に下山のため、ここに車を1台駐車させておけば、なにかと便利だと思い、ささだ車と親不知観光ホテルで12時に待ち合わせることにした。

長野IC付近まで雨が続いていたが、新潟県に入ると雨もやみ上越JCTから晴れ間も出て、気分的にもいい雰囲気になってきました。

どこかに旨いお店(昼食)はないかなと、ひとつ手前の糸魚川ICで降りて、お店を探しながら国道8号線を走る。道の駅親不知ピアパークがあったので様子見ていたらささださん夫妻とバッタリ。「お昼食べた?」と聞くと「ここでタラ汁定食とやらを食べたがあまり美味しくなかった」という。「食べてないならここで待っているから何か食べてこいよ」というので違うお店でカツカレー(早くできるから)を食べました。

目の前の親不知海水浴場は天候の関係なのか江ノ島のような賑やかさはなく、知名度はあるのだけど浜茶屋も一軒だけの寂しい雰囲気でした。

親不知観光ホテルのフロントに顔を出して車一台の駐車をお願いし、ささだ車に乗せてもらって蓮華温泉に向う。(全員夕方集合だったのですが、蓮華温泉に日帰り入浴したかったので、ささださん夫妻には12時〜13時親不知観光ホテルに来てほしいと無理して成田を早く出てもらうよう頼んでおいたのですが、11時に到着したと言っていました。)

蓮華温泉ロッジ
蓮華温泉ロッジ

ささださん夫妻は車で寝るというので、温泉ロッジで先に一風呂浴びてもらい、私は少し離れているテント場に天幕を張ってから温泉に入ることにしました。時間も時間だし、いくつもある露天風呂の湯巡りはやめて早々と内湯からあがってビールを少し飲んでいたらすすむさん夫妻とたなかさんが(電車&バス利用で)やってきました。

一緒にロッジで雑談をしてテント場に向う。コンビニでゲットした夕食を食べながら「むさしさん達は来るだろうか、来ないだろうか」と賭け事のようなヤリトリをしていたら、来ました!なんと高速でなく一般道を走ってきたとか。これはこだわりというか趣味というか恐れ入りました。

「夕方には着きます」と言っていた やましたさん夫妻も無事合流し、テント場の下はやや濡れてはいるが、少し高台になっているところや水の溜まらない場所を選んで各自テントを設営し、明日は5時出発だというのに久しぶりに顔を合わせたので遅く迄話が弾んでいました。

星が出て(流れ星もみつけましたよ)テント場は月に照らされて明るかった。ささださん夫妻はやましたさんの天幕で一緒に寝た。

イワカガミと
イワカガミとか・・

《8月13日》
出発に遅れたら先輩に怒られそうなので、早めに起きてラーメンを食べる。ささださん夫妻と私は小屋に泊まることにしておいたので夜露に濡れたテントは車の中に置いて、コーヒーセットもここだけにして出来るだけ荷物を軽くしていくことにした。それでも荷は重く感じる。

白高地沢まで下るのは勿体ないが、下りは実にいい。が、このままでは何時になっても朝日岳には着かない。白高地沢にかかる橋から登りにかかる。階段状の登山道にはイヤになってしまうが、やがて草原になり木道になる。

花園三角点付近だろうか、花園というだけあってお花が多い。花の名前はよく分からないけれど、たなかさん
がよく知っていて説明してくれる。しかしすぐに忘れてしまう。

五輪尾根
五輪尾根

五輪の森を過ぎるとハクサンコザクラの群生だ。このくらいの花は知っている。チングルマだってハクサンイチゲだって知っていますよ!

「来てよかったね〜」「これもいたリーダーのお誘いのおかげだよ」「有り難いね」と素直に感謝すると嫌みになる我が蓮華温泉パーティーである。

白高地の水、こりゃ〜美味しかった!でもここから栂海新道の分岐までが長かった。やっぱり疲れてきたんだろうね。

ここから快調に山頂に辿りついたが、小屋までがまた長かった。この下りは明日登り返さなきゃならないと思うと癪になる。4時前に到着。アトムパーィー5人がケッチボーの声で迎えてくれました。

朝日岳
朝日岳

さあ、ここからがこの山行のメインイベント?
朝日小屋に3人の宿泊を受付のオバサンにお願いしたところ、「予約してないの!」「今は予約が常識になっているのよ!」「3人!?」「部屋は予約のお客さんで割り振っているから、これから人を入れる事は無理よ!こっちが怒られるから!」「剱ならよそに行ってくれって言われますよ!」「ここは一軒だから泊めることは何とか考えるけどね…、常識ってものが足りないわよ!」「どこの会の人?」「食事は手作りでやっているから追加は無理!」「素泊まりなら何とかします」「え〜!まだいるの」「全部で9人?」「ほんとに何を考えてるの、この人達は」と呆れ返った表情で私を睨みつける。誠にごもっともな話だからただ黙って聞き入れるしかなかった。

「明日はどこに行くの?」「栂海山荘?」「予約は?」「え!してないの!」「あの小屋はね…」と小屋の説明をして、「私有地をお借りするんだから連絡するのは常識でしょ!」とまた怒られる。ここはいたさんが助けてくれました。「8人で利用させて頂くと連絡してあります」と小さい声で言うと、「ほんと?」という疑いの目つきで私を見る。(後から電話を借りに一人で行くと栂海山荘の人に確認していましたよ)

言いたい事を言って気持ちが落ち着いたのか、「◯◯さ〜ん、あっちの建物に9人泊まれるように準備してやって!」と使用人に指示してくれました。たなかさんはツエルトで寝るというので9人の素泊まりとなったが、案内された部屋は6畳位で2部屋。昔の建物だったのか発電室が隣にあるので音がうるさいが我々だけになったので逆に有り難かった。

現役と懇親
現役と懇親

他の登山客はいないし、折角だからとテント場から現役5人を呼んでビールで乾杯。自己紹介や昔の山話などで盛り上がる。食事がなくなったのでささださん夫妻には申し訳ないことになってしまったが、現役の作ったカレーを御馳走になりお腹は満たされました。

とにかく、北稜山岳会の山小屋って感じで、いい素泊まりになりました。
昨夜はテントで寒い思いをしたので皆が寝不足で疲れ気味。素泊まりでも布団の中で暖かくゆっくり寝れたようである。
気をつけましょう。山小屋利用は予約が必要です。携帯は連絡がつきません。蓮華温泉付近で予約しようと思ったが無理でした。ロッジの電話なら通じたかもしれないが、700mも戻るのは億劫だし、朝日小屋に迷惑をかけたのは事実。我々の落ち度は素直に反省したい。

小屋泊まりの場合、食事付きか、素泊まりかなどしっかり事前にパーティーのメンバーに確認して早めに予約しておく必要があります。なかなか山小屋利用の機会は少ないでしょうが、頭の中に「山小屋は予約」の言葉を入れておいて下さい。3人くらいの宿泊は大丈夫だろうと考えたのはあまかったですね。

《8月14日》
今日も5時出発。早めに食事を済ませて支度していたら、「昨日受付のオバサンが謝りにきたよ」という。2部屋だったから、私の部屋ではなかったので謝罪の内容は直接聞いていないし間違っているかもしれないが、「誤解があったようで申し訳ない」といったような内容だ。

ともあれ出発前にオバサンに、素泊まりさせてもらったことだけは素直にお礼を言って小屋を後にした。今日もまずまずの天気になりそうだ。ん?え?オバサンが小屋から出て来て我々を見送ってくれている?「また是非きて下さ〜い」と声をかけてくれました。

北アルプス最後の楽園
北アルプス最後の楽園

むさしさんは膝が痛むというので、水平道から雪倉岳経由で白馬大池にさとうシゲさんと下山する事になったので、お二人とは水平道分岐でお別れした。

昨日降りた道を登り返して再び朝日岳へ。ここから分岐へ一旦下り鬱蒼とした樹林帯を歩く。ちっともいい景色にならなくてガックリして歩いていると、草原のような景色が(花もそこそこに)やたらと出てくるので疲れも吹っ飛ぶ。

こんなところにこんなところがあるなんて…と栂海新道って素敵なところだねと感動しながら歩きました。

栂海新道を行く
栂海新道を行く

さあ北俣の水場だ。ここで明日の分も含めて一人2ℓは確保しなければいけない。栂海山荘までボッカとなったが、これが山登りだと思えばいいんじゃないの。一汗かいて山荘に到着。小屋番はいなかった。2階を陣取り食事は外で各自作り食べることにしました。新旧の分隔てない談笑も楽しかったですね。

今日はビールはないと決め込んでいたら、何と!小さい缶でしたが3缶宝石のように椅子の上にならびましたキム兄が持ってきたらしい。ほんの一口ずつではあったが全員嬉しそうに感謝しながら味わいました。キム兄、御馳走さまでした!ここでもたなかさんはツエルト泊。キム兄はテント泊でした。

キム兄差し入れでOB交えて乾杯
キム兄差し入れで乾杯

今日も良く歩いた。小屋の毛布もいらないくらい暖かい夜でした。
日本海沿いの街の灯りが少し見えました。あ〜あ、まだ遥かに遠いな〜。

《8月15日》
さて今日は最終日。いよいよ親不知だ。暑いと大変だから小雨くらいがいいねと言い合いながら出発。暫くは日差しもあって登りはこたえたが時々沢筋からくる涼しい風で癒される。やがて期待通りの小雨となり良かったです。

枯れる心配だった水場も潤沢に流れ出ていたので大助かりだったが、この下りはちっとも面白くない。
栂海新道も坂田峠でおしまいにして欲しいですね。特に二本松峠から親不知は遠く感じる。こんなのただの裏山じゃん!

栂海からの朝焼け
すばらしい朝焼け

しかしこの最終日の感動は景色ではなく「日本海まで歩いたぞ!」なんです。

親不知手前で雨が強くなり雨具を着ても着なくても濡れることとなったが、無事親不知観光ホテル前の国道に到着しました。本来は海岸迄が栂海新道になるようではあったが、そこは若い現役におまかせし、ビール飲みたさに予約組は省略。現役と分かれてホテルに入りました。

皆さん有り難うございました。朝日小屋から一緒に歩いて頂いた現役の5名の方にも感謝申し上げます。頼りになりました。

この山行のために各自トレーニング山行をして挑んだようである。その甲斐があって一日10時間も3日連続でよく歩くことができました。

平均年齢約70歳の蓮華温泉パーティー。いや〜もうすっごく楽しかったです。あらためていい山仲間に恵まれたとつくづく思いましたね。最高です。

一回一回の山登りをじっくりと味わいながら、下山後のビールを楽しみに、これからも精進して想い出をたくさん作っていきたいと思っています。

親不知観光ホテルでむさしさんとさとうシゲさんと一緒に乾杯(食事)出来なったのが残念でしたが、70周年があるから楽しみにしていますよ。