60周年記念山行(北アルプス北部縦走)

【山行記録】60周年記念山行(北アルプス北部縦走)

日程:8月8日夜発~8月16日

行程:扇沢~親不知

メンバー:アベ(L)、カト、タカタカ(記)

合流メンバー:サイトー、グッチー、ツノダ、ママ、大崎、カオちゃん(合流日付順)

(記録)

※アベさんとカトさんの記録、また費用・食糧の詳細情報は当文章の末尾に掲載しています。

8月8日 20:30 西大宮駅発

アベリーダー、カトさん、タカタカの3人は西大宮駅で集合し、アベさんの車で信濃大町へ向かう。24時過ぎに現地に到着。タクシー会社に翌日の扇沢までのタクシーを依頼すると、ついでに今夜の宿泊地として事務所の一部屋を無料で使わせてくれるとの有難いお心遣いを頂く。さらにアベさんの車を専用駐車場に10日間無料で駐車させてくれるサービス付き。

8月9日 雨のち豪雨(台風11号接近、進み遅く四国に上陸は明日?)

・0:30 信濃大町駅着 アルプス第一交通の事務所で宿泊
・4:00 タクシー乗車 運転手さんが準備万端で出発が早くなった
・6:05 扇沢 発
・7:20 大沢小屋
・9:00 齋藤さんと雪渓上部で合流
・10:40 針ノ木小屋  シュラフがズブ濡れ、寒くて眠れず。

 

本日の行程は5時間なので、6時に信濃大町を出発する為ゆっくり準備をしていたら、事務所前でタクシーが4時前にスタンバイ。登山客だから早出が良いという気遣いだろう。タクシーを待たせているプレッシャーに耐え切れず、朝食も食べずに急いで出発する。昨日の対応といい、とてもサービスが良い。扇沢登山口到着後支度を整え、いざ長期縦走の出発だ!山々の尾根を越え、辿り着く先は遠い遠い日本海!なんてロマンを感じる旅だろう。

歩く順番は常に1番目カトさん、2番目タカタカ、最後はアベリーダー。長期山行に慣れているカトさんの歩くペースは丁度良い。阿部リーダーは後ろで優しく見守ってくれている。前代表と現代表に挟まれ、これ以上無い安心感を持って歩くことが出来た。
しかし条件は良くない。台風接近の天気予報。当たり前だが入山する人は少なく、むしろ下山する多くの人と擦れ違う。悪天候山行の不安はあるが、60周年記念山行のために突っ込むぞ!(もちろん慎重安全第一が北稜の教えです)

途中、大沢小屋で4本アイゼンを借り、針ノ木雪渓を登る。だいぶ溶けたようで、1時間ちょっとの雪渓歩き。アイゼンは不要なほど雪はしまっていた。さて、雪渓終了点に全身真っ赤の人がコチラに手を振っている。いや、まさか。本日は2泊3日船窪岳方面から来るサイトーさんとこの先の針ノ木小屋で合流するはずだが、まだサイトーさんだって小屋には到着していないはず。。そのまさかだった。数々の伝説を持つサイトーさんは「俺のコースタイムはエアリアの半分だ」「ザックの腰バンドなんか切って捨てろ」(体幹トレーニングの為らしいが、効果は確かでない)等、とにかく凡人の理解を超える大型新人であるため、尋常でないスピードで小屋を通過し、わざわざ雪渓まで迎えに来てくれたのだった。
針ノ木小屋は泊まり客ゼロ、テントは他1パーティーのみ。そりゃそうだ、台風だもの。雨の中テント2張を設営し、4人で夕食。今夜のメニューは入山祝のカツ丼だ。生卵でトロトロ上出来。しかし問題は就寝後に起こった。台風を甘く見てはいけない。暴風雨によりテント内浸水し、シュラフからパンツまでビショビショ。全然寝られないよ~。

 

8月10日 雨、台風11号の影響
5:00 針ノ木小屋キャンプ場発 齋藤さんは針ノ木雪渓下山
6:00 針ノ木岳
7:00 スバリ岳
9:05 赤沢岳
10:00 鳴沢岳
10:40 新越山荘  8400円/人 水とビールのサービス

団らん室のストーブが有難い
カトさんカレーGood

 

本日の予定は冷池山荘までだが、この台風下行けるはずもない。行程が1日遅延するが、仕方が無い。サイトーさんは針ノ木雪渓を下山。正しい判断。3人はとりあえず次の山荘まで駒を進めることにした。暴風雨は半端でない。強風により足元がふらつきながら、ようやく新越山荘に到着し転がり込む。「良かった、無事に避難できた。。」5時間しか歩いていないのに、3人ともにヨタヨタである。靴の中もパンツの中もグチョグチョだ。「山荘に宿泊しよう」もちろん全員一致で即決。身に着けているもの、ザックの中身、全てを乾燥室に放り込む。翌日には結構乾いた。新越山荘はとても清潔で居心地が良い。我パーティー以外の宿泊客は1名のみで、寝室は個室だ。団らん室のストーブ前を占領し、熱燗をちびりちびり。カトさんお手製カレーは乾燥野菜の甘みが凝縮して非常に美味。あ~、幸せ。飲みすぎちゃう。

 

8月11日 雨時々曇
6:05 新越山荘発 二重の虹とブロッケン現象 オコジョと遭遇
6:50 岩小屋沢岳
8:20 種池山荘
9:15 爺ヶ岳
10:10 冷池  本日宿泊予定のキレット小屋は飲料水無しの情報
11:30 布引山 日本猿と遭遇
12:30 鹿島槍ヶ岳  八ツ峰キレット
14:15 キレット小屋 谷口さんと合流

素泊まり6500円/人

台風のお陰で飲料水確保

 

小屋の朝食は贅沢で美味しい。皆ご飯と味噌汁をお替りして元気いっぱいだ(ちょっと二日酔い気味)。この日は朝からラッキーの連続。二重の虹やブロッケン現象を見たり、オコジョと挨拶したり、10匹程のサルとにらめっこしたり、雨の憂鬱を吹き飛ばしてくれた。鹿島槍ヶ岳を越えて八峰キレットへ。鎖が沢山設置してあるため、予想以上に安全である。キレット小屋ではグッチーさんが出迎えてくれた。ケッチボー!乾燥室や食事室、トイレなど、山荘主人のごとく案内してくれる。グッチーさんは長身のステキなロマンスグレー紳士なので「こんな山小屋の主人がいたら通っちゃうわ」なんてコッソリ妄想をしてしまった。夕食はカトさん特製のシチュー。乾燥野菜や乾燥ホタテの旨みギッシリで本当に美味しかった。アベさん持参のベーコンもこんがり焼いて贅沢だ。キレット小屋はテント場は無いので小屋泊まり。この小屋は通常は飲料水は提供しないのだが、台風の雨のお陰で無料で飲料水を貰うことが出来た。

 

8月12日 曇のち晴れ
5:25 キレット小屋発
7:00 北尾根の頭
9:15 五竜岳
10:05 五竜山荘 谷口さんとここで別れる
13:15 唐松山荘 トイレ遠く、キャンプ場としてはNGだが景色は良い。
濡れたテントを乾かす。

 

キレット小屋を後にして五竜岳へ向かう。岩稜帯が長く続くため苦労した。五竜岳山頂はなかなか近づいてくれない。しかし後ろを見ると、昨日雲の中にあった鹿島槍ヶ岳が全体像を堂々を見せ付けてくれた。こんなにカッコイイ稜線を歩いてきたのだと思うと苦しさも吹っ飛ぶ。五竜岳の山頂にようやく到着し、雲の中で記念撮影。の前にグッチーさんは一足先に五竜山荘へ。というのも、グッチーさんの登山靴の靴底が剥がれてしまったので山荘で修理をするためだ。本当は翌日も一緒に行動するはずだったグッチーさんは、残念ながらそれを理由に遠見尾根から下山した。3人は唐松山荘へ向かう。唐松キャンプ場は山荘から徒歩5分くらい離れているので不便だが、景色が最高。今までずっと曇り続きで景色は望めなかったのだが、なんと急に晴れてきた。剱岳を中心に北アルプスの峰々が浮き上がる。なんと美しいのか。。。3人はしばらくウットリ見とれていたのだった。その景色を眺めながら、タカタカ手作りの煮物を夕食のおかずにする。具材が高野豆腐やお麩である為、出来上がりは鍋中で茶色い物体が汁に浮き上がっている有様だったが、味は美味しい(と2人とも言ってくれた)。山では何でも美味しいのだ(勝手に言い訳)。お酒は少ないので早々に寝床に着く。

 

8月13日 晴れ
4:30 唐松山荘キャンプ場発
4:40 唐松岳 不帰のキレット
9:00 天狗の頭
9:40 天狗山荘
10:50 白馬鑓ヶ岳
11:50 杓子岳 コマクサの群落
13:00 白馬岳キャンプ場  角田隊と合流、キャンプ場は満杯

ジャガイモとシシトウ、お酒の差し入れが有難い

 

今朝は珍しく快晴。唐松岳山頂付近で日の出となる。剱岳を中心に北アルプスの峰々が神々しく浮き上がる。左手奥には槍ヶ岳が見えた。今回の山行行程の中でこの眺めが一番記憶に残っている。さあ、本日は今回山行のクライマックスである不帰剱に向かう。エアリアマップには危険マークが幾つかある(ドキドキ!)しかし通過してみると、しっかりした鎖が沢山設置されており距離も短く、予想したより簡単だった(ただし登る体勢は常にへっぴり腰!とほほ)。今までの悪天候により登山客が少なかったからか、行き交う人が少なく渋滞なしでスムーズに通過できた。今回山行の全工程において、針ノ木岳から唐松岳までは岩稜帯が続く男性的な荒々しい雰囲気だったが、この先の白馬岳より北部の山々は女性的でなだらかな印象。長距離縦走をすると、地域別に山の印象が違うことを体感できて面白い。天狗山荘を通過し、白馬三山へ向かう。白馬鑓ヶ岳と杓子岳は岩石がゴロゴロしたガレ場で植物が育たないようだ。そのため、杓子岳では貴重なコマクサの群生に会うことができた(コマクサは他植物が生育出来ない厳しい環境に生育する)。白馬岳頂上宿舎に到着し、テントを張る。白馬岳はアクセスが良く登りやすい山なので登山客が多い為、テント場は隙間が無いほど込み合っていた。ここでもケッチボー!角田さん、ママさん、大崎さんと合流。多くの差し入れを頂く。例えば、ママさん特製のキュウリの漬物や角田さん持参の生野菜で作るカレー。他にもお酒やハム等、流石体力のある角田さんは沢山の嗜好品を担ぎ上げてくれた。カレーを作る際、ジャガイモの皮を剥いていると、アベさん「皮を捨てるのは勿体無い!」ということで、ジャガイモ皮のソテーを急遽作ってくれた。バター風味で香ばしくてイケる!流石料理上手のアベさんだ。またもや飲みすぎ注意!

 

8月14日 曇時々晴れ
5:10 白馬岳キャンプ場発 角田隊と別れる
6:30 白馬岳  見事なお花畑
9:30 雪倉岳  雪倉岳下りでシゲさんと武蔵さんに遭遇

朝日小屋間近でカオリちゃんと交信。水場で体を洗う。

・14:15 朝日小屋キャンプ場  ロケーションGood

齋藤さん&カオリちゃんと合流
夜、テントのポールが折れて、応急処置。

 

何日間も山生活を続けていると朝の身支度が素早くなるもので、早々にテントを撤収。角田隊と別れ、3人で白馬岳へ向かう。とその前に、本日のコースタイムは約7時間で比較的短い為、白馬山荘の雰囲気の良いレストラン(とてもおススメ!)に立ち寄ることにした。小1時間ほど優雅にモーニングコーヒーを楽しむ大人の時間。この先もゆっくり進む。なぜなら、白馬岳から雪倉岳辺りで沢山の種類のお花が出迎えてくれたからだ。私達は何度も足を止めてお花達を観察した。お花といえばカトさん!いや失礼、カト先生と呼ばなければならない。先生は色々な種類の花の名前や特徴を教えてくれて、とても勉強になった。

雪倉岳を過ぎた辺りで、なんとサプライズのケッチボー!蓮華温泉へ向かう武蔵さんと佐藤さんだ。元気な大先輩とお会いするとこちらが励まされる。互いの無事を祈って握手を交わした。
朝日岳に近づくと、水が豊富になってくる。朝日小屋手前の水場で3人は頭と体を洗う。あ~!すごく気持ちイイ!だって約1週間ぶりの水浴だもの。ワカメの様な髪の毛がサラサラになり、野生的悪臭が薄くなり、身も心もリフレッシュ。
朝日小屋手前でまたまたケッチボー!本日朝日小屋で合流予定のカオちゃんとサイトーさんがわざわざ迎えに来てくれたのだ。2人はイブリ尾根から入山し、最終日まで行動を共にする。長丁場の縦走は体力的精神的に辛くなってくるが、2人の笑顔を見たら一気に元気が沸いてきた。夕食も豪勢で更に元気百倍。カオちゃん特製の牛鍋やサイトーさん持参のおでんやプリンやベーコン等、差し入れに感謝。
就寝後、事件が発生した。アベ隊が使用していたテントのポールが折れたのだ。ここで頼りになるのがアベさん。コッヘルの持ち手部分の針金をポールの中に通し、ポールの周りをテントのペグで補強し、テーピングで固定。スゴイ!素早く修理してくれて、とても助かった。

 

8月15日 曇のち雨
4:20 朝日小屋キャンプ場発
5:15 朝日岳
6:00 照葉池
8:00 黒岩平 野口隊から交信が入る
11:45 栂海小屋  昼から雨、夜半に雨風とも強くなる。

都岳連遭難対策委員の吉田夫妻と会う。

 

朝日岳から北部は環境が変化する。1つは日本海からの風が強くなるということ。特に「吹上のコル」では体がよろけるほどの暴風だった。他にも、湿地帯が広がり池塘が多く点在することが挙げられる。広範囲で木道が完備されて歩きやすいルートだった。
黒岩平付近で野口隊から無線交信が入る。本来は野口隊+稲垣隊と合流するはずだったが、我が隊が1日遅延した為に残念ながら合流ならず。お互いに無事であることを伝える。ケッチボー出来なくても、声が聞けるだけでも嬉しい。
栂海小屋に到着。この小屋は無人小屋だが、設備が良い。2階建てで部屋が幾つかに仕切られている。毛布が各人に2枚程度用意されており、夜は暖かく寝ることが出来る。我がパーティの他に5組程度のパーティがいた。昼ご飯はタカタカ手作りのちらし寿司、夜はサイトーさんのラーメン。この日は昼から雨が強く降り始め、夜中も雨風の音に悩まされた。明日が不安だ。

 

8月16日 雨
3:55 栂海小屋発
5:30 黄連の水場
8:00 白鳥小屋  雷雨に見舞われる。全身ずぶ濡れ
13:30 栂海新道登山口

親不知観光ホテルで入浴。
実家に帰省中の笹山さんからの差し入れが嬉しい。

 

昨夜の不安は的中。朝から雨だ。白鳥小屋辺りから豪雨になり、遠くで雷も鳴り響く。樹林帯の登山道は、まるで濁流の川となり、靴の中は泥水でぐちゃぐちゃ。全身ずぶ濡れで気分が滅入る。しかしゴールはもうすぐだ。展望の無い樹林帯の中、時折木々の隙間から日本海がチラリと見える。気持ちが高揚する。泥まみれになって最後の急な下りを懸命に進む。

目下に日本海が広がった。その瞬間、涙がでた。8日間3人で励まし合いながら一歩一歩懸命に進んだこと、ケッチボーで多くの仲間と元気を分け合ったこと、皆が無事に目標を達成できたこと、なんと幸せなことだろう!
下山後、登山口正面にある親不知観光ホテルで入浴。ホテル従業員に「湯船に入る前に体を洗ってください」と念を押される。臭いのは自覚しているが、言われると恥ずかしい。ホテルを出たところで、なんと最後のケッチボー!帰省中の笹山さんが富山名物の押し寿司や海鮮ちらし寿司を持って来てくれたのだ。改めて仲間の有難さを痛感した。

 

今回のような長期縦走は初めてだったので、山行前は非常に不安でした。実はどこでリタイア出来るか、エスケープルートを探していたくらいです。しかし悪天候の中でも何とか無事にゴールまで辿り着いたことは、カトさんのペース配分やアベリーダーの適切な判断、またお二人の優しいお心遣いのお陰です。また、ケッチボー出来た仲間達の励ましにも助けられました。皆様、誠にありがとうございました。また山にご一緒してください!

 

高野 賢子

 

 

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針ノ木~親不知 感想

 

雨に打たれた山行でした。

普通の夏山は、下山後風呂に入ると日焼けした肌がヒリヒリするものだが、今回はそれが無い。入山初日から台風11号に見舞われ、シュラフまで濡れ寒い夜を過ごした。
この歳になって、何を好んでこんなことをしているのだろうと思った。
雲の切れ間から時々顔を見せる剣岳の山容は心に響くものがある。
雨が上がって唐松岳キャンプ場で見た景色と心地よい風は、それまでの反動で余計に感動する。
自分で計画したのだが、8日間もの縦走は初めてだ。重荷を背負っての岩稜歩きに足元がおぼつかない。ちょっとバランスを崩し、立ち直すまでの時間が長い。
肉体の衰えをつくづく感じた。
こんな体力では冬山の岩稜歩きは、もう無理かな・・・と思う。
それでも、途中で合流してくれる仲間は本当に有難い。その都度鋭気をいただく。
齋藤さん、谷口さん、角田さん、福田さん、大崎さん、長谷川さん、笹山さん、このご恩はどこかでお返しできれば、と思います。
最後に山行を共にしてくださった賢ちゃん、カトさん、ありがとうございます。
お二人の工夫を凝らした料理は感動ものでした。

阿部

 

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北アルプス後立山連峰縦走感想

加藤秀夫

7月の南アルプス全山縦走(7/18-7/31光岳~甲斐駒ケ岳・鋸岳)に続いて後立山連峰縦走(8/8-8/16針ノ木岳~親不知)に参加させていただいた。このルートは以前から興味があり一度は歩いてみたいと思っていた。60周年記念山行「日本アルプス縦断」企画のお蔭で念願がかなった。企画をしていただいた阿部代表ほか関係者に感謝したい。本山行に同行していただいた阿部リーダー、高野貴さんには老体を気遣いいただきながらの山行でお二人なくしては成しえなかったことと心から感謝したい。また、縦走途中でケッチボーした谷口、角田、福田、大崎、齋藤、長谷川(齋藤、長谷川両氏は日程変更までしていただき合流)の諸氏には食糧、料理、酒などを振舞っていただき有難かったがそれ以上に同じ仲間に高山で会えたことで新鮮な気持ちになり新たな意欲を奮い立たせてくれたことが完登できたと思う。更に、下山地の親不知に駆けつけていただきチラシ寿司などの差し入れを頂いた笹山さんにも感謝したい。また、8/14稲垣隊と別れた永久会員の武蔵氏とOBの佐藤先輩に雪倉岳付近で遭遇したことは嬉しかった。唯一残念なことは台風の影響で稲垣隊と1日遅れで合流できなかったことだ。長期縦走中ピンポイントで合流することは難しい。

スタート時の台風と後半の停滞前線の影響で雨に始まり雨で終わった山行だった。しかし、中間の鹿島槍、五竜、白馬、雪倉などは展望がよく剱を見ながらまた花を愛でながら気持ちよく歩けた。花の名前は相変わらずわからない。チングルマ、ハクサンイチゲ、キンポウゲ、キンバイが分かる程度で進歩がない。三国堺を左に折れたガレ斜面一杯のコマクサの花畑は嬉しかった。

8/14晴天となった朝日小屋手前の沢で6日ぶりに体を洗いシャツを洗濯する。長期縦走ではこのことが一番の楽しみかもしれない。

最終日8/16栂海小屋からの登山道は雷雨のため小川と化し水の中のジャブジャブ歩きと泥道歩きを強いられたことも終わった後では稀有な経験として思い出深い。

お盆のこの時期の悪天候で北アルプスは数人の遭難が報道された。私たちが無事下山できたことは阿部リーダーの適切な判断があったからこそと改めて感謝したい。

’07年64歳、52期として北稜に入会し登山を始め今年9月で丸7年になる。北稜の皆様のお蔭で多くの山を経験させていただいた。日本アルプスで言えば残すところ北アルプスの表銀座、三俣蓮華岳~針ノ木岳、焼岳、中央アルプス全山、御嶽山、乗鞍岳とまだ沢山残っている。高齢者保険証をもらっている身ではそう時間がない。歩けるうちに残された日本アルプスの山々に登ってみたい。

 

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費用

西大宮⇔信濃大町 高速代:8200円 燃料代:8400円
信濃大町→扇沢 タクシー:6300
親不知→信濃大町(齋藤車):1200円/人
針ノ木キャンプ場:500円/人
新越山荘(1泊+朝食):8400円/人 水&ビール1缶サービス
冷池 飲料水 :150円/L
キレット小屋(素泊まり):6500円/人 通常水無
唐松山荘キャンプ場:900円/人 飲料水はペットボトル買い
白馬キャンプ場:1000円/人
朝日小屋キャンプ場:700円/人
栂海小屋:寸志
親不知観光ホテル入浴料:750円/人

 

ビール代、飲食代を除くと 約28000円/人 になります。

 

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食糧詳細

8/9  朝 各自         夜 カツ丼
8/10 朝 トマトパスタ     夜 カレー(加藤さん担当)
8/11 朝 山荘の朝食      夜 シチュー(加藤さん担当)
8/12 朝 キノコクリームパスタ 夜 高野豆腐の煮物
8/13 朝 ラーメン       夜 角田隊特製カレーおすそ分け
8/14 朝 卵雑炊        夜 トマトスパゲティ(加藤さん担当)
8/15 朝 ラーメン       夜 ちらし寿司とラーメン
8/16 朝 マーボー春雨丼

 

軽さを重視し、全てのメニューに乾燥物を使った(カツ丼は除く)。
加藤さん特製のカレーとシチューには乾燥ホタテや手作り乾燥野菜を使用。
高野豆腐煮物の材料は、仙台麩・高野豆腐・乾燥椎茸・乾燥エビ・乾燥ごぼう。
ちらし寿司の具材は、乾燥「きんぴらの具」を煮〆たもの・錦糸卵(常温保存)・のり等。
3日間夕食は加藤さん担当。それ以外の全ては高野が担当したが、食糧の重さは全く負担にならず、軽量化に成功したと思う。味も阿部総料理長に合格点もらいました^^

 

 

以上